4978 J-リプロセル 2021-08-13 15:00:00
2022年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

 




 
                2022年3月期  第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                                                             2021年8月13日
上場会社名       株式会社リプロセル                                                          上場取引所  東
コード番号       4978     URL  https://reprocell.co.jp
代表者         (役職名) 代表取締役社長                             (氏名)横山          周史
問合せ先責任者     (役職名) 取締役CFO                              (氏名)赤野          滋友       TEL  045-475-3887
四半期報告書提出予定日    2021年8月13日        配当支払開始予定日                                 -
 
四半期決算補足説明資料作成の有無: 無      
 
四半期決算説明会開催の有無      : 無      
 
 
                                                                                        (百万円未満切捨て)
1.2022年3月期第1四半期の連結業績(2021年4月1日~2021年6月30日)
    (1)連結経営成績(累計)                                                          (%表示は、対前年同四半期増減率)
 
                                                                                    親会社株主に帰属する
                            売上高                  営業利益                  経常利益
                                                                                      四半期純利益
                           百万円       %           百万円           %       百万円        %    百万円   %
    2022年3月期第1四半期            382  127.5          △276          -        △122      -    △122  -
    2021年3月期第1四半期            168 △34.5           △289          -        △207      -    △208  -
 
(注)包括利益     2022年3月期第1四半期            △107百万円 (-%)               2021年3月期第1四半期           △209百万円 (-%)
 
                                               潜在株式調整後
                          1株当たり
                                                1株当たり
                         四半期純利益
                                                四半期純利益
                                     円 銭             円 銭
    2022年3月期第1四半期                   △1.70              -
    2021年3月期第1四半期                   △2.91              -
 
 
    (2)連結財政状態
                            総資産                   純資産                 自己資本比率             1株当たり純資産
                                    百万円                   百万円                      %           円 銭
    2022年3月期第1四半期                    5,878                5,386                  91.2          74.52
    2021年3月期                         6,047                5,391                  89.0          75.17
 
(参考)自己資本        2022年3月期第1四半期                 5,362百万円         2021年3月期        5,384百万円
 
2.配当の状況
                                 年間配当金
 
               第1四半期末 第2四半期末    第3四半期末                             期末             合計
                   円 銭     円 銭       円 銭                              円 銭            円 銭
  2021年3月期           -     0.00        -                              0.00            0.00
  2022年3月期           -                                                              
  2022年3月期(予想)             0.00        -                              0.00            0.00
 
(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無: 無    
 
3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
                                                                                 (%表示は、対前期増減率)
 
                                                                           親会社株主に帰属          1株当たり
                     売上高                 営業利益                  経常利益
                                                                           する当期純利益           当期純利益
                   百万円         %       百万円        %       百万円         %     百万円   %             円 銭
    通期             2,106     63.8      △377       -       △157        -     △157  -             △2.20
 
(注)直近に公表されている業績予想からの修正の有無: 無    
 
※  注記事項
    (1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動): 無    
 
    (2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用: 無    
 
    (3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
      ①  会計基準等の改正に伴う会計方針の変更        : 有    
 
      ②  ①以外の会計方針の変更                      : 無    
 
      ③  会計上の見積りの変更                        : 無    
 
    ④  修正再表示                                  : 無    
  (注)詳細は、添付資料P.10「2.四半期連結財務諸表及び主な注記(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
     (会計方針の変更)」をご覧ください。
  (4)発行済株式数(普通株式)
      ①  期末発行済株式数(自己株式を含む) 2022年3月期1Q                71,998,991株   2021年3月期     71,667,391株

      ②  期末自己株式数                    2022年3月期1Q          33,750株    2021年3月期        33,750株

      ③  期中平均株式数(四半期累計)             2022年3月期1Q       71,666,305株   2021年3月期1Q   71,380,641株

 
※  四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
 
※  業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
    本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
     断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前
     提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料P5「連結業績予想などの将来予
     測情報に関する説明」をご覧ください。
      
                                                 (株)リプロセル (4978)
                                           2022年3月期 第1四半期決算短信
○添付資料の目次
 
