5010 日精蝋 2021-02-26 15:00:00
「中期計画21-24」策定に関するお知らせ [pdf]

                                              2021 年 2 月 26 日




             「中期計画 21-24」策定に関するお知らせ




このたび、2021 年度を初年度とする「中期計画 21-24」を策定しましたので、お知らせ致します。


この「中期計画 21-24」は、創業 90 周年(2018 年 2 月)に作成した「チャレンジ 90」を基盤として継承し、
次なる創業 100 周年に向けて、2021 年〜2024 年の4年間を体質改善期と位置づけ、当社が⽬指す⽅向性
の実行計画をより具体的に定めたものです。
計画の達成に向けて総力を挙げて取り組んで参りますので、株主各位並びに関係各位におかれまし
ては、今後とも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。




                                                           以上
中期計画 (21-24)

2021年2月26日




日本精蠟株式会社
目次

1.   はじめに


2.   これまでの振り返り


3.   中期計画の基本方針と重点施策


4.   業績目標




                      1
日本精蠟株式会社
1.はじめに




日本精蠟株式会社
創業 100周年を見据え

2029年、当社は創業100周年を迎えます。

•   日本精蠟は、わが国で唯一のワックス総合メーカーとして、1929年の創業以来、
    お客様と共に新しいワックスの用途や素材を開発しつづけてきました。

•   紙・繊維・建材、また化粧品や医薬品など、当社製品は、暮らしの中のごく身近な
    生活用品に使われており、国内ワックス市場での当社シェアは7割を誇ります。

•   持続的成長を目指す世界の動きの中で、環境・社会のサステナビリティを支える
    一員として、“天然素材ワックス” をこれからも追求していきます。

•   そしてそのために、創業の地である徳山工場の機能を徹底的に強化し、社会や
    お客様へのより大きな貢献を果たしていきます。

•   “NIPPON SEIRO” ブランドを徳山から世界へ、中期計画 (21-24) をお届け
    します。



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日本精蠟株式会社
本計画の位置づけ
創業100周年を見据え、本中期計画 (21-24) では確実な黒字体質への改善を図ります



                   第一期                第二期                第三期

   これまで        体質改善期              基盤強化期              飛躍前進期
               確実な黒字体質へ          未来へ繋げる足場固め            次なる革新へ


    -2020      4ヶ年 : 2021-2024    2ヶ年 : 2025-2026    3ヶ年 : 2027-2029




 創業時に使命とした    お客様と共に培ってきた        新しいワックス用途と             2029年、
ワックス・重油の国産化    強みへの立ち返り           原料の継続開発              創業100周年

原料と重油価格変動に    マーケットイン思想での        高付加価値ワックスへの         世界で唯一無二の
 伴う業績の乱高下     事業再構築・体質改善           集中と脱重油           ワックス専業メーカーに


              本中期計画 (21-24)


        本中期計画 (21-24) では確実な黒字体質への改善を図ります

                                                                       4
日本精蠟株式会社
2.これまでの振り返り




日本精蠟株式会社
チャレンジ90について
2018年より「タイヤ用途向け市場でのシェアアップ」「高機能領域を対象とした分子蒸
留事業の拡大」「生産体制の再構築」「教育制度の拡充」に努めて参りました

                           目的

重油市況変動の影響を最小限化し、ワックス専業メーカーとして技術力・現場力を強化し、規模ではなく質の
充実を図る


    実行項目                         実行目標

1. タイヤ用途向け市場で    タイヤ用途向けワックスにおけるトップメーカーとなるために、技術力・開発力
   のシェアアップ       を強化し、日本、タイからの供給体制、および誇れる製品設計、品質の確立

2. 高機能領域を対象とした   徳山、つくば2拠点での分子蒸留設備の効率的な運用による当社ならではの
   分子蒸留事業の拡大     製品供給の実現。加えて、グローバル化を視野に入れた更なる拡大計画

