5201 AGC 2020-02-05 15:00:00
中期経営計画の進捗状況と更なる成長に向けた取り組みについて [pdf]
2020 年 2 月 5 日
各 位
会 社 名 AGC 株式会社
代表者名 代表取締役社長執行役員 島村琢哉
(コード番号 5201 東証第1部)
問合せ先 広報・IR部長 玉城和美
(TEL.03-3218-5603)
中期経営計画の進捗状況と更なる成長に向けた取り組みについて
AGC株式会社(本社:東京、社長:島村琢哉)は、2018 年 2 月に策定した中期経営計画 AGC
plus-2020 の進捗状況および更なる成長に向けた取り組みについて、以下の通りお知らせいた
します。
1.中期経営計画 AGC plus-2020 の進捗状況
当社は「2025 年のありたい姿」とその実現のための長期経営戦略を以下の通り定めています。
“2025年のありたい姿“ (2016 年策定)
2018 年~2020 年までの 3 か年を「2025 年のありたい姿 実現のための礎を築く期間」と位置付
け、2018 年 2 月に AGC plus-2020 を策定し、主要課題を以下の通り定めました。
AGC plus-2020 の主要課題
市況変動に強い高付加価値事業を伸ばす
戦略事業の成長戦略を推進する
成長地域・勝てる地域へ経営資源を集中する
戦略的なM&Aにより持続的成長を図る
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中期経営計画 AGC plus-2020 の 2 年目にあたる 2019 年は、世界的な景気減速の影響を受け
たものの、各部門で主要課題に則した事業運営を行った結果、売上高は 1 兆 5,180 億円と前年度
1 兆 5,229 億円に対してほぼ横ばいとなりました。営業利益は製品市況の悪化や生産トラブルの
影響などにより、1,016 億円と前年度 1,206 億円に対して減益となりましたが、戦略事業は順調
に拡大しています。一方、北米自動車用ガラス事業における減損損失計上などに伴い、その他収
支が悪化したことにより、親会社の所有者に帰属する当期純利益は 444 億円と前年度 896 億円に
対して減益となり、ROE は 3.9%と前年度 7.7%から悪化しました。
また将来の成長に向け、自動車用ガラスアンテナ開発拠点の新設(欧州)や大型・複雑形状の
車載用カバーガラス製造拠点の新設(中国)、EUV 露光用フォトマスクブランクス供給体制の増
強(日本)バイオ医薬品生産能力の増強
、 (米国、欧州)等の投資および、
米国 Taconic 社の Advanced
Dielectric 部門グローバルオペレーションの買収を決定・実施しました。
中期経営計画 AGC plus-2020 の最終年度となる 2020 年は、世界的な景気減速の影響などに
より、営業利益および ROE は当初目標に対して未達となりますが、D/E 比率 0.5 以下を維持しな
がら積極的な投資を実施したことにより、戦略事業は引き続き成長する見込みです。またこれま
でに実施した投資の効果発現などにより増益基調に戻すともに、引き続き将来の成長実現のため
の投資を積極的に行います。
2020 年 2025 年目標
当初目標 見込
営業利益 1,600 億円以上 1,200 億円 2,292 億円以上
(過去最高益更新)
ROE 8%以上 6.0% 10%以上
戦略事業
25%以上 29% 40%以上
利益貢献比率
D/E 0.5 以下 0.5 以下 0.5 以下
事業 主な投資(利益発現見込時期)
セグメント
ガラス 【建築用ガラス】
・欧州の設備改修による生産性、燃費向上(2020 年)
・ブラジル新窯建設(2020 年)
【自動車用ガラス】
・中国車載用カバーガラス新拠点建設(2022 年)
電子 【ディスプレイ】
・中国G11 サイズ能力増強(2020 年)
【電子部材】
・日本 EUV 露光用フォトマスクブランクス能力増強
(2019 年以降順次増強)
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化学品 【基礎化学品】
・インドネシア塩化ビニル樹脂能力増強(2021 年)
・タイ電解能力増強(2022 年)
【フッ素化学品】
・日本フッ素製品能力増強(2021 年)