    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………     2
     (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………     2
     (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………     5
     (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………………     5
    2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………     6
     (1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………     6
     (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………………………     8
        四半期連結損益計算書                                          
         第1四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………     8
        四半期連結包括利益計算書                                        
         第1四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………     9
     (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………    10
       (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………    10
       (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………    10
       (会計方針の変更) …………………………………………………………………………………………………    10
       (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………………………    11
       (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………………………    12
    3.その他 ……………………………………………………………………………………………………………………    12
     継続企業の前提に関する重要事象等 ……………………………………………………………………………………    12
 




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                                                    (株)リプロセル (4978)
                                              2022年3月期 第1四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
 文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
  
 (1)経営成績に関する説明
  当社の中核事業領域であるiPS細胞は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の発明以降、世界中で研究が盛んに行われ
 ております。
  最近では、iPS細胞を活用した病態解明や再生医療への応用など、実用的な研究開発が多く行われるようになりま
 した。2017年には、希少難病の患者から作製したiPS細胞を活用して病態を解明し、新薬候補の治験へつなげた事例
 が報告され、さらに、再生医療に関しても、iPS細胞を使った加齢黄斑変性、パーキンソン病、虚血性心筋症等の臨
 床研究及び治験が進められております。
  当社では、前者のようにiPS細胞を病態解明や創薬研究に使用する事業を「研究支援事業」、後者の再生医療を
 「メディカル事業」と位置付け、二つのセグメントに分け、推進しております。
  
     研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品、iPS細胞
 作製受託などの研究サービス、及び細胞測定機器を提供しております。研究用途であるため、医薬品のような製造販
 売承認は必要とされず、新しい技術を比較的短期間で事業化し収益を上げることができる特長があり、現時点では、
 研究支援事業の売上が全体の70%以上を占めております。当社では、iPS細胞を中心とした幅広い「ヒト細胞ビジネ
 スプラットフォーム」を保有しており、競争優位性の高い製品やサービスを世界中で展開し、短中期の収益の柱とし
 て推進しております。
   
  一方、メディカル事業では、現在、脊髄小脳変性症を対象とした再生医療製品ステムカイマル及び、横断性脊髄炎
 及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたiPS神経グリア細胞の研究開発を進めております。ステムカイマルの国
 内第II相臨床試験において、2020年2月に第1例目の被験者への投与を開始し、2021年5月に予定通り全被験者の投
 与が完了いたしました。引き続き、早期の製造販売承認の取得を目指してまいります。さらに、新たな再生医療事業
 として、安全性の高い臨床用iPS細胞の受託作製サービスを開始いたしました。製薬企業向けとして、「GMP-iPS細胞
 マスターセルバンク」、個人向けとして「パーソナルiPS」の二つを提供しております。
      
     再生医療に関しては、上市までに臨床試験を行い製造販売承認を取得する必要があるため、研究支援事業より事業
 化に時間が必要とされますが、日本では2014年の法改正により、世界で最も再生医療の産業化に適した環境が整いつ
 つあります。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称 薬機法)」では、治験
 において安全性が確認され、有効性が推定された再生医療等製品に対して早期承認(条件・期限付き承認)を与える
 ことが可能になりました。これにより、患者様に対して新たな治療機会を早期に提供すると共に、治験期間の短縮や
 治験費用の削減が期待できます。
   
  また、経済産業省の報告書(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備「根本治療の実現」に
 向けた適切な支援のあり方の調査」)によると、再生医療産業のグローバルでの市場規模は2030年で約5~10兆円と
 なっており、今後、巨大市場に成長することが見込まれています。
  このように、再生医療を中長期的な成長事業と位置付け、早期の製造販売承認の取得を目指します。
      
     さらに、メディカル事業では、臨床検査受託サービスにも力を入れており、日本では、臓器移植にかかわるHLA関
 連検査及び新型コロナウイルスPCR検査、インドでは、無侵襲型出生前検査(NIPT)及びがんのコンパニオン診断サ
 ービスを実施しております。今後とも新たな検査項目を追加し、事業を拡大してまいります。
      
