5011 ニチレキ 2020-07-28 15:00:00
AIによる局部損傷診断技術の完成および「smart路面点検サービス」提供開始のお知らせ [pdf]

                                                         2020年7月28日


  各     位
                                      会 社 名    ニチレキ株式会社
                                      代表者名     代表取締役社長 小幡 学
                                               (コード番号          5011)
                                      問合せ先     広報室長            藤田 道明
                                                (TEL:03-3265-1513)




                  AI による局部損傷診断技術の完成および
               「smart 路面点検サービス」提供開始のお知らせ


 当社は、東日本電信電話株式会社、およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社と、この度、       「真
に緊急性を要する要修繕箇所を自動的に見出す技術」を基とする AI による局部損傷診断技術を完成さ
せました。
 更に、エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社の「道路不具合検出システム」と、IoT を活用した位
置情報サービスを組み合わせ、路面性状測定車を用いた安価な点検・評価方法を確立しました。この安
価・高性能な「smart 路面点検サービス」の提供を 8 月 1 日より開始することにいたしましたので、併
せてお知らせいたします。
 なお、本件が当社の業績に与える影響は当面軽微であると見込んでおります。今後当社業績に影響を
与える規模の売上または支出の発生が見込まれた場合は、速やかに開示いたします。

                                記



                                              ニチレキ株式会社
                                              東⽇本電信電話株式会社
                                              エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社


             地⽅公共団体が管理する舗装のメンテナンスサイクルの効率化を実現
      〜AI・IoTを活⽤した安価で⾼性能な「smart 路⾯点検サービス」を 8 ⽉ 1 ⽇より提供開始〜


ニチレキ株式会社(本社:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:⼩幡学、以下ニチレキ)、東⽇本電信電話株式会
社(本社:東京都新宿区、代表取締役社⻑:井上福造、以下 NTT 東⽇本)、およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会
社(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:栗島聡、以下 NTT コムウェア)は、昨年度から開発に取り組んでまいりまし
た、「真に緊急性を要する要修繕箇所を⾃動的に⾒出す技術」※1)を基とする、AI による局部損傷※2)診断技術を
完成させました。
 更に、NTT コムウェアが提供する「道路不具合検出システム (KT-180052-A) ※3)」と IoT を活⽤した位置情報サ
ービスを組み合わせ、路⾯性状測定⾞を⽤いた安価な点検・評価⽅法を確⽴し、この度、ニチレキより正式に「smart 路⾯
点検サービス」の提供を 8 ⽉ 1 ⽇より開始いたします。


※1)「舗装の維持修繕計画策定⽀援装置及び⽀援⽅法」 (特許第 6738513 号)
※2)局部的に損傷の進⾏が早く緊急の措置が必要とされる箇所
※3)国⼟交通省「新技術情報提供システム」に登録済みの AI 等を活⽤したひび割れ検知の仕組み


1.背景・課題
 ⾼度経済成⻑期に集中的に整備された道路舗装は、今後⼀⻫に⽼朽化することが懸念されていますが、その維持修繕
に関わる予算は⼤幅に減少しています。しかし、地⽅公共団体が管理する道路は、路線数、路線延⻑ともに膨⼤であり、
損傷箇所の全てをオーバーレイ※4)などの舗装修繕⼯事で対応することが困難となっています。ポットホール※5)が開いたら補
修するといった事後対策に頼らざるを得ないのが実情です。
 加えて、道路舗装の管理の⼊り⼝である点検に対する費⽤も⼤きな負担となっています。現在では、多種多様な点検⼿
法がありますが、以前より点検に使⽤されてきた路⾯性状測定⾞※6)は、安定した精度を有しており、多くの道路管理者の
皆さまから信頼を得てまいりました。しかし、点検費⽤が⾼いという問題があり、路⾯性状測定⾞による安価な点検への期待
の声を多くいただいておりました。


※4)既設の舗装上にアスファルト混合物の層を重ねる⼯法
※5)舗装の表層がはがれてできる⽳、へこみ
※6)⼀般財団法⼈⼟⽊研究センターで毎年実施される路⾯性状⾃動測定装置性能確認試験に合格した路⾯性状⾃動測定装置
を搭載した測定⽤⾞両


2.サービス概要
    上記課題の解決を⽬的に、これまで⼈⼿で⾏ってきた現地踏査業務、路⾯状況計測業務、路⾯画像評価業務を、AI
や IoT の技術を活⽤し⼤幅に効率化することで、路⾯性状測定⾞を活⽤しながら安価に点検ができる新たなサービスを開
発し、従来の点検費⽤に対して 60%のコスト削減(従来の 40%の点検費⽤:ニチレキ株式会社⽐)を実現しました。
    また、新たな評価⽅法を開発し、道路管理者の維持修繕⽅針や予算に応じて、複数の評価⽅法から最適なものを選
択できるサービスとしました。


