5162 J-朝日ラバー 2020-04-23 15:00:00
第13次三ヵ年中期経営計画の策定について [pdf]
2020 年4月 23 日
各 位
会 社 名 株式会社 朝日ラバー
代表者の役職名 代表取締役社長 渡邉 陽一郎
( JASDAQ コ ード番号 5162)
問 い合わせ先 管理本部長 堀 信幸
T E L 048-650-6051
第 13 次三ヵ年中期経営計画の策定について
当社は、2021 年3月期を初年度とする三ヵ年の「第 13 次三カ年中期経営計画」(2020 年4月~2023
年3月)を策定いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
記
Ⅰ.前中期経営計画(2017 年4月~2020 年3月)の振り返りと当社を取り巻く環境
2017 年4月~2020 年3月までの前中期経営計画では、経営方針として、①ゴム技術・コア技術・製
品力を成長させる、➁経営基盤を磨き成長を加速する、を掲げて、車載照明、医療・ライフサイエンス、
その他の事業分野で社会に貢献する企業を目指して取り組んでまいりました。定量目標のうち、連結売
上高 70~80 億円は達成、連結営業利益率8%は未達成となる見通しです。
コア技術基盤を育て各事業分野が貢献できる範囲は、国内外に存在するお客様への密着・集客活動を
もって着実に広がりつつあります。また弾性無限への挑戦をスローガンに、従来に無い新たな製品を生
み出す事業基盤の創出はオープンイノベーションを受け入れ共創思考で可能となりました。一方、新た
な貿易摩擦を生み出すほどのグローバル競争や、「モノ」と「コト」の融合が進む事業環境は、従来製
品のコモディティ化を早めるばかりでなく、求める未来を創造する新規提案を強く要望されます。常に
私たちの行動は、事業範囲を確保するための保守思考を受け入れながらも、もっと大きな視点で取り組
めるようになっていかなければならないと考えております。
当社を取り巻く社会環境は、「会社は社会のためにある」こと、また、「持続的に社会の責任を果た
して貢献できる企業であり続けている」
ことを強く求め、
常に存在価値を試される場に変化しています。
地球環境・労働環境・企業統治環境などを代表とする多くの課題にしっかりと向き合い、朝日ラバーグ
ループが果たすべき役割を認識して価値を磨き鍛えること。そしてステークホルダーとの対話を繰り返
し深めながら、継続的に発展させていくことが求められています。
Ⅱ.長期ビジョン
このたびの中期経営計画を策定するにあたり、「私たちは人を豊かにしてグローバル社会貢献度が
高い技術会社になる」ことを未来に通ずる姿とし、朝日ラバーらしい価値を磨き、独自の新製品開発
による成長を描くため、2030 年を見据えたビジョンを「AR-2030VISION」として定め、経営基盤、
技術基盤、事業基盤を成長させてまいります。
AR-2030VISION
弾性無限の創造で持続的な価値向上がつながる社会に貢献する企業へと成長し続ける。
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【経営基盤】
SDGs/ESG 経営へ -グローバルな社会課題に挑戦する企業へと邁進します-
ゴムという弾性体には無限の可能性があり、その可能性をさらに追求していくことで未来に臨みま
す。そしてその未来の世代に笑顔あふれる社会をつなぐ役割の中で、どんな時でも真摯な心持ちで社
会と向き合い、当社を取巻くあらゆるステークホルダーと多くの感動や共感が得られる行動を積み重
ねて、当社に期待したい、また当社と触れ合って良かったと感じていただけるように、朝日ラバーら
しい価値を高め続けて持続可能な社会に貢献する企業として成長し続けてまいります。
当社は「朝日ラバーらしさ」に通ずる源泉として「誠実であること、機敏な対応力で貢献すること」
が最も基礎となる強みであると認識しています。これを継続して磨き、成長させていくことの行動指
針は、「ステークホルダー・エンゲージメントを高めること」としました。当社で働く従業員、お取
引先様、地域社会そして株主のみなさまなど当社に関わる利害関係者のみなさまとの対話を進めてま
いります。そして、持続可能な社会への貢献を宣言する「サステイナビリティビジョン 2030」 2020
を
年内に策定し公表いたします。
【技術基盤】
制御&感性へ -ゴムが有する無限の可能性に感性技術を加えて QOL 向上を目指します-
独自の競争力の源泉となるコア技術は、色と光のコントロール技術、素材変性技術、表面改質およ
びマイクロ加工技術としております。それらコア技術に対して新たに感性技術を融合させ、現実世界・
サイバー空間がシームレスにつながる世界において、それぞれの事業分野における「人と機械(シス
テム)のつながり」を成長の視点と捉え、新たな価値の創造をもって社会課題の解決に挑みます。
【事業基盤】
重点 4 事業分野へ -事業価値を高め続けて 10 年後にありたい姿の実現を目指します-
これまでの重点 3 事業分野(車載・照明事業、医療・ライフサイエンス事業、その他事業)につい
て社会が求める 2030 年の環境から見つめ直すとともに、将来に「実装化」が想定されるテクノロジ
ーを見通しながら、光学事業、医療・ライフサイエンス事業、機能事業、通信事業の重点 4 事業分野
に集中して 10 年後にありたい姿の実現を目指します。
Ⅲ.第 13 次中期経営計画
1.中期経営方針
誠実で機敏な対応力で岩盤を築き質的に成長する。
AR-2030VISION の実現に向けて、最初のステージの 2023 年 3 月期までの 2020 年4月~2023
年3月を第 13 次中期三ヵ年として、中期計画および単年度計画を策定して進めてまいります。
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2.中期経営戦略
・事業が貢献する機会を増やして密着し、素早く課題を解決する技術で経験と実績を積み上げる。
・CSR/ESG 経営へ進化させる。
当社の強みである「朝日ラバーらしさ」を継続して磨き、成長させていく上で、「求められる期
待」に素早く応えて「多くの信頼」が得られる行動やステークホルダーとの絆を強くする活発な行