     短中期的な収益の柱である「研究支援事業」と、中長期的な成長事業である「メディカル事業」の両方を組み合わ
 せることで、短期→中期→長期と、持続的な成長を目指します。
   
  2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大は、依然、世界各国で続いており、日本では緊急事態宣言が継続
 されております。一方、ワクチンの接種が進んでいる欧米では経済活動が正常に戻りつつあります。ただし、各国に
 おける新型コロナウイルスの感染拡大やワクチン接種状況は、依然不透明な部分が多く、今後とも新型コロナウイル
 スの影響が継続する可能性もあります。
      
     この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高382百万円(前年同四半期比 127.5%増)、営業損失
 276百万円(前年同四半期 289百万円の損失)、経常損失122百万円(前年同四半期 207百万円の損失)、親会社株主
 に帰属する四半期純損失122百万円(前年同四半期 208百万円の損失)となりました。
  

                             - 2 -
                                                          (株)リプロセル (4978)
                                                    2022年3月期 第1四半期決算短信
    セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
    a.研究支援事業
     研究支援事業では、大学/公的研究機関及び製薬企業等の研究所を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製
    品及びiPS細胞作製受託などの研究サービスを提供しております。最先端技術を集約した製品・サービスを上記研
    究機関に提供することで、画期的な新薬や治療法の開発に貢献してまいります。現在、世界中の製薬企業では、動
    物愛護の観点や、ヒトと動物の種の違いによる試験結果の差といった問題点などから「動物実験からヒト細胞実
    験」への大きなシフトが進んでいます。今後、ヒト細胞実験が普及することで、これまで十数年かかっていた新薬
    開発のプロセスが大幅に短縮され、さらに、従来と比べて性能の高い新薬が開発できることが期待されています。
    中でもヒトiPS細胞はその中心的存在として注目を集めており、例えば、アルツハイマー病患者から作製したiPS細
    胞を研究で使うことで、アルツハイマー病の病態解明及び新薬開発が加速されると期待されています。
     当社グループでは、RNAリプログラミング技術及び各種細胞への分化誘導技術など、ヒトiPS細胞に関する世界最
    先端の技術プラットフォームを保有しており、さらに、がん細胞やヒト組織を医療機関から調達する幅広いネット
    ワークも保有しております。これら技術優位性の高い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を最大限活用するこ
    とで、上記の「動物実験からヒト細胞実験」へのシフトを先取りした事業を進めております。具体的には、iPS細
    胞研究用の研究試薬製品、患者の組織からiPS細胞を作製する病態モデル細胞の作製、ヒト組織を用いた新薬の薬
    効薬理試験サービス、ヒト生体試料のバンキングなどがあります。
     さらに、上記の研究用製品及び研究サービスに加え、Axion BioSystems社(米国)の細胞測定機器、及び
    Blacktrace Holdings社(英国)のシングルセル解析機器などの研究機器の販売を行っております。これらの機器
    は、当社のiPS細胞及び疾患モデル細胞を創薬スクリーニングに応用するためのものであり、細胞と機器を一元化
    して販売することで、総合的なソリューションを顧客に提供しております。
     
     新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の研究開発が世界中の製薬企業およびバイオベンチャーで精力的に進め
    られておりますが、患者から採取した生体試料(血液、血清)は、その重要な研究材料になります。当社では、米
    国の医療機関とのネットワーク及び生体試料バンクのノウハウを活用して、新型コロナウイルス患者由来の生体試
    料を採取し、世界中の製薬企業に提供しております。
         
        この結果、売上高は281百万円(前年同四半期比76.1%増)、セグメント利益は31百万円(前年同四半期10百万円
    の損失)となりました。
 
    b.メディカル事業
     再生医療分野においては、ヒト体性幹細胞やヒトiPS細胞の臨床応用を目指した研究が世界中で盛んに行われて
    おり、将来、再生医療製品がグローバルで巨大産業に成長することが見込まれています。
     特にiPS細胞は、体の様々な細胞に分化させる事が可能であることから、有効な治療法のない難病に対する臨床
    応用に大きな期待が寄せられています。iPS細胞を医療に応用する場合の最大の技術課題は安全性の確保ですが、
    当社では、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクの低い、高品質で臨床応用に適した
    iPS細胞を作製する「RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。RNAリプログラミングの技術優位性
    を活かし、iPS細胞の早期の臨床応用を目指しております。
     