3.取組内容
 新たなサービスの提供にあたり、以下の内容に取組み、精度の⾼い路⾯性状測定⾞による点検コスト低減とサービスメニ
ュー拡充を実現しました。また、お客様に安⼼してサービスをご利⽤いただくために、ネットワークのセキュリティ対策にも取組ん
でおります。


①    現地踏査業務の効率化(電⼦地図の活⽤)
     これまでの路⾯性状調査では、路⾯性状測定⾞による路⾯状況の計測前に、道路管理者から貸与された路線図な
どの資料を基に現場に赴き、調査対象路線を確認していました。実際に⾞両で⾛⾏して路線延⻑や起点・終点などの位
置を確認し、路⾯にペイントでマーキング※7)することで、計測や解析時の位置確認の⽬印としていました。
    今回、これまで現場で実施していた確認作業を、現地に赴かなくとも事業所内の電⼦地図上で実施できるシステムを新
 たに開発し、⼤幅に業務を効率化し⼈件費の削減を実現しました。


※7)調査対象区間の起点や終点などに⽬印として舗装路⾯にペイントしたもの


②    路⾯状況計測業務の効率化(GNSS の活⽤)
     上記で開発した電⼦地図をクラウドサーバ上にアップロードすることで、路⾯性状測定⾞(smart ロメンキャッチャー
    LYJr.)からインターネット経由で調査対象路線が確認できるようになりました。また、新たに GNSS レシーバーを搭載し、
    NTT ドコモが提供する「docomo IoT ⾼精度 GNSS 位置情報サービス」と組み合わせることで、誤差数センチメートルの
    ⾼精度な位置情報が取得できるようになりました。
     この位置情報をクラウドサーバ上の電⼦地図とリアルタイムにリンクさせることで、事業所からの遠隔計測サポートによる
    “ワンマン計測”を可能にしました。これまで、調査対象路線の計測は、ドライバーに加えてナビゲーターも同乗していました
    が、1 名による業務が可能となり、⼤幅に業務を効率化し⼈件費の削減を実現しました。




             計測中の室内(事務所) と路⾯性状測定⾞(smart ロメンキャッチャーLYJr.)の⾞内状況


③    新たな評価⽅法の開発とメニュー化
    オーバーレイなどの修繕には「ひび割れ率※8)」の評価、部分的な補修には「局部損傷」の評価といった、道路管理者の維
持修繕⽅針に基づいて評価⽅法を選択できる仕組みを考案しました。新たな評価⽅法である「局部損傷」の評価は、
50cm×50cm メッシュ内のひび割れの交点(結節点)の個数を数え、ランク分けします。ランクの⾼い(結節点の多い)
箇所は、路盤の健全性が失われ※9)、ポットホールなど重篤な損傷に進⾏することが懸念される状態であると判断できます。
これらの評価⽅法を活⽤し、3つのステップで実現性の⾼い維持修繕計画の策定を⽀援します。


        STEP1:AIによる診断区分Ⅰ〜Ⅲ※10)の 3 ランク評価
        STEP2:試験法便覧に基づいた「ひび割れ率」評価
        STEP3:AIによる「局部損傷」解析による評価


    STEP1 では、AI により、舗装点検要領に対応した診断区分Ⅰ〜Ⅲの3ランクで評価します。これにより、管理する
道路舗装全体の路⾯状況の把握ができます。STEP2 では、修繕が必要となる区間(例えば、診断区分Ⅲ(修繕段
階))に対して、再計測なしで従来の試験法便覧に基づいた解析による「ひび割れ率」を算出することにより、修繕の優先
順位付けが可能となります。STEP3 では、予算などの都合で修繕を先延ばしする区間に対して、「局部損傷」の評価を
⾏うことにより、局部的に損傷の進⾏が早く緊急の措置が必要と予想される箇所を計画的に⼩規模補修することが可能とな
ります。
    従前の維持修繕計画では、修繕が必要とされる区間に対する費⽤と実際の予算規模の乖離が⼤きく、実現性に乏しい
ものとなっていました。3 つのSTEPの評価により、修繕と計画的な⼩規模補修を組み合わせることで、実現性の⾼い維
持修繕計画の策定を⽀援します。

