5011 ニチレキ 2019-07-25 13:00:00
AIによる舗装道路診断技術の3社共同開発に関するお知らせ [pdf]

                                                      2019年7月25日


  各    位
                                   会 社 名    ニチレキ株式会社
                                   代表者名     代表取締役社長 小幡 学
                                            (コード番号          5011)
                                   問合せ先     広報室長            藤田 道明
                                             (TEL:03-3265-1513)




           AIによる舗装道路診断技術の3社共同開発に関するお知らせ


 当社は、東日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社と、AIによる新た
な舗装道路診断技術を共同で開発し、2019 年度中のサービス提供をめざすことといたしましたので、下
記の通りお知らせいたします。
 なお、本件が当社の業績に与える影響は当面軽微であると見込んでおります。今後当社業績に影響を
与える規模の売上または支出の発生が見込まれた場合は、速やかに開示いたします。

                             記




                                           ニチレキ株式会社
                                           東⽇本電信電話株式会社
                                           エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社



      AI 画像解析技術を活⽤し、地⽅公共団体が管理する舗装のメンテナンスサイクルの効率化を実現
       〜新たな診断技術を⽤いた路⾯点検・診断・措置⼀貫ソリューションを 3 社で共同開発〜



 ニチレキ株式会社(本社:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:⼩幡学、以下ニチレキ)、東⽇本電信電話株式
会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社⻑:井上福造、以下 NTT 東⽇本)、およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式
会社(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:栗島聡、以下 NTT コムウェア)は、舗装道路の路⾯点検・診断・措置
を⼀貫して低コストで実現するソリューションを提供するため、AI による「局部損傷※1)」診断技術を共同で開発し、2019
年度中のサービス提供をめざします。
尚、サービス提供に先駆け、本年 8 ⽉に実施するインフラメンテナンス国⺠会議「ちゅうごく」フォーラム主催の実証事業に参
画し、本ソリューションを活⽤します。


※1)局部的に損傷の進⾏が早く緊急の措置が必要とされる箇所
1.背景・課題
 ⾼度経済成⻑期に集中的に整備された道路舗装は、今後⼀⻫に⽼朽化することが懸念されていますが、その維持修繕
に関わる予算は⼤幅に減少しています。しかし、地⽅公共団体が管理する道路は、路線数、路線延⻑ともに膨⼤であり、
損傷箇所の全てをオーバーレイ※2)などの舗装修繕⼯事で対応することが困難となっています。ポットホール※3)が開いたら
補修するといった事後対策に頼らざるを得ないのが実情です。
 従来、道路舗装のひび割れの評価には、専ら「ひび割れ率」※4)が⽤いられてきました。この「ひび割れ率」は、修繕⼯事
区間の選定では有⽤な評価⼿段となりますが、緊急性を要する箇所の特定においては、⼗分な信頼性を有しているとは⾔
い難いものがあります。
 そのため、限られた予算の中で最⼤の安⼼・安全を提供するために、ポットホールなど重篤な損傷に進⾏する恐れのある
「緊急性を要する損傷箇所」を検出し、環境に配慮した適切な補修材料で⼿当てすることが求められています。


※2)既設の舗装上にアスファルト混合物の層を重ねる⼯法
※3)舗装の表層がはがれてできる⽳、へこみ
※4)「舗装路⾯の 50cm四⽅ごとに含まれるひび割れの本数をカウントし、0 本のときは占有⾯積 0 ㎡、1 本のときは占有⾯積 0.15
㎡、2 本以上のときは占有⾯積 0.25 ㎡とし、調査対象区間の⾯積を分⺟、ひび割れの本数に応じて算出された上記占有⾯積の積算
値を分⼦として求められる値(%)」 公益社団法⼈⽇本道路協会、舗装調査・試験法便覧[第 1 分冊]、丸善出版株式会社、平
成 31 年 3 ⽉、[1]-215 ⾴〜[1]-224 ⾴




