4882 M-ペルセウス 2021-06-22 08:00:00
事業計画及び成長可能性に関する事項 [pdf]

事業計画及び成⾧可能性に関する事項


      株式会社ペルセウスプロテオミクス
                  2021年6月
会社概要




       2
会社概要

   企業理念

   最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する
   事業内容

    創薬(抗体医薬品の開発)
    抗体研究支援
    抗体・試薬販売

       社名    株式会社ペルセウスプロテオミクス

       設立    2001年2月

       拠点    本社:東京都目黒区駒場四丁目7番6号
             ラボ:愛知県名古屋市千種区

       資本金   1,924百万円(上場日現在)

       従業員   22名(研究開発部17名、管理部5名)2021年6月現在
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当社役員と主な経歴
                                取締役
   横川 拓哉 (代表取締役)                      小南 欽一郎 (テック&フィンストラテジー代表)※
    富士フイルム医薬品研究所⾧(創薬研究)                英国王立がん研究所
    同社医薬品事業部次⾧(臨床開発・事業開発)              野村證券、みずほ証券

   鈴川 信一 (管理部⾧)                       伴 寿一 (富士フイルム 執行役員)※
    KDDIグローバルICT本部⾧                    武田薬品工業(臨床開発)
    テレハウスヨーロッパ社⾧                       米国駐在15年(事業開発)
    KDDI海外拠点社⾧等

   松浦 正 (研究開発部⾧)                      花井 陳雄(島津製作所 社外取締役)※
    信州大学医学部                            協和キリン(代表取締役社⾧、会⾧)
    米国Dartmouth大学医学部                   ポテリジェント技術開発・導出
    通産省工業技術院生命工学工業技術研究

    取締役(監査等委員)                                技術顧問
  三輪 和生                               石川 冬木
   KDDI   グローバル事業本部 東アジア統括拠点⾧          京都大学   大学院生命科学研究科教授
                                       日本学術会議 連携会員

  浜窪 隆雄 (日本医科大学教授)※                   津本 浩平
   京都大学医学部                             東京大学   大学院工学系研究科教授
   元東京大学先端研教授、医師
                                       国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所,
   当社創業メンバー
                                       創薬デザイン研究センター センター⾧
  堀内 正(慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター教授)   ※


   第一三共創薬開拓研究所⾧                                              ※ 非常勤
   アスビオファーマ常勤監査役
                                                                     4
ハイライト



 1   ヒト抗体医薬品の開発を目指す創薬ベンチャー


 2   独自のプラットフォーム技術で新機能抗体を開発


 3   膜蛋白質の立体構造、コンプレックスを認識する抗体を作製可能


 4   がん領域に強いパイプラインを構築




                                     5
ビジネスモデル




          6
事業の内容
                 アカデミアのシーズを当社技術で開発
                 し、製薬企業への導出により、医薬品
                 として患者さんに提供。




                       創    薬
                    (抗体医薬品)


                   共同研究、研究支援、抗体・試薬販売


               アカデミア
   抗体作製
                       研究シーズ、人脈
                                         抗体販売
   研究受託
   配列解析
                   強固なネットワーク             試薬販売


当社抗体技術でアカデミア                           生命科学・医薬品や抗体
  等の研究を推進。                             の基礎研究に必須の核内
ネットワーク強化と売上げ                           受容体抗体等を世界の研
    にも寄与。                              究者に提供。安定的な売
                                         上にも寄与。

                                                     7
事業の収益構造
1. 創薬                      技術シーズ、      疾患解析    抗体工学
                            共同研究       新規標的    生産技術

                                               研究開発費用
                                                                    アカデミア
                           臨床ニーズ情報
                            臨床医ヒアリング  アンメットメディカルニーズ
                            臨床研究      治験デザイン


                                                     導   出

                            契約一時金
                                                                    製薬企業
                            マイルストーン収入
                                                               状況によって導出のタイミ
        抗体医薬品の研究開発          ロイヤリティ収入                             ングを柔軟に決定