動を実践し、繰り返し経験と実績を積み上げながらグローバルな経済環境のもとで持続的な成長を
果たしていくために質的な成長を目指します。
また、お客様の満足を高める事業展開を推進するための技術開発や意思決定を進めるにあたり、
環境と社会に貢献することを基礎として、想定されるリスクをコントロールしてマネジメントサイ
クルを継続的に発展させてまいります。
3.連結経営目標
(1)連結業績目標
2023 年3月期目標
連結売上高 80~90 億円(2020 年3月期予測 74.2 億円)
連結営業利益率 8%以上
当社事業は自動車関連や医療関連をはじめ、独自の技術を用いて社会に貢献できる市場を常に開
拓しています。また、その範囲は国内だけでなく海外にも広がっており、将来の環境の変化の先行
きを見通すことが難しくなっています。そのため、連結売上高に関する目標数値は 80~90 億円と、
環境の変化による影響を考慮しながら成長を続ける目標を定めました。
利益指標については、売上高に影響を及ぼす市場環境の変化に対応しながらも、質的成長を目指
すことから、連結営業利益率を目標指標といたしました。
(2)連結設備投資計画
約 10 億円(2021 年 3 月期~2023 年3月期累計計画)
2020 年 3 月期までに主要製品である「ASA COLOR LED」、RFID タグ用ゴム製品、医療用ゴ
ム製品への設備投資や環境整備を先行的に進めてまいりました。これからの三年間では、これらの
生産体制充実と、さらに新製品・開発製品に注力し、案件を早期に立ち上げるための開発投資も進
めてまいります。
4.重点事業分野の取り組み
重点事業分野を4つに分け、それぞれの製品群を成長させるコア技術、工場の役割を整理し、こ
れまでに整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを進めてまいります。
事業展開を進めるうえで、独自の競争力の源泉となるコア技術である「色と光のコントロール技
術」「素材変性技術」「表面改質およびマイクロ加工技術」に、それぞれの事業分野の成長のキー
ワードとなる視点を加えて、さらに進化させてまいります。
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(1)光学事業
「感性、共感」をキーワードに、色と光を制御する技術と感性技術を磨き、自動車の内装照明市
場から外装照明、またアンビエント照明※に向けた技術開発と提案を進めます。海外の顧客へのアプ
ローチをさらに進めていくため、自動車産業向けの品質マネジメントシステムである IATF16949
の認証を白河工場で 2020 年 12 月に取得する予定です。
コア技術 色と光のコントロール技術
主要製品 ASA COLOR LED(キャップ付き LED)、シリコーン製レンズ、白色シリコー
ンインキ、カラーフィルター、蛍光体応用製品など
売上計画 約 40 億円(2020 年 3 月期見込 約 35 億円)
工 場 白河工場
※アンビエント照明とは、室内の環境照明、または全般照明の総称。
(2)医療・ライフサイエンス事業
診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨き、世界の
医療現場と患者の QOL(Quality of Life)向上に貢献します。また、医療機器産業に向けた提案力
を高めるため、医療機器の品質管理システム構築のための国際標準規格である ISO13485 の認証に
ついて、白河第二工場においてこの中期経営計画中の取得を目指します。
コア技術 素材変性技術・表面改質およびマイクロ加工技術
主要製品 薬液混注用ゴム栓、 AR
プレフィルドシリンジ用ガスケット、 超薄膜シリコーンシ
ート、AR チェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど
売上規模 約 15 億円(2020 年 3 月期見込 約 12 億円)
工 場 第二福島工場、白河第二工場
(3)機能事業
ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術と触覚・熱・振
動・光関連の技術、感性技術を磨き、将来のライフスタイルの実現への貢献に向けて、弾性無限で
人に優しい感性価値を提供します。
コア技術 素材変性技術・表面改質およびマイクロ加工技術
主要製品 車載スイッチ用ラバー、感圧ラバーセンサ、F-TEM※、卓球ラケット用ラバー、気
流制御電極開発
売上規模 約 21 億円(2020 年 3 月期見込 約 18 億円)
工 場 福島工場、東莞工場(東莞朝日精密橡膠制品有限公司)
※F-TEM(Flexible Thermos Electric Module)とは、ゴムならではの柔軟性を持った当社独自のペルチェデバイス
です。
(4)通信事業
自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、伝える・伝わるセンシング技術、触覚・
熱・振動・光関連の技術、感性技術を磨き、ゴムだからこそ実現できる価値を提供します。
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コア技術 素材変性技術・表面改質およびマイクロ加工技術
主要製品 RFID タグ用ゴム製品、ビーコン、コネクタ、伸縮配線、ラバーファントムなど
売上規模 約 12 億円(2020 年 3 月期見込 約 9 億円)
工 場 福島工場、白河第二工場、東莞工場(東莞朝日精密橡膠制品有限公司)
5.海外展開
当社グループは、お客様のご要望に応えるため最適なロケーションとして、アメリカと中国に販売
子会社と生産子会社を設置しております。
重点事業分野に向けて当社の価値をこれまでよりも広く知っていただくため、積極的に海外市場へ
のアプローチを進めて、価格競争ではなく、お客様に密着した活動により独自の価値を提供して、顧
客満足度向上で販売拡大につなげてまいります。また、子会社間のものづくりと販売の連携をさらに
強化させ、グループとしての相乗効果を発揮できるよう進めてまいります。
以 上
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