2.⽬的
 上記課題の解決を⽬的に、点検・診断結果から、「真に緊急性を要する要修繕箇所を⾃動的に⾒出す技術」※5)を基
とした「局部損傷」という概念を提案し、従来のひび割れ検出 AI で培った知⾒を基に「局部損傷」に特化した新たな AI を開
発します。そして、「局部損傷」を点検・診断で定量的に評価し重篤な損傷に⾄る前に常温表⾯処理⼯法で補修する予防
保全の仕組みを構築します。この技術は、来るべき⾃動運転時代に要求されるポットホールを開けない舗装管理にも有⽤
な技術として活⽤可能です。

※5)「舗装の維持修繕計画策定⽀援装置及び⽀援⽅法」特許出願中 (特願 2017-51148)




3.本ソリューションについて
 (1)AI による局部損傷の診断
   「局部損傷」の評価は、50cm×50cm メッシュ内のひび割れの交点(結節点)の個数を数え、ランク分け評価しま
 す。ランクの⾼い(結節点の多い)箇所は、路盤の健全性が失われ※6)ポットホールなど重篤な損傷に進⾏することが
 懸念される状態であると判断できます。
   「局部損傷」の評価作業は、⼈⼿による解析ではあまりに煩雑(下写真参照)であり、AI 技術の活⽤により初めて実
 ⽤化が可能となりました。従来型の道路診断 AI は、検出したひび割れの⾯積から「ひび割れ率」を計算する技術でした。
 これを基に今回開発する AI は、NTT コムウェアの画像認識 AI 「Deeptector®」を利⽤し、ひび割れの結節点を検出し
 損傷をランク分けする技術であり、「局部損傷」評価に最適化された AI です。また、「局部損傷」と、従来からの「ひび割れ
 率」を組み合わせることで、多⾓的な措置⽅法の選定が可能となります。


  ※6)「舗装の点検・診断・措置⼀貫システムの検討」⼟⽊学会第 73 回年次学術講演会(平成 30 年)
                            ※ひび割れをわかりやすくするために画像を加⼯しております

                    時間経過によるひび割れの変化

従来の試験法便覧によるひび割れ率の評価では、ひび割れが密集する部分的な損傷の違いを判別することが困難です
(写真上:ひび割れ率 45.7%、写真下:ひび割れ率 47.8%)。そこで、ひび割れの交点(結節点)に着⽬し、その
個数から損傷の程度を評価します(写真上:結節点 155 個、写真下:結節点 188 個)。




                             ※ひび割れをわかりやすくするために画像を加⼯しております
                             ※ランクの⾼い(結節点の多い)箇所を枠づけ

                    AI による局部損傷抽出イメージ
(2)診断結果にもとづく措置
   AI による診断結果に基づき、ニチレキがこれまで培ってきた舗装メンテナンスの材料・⼯法ノウハウを活⽤し、予算に合
 わせた適切な措置についてコンサルテーションを⾏います。従来からのひび割れ率の診断結果に基づく修繕⼯事に加え、
 新たな「局部損傷」診断結果に基づく局部損傷の予防保全を組み合わせ、現状の予算⽔準から乖離しない実現可能
 な舗装管理計画を⽴案し、安⼼・安全な道路舗装を提供します。特に局部損傷の補修は、ニチレキが開発を重ねてき
 た環境にやさしい「常温表⾯処理⼯法」を積極的に活⽤します。この⼯法は、これまでの⼀般的な補修材料よりもコスト
 パフォーマンスに優れており、舗装管理コストを削減します。



                    従来の処理⼯法                       予防保全のための常温表⾯処理⼯法
         (補修材料:加熱アスファルト混合物)                        (補修材料:アスファルト乳剤)




                                               ○常温表⾯処理⼯法のメリット
                                               ・【ポットホールの発⽣を抑制】
                                                 従来の補修材料よりも⻑持ち
                                               ・【環境に優しい】常温で施⼯できる
                                               ・【コストダウン】 コストパフォーマンスに優れる



