5103 昭和HD 2020-11-16 14:30:00
2021年3月期第2四半期決算短信発表の延期、及び2021年3月期第2四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ [pdf]

                                                 2020年11月16日
各   位
                           会 社 名   昭和ホールディングス株式会社
                           代表者名    代表取締役社長兼最高経営責任者
                                   此下 竜矢
                           (コード番号 5103 東証第二部)
                           問合せ先 取締役兼最高執行責任者兼
                                   最高財務責任者 庄司 友彦
                           (TEL.04-7131-0181)


            2021年3月期第2四半期決算短信発表の延期、
                        及び
         2021年3月期第2四半期報告書の提出期限延長に係る
                   承認申請書提出のお知らせ

  この度、当社におきましては、2020 年 10 月 7 日付「シンガポールにおける JTrust Asia
Pte.Ltd.による Group Lease Holdings PTE.LTD.に対する民事訴訟の判決について」にて公表
しました通り、当該民事訴訟の判決において、当社連結子会社である Group Lease Holdings
PTE.LTD(以下、GLH)ほか被告 6 名に対し、約 7 千万 US ドル及び約 13 万シンガポールドル
(日本円で約 74 億円)の支払いが命じられております。
 当該控訴審判決による債務等につきましては、その内容の評価を実施し、当社グループ連
結決算に組み込むこととなりますが、GLHの決算を一次的に取り込むタイ証券取引市場に上場
するGroup Lease PCL(以下、GL)において、2020年10月6日以降、当該控訴審判決の結果につ
いてGLの連結決算情報への取り込み方法やその金額の検討を進め、GLの会計監査人である
KPMG Phoomchai Audit Ltd(以下、KPMG)に打診し協議を進めて参りましたが、2020年11月6
日にGLから、当該民事訴訟の判決の内容についてGLの連結決算にどのような影響を与えるの
かKPMGから評価を得るのに3週間程度の時間を要するとの報告を受けました。
 その報告を受け、当社では、当該民事訴訟の判決には、GLHのローン取引(2020年6月末時
点での関連するローンの残高は6040百万円となります。)を偽装し、その利息収入を計上す
ることよりGLH(又はGL)の業績を過大に表示し、JTrust Asia Pte.Ltd.(以下、JTA)によ
るGLへの投資を促した等の事実認定(以下、当該控訴審判決における事実認定)が含まれて
いることから、GLの連結財務諸表等の報告において重要な虚偽表示の疑義が識別され、監査
法人による追加的な監査手続きを実施する必要が生じたものと認識し、当社の会計監査人で
ある監査法人アリアとその後の対処につき協議を進めて参りました。
 当社では、KPMGが実施したGLの連結決算に与える評価結果に対し、日本の会計基準に置き
なおした場合の当社連結財務諸表における当該控訴審判決に伴う74億円の支払債務の取り込
み方法を検討したうえで適正な四半期報告書を作成することを始め、当該控訴審判決におけ
る事実認定に関連して、当社の過去の有価証券報告書または四半期報告書等の記載において
虚偽表示の有無を再確認し、有価証券報告書または四半期報告書等の訂正の要否を検討する
必要が生じております。




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  一方で、監査法人アリアとしても、KPMGの評価結果を分析し、当社が行った上記に記載し
 た連結財務諸表上(注記情報等も含む)の対処や表示が適正であるか、及び、当社が過年度
 に公表した有価証券報告書または四半期報告書等に虚偽表示が含まれていないのか等を再確
 認する追加的な監査手続きを行う必要が生じましたので、当社が、監査法人アリアが会計監
 査を完了させ、四半期報告書の提出を行うまでには1ヶ月間の工数が必要となりました。
  つきましては、現時点で、2021年3月期第2四半期の当社連結財務諸表を構成するGLの連結
 決算数値について、四半期報告書の提出期限(2020年11月16日)までに確定することができ
 ず、GLの会計監査人(KPMG)のレビューが完了する見込みとなっておりませんので、当社と
 いたしましては、四半期報告書の提出期限である2020年11月16日までに、GLの連結財務諸表
 に関して適正であるとの判断をすることができない見込みとなっております。
  この結果、当社の四半期連結財務諸表を構成する上で連結売上高の約 58%(2020 年 3 月期
 実績)を占める当社四半期連結財務諸表の重要な部分について、KPMG 及び監査法人アリアの
 会計監査が完了できない見通しとなり、金融商品取引法第 24 条の 4 の 7 第 1 項の提出期限ま
 でに下記の四半期報告書を提出できないこととなりましたので、        本日、企業内容等の開示に関
 する内閣府令第 17 条の 15 の 2 第 1 項に基づき、当該四半期報告書の提出期間について、下
 記のとおり承認申請を提出することといたしましたのでお知らせいたします。