        メディカル事業では以下の事業を推進しております。
     
    (a) 体性幹細胞製品ステムカイマル
     ヒト細胞加工製品ステムカイマルは台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発し
    た再生医療製品であり、当社は脊髄小脳変性症を対象とした日本における独占的商業ライセンス契約を締結してお
    ります。
     脊髄小脳変性症は、小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまう事により、徐々に歩行障害や嚥下障害などの
    運動失調が現れ、日常の生活が不自由となってしまう原因不明の希少疾患です。ステムカイマルの投与により、症
    状の進行を抑制する効果が期待されています。ステムカイマルは、腕の血管から静脈注射(点滴)で投与するた
    め、侵襲性が低い治療法になります。
     日本国内で、第II相臨床試験を実施しており、2020年2月には、国立学校法人名古屋大学において、第1例目の
    被験者への投与を開始し、2021年5月に、予定通り全被験者への投与が完了しました。
     本治験では、「多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検、並行群間比較」という非常にエビデンスレ
    ベルが高いデザインを採用しており、今後、安全性と有効性について評価を行い、早期の製造販売承認の取得を目
    指します。なお、本治験は、これまで新型コロナウイルスの影響を受けること無く、スケジュール通り進んでおり
    ます。



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                                                (株)リプロセル (4978)
                                          2022年3月期 第1四半期決算短信
    台湾では、ステミネント社が第II相臨床試験を完了しており、これまでに重篤な安全性の問題は見られていない
ことが確認されています。有効性については、現在データの解析が行われています。米国でも、ステムカイマルの
治験計画届(IND)がFDAの承認を得ております。
 また、日本では、2018年12月に厚生労働省による大臣承認を経て、希少疾病用再生医療等製品として指定されて
おり、開発に係る経費の助成金(最大50%)、優遇税制措置、及び優先審査等の支援措置を受けることができるよ
うになっております。
 当社では、病気と闘っている患者様へ少しでも早く新しい治療法が届けられるよう、本プロジェクトを積極的に
推進してまいります。
 
(b) iPS神経グリア細胞製品
  iPS細胞から神経グリア細胞を作製し、各種神経変性疾患に対するiPS細胞再生医療製品として研究開発を行って
おります。本プロジェクトを加速させるため、2018年4月に、米国Q Therapeutics Inc.(キューセラピューティ
クス、以下、Qセラ社)との間で合弁会社「株式会社MAGiQセラピューティクス」を設立いたしました。Qセラ社は
中枢神経系の再生医療に特化したベンチャー企業であり、Qセラ社の創業者である、Mahendra Rao博士はアメリカ
国立衛生研究所(NIH)再生医療センターの初代ディレクターも務めた、神経幹細胞の世界的に著名な研究者です。
合弁会社では、当社のiPS細胞技術とQセラ社の中枢神経系の技術を組み合わせることで、iPS神経グリア細胞の開
発を加速しております。
 現在、iPS神経グリア細胞を用いた前臨床試験(動物実験)を公益財団法人実験動物中央研究所と実施しており
ます。また、iPS神経グリア細胞の製造のため「殿町・リプロセル再生医療センター」(神奈川県ライフイノベー
ションセンター内)の整備を進め、2021年3月に厚生労働省関東信越厚生局より再生医療等の安全性の確保等に関
する法律に基づき「特定細胞加工物製造許可」(施設番号:FA3200006)を取得しております。
 