                               従来の処理⼯法と常温表⾯処理⼯法の⽐較

                                         経年数
          高
                                    損傷の進行が緩やかな
                                    一般的な分類Cの道路の劣化曲線               修繕

                  局部損傷の劣化曲線
      舗装の性能




                                                   予防補修
                              致命的な損傷に
                              なる前に予防補修
                  予防補修のタイミング
                                                        事後補修
                  事後補修(ポットホール発生など)

                                               事後補修
              低
                                                        LCC削減効果

                    局部損傷箇所への予防補修による LCC 削減効果イメージ(舗装の劣化曲線)
4.各社の役割について
(1)ニチレキ
 ・点検・診断サービスの提供、維持修繕ノウハウの提供
 ・舗装材料の開発、材料・施⼯の提供
 ・舗装管理計画策定の提供
(2)NTT 東⽇本
 ・画像伝送⽤ネットワークサービス、セキュリティの提供
 ・画像蓄積、AI 解析⽤データセンタの提供
 ・スマートイノベーションラボ※7)における AI 環境の提供
 ・AI 画像解析サービスの販売取次ぎ
(3)NTT コムウェア
 ・Deeptector®を利⽤した AI 画像解析ソフトウェアの開発
 ・AI 画像解析サービスの提供


 ※7)NTT 東⽇本が提供する AI ・ IoT 技術の実証環境。産官学連携による新たな社会課題
 解決・事業共創をめざす場



5.今後の展開について
 ニチレキ:
   点検、診断により、従来の修繕⼯事だけでなく、「局部損傷」の予防保全を取り⼊れ現状予算と乖離しない実現可能
   な舗装管理計画を提供し、道路舗装インフラの⽼朽化対策に対応してまいります。また、⾃動運転時代に向け「局部
   損傷」を活⽤した⽳ぼこのない舗装管理をめざし、更なる検証を重ね信頼性の⾼い技術としてまいります。
 NTT 東⽇本:
   地域に根ざした ICT 企業として、AI や IoT などの最先端の技術はもちろん、NTT 東⽇本グループが保有するさまざま
   なアセットを活⽤し、道路舗装点検を⽪切りに、インフラメンテナンスにおける社会課題の解決に貢献してまいります。
 NTT コムウェア:
   AI・ICT 技術を活⽤した舗装診断サービスの提供に取り組んできた経験を⽣かし、今回の「局部損傷」診断を⽤いた
   路⾯点検・診断・措置⼀貫ソリューションをはじめ、道路インフラ保守⾼度化の取り組みを進めてまいります。また、AI・
   ICT 技術の適⽤による NTT グループの事業基盤である通信インフラの保守⾼度化への対応、橋梁点検や鉄塔点検
   におけるドローン活⽤など、広く社会インフラの保全に貢献してまいります。
6.本件に関するお問い合わせ先


【路⾯点検、保全、点検・診断・措置⼀貫ソリューションについてのお問い合わせ】
ニチレキ株式会社
道路エンジニアリング部 那珂・硲
TEL:048-961-6321
https://www.nichireki.co.jp/


【AI・IoT・スマートイノベーションラボの活⽤に関するお問い合わせ】
東⽇本電信電話株式会社
ビジネスイノベーション本部
BBX マーケティング部 宮⽥・⼤久保・新村
TEL:03-5359-3070
http://www.ntt-east.co.jp/


【画像認識 AI ソリューションに関するお問い合わせ】
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
広報室 菱⽥・森⼭
お問い合わせ:https://www.nttcom.co.jp/contactus/index.cgi?mode=other&sele_3=1
http://www.nttcom.co.jp/


※「Deeptector」は、NTT コムウェア株式会社の登録商標です。
※記載されている社名、商品名などは各社の商標または登録商標である場合があります。




                                                                          以上