5208 有沢製 2020-05-14 18:00:00
株主提案権行使に係る書面の受領及び当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]
2020 年 5 月 14 日
各 位
会 社 名 株式会社 有沢製作所
代表者名 代表取締役社長 有沢 悠太
(コード番号:5208 東証第一部)
問合せ先 上席執行役員経営企画部担当 増田 竹史
(TEL:025-524-7101)
株主提案権行使に係る書面の受領及び当社取締役会意見に関するお知らせ
当社は、2020 年 6 月 25 日開催予定の第 72 回定時株主総会における議案について、株主提案権行使に
係る書面を受領しておりましたが、2020 年 5 月 14 日開催の取締役会において、本株主提案に関する当
社取締役会の意見を決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1. 提案株主
株主名 : INTERTRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP
及び 株式会社ストラテジックキャピタル
2. 株主提案の内容
1)議題
(1)買収防衛策の廃止に係る定款変更の件
(2)資本コストの開示に係る定款変更の件
(3)当会社の定款における目的のうち有価証券の保有及び運用を削除する件
(4)政策保有株式の売却に係る定款変更の件
2)議題の内容及び提案理由
別紙「株主提案の議題の内容及び提案理由」に記載のとおりです。
提案株主様の本株主提案に係る書面の該当部分を原文のまま掲載しております。
3. 当社取締役会の意見
1)議題3.当会社の定款における目的のうち有価証券の保有及び運用を削除する件
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本提案に反対いたします。
(2)理由
当社取締役会としては、本提案内容のような定款の定めは、当社の投資戦略の足枷となり、当社が
企業価値の向上を目指すうえでの妨げになり得るものと考えております。
当社は 2020 年 3 月末現在、貸借対照表計上額で、取引価格のある債券 116 億 89 百万円、上場株
式 18 億 38 百万円、上場投資信託 14 億 70 百万円及び非連結子会社・関連会社株式 3 億 62 百万
円を含む 157 億 65 百万円の有価証券を保有しております。このうち、約 117 億円の債券に関しまして
は、2011 年 5 月及び 2014 年 5 月に売却完了した海外の関連会社 2 社の株式売却代金 109 百万ド
ルが原資となっており、海外における戦略投資に充当すべく保有し続けてまいりました。運用に際して
は有価証券運用実施基準を制定し、投資適格の銘柄に限定した上で、1 件 2 億円以上の売買に関し
ては取締役会の承認を得た上で実行しており、2011 年 5 月の運用開始以来約 9 年間の累計で 30 億
87 百万円の運用益を計上しております。また、運用状況について定期的に取締役会へ報告しており
ます。
なお、現在策定中の中期経営計画においては、既存事業とのシナジーを最大限に発揮するとともに
高い資本収益性を有する新規事業(投資対象と言います)に充当する戦略資金と位置付けております。
特に新規事業への投資においては、その事業の将来性と既存事業との相乗効果を検証したうえで、
本格的な投資に舵を切るような戦略も一つの選択として検討してゆく所存です。このような過程では、
戦略資金の運用として「有価証券の保有」が必須となります。
従いまして、投資対象に充当するまでの間の資金の運用の手段を定款において制限することは、企
業活動において適切ではなく、今後中期経営計画における目標の達成を追求する中で債券運用を
含めた多様な資金運用手段を可能にすべきものと判断いたします。
よって、取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
2)議題4.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本提案に反対いたします。
(2)理由
当社取締役会としては、本提案内容が会社の根本規則である定款に記載するのになじまない性質
の事項であり、本提案内容のような定款の定めをおくことは、当社の発展を妨げ得るものと考えており
ます。
当社は、取引先との安定的・長期的な取引関係の構築、業務提携、または協働ビジネス展開の円滑
化及び強化等の観点から、当社の中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合、当該取引先
等の株式等を取得し保有しております。これら政策保有株式については、期末の取締役会において、
保有する上での中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点からの保有
-2-
効果について個別に検証し、保有効果が不十分であると判断される銘柄について売却することとして
おります。
ご指摘の銘柄を含む 16 銘柄について、2019 年 3 月 26 日の取締役会によって保有効果の検証を行
い、4 銘柄について 2020 年 3 月期中に売却をしております。この結果、2019 年 3 月末において 16 銘
柄保有していた上場株式は 2020 年 3 月末において 12 銘柄となりました。今後も引続き、企業価値及
び株主の皆様の利益の向上に貢献すべく、保有効果の検証を行い、中長期的な企業価値の向上を
図るとともに、これらの保有効果及び売却に関する方針の説明を通じ、取引先等の株式等の取得、売
却について株主の皆様のご理解を得るべく、努めてまいります。
従いまして、第 73 期(2021 年 3 月期)中に全ての銘柄を売却することを定めることは、当社の安定
的・長期的な取引関係の維持・構築、業務提携、協働ビジネス展開の円滑化及び強化といった保有
効果が高く当社の企業価値の向上に貢献している政策保有株式の売却を強制することになり、取引