        抗体取得・最適化、                                            承認
                      P1         P2             P3                     上市
           非臨床                                               申請


2. 抗体研究支援                              3. 抗体・試薬販売
            対価                                                 対価
                     製薬企業                                              製薬企業
         • 抗体作製                                              • 抗体
         • 研究受託      アカデミア                                   • 試薬      アカデミア
         • 配列解析


                                                                               8
パイプラインの進捗
 当社    対象               創薬           非臨床
            権利    地域                            P1         P2        P3   導出先            詳細
コード    疾患               研究            試験

                                   2011/1 導出               2020/4 ~日本で
PPMX                                                       P1実施中
       固形         米国    局所放射線療法剤                                          富士     P2相当(P1 expansion)
  -         全世界
       がん         日本                                       2019~ 米国でP1    フイルム   進行中
T002                                                       expansion実施中



PPMX                                                                             自社開発(P1実施中)
       血液
  -         全世界   日本                             2019/11~ 日本でP1実施中               健常人P1を終了、
       がん
T003                                                                             PV患者へ投与準備中

PPMX                   2015/9 導出
       固形                                                                 富士
  -         全世界         ADC                                                      非臨床試験前
       がん                                                                 フイルム
T004

                                    2006/9 導出                   免疫療法剤
                                                                への転換
                        単剤

       肝臓                                                                        抗体単剤 はP2 効果未達だが
       がん                                                                        • 免疫チェックポイント
PPMX              日本
            全世界                                                                    阻害剤との併用
  -               台湾
                              免疫チェックポイン              2016/8~ 日本でP1実施中     中外製薬
                              ト阻害剤と併用                                            • バイスペシフィック
T001
                                                                                   (抗体結合部分を活用)

                  米国                                                             の2つが進行中
       固形                                               2019/8 米国でP1終了、
            全世界   欧州   バイスペシフィック
                                                        日本でP1実施中
       がん         日本


PPMX-T001の特許は2022年に有効期限を迎えます。中外製薬株式会社との契約の存続期間は、対象となる抗GPC3抗体の特
許権の存続期間であり、当該特許権の存続期間が2022年です。このため、契約期間中にマイルストーンが達成できずに、想定
した回収額を得られない可能性があります。                                           9
PPMX-T002
 標的:カドヘリン3(CDH3)   導出先:富士フイルム

 CDH3                             がん部位に集積する抗体に
  非常に多くのがんで高発現する膜タンパク質            ラジオアイソトープを結合した
  (胆道がん、卵巣がん、頭頚部扁平上皮がん等)          局所放射線療法剤

                                  消化器がん転移患者での本剤投与
       CDH3抗体      ラジオアイソトープ      撮像例




        がん部位に      放射   がんに対する
  抗体
                    線            患者さんにやさしい抗がん剤
        集積する             既知の効果


        全身で副作用が生じる従来型低分子薬とは異なる治療薬
                                                    10
PPMX-T002の開発状況 (1)
   富士フイルムでの薬剤コード=FF21101 Radioimmunotherapy(RIT; 放射線免疫療法)
   米国P1 expansion/CR-1例、SD-10例 学会発表済み、論文投稿中


                                                                                                 CR    CR:完全寛解
             SD                                                                                       (腫瘍消失=ほぼ治癒)
                                           SD                                                                       有効
                                     SD                                                                SD:病勢安定
                                    SD                                                                 (=増殖阻止)
                   SD
        SD
      PD
      PD                                                                                               PD:病勢進行   無効
             SD
                                          SD
      PD
      PD
               SD
             SD
 0      10        20    30    40     50        60   70     80     90     100    110     120      130(週)