    3つのSTEPの適⽤例
     管理する道路全体をSTEP1 で把握、その上で修繕が必要とされる診断区分Ⅲを路⾯性状測定⾞で再計測す
     ることなく「ひび割れ率」解析を実施する。「ひび割れ率」を参考に修繕⼯事の順位付けをする。予算の関係上、直ち
     に修繕⼯事が困難な箇所は、STEP3 の局部損傷解析を実施し、計画的に常温表⾯処理⼯法で部分的な補
     修を施す。
                                           常温表⾯処理⼯法


※8)「舗装路⾯の 50cm四⽅ごとに含まれるひび割れの本数をカウントし、0 本のときは占有⾯積 0 ㎡、1 本のときは占有⾯積 0.15
㎡、2 本以上ときは占有⾯積 0.25 ㎡とし、調査対象区間の⾯積を分⺟、ひび割れの本数に応じて算出された上記占有⾯積の積算値
を分⼦として求められる値(%)」 公益社団法⼈⽇本道路協会、舗装調査・試験法便覧[第 1 分冊]、丸善出版株式会社、平成
31 年 3 ⽉、[1]-215 ⾴〜[1]-224 ⾴
※9)「舗装の点検・診断・措置⼀貫システムの検討」⼟⽊学会第 73 回年次学術講演会(平成 30 年)
※10)「舗装点検要領」 平成 28 年 10 ⽉ 国⼟交通省道路局 11 ⾴


④     路⾯画像評価業務の効率化(AI の活⽤)
    「ひび割れ率」の評価については、路⾯性状測定⾞で取得した路⾯画像のひび割れを⼈⼒で確認していたため、熟練の
解析者でさえ、1 時間当たり 1km程度の評価にとどまっていました。検出したひび割れの⾯積から「ひび割れ率」を算出する
AI を活⽤することで、1 時間あたり約 7kmの評価が可能となりました。
    ま た 今 回 、 「 局 部 損 傷 」 に 特 化 し た 新 た な AI を 開 発 し ま し た 。 こ の AI は 、 NTT コ ム ウ ェ ア の 画 像 認 識 AI
「Deeptector®」を利⽤し、ひび割れの交点(結節点)を検出し損傷をランク分けする技術であり、「局部損傷」評価に最
適化されたものとなっています。「局部損傷」の評価作業は、⼈⼿による解析ではあまりに煩雑であり、この AI の活⽤により初
めて実⽤化が可能となりました。


                      ひび割れ率評価                              局部損傷評価




                            ひび割れ率解析 AI と局部損傷解析 AI による解析イメージ
⑤     閉域網・データセンターを活⽤したセキュリティの向上
    路⾯性状測定⾞で撮影した路⾯画像は、NTT 東⽇本の閉域ネットワークサービスであるフレッツ VPN プライオを経由し、
同じく NTT 東⽇本が提供するデータセンター上で稼働する NTT コムウェアの AI 解析システムに転送し解析します。これによ
り、地⽅公共団体様の路⾯画像をセキュアな環境で取り扱うことが可能となります。また、これまで⼈⼒による⽬視で解析し
てきた業務を、データセンター上のシステムを活⽤することで、少⼦⾼齢化による⼈⼿不⾜という社会課題の解決や、ウィズコ
ロナ時代の⼈的接触を可能な限り回避する新たな業務運営にも積極的に取り組みます。


    <ネットワーク構成>




4.各社の役割
(1)ニチレキ
    ・smart 路⾯点検サービスの提供、維持修繕ノウハウの提供
    ・舗装材料の開発、材料・施⼯の提供
    ・舗装管理計画策定の提供
(2)NTT 東⽇本
    ・画像伝送⽤ネットワークサービスの提供
    ・画像蓄積、AI 解析⽤データセンタの提供
    ・AI 画像解析サービスの販売⽀援
(3)NTT コムウェア
    ・Deeptector®を利⽤した AI 画像解析ソフトウェアの開発
    ・AI 画像解析サービスの提供


5.本件に関するお問い合わせ先
【smart 路⾯点検サービス、路⾯性状測定⾞(smart ロメンキャッチャーLYJr.)についてのお問い合わせ】
ニチレキ株式会社
道路エンジニアリング部 那珂・硲
TEL:048-961-6321
https://www.nichireki.co.jp/


【ネットワーク・データセンターに関するお問い合わせ】
東⽇本電信電話株式会社
ビジネスイノベーション本部
地⽅創⽣推進部 鈴⽊・森⽥・新村
TEL:03-5359-3070
https://www.ntt-east.co.jp/
【画像認識 AI ソリューションに関するお問い合わせ】
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
ビジネスインキュベーション本部 井藤・中村
https://www.nttcom.co.jp/


※「Deeptector」は、NTT コムウェア株式会社の登録商標です。
※記載されている社名、商品名などは各社の商標または登録商標である場合があります。



                                           以上