4889 M-レナサイエンス 2021-11-11 15:00:00
2022年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

             2022年3月期           第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                               2021年11月11日
上 場 会 社 名   株式会社レナサイエンス                上場取引所        東
コ ー ド 番 号   4889                   URL https://www.renascience.co.jp/
代   表   者 (役職名)代表取締役社長        (氏名)内藤 幸嗣
問合せ先責任者   (役職名)取締役管理管掌兼管理部長 (氏名)池田 和博                    (TEL)03(6262)0873
四半期報告書提出予定日      2021年11月11日   配当支払開始予定日               -
四半期決算補足説明資料作成の有無 : 有
四半期決算説明会開催の有無        : 有(機関投資家・アナリスト向け)
                                                           (百万円未満切捨て)
1.2022年3月期第2四半期の業績(2021年4月1日~2021年9月30日)
(1)経営成績(累計)                                                         (%表示は、対前年同四半期増減率)
                       事業収益                  営業利益                経常利益                   四半期純利益
                       百万円          %        百万円            %    百万円           %            百万円        %
2022年3月期第2四半期           31          -           △91         -    △119         -             △119       -
2021年3月期第2四半期           -           -            -          -      -          -               -        -
                                                                               
                                            潜在株式調整後
                       1株当たり
                                              1株当たり
                      四半期純利益
                                             四半期純利益
                                円   銭                   円   銭
 2022年3月期第2四半期         △11.78        -
 2021年3月期第2四半期             -         -
  (注) 1.当社は、2021年3月期第2四半期については、四半期財務諸表を作成していないため、2021年3月期第2四
        半期の数値及び対前年同四半期増減率並びに2022年3月期第2四半期の対前年同四半期増減率は記載してお
        りません。
      2.潜在株式調整後1株当たり四半期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり四半期純損失
        であるため、記載しておりません。
      3.当社は2021年6月1日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っており、当事業年度の期首に
        株式分割が行われたと仮定して、1株当たり四半期純損失を算定しております。
(2)財政状態
                       総資産                      純資産             自己資本比率
                                百万円                     百万円                    %
2022年3月期第2四半期         2,702                              2,062               76.3
2021年3月期              1,066                                561               52.6
 (参考) 自己資本 2022年3月期第2四半期 2,062 百万円                       2021年3月期       561 百万円
2.配当の状況
                                                年間配当金

                 第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                           期末                合計
                        円   銭           円   銭           円   銭       円   銭           円    銭
 2021年3月期          -    0.00                                -        0.00              0.00
 2022年3月期          -    0.00
 2022年3月期(予想)                                               -        0.00              0.00
 (注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無                         :   無

3.2022年3月期の業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
                                                                          (%表示は、対前期増減率)
                                                                                1株当たり
               事業収益             営業利益                    経常利益            当期純利益
                                                                                当期純利益
                百万円     %           百万円         %       百万円     %           百万円         %          円   銭
     通期        122 △41.7   △395 -   △399 -   △400 -   △35.13
 (注) 1.直近に公表されている業績予想からの修正の有無 : 無
     2.1株当たり当期純利益は、公募株式数(2,240,000株)およびオーバーアロットメントによる売出しに関連
        する第三者割当増資分(442,700株)を含めた期中平均発行済(予定)株式数により算出しております。
※    注記事項
(1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用                   : 無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
     ①   会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                : 有

     ②   ①以外の会計方針の変更                       : 無

     ③   会計上の見積りの変更                        : 無

     ④   修正再表示                             : 無
(3)発行済株式数(普通株式)
     ①   期末発行済株式数(自己株式を含む)    2022年3月期2Q   12,269,000株   2021年3月期     9,849,000株

     ②   期末自己株式数              2022年3月期2Q          -株     2021年3月期           -株

     ③   期中平均株式数(四半期累計)       2022年3月期2Q   10,134,245株   2021年3月期2Q         -株

 (注) 1.当社は、2021年3月期第2四半期については、四半期財務諸表を作成していないため、2021年3月期第2四
       半期の期中平均株式数を記載しておりません。
     2.当社は2021年4月6日を払込期日とする第三者割当による新株発行により、新株式600株を発行しておりま
       す。
     3.当社は2021年6月1日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っており、前事業年度の期首に
       株式分割が行われたと仮定して、発行済株式数(普通株式)を算定しております。
     4.当社は2021年9月24日の東証マザーズへの上場に伴う新株発行により、新株式2,240,000株を発行しており
       ます。