                 徳山工場の設備等のレビュー、スクラップ&ビルドによる効率的なワックス製
3. 生産体制の再構築
                 造設備への転換

                 個人力・現場力強化に向けた教育機会の付与。教育ができる管理職とするた
4. 教育制度の拡充
                 めの強化


                                                        6
日本精蠟株式会社
業績の振り返り
直近2期はIMOの規制強化やCOVID-19*1の蔓延等もあり、原油価格低下による仕入
コスト低減の恩恵を享受できず、2期連続営業赤字となっております
          経営方針                         チャレンジ90(2020以降も継続)
                             原油価格上昇        原油価格低下            原油市況暴落
          外部環境
                                                            コロナパンデミック

                           従来のインドネシア産主力 IMO規制強化を先取りした
          内部環境                                              デリバティブ取引損失
                             原料油の輸出停止     原料油プレミアム高騰

(単位:億円)                         296
             267                               273

                                105                             222
             74                                 92
                                                                              重油売上
                                                                 62

             76                  74             66                            ワックス輸出売上
                                                                 63


                                                                              ワックス国内売上
             115                116            112               96
      5.1%


                                0.7%
                                               -2.4%                          営業利益率
                                                                      -9.5%
          2017                  2018           2019             2020
*1: 以下、本資料上は便宜的に「コロナ」と表記
                                                                                         7
 日本精蠟株式会社
チャレンジ90の実施状況
市況変動やコロナの影響を受け、各項目とも進捗は芳しくなく、実施遅れや未実施の事
項もございます
                                               想定通り    遅れて
                                                              未実施
                 チャレンジ90における実施事項/未実施事項          実施     実施




                                     新規顧客の
1. タイヤ用途向け市場での   顧客ニーズ     製品設計・      獲得、     採算ライン       地産地消
   シェアアップ        の収集・対応    品質の確立     既存顧客の    数量の確保      体制の確立
                                     シェアアップ



                  当初計画と    (ギャップが     設備の     需要の更なる
2. 高機能領域を対象とした              あれば)                             製品供給
                 現在需給との    挽回策等の     効率運用      増加余地
   分子蒸留事業の拡大     ギャップ確認              検討・実施    の調査・予測
                                                              拡大
                             検討


                   調査実施
                             将来の     生産体制の    生産設備の
                  (建物/設備                                     新体制
3. 生産体制の再構築       診断、建設
                           生産体制への    見直し計画    スクラップ
                                                             にて運営
                            意見集約       作成      &ビルド
                 コスト見積り)


                                               人事評価       制度に
                                              制度の見直し    合致した機会
                             Job     現場からの
4. 教育制度の拡充        集合研修
                           ローテーション   意見収集
                                                (含む     (Jobローテ、
                                              現行制度の     集合研修等)
                                               課題把握)      の提供

                                                                    8
日本精蠟株式会社
課題と真因
遂行遅れの真因は、チャレンジ90に対する具体的なゴールイメージの共有が不十分
だったこと、及び経営企画・管理機能の脆弱さに起因していると総括しております


                    遂行遅れに関する課題        課題発生の真因


1. タイヤ用途向け市場での
                 顧客ニーズへの対応の遅れ
   シェアアップ


                                    チャレンジ90実現に向けた具
2. 高機能領域を対象とした   当初計画と現在との需給ギャップに   体的な戦略と推進力に欠け
   分子蒸留事業の拡大     関する認識共有の遅れ         ていた



                 新しい生産体制に関する合意形成    脆弱な経営企画・管理機能の
3. 生産体制の再構築                         ため、適切な進捗管理・
                 の遅れ
                                    PDCAサイクルが回せず