(c) 臨床用iPS細胞
 iPS細胞による再生医療の研究開発は世界中で精力的に行われており、日本でも、加齢黄斑変性、パーキンソン
病、虚血性心筋症等の臨床研究及び治験が進められています。再生医療に用いるiPS細胞には高い安全性と品質、
さらに各国の医療ガイドラインに準じることが必要とされます。
 安全性の高いiPS細胞を作製するためには、iPS細胞を作るプロセスである「リプログラミング」が重要になりま
す。リプログラミング技術は様々報告されていますが、当社では遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイ
ルス残存リスクの低い最先端の「RNAリプログラミング技術」を開発・保有しております。本技術を利用すること
で、臨床応用に最適なiPS細胞を作製することができます。
 製薬企業向けとして、「GMP-iPS細胞マスターセルバンク」、個人向けとして「パーソナルiPS」の二つを提供し
ております。
 「GMP-iPS細胞マスターセルバンク」では、医薬品製造の規制であるGMP(Good Manufacturing Practice)に準拠
してiPS細胞を大量製造し、再生医療製品の出発材料として製薬企業等に提供します。当社のiPS細胞は、日米欧の
3極の規制に準拠しているため、日米欧で幅広く使用できることが強みになります。
 「パーソナルiPS」は、将来の疾患に備え、個人のiPS細胞を作製し保管するサービスです。個人のiPS細胞を予
め作製することで、治療までの期間を短縮でき、さらに免疫拒絶のリスクを最小化した移植治療を実現します。
 また、2021年6月、これら臨床用iPS細胞の専用製造施設「Seed iPSC Manufacture Suite (SiMS)」をアメリカ
子会社内に開設いたしました。
 
(d) 臨床検査受託サービス
 2005年に衛生検査所として登録して以来、臓器移植に関連した臨床検査受託サービスを行っており、これまで日
本全国300以上の医療機関との取引実績があります。主力検査項目は、免疫拒絶に関わるHLAタイピング及び抗HLA
抗体検査になります。
 2021年3月に、新型コロナウイルスPCR検査を新たに開始いたしました。変異株を見逃さず検出できるスマート
アンプ試薬(株式会社ダナフォーム社製)を用い、さらに陽性検体に対してはイギリス株、インド株など複数の変
異株の特定検査を同時に行っております。個人、法人、医療機関を対象として本検査を拡大しております。
 さらに、インド子会社では、2021年3月、無侵襲型出生前検査を新たに開始いたしました。これは、母体の血液
から高精度に赤ちゃんの染色体異常を調べる検査になります。また、2021年4月には、がんのコンパニオン診断サ
ービスも開始いたしました。インド子会社で保有している次世代ゲノム解析技術を応用し、今後とも臨床検査事業
を拡大してまいります。
 
    この結果、売上高は101百万円(前年同四半期比1,076.1%増)、セグメント損失は36百万円(前年同四半期35百
万円の損失)となりました。
 

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                                                    (株)リプロセル (4978)
                                              2022年3月期 第1四半期決算短信
         なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が117百万円(前年同四半期162百
        万円)あります。
     
    (2)財政状態に関する説明
     (資産の部)
         当第1四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末に比べて184百万円減少し、5,059百万円とな
        りました。これは主に、現金及び預金が381百万円増加したこと、有価証券が500百万円、原材料及び貯蔵品が83百
        万円減少したことなどによります。固定資産は前連結会計年度末に比べて16百万円増加し、818百万円となりまし
        た。これは主に、投資有価証券が17百万円増加したことなどによります。
         
        (負債の部)
         当第1四半期連結会計期間末における流動負債は前連結会計年度末に比べて88百万円減少し、465百万円となり
        ました。これは主に、1年内返済予定長期借入金が80百万円増加したこと、買掛金が64百万円、前受金が115百万
        円減少したことなどによります。固定負債は前連結会計年度末に比べて75百万円減少し、27百万円となりました。
        これは主に、長期借入金が80百万円減少したことなどによります。
         
        (純資産の部)
         当第1四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて4百万円減少し、5,386百万円となり
        ました。これは主に、資本金が44百万円、資本剰余金が44百万円増加したこと、利益剰余金が125百万円減少した
        ことなどによります。
         