※   四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
 
※   業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
    (将来に関する記述等についてのご注意)
     本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
    判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業
    績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。なお、業績予想に関する事項は、添付資料P.8をご参照
    下さい。


 (四半期決算補足説明資料の入手方法)
     当社は、2021年11月25日(木)に機関投資家・アナリスト向け説明会を開催する予定です。この説明会で使用す
    る資料につきましては、開催後速やかに当社ホームページに掲載する予定です。
 
                     株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信


○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 …………………………………………………………………… 2

    (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………… 2

    (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………… 2

    (3)研究開発活動に関する説明 ………………………………………………………………………… 3

    (4)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………… 8

    2.四半期財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………… 9

    (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………… 9

    (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………… 11

       第2四半期累計期間 ………………………………………………………………………………… 11

    (3)四半期キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………… 12

    (4)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………… 13

      (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………… 13

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………… 13

      (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………… 13

      (収益認識関係) ……………………………………………………………………………………… 13

      (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………… 13




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                            株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報

 (会社概要)
  当社は、医療現場の課題を解決するための多様なモダリティ(医薬品、医療機器、人工知能(AI)ソリューション
等)を、医師と共に医療現場で研究開発し、医療イノベーション創出に貢献し続けることで、ヒトが心身共に生涯に
わたって健康を享受できるための新しい医療を創造したいと考えております。老化関連疾患(がん・糖尿病・呼吸器
疾患・循環器疾患)、女性・小児の疾患、新型コロナウイルス感染症など、医学的あるいは社会的にも重要な課題を
解決すべく取り組んでいます。


 当第2四半期の経営成績、財政状態及び研究開発活動の概要は以下のとおりです。なお、当社は、前第2四半期累
計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。


(1)経営成績に関する説明
 当第2四半期累計期間における事業収益は、RSAI02(慢性透析システム支援)における契約一時金を受領したこと、
および、RS9001(ディスポーザブル極細内視鏡)におけるマイルストーン収入を計上したことにより31,061千円、営
業損失は、RS8001(PMS/PMDD)やRS5614(COVID-19)などの研究開発費18,582千円を含む事業費用120,543千円を計上
したことなどにより91,482千円、経常損失は、株式交付費を23,906千円計上したことなどにより119,199千円、四半期
純損失は119,344千円となりました。
 なお、当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。


(2)財政状態に関する説明
①財政状態の状況
(資産)
 当第2四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末の1,042,644千円と比べて1,637,416千円増加し、2,680,060千
円となりました。これは主として、2021年9月に東証マザーズに上場したことに伴う株式発行などにより、現金及び
預金が1,637,995千円増加したことなどによるものです。
 また、当第2四半期会計期間末の固定資産は、前事業年度末の23,988千円と比べて1,835千円減少し、22,152千円と
なりました。これは主として減価償却によるものです。
 この結果、資産合計は、前事業年度末の1,066,632千円と比べて1,635,580千円増加し、2,702,213千円となりまし
た。


(負債)
 当第2四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末の29,449千円と比べて67,432千円増加し、96,882千円となり
ました。これは主として、RS5614(COVID-19)に係る受託研究収入を受領したことにより、前受金が78,000千円増加
したことなどによるものです。
 また、当第2四半期会計期間末の固定負債は、前事業年度末の475,650千円と比べて66,756千円増加し、542,406千
円となりました。これはRS8001(PMS/PMDD)に係るCiCLE事業による研究開発資金の受入れにより、長期借入金が
66,756千円増加したことによるものです。
 この結果、負債合計は、前事業年度末の505,099千円と比べて134,189千円増加し、639,288千円となりました。


(純資産)
 当第2四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末の561,533千円と比べて1,501,391千円増加し、2,062,924千円と
なりました。これは主として、2021年9月に東証マザーズに上場したことに伴う株式発行などにより、資本金及び資
本準備金がそれぞれ810,368千円増加したことなどによるものです。