先、業務提携先その他ビジネスパートナーとの関係にマイナスの影響を及ぼしかねません。すなわち、
かかる定款変更は、当社の中長期的な発展の可能性を狭める効果が生じうることから、当社の企業価
値をむしろ損なう恐れがあるものと考えます。
よって、取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
3)議題2.資本コストの開示に係る定款変更の件
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本提案に反対いたします。
(2)理由
当社取締役会としては、本提案内容にかかる資本コストの開示自体は、会社の根本規則である定款
に記載するのになじまない性質の事項であると考えております。しかしながら、本提案の内容につきま
しては、株主の皆様から当社に対する、情報開示に関する貴重な意見として承ります。
資本コストが、企業の競争力を示す指標の一つであること、経営側におけるその的確な把握が必要
であることは、当社としても十分に理解しているところです。しかしながら、当該コーポレートガバナン
ス・コードは、加重平均資本コストの数値そのものを開示することを求めているものではありません。当
社は現在、中期経営計画を策定し、適切な情報開示を志向する重要な局面にあると考えており、今後
も一層の成長を目指す中で、当社の競争力を示す重要な情報である資本コストを、競合他社が一般
に閲覧可能とする状況におくことは、企業価値の毀損、ひいては、株主の皆様の共同利益の低下をも
たらすおそれがあるものと危惧するものです。具体的には、オークション方式の案件において、競
合他社が当社の資本コストを調査し、当社の入札価格を予測した上で入札に参加することで、
当社の落札が不可能になるといった不利益が生じることが想定されます。
当社は明治 42 年の創業以来、一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取
り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、良好な労使関係のもと、投資による資本調
達を含め、あらゆる手段で企業価値の向上に努めてまいりました。当社はこの歴史と蓄積された技術
を育み続け、健全な存続と持続的な成長を実現し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
具体的には、既存事業の収益基盤を維持・拡大するために、生産能力の向上及び拡大、並びにユー
ザーニーズを先取りした新製品開発に投資する他、既存事業とのシナジーを最大限に発揮するととも
に高い資本収益性を有する新規事業への戦略投資を実施する所存です。
なお、当社は現在上記の通り中期経営計画を策定中であり、今後、当社の加重平均資本コストの的
-3-
確な把握に基づき、収益力並びに資本効率等に関する目標値を設定してまいります。ただし、資本コ
ストそれ自体の実際の数値を都度公開することが、今後の経営戦略に悪影響を及ぼすおそれも否定
し難く、その定期的な公開等に関して定款に一律の定めを置くことは必ずしも株主の皆様の利益に資
するものではないと考える次第です。
従いまして、加重平均資本コストの開示だけを定款において一律に定めるべきものではなく、中長期
計画の発表時を含め、当社の状況に応じた適宜の時期に、あらゆる経営指標の開示の要否に関し取
締役会にて当社の競争力を毀損しない形での開示を決定すべきものと思料いたします。
よって、取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
4)議題1.買収防衛策の廃止に係る定款変更の件
(1)当社取締役会の意見
第2号議案 買収防衛策に関する定款変更の件として株主総会に上程いたします。
(2)理由
当社取締役会は、2019 年 5 月 30 日の取締役会において買収防衛策を非継続とすることを決議し、
それ以降、企業価値の毀損につながる不適切な買収等に対する新たな手立てを含め、当社の企業価
値及び株主共同の利益向上のための方策に関し、検討を重ねて参りました。今後は、企業価値の最
大化に従来以上に努めるとともに、収益力及び資本効率の向上を掲げる中期経営計画の策定に着手
し、経営判断過程の一層の透明化を図ることにより、企業価値を毀損する買付け行為に対抗する方針
です。このような取締役会決議及び方針の策定に伴い、本株主総会に買収防衛策に関する定款変更
の議案を上程することに決定いたしました。
以上
-4-
別紙「株主提案の議題の内容及び提案理由」
提案株主様の本株主提案に係る書面の該当部分を原文のまま掲載しております。
第1 提案する議題
1.買収防衛策の廃止に係る定款変更の件
2.資本コストの開示に係る定款変更の件
3.当会社の定款における目的のうち有価証券の保有及び運用を削除する件
4.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
第2 提案の内容
1.買収防衛策の廃止に係る定款変更の件
現行の定款の第 7 章を削除する。
2.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、前記1.の提案が可決された場合のものを記載していることから、こ
れが否決された場合は適宜修正する。
第7章 資本コスト
(資本コストの開示)
第 41 条 当会社は、当会社が金融商品取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書
(以下、「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1ヵ月以内において当会社が把握
する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。
3.当会社の定款における目的のうち有価証券の保有及び運用を削除する件
現行の定款第 2 条(6)を削除し、(7)以下の番号を1つずつ繰り上げる。そして、本変更の実施期日に