                               末期がん患者11/15例で治療効果を確認
出典 Subbiah et al. (2017) AACR Annual Meeting, Chicago, USA DOI: 10.1158/1538-7445.AM2017-CT097                           11
PPMX-T002の開発状況 (2)
                                                                                   2016/1 - 2019/3: 米国 MD アンダーソン
 初回投与時
                                                                                   がんセンターにてP1実施
                                                                                           ▼
                                               1.6cm                               2019/3: P1 expansion=P2相当開始
                                                                                           ▼
                                                                                   2020/4: 国内でP1開始


                                                                           腫瘍径1.6cm                 Ph1
                                                                           初回投与時                    卵巣明細胞癌原発の脇下転移
                                                                                                    metastatic clear cell ovarian carcinoma
                                                                     (mm)
  4か月後                                                                 20                   腫瘍径0.6cm
                                                                                                                                         腫瘍最大径mm                      投与
                                                                            15                4か月

                                               0.6cm                        10
                                                                                                                                           完全寛解
                                                                              5

                                                                              0
                                                                                      0        4        8       12       16       20       24  28 32 36
                                                                                                                                             初回投与後経過(月)


                  治療法のない再発予後不良患者(Stage IV)で完全寛解
  出典:Subbiah V, et al. Phase I Study of P-cadherin-targeted Radioimmunotherapy with 90Y-FF-21101 Monoclonal Antibody in Solid Tumors. Clin Cancer Res. 2020;26(22):5830-5842.
                                                                                                                                                                                12
PPMX-T003
トランスフェリン受容体に作用するがん治療薬候補
 トランスフェリン受容体(TfR)=がん治療薬の標的
 細胞膜上に発現。鉄を抱えたトランスフェリン(Tf)と結合し、細胞内に鉄を取り込む

    1   TfRとTfが結合
                トランスフェリン(Tf)
        鉄
                       トランスフェリン受容体
                       (TfR)         TfRが高発現する細胞
                                      1. 赤血球産生細胞(赤芽球)
                 細胞
                          細胞膜         2. がん細胞


    2   細胞が増殖
                                            公知の概念

                                       鉄の遮断
                                       ⇒ 細胞死・増殖抑制
                                                    ※ 赤芽球:赤血球のもと




 細胞内への鉄の取り込みを阻害すればがん細胞は細胞死・増殖抑制
                                                                   13
PPMX-T003
鉄の取り込みを阻害しうる抗体医薬品候補
     TfとTfRの結合阻害率で良好な数値を提示
     赤芽球とがん細胞への鉄の取り込みを遮断し、細胞死・増殖抑制へ
         A450        PPMX-T003-トランスフェリン 競合アッセイ
                                                                             1   PPMX-T003はTfよりも早く強くTfRと結合
          1.6

          1.4                                                                                   TfRに結合し、鉄の
                                                                                    PPMX-T003   取込みを阻害
          1.2
                                              トランスフェリン
 結        1.0                  A24(従来の抗体)                                                              鉄
 合
 阻        0.8
 害
 率        0.6                                                                                   トランスフェリン(Tf)
                               PPMX-T003
          0.4

          0.2
                                                                                  トランスフェリン
                                                                                  受容体(TfR)
     高    0.0
             0.001   0.010   0.100    1.000   10.000   100.000    1000.000
                                                            濃度 ug/mL
                                     親和性
                高                                                            2   鉄の取込みが阻害され、細胞死・細胞の増殖抑制


     これまで鉄の取込み阻害は困難だったがPPMX-
     T003は初めてこれを実現する


                             公知の概念を実現可能にしうる抗体医薬品候補
※ 赤芽球:赤血球のもと                                                                                                   14
PPMX-T003の開発状況
 健常人のP1の結果(1ドーズ6名、内プラセボ2名)




 PPMX-T003作用で網状赤血球を低減。その結果、ヘマトクリット(赤血球割合)が
 減少(PV患者さんの過剰な赤血球を減らし正常化が見込まれる)