②キャッシュ・フローの状況
 当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物は、2,282,939千円となりました。当第2四半期累計期間にお
けるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。



                                   2
                           株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信




(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローの支出額は、25,591千円となりました。これは主として、税引前四半期純損失
が119,199千円となった一方、RS5614(COVID-19)受託研究収入に係る前受金78,000千円を計上したことなどによるも
のです。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローの支出額は、当第2四半期累計期間は該当ありませんでした。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローの収入額は、1,663,586千円となりました。これは主として、東証マザーズへの
上場に伴う株式発行による収入1,596,829千円の計上や、RS8001(PMS/PMDD)に係るCiCLE事業による研究開発資金の
受入れによる長期借入金66,756千円の増加によるものです。


(3)研究開発活動に関する説明
 当社は、医薬品・医療機器・人工知能(AI)を活用した医療ソリューションなど、多様なモダリティ(治療様式)
に亘る複数パイプラインの研究開発を進めており、当第2四半期会計期間における主要パイプライン開発の進捗は以
下のとおりです。
 なお、当第2四半期累計期間における研究開発費は18,582千円であり、当第2四半期累計期間末日の当社研究開発
従事者人員は3名(臨時雇用者を含む)です。


  a. RS5614(PAI-1阻害薬)


    (a) 慢性骨髄性白血病(CML)治療薬
      後期第Ⅱ相試験は、慢性期CML患者33例を対象にチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)とRS5614を併用し、RS5614
    投与開始後48週における累積の分子遺伝学的に深い奏功(DMR:ガンの原因遺伝子が検出されない状態)達成率
    (※)
          をヒストリカルコントロールに比較して有意に上昇させることを確認することと、RS5614及びTKIの長期併
    用時におけるRS5614の薬物動態及び安全性の確認を目的に実施しました(2019年8月開始、2021年3月治験総括
    報告書完成)。33例中DMRを達成した症例は11例で、48週時の累積DMR達成率は33.3%であり、TKI単独でのヒス
    トリカルコントロール(8~12%)に比べて有意に上昇していることを確認しました(POC取得)。特に、TKI治療
    期間が3年以上5年以下の患者での累積DMR達成率は50.0%に達しました。また、RS5614 1年間の長期投与でも治
    療薬との因果関係で重篤な有害事象は認められませんでした。
      後期第Ⅱ相試験の成績に基づいて、慢性期CML患者を対象にTKIとRS5614の併用効果を検証するプラセボ対照
    二重盲検の第Ⅲ相治験の準備に着手しました。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と2021年6月及
    び同年8月に事前相談を、11月に対面助言を行い、第Ⅲ相試験計画を協議中です。第Ⅲ相試験は、当社の自己
    資金を用いて医師主導治験で実施する予定です。現在、複数の製薬会社と導出に関する協議を進めていますの
    で、ライセンスあるいはオプション権を付与した共同研究契約を締結した後に治験を実施する可能性もありま
    す。第Ⅲ相試験計画が決定すれば、費用や実施方法、提携の有無について確定することが出来ます。


    (※)
          DMR達成率:現在の慢性期CML治療では高額なTKIを生涯服用する必要がありますが、最も深い治療効果であ
       るDMRを達成し、一定期間維持した一部の患者では、TKIを中止しても再発がないこと(無治療寛解維持;
       TFR)が近年明らかとなっています。これまでに既存TKIで公表されている1年間(48週)の累積DMR達成率は
       8~12%(ヒストリカルコントロール)です。


    (b) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)治療薬

      当社は、RS5614の肺微小血栓、線維化、肺気腫改善作用及び肺(上皮)保護作用に着目し、COVID-19に伴う




                                3
                           株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信