                 あるべき人事評価制度の具体化の
4. 教育制度の拡充
                 遅れ


                                                     9
日本精蠟株式会社
3.中期計画の基本方針と重点施策




日本精蠟株式会社
中期計画の基本方針
中期計画は3つの方針に基づいて推進してまいります
1 “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求
 - “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求
  お客様のニーズ・当社独自の技術がフィットする領域を開拓。国内外問わず成長市場(特にアジアの自動車タイヤ向け)に
  積極参入・プレゼンス確立を目指すと共に、高機能・高品質プリンタトナー用ワックスの共同開発・拡販を推進
 - マーケットイン思想での用途開発・組織体制の見直し
  営業部門と開発部門を統合。マーケットイン思想でお客様のニーズを具現化する為に適した組織体制へ移行し、
  分子蒸留・ライスワックス等の新たな製品開発に注力
2 “経営管理”の高度化・適正化
 - 経営執行体制強化
  経営企画部を新設し、中期計画の進捗管理を徹底。ガバナンス・収益管理強化を図るべく、事業別採算管理システムの
  早期導入やグループ体制の再構築を実行。外部より経営人材(取締役・執行役員)を積極登用
 - 組織・人事制度刷新
  当社優秀な人材確保のために、働き甲斐・脱年功序列も考慮した人事制度改革を検討開始。組織の刷新を実行
 - バランス管理の適正化
  原料油購入/重油販売のバランスを管理し、当社経営が市況変動に左右されるリスクを低減する管理手法の導入。重油の
  共同購買スキームの検討。監査部新設によるチェック機能強化
 - 在庫負担の軽減
  経営の健全化に向けて在庫削減等の施策の推進

3 持続可能な社会(SDGs)・長期的な事業の発展に向けた“脱重油”への移行準備
 - 脱重油に向けた原料・製法開発
  重油にこだわらない原料の開発、重油生産量を半減可能な製法の開発を目指す
 - 徳山工場の高度化・強靭化
  各設備の停止リスクを定量化し、更新投資要否を判断するリスクベースメンテナンス導入、毎年実施していた定期修理を
  隔年で行う2年連続運転プロジェクトの実施、物流・タンク管理のシステム化を検討
                                                           11
日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 成長施策概要
 ニーズへ柔軟対応できる体制へ移行していくと共に、独自技術を生かした用途開発を
 進め、高機能・高品質製品の追求と成長市場への積極参入を目指します



    “成長市場でのプレゼンス”確立と                マーケットイン思想での用途開発・
     “高機能・高品質製品”の追求                     組織体制の見直し

  マーケットイン思想にて、お客様のニーズ・当社の         マーケットイン思想にて、お客様のニーズがある
  独自技術がフィットする領域を開拓します。            領域への用途開発を加速すべく、要望のくみ取り
  中でも顕在化しているのはタイヤ・トナー領域です         と開発を柔軟に実行可能な体制に移行します

     成長市場でのプレゼンス確立:タイヤ                   開発・営業部の設置
      豊富なアジア需要の中で                         ニーズの発掘、当社技術力を生かした
      幅広いセグメントに対応し、まずは                    用途素材の共同開発を一層推進すべく、
      カバレッジを拡げプレゼンスを確立                    営業部門と開発部門を統合

     高機能・高品質製品の追求:トナー                    研究開発機能の集約
      高機能・高品質製品をお客様と共に                    安全性強化に加え、
      開発し拡販戦略の一翼を担い、                      研究開発の効率性を高めるため、
      市場を置き換えてゆく                          各地点在していた研究開発機能を集約


                                                              12
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 成長市場でのプレゼンス確立 -タイヤ老化防止用途(1/2)
 シェア拡大に重点を置き、アジアを中心とする市場成長を享受し事業基盤を強化します