                              記


1.対象となる四半期報告書
  2021年3月期第2四半期報告書


2.延期前の提出期限
  2020年11月16日


3.延長が承認された場合の提出期限
  2020年12月15日


4.2021年3月期第2四半期決算発表の延期及び同四半期報告書の提出期限の延長を必要とする
 理由について
(1)当該承認を必要とする理由
 ①シンガポールにおける民事訴訟の判決
   Jトラスト株式会社(東証証券取引所 市場第2部(証券コード:8508))の連結子会社
  JTrust Asia Pte.Ltd.(以下、JTA)は、2017年12月26日、シンガポールの裁判所に、GLの
  連結子会社GLH及びその他の被告に対し損害賠償を求める訴訟を提起しました。主な訴訟申
  立ての理由といたしましては、2017年10月16日付「Group Lease Public Company Limited
  株式取引の一時停止について」に記載のある、タイ証券取引委員会がGLの元CEOを偽計等で
  タイ法務省特別捜査局に対し調査を進めるよう勧告したこと、及び2017年10月19日にタイ
  証券取引委員会が、GLに対し財務諸表の訂正を要請したことに起因し、GLHと他の被告が共
  謀し、JTAにGLに対する総額180百万USドル以上の投資を実行させるため、GLの財務諸表を
  改ざんし、投資家に対してGLが健全な財務状況にあると誤解させ、JTAに対しGLへの投資を
  促したということで、最終的には投資額等で総額230百万USドル(日本円で約243億円)の




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 損害賠償を求めておりました。
  以降訴訟は進行し、2020年2月12日には、JTAの請求をすべて棄却し、JTAに対しGLHをは
 じめとした被告に生じた訴訟費用の負担の言い渡す第一審の判決が下されましたが、JTAは
 翌日控訴を行い、再び訴訟は継続しておりました。
  その後、2020年10月6日に、GLH及びその他6名の被告に対し、JTAの請求の一部(約7千万
 USドル及び約13万シンガポールドル。日本円で約74億円)の支払いが命じられ、残りの請
 求額である(1億3千万USドル(日本円で約137億円)の転換社債相当額及び、その他請求
 3千万USドル(日本円で約31億円)については棄却する内容の控訴審判決(以下、当該控
 訴審判決)が下されました。
  以上の結果、シンガポールの裁判所における本件の審判はすべて終了し、日本円で約74
 億円の訴訟関連の債務は確定することとなりました。

②GL会計監査人及び当社会計監査人による当該控訴審判決の対応
   当該控訴審判決に係る債務は、当社の資産規模からも多額(連結総資産の約16%に相
 当)でありますので、当社やGLの会計監査に重要な影響を及ぼす内容となります。
  GLといたしましては、当該控訴審判決が確定後速やかに会計監査人であるKPMGとの協議
 を進めるべく対応を進めておりましたが、当該控訴審判決がGLの連結財務諸表等へ与える
 影響を検討する上では、
 a)JTAの請求について全面的棄却を命じた初審判決と、JTAに対して約74億円の支払いを命
  じる当該控訴審判決で、事実認定に大きな相違が生じていること。
 b)JTAが、当該控訴審判決のGLHのローン取引(2020年6月末時点での関連するローンの残
  高は6040百万円となります。)を偽装し、その利息収入を計上することによりGLH(又は
  GL)の業績を過大に表示し、JTAによるGLへの投資を促した等の事実認定がなされたシン
  ガポールの裁判で利用した証拠資料を用いて、「GLに騙されて投資をした」と主張して
  いるタイにおける訴訟では、GLが既に4回勝訴判決(JTAの請求の棄却)を得ており、こ
  れら4回のタイの判決では、JTAによる「GLH(又はGL)の財務諸表の仮装により騙されて
  投資をさせられた」という主張は明確に否定をされていること。
 C)上記b)に記載のタイにおける最新の控訴審判決は2020年9月29日に下され、当該シンガ
  ポールの控訴審判決は2020年10月6日に下されていることから、わずか8日間の間にタイ
  とシンガポールの裁判所で全く相反する事実認定がなされるという事態が生じているこ
  と。
 といった、上記a)からc)に記載するような事実認定の相違が生じていることを踏まえ、
 適正な財務諸表作成する為には、当該シンガポールにおける控訴審判決の事実認定のみの
 分析を行うだけでは検討が足りず、前述したタイでの4度の判決における事実認定との違い
 を検証する必要も生じますので、監査レビューを完了させるのに、より工数がかかること
 が想定されます。
  現時点におきましては、当該控訴審判決における事実認定につきましては、KPMGから
 は、その内容の評価について、監査法人(KPMG)内部で十分な協議をする必要が生じたこ
 とから、四半期報告書の提出期限内(2020年11月16日まで)には監査レビューを終了でき
 ない旨、GLを通して報告を受けております。
  一方、当社といたしましても、当社の会計監査人である監査法人アリアとの協議を進め
 ておりますが、KPMGによるGLの連結財務諸表の監査レビューが完了しないことには、GLの