  肺傷害治療薬(経口薬)を開発しています。2020年秋から前期第Ⅱ相医師主導治験(非盲検)を実施し、2021

  年6月に治験総括報告書が完成しました。特筆すべき副作用は無く、投与例での死亡例もありませんでした。

   現在、プラセボ対照後期第Ⅱ相医師主導治験を実施中です。2021年3月には国立研究開発法人日本医療研究

  開発機構(AMED)の「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(研究代表機関は東北大学、

  当社は分担研究機関)」に採択され、2021年4月にPMDA事前面談を実施しました。同事前面談に基づき実施計

  画書を確定し、2021年6月から治験を開始しました。本治験は、新型コロナウイルス肺炎患者(中等症、入院

  患者)を対象として、登録患者数100名を見込む医師主導治験であり、国内20の大学等の医療機関の多施設共

  同、プラセボ対照試験となります。2021年9月末で、目標の半数である50例を超える患者の登録を得ており、

  患者登録が順調に進めば、2022年3月末には治験を終了し、同年6月に治験総括報告書を完成する予定です。

  2021年11月現在、新型コロナウイルス感染者数が激減し治験の被験者登録が減っていますので、治験実施医療

  機関の患者登録予定数を再検討するなど対策を講じています。

   海外においては、米国ではノースウェスタン大学で類似のプロトコールで第Ⅱ相医師主導治験を実施してい

  ます。また、トルコ共和国メデニエット大学においては、安全性を確認するための前期第Ⅱ相医師主導治験

  (非盲検)を終了し、現在、新型コロナウイルス肺炎患者(中等症、在宅患者)を対象として二重盲検試験を

  実施する準備を進めています。

   2020年12月25日、COVID-19肺炎及びその他肺傷害等の肺疾患治療用途について第一三共株式会社とオプショ

  ン権付優先交渉権に関する契約を締結しました。本契約締結時は前期第Ⅱ相医師主導治験実施中(後期第Ⅱ相

  医師主導治験は未定)でしたので、オプション期間を1年後の2021年12月31日としていましたが、後期第Ⅱ相

  医師主導治験の実施に合わせて、オプション期間を延長しました。


  (c) 悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬
   国内のメラノーマ患者では、海外とは異なるサブタイプのメラノーマが多いことから、抗PD-1抗体(ニボル
  マブ)単剤療法による治療が奏効しづらいとされています。RS5614が、免疫チェックポイント分子を制御し、
  免疫系を活性化する作用に基づき、メラノーマ治療薬としての有効性と安全性を確認するための第Ⅱ相医師主
  導治験を、2021年7月から実施しています(2024年3月終了予定)。
   本治験は、2021年5月にAMED「橋渡し研究プログラム」シーズC(研究代表機関は東北大学、当社は分担研究
  機関)の助成金で、NPO法人「Japan Skin Cancer Network(JSCaN)」を立ち上げてメラノーマの治療成績向上
  のために連携している東北大学、筑波大学、都立駒込病院、近畿大学、名古屋市立大学、熊本大学の6大学と
  の多施設共同で実施され、進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者40例を対象とした非盲検試験です。ニボルマ
  ブ併用のもと、RS5614を1日1回 120 mgで投与を開始し(安全性に問題がなければ医師の判断で180 mgに増量
  可能)、8週間投与後に、有効性と安全性の評価を行います。


  (d) 抗がん剤による間質性肺炎の予防・治療
   RS5614が肺線維症、間質性肺炎を改善することを示唆する非臨床試験の成績に基づき、抗がん剤の副作用で
  ある間質性肺炎をRS5614が予防できるかどうかを京都大学と共同で研究する予定です。2021年2月より京都大
  学と共同研究実施のために必要な準備を進めています。共同研究として行う非臨床試験成績の結果、RS5614の、
  抗がん剤の副作用である間質性肺炎予防の有効性を確認できた場合は、医師主導治験での臨床開発に進める予
  定です。


  (e) RS5441(PAI-1阻害薬)脱毛症治療薬
   導出先のEirion Therapeutics Inc(米国)で第Ⅰ相試験準備中です(2022年実施予定)。


b. RS8001(ピリドキサミン)



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(a) RS8001(自閉スペクトラム症治療薬)
   自閉スペクトラム症患者に対するピリドキサミンの有効性及び安全性を探索的に評価し、また、適切な対象
患者集団や用法用量、評価指標を決定することを目的として、易刺激性を有する自閉スペクトラム症患者を対
象として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施しました。同試験は、2021年5月に終了し、
2021年6月に治験総括報告書が完成しました。
   安全性に大きな問題がなく、忍容性が良好であることが示されました。有効性に関しては、主要評価項目の
「最終評価時点のABC-J興奮性サブスケールスコア平均変化量(※)」において実薬高用量群が最も改善していま
したが、用量反応関係ならびにプラセボ群と統計的な有意差は確認できませんでした。本薬剤の有効性をより
適切に評価するためには、対象患者の選定や、プラセボ効果を減少する治験計画の策定(当社が、月経前症候
群(PMS)及び月経前不快気分障害(PMDD)治療薬の医師主導治験において実施している、あらかじめプラセボ
効果を見ておくプラセボリードイン方式の採用)など、検討すべき課題が明らかになりました。