                       世界 タイヤ出荷金額                                                    タイヤメーカー別シェア
 (十億米ドル)                                   アジア内訳
                                                                                                                    Michelin
                                                                                       その他                  15%
         +3.8%                                                     世                                                   Bridgestone
                                                                        TOYO TIRE 2%
                                                                                                 33%                                          日系
                                                                   界                                             15%                         約27%
             135.3                                                 全    Gitiタイヤ 2%
                 9.0   LAMEA                                       体    中策ゴム 2%                           4%     8%    Goodyear
                       +3.3%                                            Maxxis/Cheng Shin 3%                   7%
                                                                                                       3% Continental
  112.2
             31.3      北米                                                             横浜ゴム 3%          住友ゴム
   7.6                                                                                    Hankook Pirelli
                       +3.6%
  26.2
                       欧州             +4.0%                                                    その他
             37.7                                                                                                   Bridgestone
                       +3.8%                                                          Pirelli          7%
  31.3                                      57.3                                                               22%
                               47.1                その他 +3.4%                        Nokian
                                              8.9                  ア                            4% 8%
                               7.5             10.2 日本+3.6%        ジ             Michelin 11%                              住友ゴム                日系
                       アジア           8.6    5.6
                                                   インド+5.0%
                                                                   ア                                                 9%                     約45%
             57.3              4.4                             市
  47.1                 +4.0%                                                               8%            9% 横浜ゴム
                               26.6         32.6   中国 +4.2%    場                                      5%
                                                                                  Hankook     9%
                                                                                     Goodyear     9%
                                                                                                           TOYO TIRE
  2019       2024              2019         2024                                               Continental


                                                                       • アジアでの市場シェアを相応に有する日系メー
   • 引き続き成長基調であり、
                                                                         カーを中心として継続取引があり、タイにも当社の
     特に中国・インド等アジアが成長を牽引
                                                                         生産販売拠点を構え、事業拡大を加速する方針
                                                                                    出所:Allied Market Research「Global Automotive Tire Market 2020-2027」,
                                                                                     「Global Tire Report 2018」、その他ホームページ等公表資料より当社作成
                                                                                                                                                    13
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 成長市場でのプレゼンス確立 -タイヤ老化防止用途(2/2)
 アジアでは幅広くプレゼンス確立を目指しつつ、国内では高機能製品へ注力します

          海外(アジア) での方針                        国内での方針




   幅広いセグメントに対応し                    メーカー様のニーズにきめ細かく応える
   アジアにおけるプレゼンス確立を目指す              高機能・高品質製品を追求
   -   成長する豊富なタイヤ需要の中で幅広い           -    日本国内では、様々な環境に対応可能な
       セグメントに対応                          機能性や耐久性、色・質感等のニーズへ
   -   まずはカバレッジを拡げ、アジアにおける               きめ細かく応える
       タイヤ向けワックス供給者として              -    ワックスメーカーの中でも リファイナリー
       欠かせざるプレゼンスの確立を目指す                 (精製)機能をほぼ唯一持つ当社ならでは
   -   高機能・高品質タイヤについても                   の、多様な融点帯・性状のワックス精製・
       引き続きお客様のニーズに合わせた開発・               絶妙なブレンド組成により、お客様の
       生産を行う                             ニーズを高い水準で満たす性能を実現




                                                                14
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 高機能・高品質製品の追求 -トナー用途(1/2)
 当社主力とする、高付加価値なケミカルトナーはコロナ後も安定需要と窺えます

                         世界 トナー生産数量*1                                               トナーメーカー別シェア
 (千t)
                                                                                                               キヤノン
                    ▲0.5%                                                 ト                            18%
                                                                          ナ      その他                           Handan
  181.4 180.3 179.3 178.3 177.5 176.7                                     ー               40%              10% Hanguang                 日系
                                                                      全                                                               約45%
                                                                      体                             6%   9% リコー
                                                                                                       7%
                                                                                 京セラ 5%                    コニカミノルタ
                                               粉砕トナー モノクロ
  105.8   103.6   101.5   99.4   97.4   95.4                                     Xerox Co. 6%         富士ゼロックス
                                               ▲2.0%
                                                              ▲1.1%
                                               粉砕トナー カラー                                      その他 7%
                                                                          ケ    Dinglong 4%
                                               +3.7%
          18.0    18.7    19.4   20.1   20.8                              ミ                             23%      キヤノン
   17.3                                                                   カ
                                               ケミカルトナー モノクロ                               14%                                           日系
                                                                          ル   Xerox Co.
                  32.7    32.4   32.1   31.9   ▲0.8%
   33.2   32.9
                                                              +0.7%       ト                                       コニカミノルタ 約76%
                                               ケミカルトナー カラー                ナ               15%            21%
                                                                          ー       リコー
   25.1   25.7    26.4    27.1   27.9   28.6   +2.7%                                            17%
                                                                                                         富士ゼロックス
  2019    2020    2021    2022   2023   2024