    (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
      2022年3月期通期連結業績予想について、2021年5月12日に発表しました業績予想に変更はありません。
 




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                                                        (株)リプロセル (4978)
                                                  2022年3月期 第1四半期決算短信
2.四半期連結財務諸表及び主な注記
    (1)四半期連結貸借対照表
                                                        (単位:千円)
                             前連結会計年度             当第1四半期連結会計期間
                            (2021年3月31日)           (2021年6月30日)
    資産の部                                                            
     流動資産                                                           
       現金及び預金                        2,601,406             2,983,123
       売掛金                             191,227               200,527
       有価証券                          2,000,000             1,500,000
       商品及び製品                           45,099                60,861
       仕掛品                              27,099                17,239
       原材料及び貯蔵品                        234,449               151,026
       その他                             156,480               156,824
       貸倒引当金                          △10,790                △9,622
       流動資産合計                        5,244,972             5,059,981
     固定資産                                                           
       有形固定資産                                                       
         建物及び構築物(純額)                    33,440                36,007
         機械装置及び運搬具(純額)                  73,450                72,908
         工具、器具及び備品(純額)                  66,685                70,453
         有形固定資産合計                      173,576               179,369
       無形固定資産                                                       
         のれん                            18,991                18,312
         その他                            17,810                16,879
         無形固定資産合計                       36,801                35,192
       投資その他の資産                                                     
         投資有価証券                        543,232               560,744
         その他                            73,061                67,113
         貸倒引当金                        △24,155               △23,799
         投資その他の資産合計                    592,137               604,058
       固定資産合計                          802,515               818,620
     資産合計                            6,047,488             5,878,601
    負債の部                                                            
     流動負債                                                           
       買掛金                             145,957                81,431
       1年内返済予定の長期借入金                         -                80,000
       未払金                             103,484                81,356
       未払法人税等                           23,482                19,743
       前受金                             148,994                33,232
       賞与引当金                             9,476                 6,712
       その他                             122,033               162,538
       流動負債合計                          553,429               465,013
     固定負債                                                           
       長期借入金                            80,000                     -
       繰延税金負債                           15,222                19,466
       資産除去債務                            7,503                 7,534
       その他                                 277                   357
       固定負債合計                          103,003                27,357
     負債合計                              656,433               492,371
 




                         - 6 -
                                                     (株)リプロセル (4978)
                                               2022年3月期 第1四半期決算短信
 
                                                     (単位:千円)
                           前連結会計年度            当第1四半期連結会計期間
                          (2021年3月31日)          (2021年6月30日)
    純資産の部                                                       
     株主資本                                                       
       資本金                        6,802,191            6,846,435
       資本剰余金                      7,654,059            7,698,303
       利益剰余金                     △9,031,649           △9,156,917
       自己株式                           △915                 △915
       株主資本合計                     5,423,687            5,386,906
     その他の包括利益累計額                                                
       その他有価証券評価差額金                  33,652               48,652
       為替換算調整勘定                    △72,921              △72,888
       その他の包括利益累計額合計               △39,268              △24,236
     新株予約権                                -               17,346
     非支配株主持分                          6,636                6,213
     純資産合計                        5,391,055            5,386,229
    負債純資産合計                       6,047,488            5,878,601
 