(※)
      ABC-J興奮性サブスケールスコア平均変化量:自閉スペクトラム症において薬物治療効果をみるのに世界的
      標準法として使用されている有効性の評価尺度です。ABC-Jは異常行動チェックリスト(ABC)の日本語翻
      訳版です。


(b) RS8001(月経前症候群(PMS)及び月経前不快気分障害(PMDD)治療薬)
   2019年度にAMEDの医療研究開発革新基盤創生事業(CiCLE)に採択され、AMEDから助成金を得て、近畿大学、
東北大学、東京医科歯科大学、東京女子医科大学で第Ⅱ相医師主導治験を進めています(2020年11月開始、
2023年12月終了予定)。
   当初の予定である2021年2月より早い2020年11月から治験を開始できましたが、コロナ禍の影響による患者
来院の減少のため、症例登録促進の目的で、2021年度前半の取り組みとして、①医療法人聖和会 早川クリニッ
クを実施施設として追加し、②広告・啓発活動に取り組むこととしました。また、広告・啓発活動の一環とし
て、 院 内 ポ ス タ ー や 啓 発 用 の 冊 子 も 作 成 し ま し た 。 さ ら に、 NPO 法 人 Healthy Aging Projects for Women
(HAP)主催で治験調整医師による薬剤師対象Webセミナーを2021年3月に実施しました。今後、医療法人jMOG
田辺レディースクリニックを追加し、ボランティアパネル(※)の活用、NPO法人と協賛した疾患啓発のための治
験責任医師等による公開講座の開催など、症例登録促進のための対応を講じる予定です。
   AMEDで中間評価マイルストーンの達成状況及び今後の取進めについての報告を行い、2021年9月に本治験助
成の継続が承認されました。


(※)
      ボランティアパネル:治験支援企業・団体が運営する治験参加希望者の登録システムです。


(c) RS8001(統合失調症治療薬)
   2020年、導出先の興和株式会社による統合失調症後期第Ⅱ相試験(約100名を対象としたプラセボ対照二重盲
検試験)が終了しました。主要評価項目である陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)(※)の陰性症状尺度の総スコ
アではプラセボ群と実薬群で明確な差は認められなかったため、興和株式会社では今後の開発を行わない方針
です。しかし、サブ解析では改善を認める陰性症状の項目もありました。本薬剤の有効性を適切に評価するた
めには、対象患者の選定や、プラセボ効果を減少する治験計画の策定など、検討すべき課題が明らかになりま
した。興和株式会社の協力を得て開示いただいた資料を基に、治験に参加した医師の協力を得ながら、当社と
しての今後の開発方針を検討しています。


(※)
      陽性・陰性症状評価尺度(PANSS):主として統合失調症の精神状態を全般的に把握することを目的として
      作成された30項目の評価尺度です。




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 (d) RS8001(更年期障害)
 更年期障害の2大症状(ホットフラッシュ(※)とうつ)の治療薬としてRS8001の臨床研究(実薬25例、プラセボ
 25例)を東京医科歯科大学で実施するため準備を進めています。2021年9月には、厚生労働省の先進医療Bの事
 前面談を終え、11月に東京医科歯科大学の認定臨床研究審査委員会(CRB)に申請しました。CRB承認後に先進
 医療Bに申請予定です。


 (※)
       ホットフラシュ:更年期障害の代表的な症状として上半身ののぼせ、ほてり、発汗などが起こります。


c. RS9001(ディスポーザブル極細内視鏡)