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 連結財務諸表を取り込む当社の連結財務諸表中のGLの数値は未監査ということとなり、ま
 た、当該控訴審判決における事実認定により、当社の連結財務諸表に重要な虚偽表示が含
 まれる可能性が生じており、過年度の当社の連結財務諸表の訂正の要否の検討を終わらせ
 る前には、当然に当社の連結財務諸表は確定できないという状況となっております。
   監査法人アリアからは、GLの連結決算の情報は、当社の連結売上高の過半(当社の連
 結売上高の約58%(2020年3月期実績))を占め、当社の連結財務諸表を確定する上で不可
 欠な要素であり、GLの会計監査を実施しているKPMGの監査レビュー報告書を受領し、その
 内容を評価の上、当社の会計処理及び、当社の連結財務諸表上に生じた重要な虚偽表示の
 可能性に対しての検討・対処が、適正であることを確認できなければ、当社の監査に関す
 る意見は出せないという見解をいただいております。

③GL及び当社の対応
  GLは、上記の事態を踏まえ、当該控訴審判決に係る債務及び認定された事実等の評価を
 含めたKPMGの会計監査業務が進むよう全面的にサポートを開始しております。具体的に
 は、当該裁判に関する弁護士事務所の意見書の入手を進め、GL経営陣のみならず、GLの社
 外取締役からなる監査委員会とKPMGとの協議等も重ね、その過程で生じるKPMGの要望には
 可能な限り対応して参ります。
  その結果、GLの2020年12月期第3四半期決算につきましては、KPMGの当該控訴審判決が
 GLの監査に与える影響について評価をするには3週間程度時間を要するとのことですの
 で、その後の連結決算業務を勘案しますと、現時点におきましては、1ヶ月程度公表の延期
 (2020年12月15日)となる見込みです。
  GLは、通常の連結決算に係る作業は鋭意進めており、同時にKPMGの当該控訴審判決に
 係る債務及び認定事実等の評価のサポートは行っておりますので、GLには適時KPMGと連絡
 を取り合って当社に報告してもらい、本件予定に変更が生じるようなことがありました
 ら、今後も経過報告としてタイムリーに報告をさせていただきます。
  なお、KPMGによるKPMGの当該控訴審判決がGLの監査に与える影響についての評価が3週間
 以内になされない等によりスケジュールの遅れを認識した場合の当社の対応といたしまし
 ては、承認後の四半期報告書の提出期限となる2020年12月15日の提出を遵守する為に、当
 社が、2020年11月30日までに収集した情報を基に、当社自身により当該控訴審判決等の会
 計処理方法及び、過去の当社の有価証券報告書または四半期報告書等の訂正の要否を決定
 し、監査法人アリアから監査意見をもらえるよう対応することで、承認後の四半期報告書
 の提出期限(2020年12月15日)までに提出できるよう対応を進めて参ります。
  一方で、当社といたしましては、GLの対応や事態の進捗の把握に関して、当社代表取締
 役社長兼最高経営責任者の此下竜矢が、2020年9月27日からGLの取締役としてタイ現地に滞
 在しており、本件についてGLの交渉の担当者の一人として、KPMGとの対応に直接参画して
 おりますので、当社は、都度、此下竜矢氏から事態の進捗のフィードバックを受け、情報
 の分析や対応につき検討を進めて参ります。また、その内容は同時に、当社の会計監査人
 である監査法人アリアと情報共有をし、対処の協議を進めております。
  このような形で進めておりますが、現時点におきましては、当該控訴審判決に係る債務
 の評価及びGL(及び当社)連結財務諸表への影響額及び認定事実の評価につきましては、
 最終的な結論は出ておりません。
  なお、この度の当該控訴審判決の事実認定につきましては、重要な虚偽表示の識別等に