                       - 7 -
                                                         (株)リプロセル (4978)
                                                   2022年3月期 第1四半期決算短信
    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
     (四半期連結損益計算書)
      (第1四半期連結累計期間)
                                                         (単位:千円)
                            前第1四半期連結累計期間          当第1四半期連結累計期間
                             (自 2020年4月1日          (自 2021年4月1日
                              至 2020年6月30日)         至 2021年6月30日)
    売上高                                                             
     製品売上高                             107,487               179,372
     役務収益                               60,776               203,470
     売上高合計                             168,264               382,842
    売上原価                                                            
     製品売上原価                             75,618                98,579
     役務原価                               52,776               139,652
     売上原価合計                            128,395               238,232
    売上総利益                               39,868               144,610
    販売費及び一般管理費                                                      
     研究開発費                             118,304               169,129
     その他の販売費及び一般管理費                    211,117               252,149
     販売費及び一般管理費合計                      329,421               421,279
    営業損失(△)                           △289,552              △276,668
    営業外収益                                                           
     受取利息                                  342                 1,403
     補助金収入                              86,234               144,212
     為替差益                                    -                 2,666
     持分法による投資利益                              -                 1,159
     その他                                 1,500                 5,182
     営業外収益合計                            88,077               154,624
    営業外費用                                                           
     支払利息                                   80                    80
     為替差損                                5,722                     -
     持分法による投資損失                            480                     -
     その他                                   130                    76
     営業外費用合計                             6,413                   157
    経常損失(△)                           △207,888              △122,200
    税金等調整前四半期純損失(△)                   △207,888              △122,200
    法人税、住民税及び事業税                           483                   447
    法人税等調整額                                 -                  △131
    法人税等合計                                 483                   315
    四半期純損失(△)                         △208,372              △122,515
    非支配株主に帰属する四半期純損失(△)                  △305                  △433
    親会社株主に帰属する四半期純損失(△)               △208,067              △122,082
 




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                                                     (株)リプロセル (4978)
                                               2022年3月期 第1四半期決算短信
     (四半期連結包括利益計算書)
      (第1四半期連結累計期間)
                                                     (単位:千円)
                        前第1四半期連結累計期間          当第1四半期連結累計期間
                         (自 2020年4月1日          (自 2021年4月1日
                          至 2020年6月30日)         至 2021年6月30日)
    四半期純損失(△)                     △208,372              △122,515
    その他の包括利益                                                    
     その他有価証券評価差額金                    1,955                12,372
     為替換算調整勘定                      △5,710                     42
     持分法適用会社に対する持分相当額                2,508                 2,627
     その他の包括利益合計                    △1,245                 15,042
    四半期包括利益                       △209,618              △107,473
    (内訳)                                                        
     親会社株主に係る四半期包括利益              △209,279              △107,049
     非支配株主に係る四半期包括利益                 △338                  △423
 




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                                                      (株)リプロセル (4978)
                                                2022年3月期 第1四半期決算短信
    (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
    (継続企業の前提に関する注記)
      該当事項はありません。
 
    (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
      当社は、新株予約権の行使に伴う新株の発行により、当第1四半期連結累計期間において資本金及び資本準備金
     がそれぞれ44,243千円増加し、当第1四半期連結会計期間末において資本金が6,846,435千円、資本準備金が
     7,283,092千円となっております。
      
    (会計方針の変更)
      (収益認識に関する会計基準等の適用)
       「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」とい
      う。)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点
      で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしています。これにより、
      役務収益のうちの一部の受託サービスにおける履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法について、従来のア
      ウトプット法に基づいた方法からインプット法に変更しています。
       収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従って
      おり、当第1四半期連結会計期間の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当第1
      四半期連結会計期間の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。ただ
      し、収益認識会計基準第86項に定める方法を適用し、当第1四半期連結会計期間の期首より前までに従前の取扱
      いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。また、収
      益認識会計基準第86項また書き(1)に定める方法を適用し、当第1四半期連結会計期間の期首より前までに行わ
      れた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、会計処理を行い、その累積的影響
      額を当第1四半期連結会計期間の期首の利益剰余金に加減しております。
       この結果、収益認識会計基準等の適用による、当第1四半期連結累計期間の損益に与える影響は軽微でありま
      す。また、利益剰余金の当期首残高は3,185千円減少しております。
       「四半期財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準 第12号 2020年3月31日)第28-15項に定める経過的な
      取扱いに従って、前第1四半期連結累計期間に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しており
      ません。
        
      (時価の算定に関する会計基準等の適用)
       「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号  2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」とい
      う。)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計
      基準」(企業会計基準第10号  2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基
      準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することといたしました。なお、当該会計基準等の適用が
      四半期連結財務諸表に与える影響はありません。
        