   腹膜透析腹膜透析(※)は透析液を注入するチューブを常に腹膜に挿入されていますが、当社は、この細いチュ
 ーブを通して挿入し、開腹手術にも腹腔鏡にもよらず非侵襲的に腹腔内を観察する極細内視鏡(径1 mm程度)
 を東北大学等複数の大学と共同開発しました。2020年5月に、大手医薬品及び医療機器会社であり腹膜透析医
 療におけるリーディングカンパニーである米国Baxter Healthcare Corporation(バクスター社)と共同開発及
 び事業化に関する契約(ライセンス契約)を締結し、薬事承認申請の準備中です。
   バクスター社とガイドカテーテル製造業者の交渉が遅延していることから、メインフレームであるファイバ
 ースコープのみ(付属品であるガイドカテーテル抜き)で承認申請することをバクスター社と合意し、2021年
 3月にはPMDAからその方針で進めて良いことを確認しました。2021年6月には、ファイバースコープ製造業者
 とバクスター社が供給契約を締結したことに伴い第1回目のマイルストーンを受領しました。


 (※)
       腹膜透析:透析の装置として、自分の体の腹膜(胃や腸などの臓器を覆っている薄い膜)を使う方法です。腹
       腔内に管(カテーテル)を通して透析液を入れておくと血液中の老廃物や不要な尿毒素、電解質、余分な水分
       などが透析液の中に移動し血液がきれいに浄化されます。


d. 人工知能(AI)を活用した医療ソリューションの開発


 (a) RSAI01(呼吸機能検査診断システム)
   呼吸器疾患の診断に重要な肺機能生理検査スパイロメトリー(※)の結果(フローボリューム曲線)を解釈する
 AIシステムを、京都大学及びNECソリューションイノベータ株式会社と開発中です。2020年7月にスパイロメト
 リーのリーディングカンパニーであるチェスト株式会社と共同開発及び事業化に関する契約(ライセンス契
 約)を締結し一時金を受領しました。呼吸器疾患の鑑別診断が可能な初期AIモデルが開発できたので、2021年
 10月にはチェスト社との契約に基づいて、マイルストーンを受領しました。今後、データ数と質を改善するこ
 とで予測精度を向上させ、事業化に向け開発予定です。


 (※)
       スパイロメトリー:呼吸機能生理検査で、被験者が吐き出す息の量と吐き出す時間を測定します。慢性閉塞
       性肺疾患(COPD)及びその他の肺の病気の診断に重要な検査です。


 (b) RSAI02(慢性透析システム支援)
   血液透析は慢性腎不全患者の生命維持に必要な腎代替医療です。当社は、透析中に発生する急激な低血圧を
 予測するAIシステムの開発を目指し、聖路加国際病院や20を越える複数の透析医療機関と開発を行っていま
 す。2021年5月に、グローバルな血液透析医療機器メーカーであるニプロ株式会社と共同研究契約を締結いた
 しました。現在、医療データ数を800,000透析治療に増加したデータを用いて分析作業を進めております。さら
 に、個々の患者に合わせて透析中低血圧を予測する分析アルゴリズムを改良することで、予測精度を向上させ
 る予定です。今後、大量データでの分析を完了次第、2022年には臨床現場で開発されたAIシステムの性能試験
 を行う予定です。



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 (c) RSAI03(糖尿病治療支援システム)
  糖尿病の血糖値を厳格にコントロールするためにはインスリン注射治療が必要ですが、一方、インスリンの
 安全な用量域は狭く、多く注射すると低血糖という副作用を生じるために、患者ごとに最適な種類と投与量を
 選定する必要があります。当社は、糖尿病患者診療データから糖尿病専門医の患者ごとに異なる最適なインス
 リン投与量を予想できるAIの開発を目指し、東北大学及び日本電気株式会社と共同開発を行い、インスリン投
 与量を数単位の誤差内で予測できるAIアルゴリズムが開発できています。本年7月からは、さらなるデータ数
 の増加を進めており、データ数と質の改善、AIシステムの改良を図ることで、精度の一層の向上を目指しま
 す。


 (d) RSAI04(発音・発語及び嚥下機能診断)
  嚥下障害に伴う誤嚥性肺炎に対しては早期診断及び早期治療が重要ですが、簡便な嚥下機能評価法は存在し
 ません。「話す機能」と「嚥下機能」で活用する器官が共通であることから、東北大学の複数診療科(耳鼻咽
 喉科、歯科、医工学部リハビリテーション科)及び日本電気株式会社と共同で、患者の話す音の全周波数を抽
 出しAIで解析することで、健常者の発音による周波数と患者の発音の周波数の違いを抽出し、嚥下機能を評価
 する診断法の開発に取組んでいます。