  • コロナ影響でペーパーレス化が進み、通常業務用の
                                                                      • 日系メーカーは、粒子形状が微細かつ均一で、
    白黒印刷が減少し、モノクロレーザー機出荷数量が減衰
                                                                        高付加価値なケミカルトナーへ注力
  • 紙面での可視化効果が高いカラー印刷の需要は
                                                                      • 当社付加価値製品はケミカルトナー向けが主力
    引き続き残るものとの予測

 *1: 世界トナー生産量(データサプライ, コロナ前予測)ベースに                                                出所:IDC「Worldwide Multifunction Peripheral Forecast, 2020–2024」、
     レーザープリンター出荷数量 (IDC, コロナ後予測)の予測成長率を適用                                                                 データサプライ「トナーマーケット総覧 2019」
                                                                                                                                              15
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 高機能・高品質製品の追求 -トナー用途(2/2)
 当社のトナー原料用ワックスは、高付加価値トナーに欠かせざる位置づけにあります

   高付加価値トナーにおいて求められるニーズ                    当社ワックスの優位性




   ① 高純度
   -   より省エネルギーである低温定着トナーが
       主流化する中、低融点であるほど有害な
       UFP(超微粒子物質)が揮発し易くなる為、       分子蒸留製法による
       より不純物が少ないトナー原料用ワックス         高純度・シャープメルトなワックス基材
       の需要が高まっている
                                    -    独自の分子蒸留製法により、UFPを含む
                                         低分子をカットし 高分子成分のみを抽出
   ② シャープメルト                             する為、高純度かつ 90℃の狭い融点幅
   -   滲まず鮮明な高品質トナーにおいては、                のトナー基材を実現
       プリンターで熱を加えた時のみ融解し、
       瞬時に定着・安定するような融点幅が狭い
       ワックス原料の需要が高まっている




                                                               16
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 高機能・高品質製品の追求 ― ライスワックス (1/2)
 米糠由来のライスワックスは、既存品に対する優位性があり、代替機会が存在します

              世界 各業界ライスワックス対象市場                                              当社ライスワックスの代替機会
 (千t)            トナー*1                           ▲0.6%                  熱 • 原料として使用される
                 熱転写インキ(TTR)*2                   +10.9%                 転   カルナバ・キャンデリラワックス
                                                               ト
                 化粧品*3                           +3.9%
                                                                        写   は、
                                                               ナ
                                                               ー        ・   価格・供給量が不安定となり易い
                 ゴム老化防止用*4                       +3.4%
                                                                        化
                 プラスチック添加剤(エンジニアリングプラスチック)*5 +4.9%         ・
                                                                        粧 • ライスワックスは同機能を持ち、
                                                                            なお且つ安定供給が可能                                      自社生産での
                            +4.8%                                       品
                                                                                                                             コスト競争力
                                           335 1    351 1
                         304 1    319 1                             ゴ     • 従来ワックスに対し優れた色・                                   向上により、
       277 1    290 1                      22 1     23 1            ム
                         21 1     21 1                                      質感を持ち、プレミアムタイヤ向け                                 代替/開拓を
       19 1     20 1                  5        6        6                   での新規用途に機会
                    5        5                                                                                                目指す
           5
                                  291      305      320        フ。
                                                                          • エンジニアリングプラスチックへの
       252      264      277                                   ラ        添   滑剤・可塑剤として機会
                                                               ス
                                                               チ        加
                                                               ッ        剤 • 既存添加剤に比べ、少量でも効果
                                                               ク
                                                                            が高く、樹脂の性能に影響し難い
       2019     2020     2021    2022     2023      2024