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                                                                       (株)リプロセル (4978)
                                                                 2022年3月期 第1四半期決算短信
     (セグメント情報等)
          【セグメント情報】
           Ⅰ 前第1四半期連結累計期間(自     2020年4月1日      至   2020年6月30日)
            1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                             (単位:千円)
                                                                              四半期連結
                                     報告セグメント
                                                                 調整額          損益計算書
                                                                 (注)1          計上額
                         研究支援事業      メディカル事業          計
                                                                               (注)2
    売上高                                                                               

     外部顧客への売上高             159,610         8,653      168,264           -      168,264
     セグメント間の内部売上高又は
                                -              -           -            -           -
     振替高
               計           159,610         8,653      168,264           -      168,264

    セグメント損失(△)             △10,420      △35,240       △45,660     △162,228    △207,888
    (注)1    セグメント損失(△)の調整額△162,228千円は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費等の全社費
           用であります。
          2 セグメント損失(△)は、四半期連結損益計算書の経常損失と調整を行っております。
 
            2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
              該当事項はありません。
 
           Ⅱ   当第1四半期連結累計期間(自   2021年4月1日      至   2021年6月30日)
            1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報並びに収益の分解情報
                                                     (単位:千円)
                                                      四半期連結
                                報告セグメント
                                               調整額    損益計算書
                                               (注)1    計上額
                        研究支援事業 メディカル事業   計
                                                       (注)2
    売上高                                                                               

     日本                     72,762       101,776      174,538            -     174,538

     米国                    119,013             -      119,013            -     119,013

     英国                     76,532             -       76,532            -      76,532

     インド                    12,758             -       12,758            -      12,758

     その他                         -             -            -            -           -

     顧客との契約から生じる収益         281,066       101,776      382,842            -     382,842

     外部顧客への売上高             281,066       101,776      382,842            -     382,842
     セグメント間の内部売上高又は
                                 -             -            -            -           -
     振替高
               計           281,066       101,776      382,842            -     382,842

    セグメント利益又は損失(△)          31,421      △36,333       △4,911      △117,288    △122,200
    (注)1     セグメント利益又は損失(△)の調整額△117,288千円は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費等
            の全社費用であります。
          2 セグメント利益又は損失(△)は、四半期連結損益計算書の経常損失と調整を行っております。
           
             2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
               該当事項はありません。
 




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                                                     (株)リプロセル (4978)
                                               2022年3月期 第1四半期決算短信
     (重要な後発事象)
       (資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分)
        2021年6月25日開催の第19回定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に
       ついての決議を受け、2021年8月6日付でその効力が発生しております。
       (1)資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を行う目的
         現在生じている繰越利益剰余金の欠損金を填補し、財務体質の健全化を図るとともに、今後の資本政策上
        の柔軟性及び機動性を確保することを目的としております。
       (2)資本金及び資本準備金の額の減少の内容
           減少する資本金及び資本準備金の額
         資本金 6,302,191,961円
         資本準備金 2,110,594,330円
       (3)資本金及び資本準備金の額の減少の方法
           払い戻しを行わない無償減資とし、発行済株式総数の変更は行わず、資本金及び資本準備金の額のみを減
          少させて、その他資本剰余金に振り替えます。
       (4)剰余金の処分の内容
         資本金及び資本準備金の額の減少の効力発生を条件に、資本金及び資本準備金の額の減少により生じるそ
        の他資本剰余金を含むその他資本剰余金8,859,508,391円を繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当しま
        す。
         
3.その他
    継続企業の前提に関する重要事象等
      iPS細胞及び再生医療製品等の研究開発および治験費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損
     失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
      しかしながら、当社グループの当第1四半期連結会計期間の現金及び預金残高は2,983百万円、短期的な資金運用
     を行っている有価証券が1,500百万円あり、財務基盤については安定しております。当該状況の解消を図るべく、グ
     ローバルな販売基盤を活用した販売促進を積極的に行っております。グループ経営体制の運営効率化のため、投資及
     びランニング費用を最小限に抑えつつ、地域特性に合わせた営業・マーケティング展開、営業面ならびに技術面での
     各社間の連携促進を進め、早期の黒字化を目指しております。
 
 




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