【ライフサイエンス】
・日本 GMP 対応合成医薬品能力増強(2020 年)
・米国バイオ医薬品能力増強(2020 年)
当社は経営財務目標の1つに ROE を掲げていますが、各事業の運営にあたっては ROCE(営業資
産利益率)および EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を経営指標として使用していま
す。ROE の目標である 8.0%達成には全社 ROCE として概ね 10.0%の達成が必要で、この実現に向け
建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業やディスプレイ用ガラス事業などについては、収益性お
よび資産効率の改善に努めています。また電子部材事業やライフサイエンス、クロールアルカ
リ・ウレタン、フッ素・スペシャリティなど化学品事業については、現状の高い資産効率を維持・
向上させつつ、積極的な投資により事業規模を拡大し、収益の拡大を目指します。
株主還元方針については、「現在の1株あたり年間配当額以上の継続を基本に、自社株取得を
含めた連結総還元性向 50%以上を継続する」ことを掲げています。この方針に基づき、2017 年
より 4 期連続増配を予定、2017 年および 2018 年に自己株式取得を実施しています。
また政策保有株式売却により得たキャッシュを、戦略事業への積極投資や株主還元に充当して
います。
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2.「2025 年のありたい姿」の実現に向けた取り組み
AGCグループは「2025 年のありたい姿」として、「コア事業が確固たる収益基盤となり、戦
略事業が成長エンジンとして一層の収益拡大を牽引する、高収益のグローバルな優良素材メーカ
ー」を目指しています。
コア事業および戦略事業における主な取り組みは以下の通りです。
【コア事業】
建築用ガラス 国内建築用ガラス市場の縮小に対応するため、セントラル硝子㈱と事業
統合の検討を開始(2020 年末の事業統合を目指す)
自動車用ガラス 各地域の状況に応じ、高機能製品への対応と生産効率改善を実施
【日本】
生産効率の改善やコスト削減を進め、高機能製品を拡販
【アジア】
需要変動に応じた柔軟な稼働体制を継続
【欧州】
需要動向を見極めて新設備へシフトすることで、高機能製品への対応と
生産効率を改善
【北米】
シェア拡大は狙わず、生産設備の合理化やコスト削減などの構造改善を
実施
ディスプレイ 中国でのG11 サイズ需要増加に対し、素板製造設備は増やさずに研磨能
力増強で対応
基礎化学品 今後も堅調な需要増が見込め、域内生産能力が不足する東南アジアにお
いて積極的に能力を増強
フッ素化学品 半導体・次世代高速通信・輸送機器分野などでの需要増に対応し、原料
を含む様々な製品群で段階的に設備能力を増強
【戦略事業】
モビリティ 各種交通システムを取り巻く環境・インフラの変化を機会と捉え、車載
ディスプレイ用カバーガラスの採用拡大に対応し、大型・複雑形状のカ
バーガラス生産拠点を中国に新設(量産開始:2022 年)
エレクトロニクス IoT の進展や半導体の高度化に伴う半導体市場の拡大に対応し、ハイエ
ンド消耗材を中心に売り上げを拡大
今後さらに市場が伸長する EUV マスクブランクスの売上を拡大
(2025 年目標:売上高 400 億円以上・シェア 50%)
プリント基板材料である CCL (銅張積層板) やガラスアンテナなど、様々
な次世代高速通信関連の事業基盤の拡大
ライフサイエンス 買収や積極的な能力増強により、市場成長率を上回る高い成長を目指す
当初目標の 2025 年売上高 1,000 億円は前倒しで達成する見込み
以上に掲げた施策の実行により、中期経営計画 AGC plus-2020 の目標に掲げた、戦略事業の
一層の収益拡大を目指します。
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戦略事業の売上高推移
AGCグループは、持続的成長により「2025 年のありたい姿」を実現し、全てのステークホル
ダーに価値をプラスします。
以 上
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