       • ライスワックスで代替可能性のある市場では、
                                                                    • カルナバ・キャンデリラワックスを始めとする既存品に
         特にプラスチック添加剤やゴム老化防止用途
                                                                      比べ、ライスワックスは供給面・性能で優位性が存在
         において大きな機会が存在

 *1:   世界トナー生産数量にワックス使用率(5%)を乗じた上、カルナバワックスの割合(8.3%, データサプライ出典)を乗じて算出             出所:IDC「Worldwide Multifunction Peripheral Forecast, 2020–2024」
 *2:   カルナバワックス・キャンデリラワックスの Industry用途数量から上記のトナー向けカルナバワックス数量を減じて算出                                        データサプライ「トナーマーケット総覧 2019」
 *3:   カルナバワックス・キャンデリラワックスのCosmetics用途数量                                                        Smithers 「The Future of Tyre Manufacturing to 2024」
 *4:   世界タイヤ生産数量にワックス使用率 (1%)を乗じた上、ライスワックスの理論上使用率 (10%, 当社開発部調べ)を乗じて算出           Arizton「Vegetable Wax Market - Global Outlook Forecast 2020-2025」
 *5:   世界エンジニアリングプラスチック生産数量に滑剤添加剤の理論上使用率 (0.5%, 当社開発部調べ)を乗じて算出                   Modor Intelligence「Global Engineering Plastics Market 2018-2023」
                                                                                                                                                  17
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 高機能・高品質製品の追求 ― ライスワックス (2/2)
 2025年度以降の拡販に向け、本中計期間において自社生産の確立を目指しています

                               本中計の対象期間
                      2021     2022    2023     2024           2025        2025-2026
                                                                             2026         2027
                (t)     ライスワックス販売                                                      3,000
                        残渣ライスオイル販売                                                             2,325

       販売目標                                   1,200         1,200
                                                      600           600
                  110


                                 半製品調達・
       販売先開拓                 試作品営業による市場機会調査
                                                                自社製造製品による更なる拡販


        原料選定          原料選定
   自
   社
   生    製法検証            製品設計・製法検証
   産                                          コスト競争力
   の                                           を有する                   お客様との共同開発
   製                  製品試作                     製法確立
        実機試作
   法              結果検証・課題抽出・改善策検討
   確
   立    設備改善・                   装置改善                                      設備増強の検討
         投資


                                                                                                   18
  日本精蠟株式会社
1 重点施策: “成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求

 計画数値の前提
 市場展望に対しコロナ影響をより保守的に想定し、蓋然性のある見込を採用しています

                                    計画値                                           計画値前提
          (t, NSTのみ*1)
                          13,009    13,287   13,493
      タ                     2,571    2,720   2,700     計画値_新規顧客
      イ         9,505     499         524     550                    •   既存顧客からの販売増を市場成長分*2見込む
                                                       計画値_既存顧客
      ヤ                                                市場なり成長
  用                                                                  •   新規顧客分は既に顧客と合意済の生産数量を織込み
  途             9,505     9,939     10,043   10,243    成行
                                                       (’21は着地見込)


          (t)   9,026     8,970      8,918   8,870*3

      ト                                       5,402    市場スペース
      ナ                    7,015     6,149
                7,620
                                                       フルポテンシャル
                                                                     •   コロナ影響を保守的に加味し、需要立上がりを遅らせ
      ー
  用                                                                      た値を採用
                                      628     1,128    計画値_ケミカルトナー
  途                       375
                  1,268     1,428    1,975    2,175    計画値_粉砕トナー
                138       151         165      165