ヒトで網状赤血球およびヘマトクリット減少を確認(動物実験結果をヒトで再現)
                                             15
PPMX-T003
対象疾患:真性多血症ほか各種血液がんに幅広く対応
 まず真性多血症(PV:Polycythemia Vera)で第I相試験実施中
 PVとは
 •   血液中の赤血球が異常に増える病気
 •   血液が濃くなり、流れが悪くなるため血栓ができやすい → 様々な臓器で血栓が問題となる
 •   発症率:10万人あたり2人が発症。患者数3万人(平均余命16年)


                       真性多血症
                        (PV)

        急性骨髄性白血病                      多発性骨髄腫
           (AML)                       (MM)等




 悪性リンパ腫                                      (固形がん)
                       PPMX T003


        AML、悪性リンパ腫等の治療薬として適用拡大が期待
                                                  患者数は当社推定   16
PPMX-T001
      標的:グリピカン3(GPC3)、導出先:中外製薬
  GPC3
  肝がん細胞で特徴的な膜タンパク質




                 肝がんは再発率が極めて高く、効果的な薬剤が少ない




        肝がん細胞で特徴的なGPC3蛋白質を標的とした抗体医薬品
出典 児玉 龍彦他著(2005)システム生物医学入門―生命を遺伝子・タンパク質・細胞の統合ネットワークとして捉える次世代バイオロジー、羊土社、p16. ISBN-13: 978-
4897064826                                                                                  17
PPMX-T001の開発状況
                                         免疫活性を高める薬剤との併用                                  GPC3抗体は
                                                                                         ADCC活性で
  ヒト化抗体単剤:                                                                               癌細胞を攻撃し
                                                                                   がん    癌の目印を放出
  エフェクター機能が充分発揮されな
  かったが、                                                             免疫活性制御剤
  (clinicaltrial.gov; NCT01507168)



                                                                                             阻害抗体で
                                                                                             免疫ブレーキを
                                                                                   がん
                                                                                             外されたT細胞が
                                         1    免疫活性制御剤との併用                                    更にがんを攻撃
                                              PhaseI 実施中(JapicCTI-163325)


                                         中外製薬が治験中

                                         2    バイスペシフィック                                        がん細胞と
                                              PhaseI実施中(JapicCTI-194805)                       T細胞を
  免疫活性を指標にして解析すると、                                                                             架橋して
  生存期間が延⾧している                                GPC3抗体                        CD3抗体
                                                                                               がんを攻撃
  肝臓がんに対する効果を確認した                            がん細胞                          T細胞と
                                                                                   攻撃
  (J Hepatol. 2016 Aug;65(2):289-95. )       と結合                           結合


     免疫療法剤として開発                                                                         がん
                                         ヒトの免疫力を取り込む抗体の
                                         構造改変によって薬効を強化


                        PPMX-T001は免疫療法剤としての開発が進捗

                                                                                                   18
市場環境




       19
抗体医薬品とは
抗体は自然界で生命を守っている
抗体医薬品は、副作用の少ない医薬品として高いニーズ

 【抗体のしくみ】                       【抗体の進化】
                    マウス抗体   キメラ抗体   ヒト化抗体       ヒト抗体

     L鎖とH鎖各一対で構成




                     0%     ヒト由来のアミノ酸配列の割合       100%
    L鎖
                                                        ヒ
                                                        ト
                                                        抗
                                                        体
                                                        ・
                                                        ヒ
                                                        ト
   H鎖:親和性・特異性に重要                                        化
                                                        抗
                                                        体
                                                        医
                                                        薬
                                                        品
                                                        が
                                                        増
                                                        加

         近年ヒト化抗体・完全ヒト抗体の開発が増加
                                    出所:国立医薬品食品衛生研究所のデータから当社作成   20
医薬品市場と抗体医薬品
 医薬品中のバイオ医薬品の割合

 バイオ医薬品比率           バイオ医薬品以外        バイオ医薬品

    売上高
    (billion US$)                                                                             バイオ医薬品比率(%)
      1,600                                                                                                  40
                                                                                                    35
      1,400
                                                                                         32
      1,200
                                                                                  28                         30