 (e) RSAI06(小児発達障害(識字障害)音読診断)
  小児の学習障害の1つである識字障害(ディスレクシア)は音韻処理障害であり、学業不振や不登校に至る
 原因となりますが、早期に発見し、適切なトレーニングを受けることで一般生活が送れるようになる障害で
 す。2021年10月から東北メディカルメガバンク機構(※)の8歳児を対象とした発達障害調査が開始したことか
 ら、データの収集を開始しております。小児の文字や文章の音読データにAIを活用して、識字障害を評価する
 システムの開発を目指します。


 (※)
       東北メディカルメガバンク機構:未来型医療を築いて震災復興に取り組むために設置され、東日本大震災
       の被災地の地域医療再建と健康支援に取り組みながら、医療情報とゲノム情報を複合させたバイオバンク
       を構築しています(2012年設立)。


e. 診断薬:血中フェニルアラニン測定キット
  フェニルケトン尿症は、適切な治療を行わないと知能発達遅延などの重篤な症状を出現します。1977年に生
 後マス・スクリーニング検査が実施され、ほぼ全ての患児が早期に発見されるようになりました。フェニルア
 ラニンを制限するための食事療法を正しく行う必要があり、定期的な医療機関での検査が必要ですが、数か月
 に1度の採血では、きめ細やかな食事管理ができません。当社は、自宅で簡便かつ正確に血中フェニルアラニ
 ン濃度を測定するシステムを、東北大学と共同で開発しています。この新規検査系をキット化し、自己管理の
 保険償還に繋げることを目的とします。糖尿病患者での自己血糖管理のように、家庭でいつでも自己測定が可
 能になれば、フェニルケトン尿症を有する患者のきめ細やかな食事管理が実現できます。
  2021年5月には、診断薬に関する特許を東北大学と共同で出願しました。2021年6月にはPMDA相談を行い、
 臨床性能試験の実施に向けた準備を進めています。




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(4)業績予想などの将来予測情報に関する説明
 2022年3月期の業績予想については、2021年9月24日に開示した「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決
算情報等のお知らせ」から変更はありません。なお、当該業績予想等は、現時点で入手可能な情報に基づき判断した
ものであり、実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があります。




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2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                         (単位:千円)
                                 前事業年度            当第2四半期会計期間
                              (2021年3月31日)         (2021年9月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                             1,025,641            2,663,636
   前払費用                                   7,327               10,939
   その他                                    9,675                5,484
   流動資産合計                             1,042,644            2,680,060
 固定資産
   有形固定資産
     建物附属設備(純額)                             992                  931
     工具、器具及び備品(純額)                        2,589                2,047
     有形固定資産合計                             3,581                2,979
   無形固定資産
     ソフトウエア                                  18                   -
     特許権                                 13,258               12,288
     無形固定資産合計                            13,277               12,288
   投資その他の資産
     出資金                                     10                   10
     長期前払費用                                 962                  718
     その他                                  6,156                6,156
     投資その他の資産合計                           7,129                6,884
   固定資産合計                                23,988               22,152
 資産合計                                 1,066,632            2,702,213




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                             前事業年度            当第2四半期会計期間
                          (2021年3月31日)         (2021年9月30日)
負債の部
 流動負債
   未払金                               26,373               13,789
   未払費用                               2,428                4,317
   前受金                                   -                78,000
   未払法人税等                               290                  145
   預り金                                  357                  629
   流動負債合計                            29,449               96,882
 固定負債
   長期借入金                            475,650              542,406
   固定負債合計                           475,650              542,406
 負債合計                               505,099              639,288
純資産の部
 株主資本
   資本金                               90,000              900,368
   資本剰余金
     資本準備金                          510,425            1,320,793
     その他資本剰余金                        61,162               61,162
     資本剰余金合計                        571,587            1,381,955
   利益剰余金
     その他利益剰余金
      繰越利益剰余金                     △100,054             △219,398
     利益剰余金合計                      △100,054             △219,398
   株主資本合計                           561,533            2,062,924
 純資産合計                              561,533            2,062,924
負債純資産合計                           1,066,632            2,702,213