          (t)                                1,200
      ラ
      イ                                                              •   当中期計画(2021-2024)期間中においては、24年度の
      ス                                                フルポテンシャル          見通しを保守的に見込み、計画値織込みは無し
      ワ         110                                    計画値
      ッ                                                              •   当中期計画期間は第2期(2025年)以降での拡販に向
      ク           0         0         0        0                         けた準備期間と位置づけ、生産方法の確立等を推進
      ス
                2021      2022       2023    2024
 *1: 当社タイ子会社での生産のみ
 *2: 日本以外のアジアにおけるゴム消費量の成長率 (2021-2024)を適用
 *3: 世界トナー生産数量にワックス使用率(5%, 当社開発部調べ)を乗じて算出
                                                                                                      19
  日本精蠟株式会社
2 重点施策: “経営管理”の高度化・適正化

 バランス管理の適正化(1/2)
 購入契約済み原料油数量/販売契約済み重油数量を把握し、価格決定した原料油・
 重油双方の数量について一定枠内でのバランスに収まるよう日次で管理していきます
                                            商品リスク管理の見直し

                                            従前                                  現在


                                                                      左記を前提に買いポジション/売りポジション双
       管理方法・周期              デリバティブ取引はヘッジ目的に限定
                                                                      方の残高を日次で把握



                            価格変動リスクのある原料油及び販売重油に関                     価格変動リスクのある原料油及び販売重油に関
         ヘッジ対象
                            する実需及び見込み                                 する実需のみ



                            経理部が為替リスクを、需給部が原油価格変動                     需給部が商品と為替の市況変動リスクを主管し、
     役割/責任の明確化
                            リスクを主管                                    監査部にて需給部の管理状況を監査



                                                                      売り買いポジションのアンバランスを一定の枠内
       バランス枠管理                                                        に抑制
                            実需を超えてヘッジをする場合は取締役会決議
       / 評価損益管理                                                       枠の超過及び評価損が▲50百万円を超えた場
                                                                      合、経営執行会議に報告。同会議より指示


 ※   買いポジション   ・・・   原料油、重油在庫、価格が確定した原料油の購入契約残高、デリバティブ(固定買)の契約残高 等
     売りポジション   ・・・   価格が実質確定した重油の販売契約残高、仮価格で計上済の原料油、デリバティブ(固定売)契約残高
                                                                                               20
  日本精蠟株式会社
2 重点施策: “経営管理”の高度化・適正化

 バランス管理の適正化(2/2)
 価格の確定した原料油/重油双方の数量を一定のバランス枠内に収める目的に限定し
 て商品デリバティブを活用します

                           バランス管理のイメージ図


   原料油購入価格の固定化が進行した場合                   重油販売価格の固定化が進行した場合

                          (外枠は契約済み数量規模を表す)




       新たに         デリバ                         デリバ     新たに
      価格固定化      (固定売り)                      (固定買い)   価格固定化


        既に         既に                          既に       既に
      価格固定化      価格固定化                       価格固定化    価格固定化

    【原料油購入契約】   【重油販売契約】                 【原料油購入契約】    【重油販売契約】



                                                                 21
  日本精蠟株式会社
3 重点施策: 持続可能な社会・長期的な事業の発展に向けた“脱重油”への移行準備

 脱重油 -定量目標
 2027年には蒸留原料油の使用をゼロ、重油生産量を66,000klに抑え、付加価値の小
 さい輸出品を1/4に絞り込むべく、中計期間を通じて準備を進めます