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  該当するものと認識しておりますが、上記「4.当該四半期報告書の提出に関して当該承
  認を必要とする理由」の「(1)当該承認を必要とする理由」の「②GL会計監査人及び当社
  会計監査人による当該控訴審判決の対応」に記載のとおり、タイでは4度、当該控訴審判決
  の事実認定を否定する判決が下されていることや、また、GLHのローン取引(2020年6月末
  時点での関連するローンの残高は6040百万円となります。)の偽装によるGLH(又はGL)の
  業績の過大計上等に関する事項については、2017年10月からGLの元CEOがタイ法務省特別捜
  査局の調査を受け、現時点においても調査中であるという事情を鑑み、シンガポールとタ
  イの裁判所間で真逆の事実認定がされていること及び、強制力のある情報・資料収集が可
  能である公の機関(タイ法務省特別捜査局)においても調査結果がでないことから、当社
  が、独立した第三者委員会を組成し当該委員会において問題となっているローン取引の適
  法性等の判断を行うことは困難であると考え、本件事案の解決には第三者委員会の組成を
  行わないことといたしました。


 ④結論
   当社といたしましては、現時点において、当該控訴審判決に係る債務(約74億円)は確
  定している一方で、その債務をどのようにGL及び当社の財務諸表及び注記事項等において
  どのように表示するかということについて、GL及びKPMG間で確定できておらず、KPMGから
  はGLの監査レビューには時間を要し、タイ及び日本の四半期報告書の提出期限(2020年11
  月16日)までには間に合わない旨の報告を受けていることから、当社が監査法人アリアの
  監査を完了させ、四半期報告書の提出に至るまでには1ヶ月を要する見通しとなっておりま
  す。
   また、当該控訴審判決において、GLHがローン取引(2020年6月末時点での関連するロー
  ンの残高は6040百万円となります。)を偽装し、その利息収入を売上に計上することによ
  りGLH(又はGL)の業績を過大に表示し、JTAによるGLへの投資を促した等の事実認定がな
  されたことより、当該ローン取引に関する勘定科目(営業貸付金、未収利息、連結財務諸
  表に係る関連当事者取引等の注記等)において、監査法人により重要な虚偽表示の識別が
  なされ、過年度の有価証券報告書または四半期報告書等の訂正要否の検討等の追加的な監
  査手続きを行う必要が生じたものと理解しております。
   これらの事情を踏まえると、当社が四半期報告書の提出期限である2020年11月16日まで
  に当社連結財務諸表を確定し、2020年3月期第2四半期の当社連結財務諸表を構成するGLの
  決算数値及び注記等への表記について、適正であると結論づけるのは非常に困難であると
  考え、当該決算短信発表を延期並びに当該四半期報告書の提出期限の延長に係る承認申請
  書を提出せざるを得ないと判断いたしました。


5.今後の見通し
  当社といたしましては、引き続きGLを通して、鋭意、当該控訴審判決に係る債務(約74億
 円)及び当該控訴審判決の事実認定の評価を実施し、重要な虚偽表示の可能性についての検
 証を進め、これらを正確に連結財務諸表等に反映させるよう努めてまいります。
  また、当該控訴審判決に関する評価の過程で、過去の有価証券報告書または四半期報告書
 に訂正の必要がある場合が生じた場合には速やかに訂正を行うようにいたします。
  一方、当社は、本件について随時当社の会計監査人である監査法人アリアと協議を行って
 おりますが、現時点において監査法人アリアの意見といたしましては、当社と監査法人アリ




                      -5-
アとの間で独自の検討は行うものの、GLやGLの会計監査人であるKPMGにおける現地の評価結
果や、その対応を待つというスタンスです。

今回の提出期限延長に関する申請が承認された場合には、速やかにお知らせいたします。
 株主及び取引先をはじめ関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をお掛けしますことを
深くお詫びいたします。
                                      以 上




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