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(2)四半期損益計算書
  第2四半期累計期間
                             (単位:千円)
                    当第2四半期累計期間
                     (自 2021年4月1日
                     至 2021年9月30日)
事業収益                              31,061
事業原価                               2,000
売上総利益                             29,061
事業費用                             120,543
営業損失(△)                         △91,482
営業外収益
 受取利息                                  3
 雑収入                                  42
 営業外収益合計                              46
営業外費用
 株式交付費                            23,906
 支払利息                              3,762
 為替差損                                 94
 営業外費用合計                          27,762
経常損失(△)                         △119,199
税引前四半期純損失(△)                    △119,199
法人税、住民税及び事業税                         145
法人税等合計                               145
四半期純損失(△)                       △119,344




                    11
                      株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信


(3)四半期キャッシュ・フロー計算書
                                    (単位:千円)
                           当第2四半期累計期間
                            (自 2021年4月1日
                            至 2021年9月30日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前四半期純損失(△)                       △119,199
 減価償却費                                  1,591
 受取利息                                     △3
 支払利息                                   3,762
 株式交付費                                 23,906
 前払費用の増減額(△は増加)                       △3,611
 前受金の増減額(△は減少)                         78,000
 未払金の増減額(△は減少)                       △12,583
 未払費用の増減額(△は減少)                         1,889
 その他の資産の増減額(△は増加)                          94
 その他の負債の増減額(△は減少)                         272
 その他                                    4,340
 小計                                  △21,541
 利息の受取額                                     3
 利息の支払額                               △3,762
 法人税等の支払額                               △290
 営業活動によるキャッシュ・フロー                    △25,591
投資活動によるキャッシュ・フロー
 投資活動によるキャッシュ・フロー                          -
財務活動によるキャッシュ・フロー
 長期借入れによる収入                            66,756
 株式の発行による収入                         1,596,829
 財務活動によるキャッシュ・フロー                   1,663,586
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                 1,637,995
現金及び現金同等物の期首残高                        644,944
現金及び現金同等物の四半期末残高                    2,282,939




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                          株式会社レナサイエンス(4889) 2022年3月期 第2四半期決算短信


(4)四半期財務諸表に関する注記事項
  (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


  (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
  当社は2021年4月6日を払込期日とする第三者割当による新株発行により、新株式600株を発行しております。当
 該新株発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ120,000千円増加しました。
  また、当社は2021年9月24日の東証マザーズへの上場に伴う新株発行により、新株式2,240,000株を発行しており
 ます。当該新株発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ690,368千円増加しました。
  この結果、当第2四半期会計期間末において、資本金が900,368千円、資本準備金が1,320,793千円となっており
 ます。


  (セグメント情報等)
  当社の事業は、医薬品・医療機器などの開発・販売等のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメ
 ント情報の記載を省略しております。


  (収益認識関係)
  顧客との契約から生じる収益を分解した情報については、収益認識に関する会計基準等の対象となる収益に重要
 性が乏しいため、記載を省略しております。


  (重要な後発事象)
  (第三者割当による新株発行)
   当社は、2021年8月18日及び2021年9月6日開催の取締役会において、SMBC日興証券株式会社が行うオーバー
  アロットメントによる当社株式の売出しに関連して、同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行を決議
  し、2021年10月26日に払込が完了しました。新株式の発行の概要は以下のとおりです。
   (1) 募集方法                第三者割当(オーバーアロットメントによる売出し)

   (2) 募集株式の種類及び数          当社普通株式      442,700株

   (3) 割当価格                1株につき616.40円

   (4) 割当価格の総額             272,880千円

   (5) 資本組入額               1株につき308.20円

                           増加した資本金の額              136,440千円
   (6) 増加した資本金及び資本準備金の額
                           増加した資本準備金の額            136,440千円

   (7) 割当先                 SMBC日興証券株式会社

   (8) 払込期日                2021年10月26日

                           継続的に事業を行うための運転資金として、また、当社
   (9) 資金の使途
                           パイプライン開発のための研究開発費用に充当する予定




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