                           2020                2025               2027

                    国内    16,000t            16,000t             16,000t
       ワ    蒸留系
       ッ            輸出    33,000t             8,300t              8,300t
       ク
       ス                                                     蒸
   生          脱油系         23,000t            23,000t             23,000t
   産                                                     重   留
                         130,000kl       関   111,000kl   油   原   66,000kl
   量          重油                         係               生   料
                                     新   者                   油
           ライスワックス製品        -        製        1,200t     産        3,000t
                                         の               を   の
                                     法   理                   使
            ライスオイル          -        を   解     600t      実        2,325t
                                                         績   用
                                     確   を                   量
                                     立   含               比
                                                         半   ゼ
            蒸留原料油        130,000kl       め   65,000kl    分   ロ     0kl
                                         て                   と
                                                         に   し
           スラックワックス       98,000t            98,700t             106,700t
   投                                                         、
   入       スケールワックス         -                 4,700t              9,000t
   量
            合成ワックス        2,000t              3,600t              9,600t

            ライス原料           -                 1,800t              5,325t

                                                                            22
  日本精蠟株式会社
3 重点施策: 持続可能な社会・長期的な事業の発展に向けた“脱重油”への移行準備

 脱重油 -ロードマップ
 2025年以降、蒸留原料油投入量及び重油生産量を半減させるべく、本中計期間にお
 いては顧客同意を得ながら製法を確立します
                                     本中計の対象期間
                  2021              2022       2023       2024     2025
       蒸留原料油     130,000kl                                        65,000kl
       重油生産量     130,000kl                                        111,000kl


               半製品製法検証
        製法検証   ライス粗蝋の選定
                                製品設計検証


               SX50-使用品の       試作結果検証、
        品質管理     法令対応、          課題抽出・
               顧客開示法検討         改善策の検討

   製           半製品の試作、ライス実機脱油検討              SX-50使用品
                                                        蒸留系の
   法    実機試作                                  の隔離を
                                                        代替を開始
   の                         製品試作             検討・実施
   確
   立                 効率的な設備への脱油能力投資を検討
        設備増強           (脱油装置改良 or 新規設計)
                                                        脱油能力増強

               各製品は顧客承認に留意して方針策定
               • 標準品・・・性状変化は承認要              新製法の                 蒸留完全停止
        組織対応                                品質管理体制                 に向けた
               • ゴム老防・・・自動車関連にて原則承認要
         /変更   • 配合品等・・・大半は承認要                を構築                製造体制の構築


        顧客対応    方針の策定                      顧客説明・承認取得              交渉実施


                                                                              23
  日本精蠟株式会社
4.業績目標




日本精蠟株式会社
業績目標
1期目より復配を実現し、最終年度は売上高262億円・営業利益15億円を目指します


                               実績       計画(1年目)    計画(最終年度)

 (単位:億円)                     2020/12期   2021/12期   2024/12期


            売上高                222        237         262

          営業利益                 ▲21           3         15
         (営業利益率)              (▲9%)        (1%)       (6%)


          当期利益                 ▲29           2         12


         有利子負債                 180        161         125

                                                             *1
          設備投資                  12           3         27


            配当(円)                  -     [ 復配 ]        10

*1: 2022/12期-2024/12期累積の金額
                                                                  25
 日本精蠟株式会社
営業利益改善要因(20/12期→24/12期)
コロナ影響からの市場回復に加え、高機能・高品質製品の拡販施策等により、20/12期
から24/12期にかけて営業利益+36億円の改善を企図しております

(単位:億円)                                                 0      15

                                                   6
                            ▲4          1



                           20/12期に抑制        高機能・高品質
                                            高付加価値製
                    23      した人件費・          品へのシフト(本
                                            製品へのシフト                    +36
          コロナ影響            経費の正常化            (本中計の
                                            中計の重点施
           からの                               重点施策)
                                               策)
          市況回復

                           前期の高値材料
                           単価からの改善
                            (油価変動・
                           デリバティブ損)
            10


  ▲21
 20/12期   売上増加    材料費単価   人件費・経費       タイヤ向け   トナー向け    子会社   24/12期
                    改善     正常化           拡販      拡販    利益増減

          市況回復    市況変動    固定費増減             成長施策       その他

                                                                       26
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