関する附則を新設する。
附則
(実施期日)
第 1 条 本定款の第 2 条(6)の変更は、第 73 回定時株主総会の議決権の基準日を効力発生日とし、
本条は、同日を以て削除する。
4.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、前記1.及び2.の提案がいずれも可決された場合のものを記載して
いることから、いずれかが否決された場合は適宜修正する。
第 8 章 政策保有株式
(政策保有株式の売却)
第 42 条 当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的以外の目的で保有し
ている上場株式は、第 73 期中に、速やかに売却するものとする。
-5-
第3 提案の理由
1.買収防衛策の廃止に係る定款変更の件
当社の買収防衛策は、昨年 5 月 30 日の取締役会決議で非継続が決定された。しかし、当社は、昨
年の株主総会において買収防衛策の廃止に係る定款変更を提案せず、当社の定款には買収防衛策
の規定が残ったままとなっており、取締役会における非継続の決定と明らかな齟齬があるため、これを
削除するものである。
2.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を大きく下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益
率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」(以下、「コード」とい
う。)において、「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握し
た上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を
提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を
含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理
で明確に説明を行うべきである」として、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めてい
る(コードの「原則 5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」)。当社経営陣においても、当社の株主資
本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証
することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経
営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開
示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
3.当会社の定款における目的のうち有価証券の保有及び運用を削除する件
本件は、当社が 1 年以内に保有する全ての投資目的の有価証券を売却することを諮るものである。
当社は、純投資目的の株式は保有していないと開示しているが、株式以外では、2019 年 3 月末現在、
貸借対照表計上額で 118 億円の債券を含め 150 億円を超える有価証券(流動資産として計上されて
いる有価証券を含む。)を保有している。当社が定款において当社の事業目的として「有価証券の保
有及び運用」を掲げていることからすると、これらの有価証券は、投資対象として保有及び運用がなさ
れているものと推測される。
そもそも当社の株主は、債券などの有価証券投資による利益ではなく、当社の本業での利益拡大に
期待して当社の株式を保有しているのであって、当社が投資目的で債券を保有し、そのリスクを負担
することは許容していないというべきである。
当社の定款上の目的から「有価証券の保有及び運用」を削除し、有価証券を投資対象として保有及
び運用することが事業目的に含まれないことを明確化するべきである。そして、附則に記載の通り、有
価証券を 1 年以内に全て売却し、4.の売却代金とともに当社の株主価値向上のために使うべきであ
る。
4.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
当社は、貸借対照表計上額で 26 億 76 百万円となる 16 銘柄の政策保有株式を保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の保有目的は「取引関係維持、強化」とされている
が、「定量的な保有効果は記載が困難」として、保有によりどの程度の取引実績やリターンがあるのか
-6-
といった具体的な保有効果は開示されていない。そもそも、株式を保有していると何故に取引が維持・
強化できるのか、その因果関係は全く説明されておらず理解できないものである。
また、コート゛の「原則 1-4.政策保有株式」は、「政策保有株式の縮減に関する方針・考え方」の開示
を求めているところ、当社の本年 2 月 6 日付のCG報告書には「2019 年 3 月時点において(略)保有す
る意義が認められなかったと判断された 4 銘柄を売却いたしました」と削減の方針を示したかのごとき
記載がある。しかしながら、実際には 2019 年 3 月期に 5 億 41 百万円もの投資を 1 銘柄の政策保有
株式に対して行っており、当社において「政策保有株式の削減に関する方針」が存在するか大変疑問
である。
上記提案の詳細な説明は、2020 年 6 月 1 日以降、
https://proposal-for-arisawa-from-sc-2020.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームペ
ージ右上の特設サイトリンク https://stracap.jp/を参照されたい。
以上
-7-