      1,000                                                            22

        800                                                   18                                             20
                                                     14
        600
                                             13
                                    9
        400                                                                                                  10
                             6

        200         5.2

         0                                                                                                   0
                1990      1994   1998   2002      2006       2010      2014      2018     2022      2026




                                        *バイオ医薬品:生物を用いて製造される抗体、タンパク質、核酸等



      世界の医薬品市場で抗体医薬品が占める割合は年々増加
                                                          出所:EvaluatePharma® World Preview 2020, Outlook to 2026を基に当社作成
                                                                                                                          21
抗体探索におけるファージディスプレイ法の活用
      1990年   抗体医薬探索法としてファージディスプレイ技術の活用を提唱
                                              ヒト抗体の取得が可能
 2019年度世界の医薬品売上高トップ10
                売上高         適応疾患                         売上高          適応疾患
      名称                                       名称
               (百万ドル)       /形態                         (百万ドル)         /形態
1   ヒュミラ        19,734 リウマチ/抗体          6   オプジーボ           8,005   がん/抗体

2   エリキュース       12,149   抗凝固/低分子       7   アイリーア           7,989   加齢黄斑/バイオ

3   キイトルーダ       11,084   がん/抗体         8   エンブレル           7,194   がん/バイオ

4   レブラミド         9,378   がん/低分子        9   アバスチン           7,115   がん/抗体

5   イムブルビカ        8,085   リウマチ/低分子     10   イグザレルト          6,934   抗凝固/低分子




    ファージディスプ               2002年    承認               ファージディスプレイ法を用いた
    レイ法で開発                 2012年~   売上高世界一           抗体医薬開発が世界で進行




      抗体医薬品開発でファージディスプレイ法の活用が顕著に
                                       ※ 調査資料は、日経バイオテク社の調査データをもとに作成しております。
                                                                               22
自社開発抗体PPMX-T003
 PV競合薬との比較・市場性
    治療方法              対象                            メリット                           デメリット

①   瀉血                PV患者の約半分                      薬剤不使用                          鉄不足に伴う貧血等のQOL低下
②   ハイドレア             ①で治療不十分な患者                    実績豊富                           2次がんのリスク、種々の副作用
③   ジャカフィ※            ①②で治療不十分な患者                   脾腫の改善                          貧血や血小板減少等の副作用
★   PPMX-T003         ①と②の代替                        低副作用が期待                        脾腫改善等は期待できない

(million US$)
    6,000                                    ジャカフィ※の売上
    5,000
                ジャカフィ(骨髄線維症)         ジャカフィ(真性多血症)
                                                                                                               PVの売上高

    4,000       ジャカフィ(GvHD)                                                                                   2,364百万$
                                                                                                                PVの割合

    3,000
                                                                                                                43%

    2,000
                                                    PVの売上高

                                                   1,057百万$
    1,000
                                                    PVの割合
                                                    38%
       0
            2015     2016     2017   2018   2019     2020     2021   2022   2023    2024     2025    2026



                            ジャカフィ※に並ぶ真性多血症治療薬候補
    ※ジャカフィ/ジャカビ                                                                     出所:Evaluate Pharma社のデータを基に当社作成
                                                                                                                        23
競争力の源泉




         24
今求められる抗体作製技術
 抗原と抗体の反応は「鍵穴」と「鍵」に例えられる。

                              鍵を作るのには鍵穴が必要




                      鍵穴(蛋白質)の複雑さに応じて鍵(抗体)作製難易度が変化する。

抗体医薬品の標的として細胞表面蛋白質を狙うことが多い。

            複雑な形状

                        現在の課題
                        複雑な形状をもつ蛋白質には重要な標的が多数あり、
                        医療ニーズがあるにも関わらず手つかずになっている。

            単純な形状




   複雑な形状の標的に対して効率的な抗体取得技術が求められている
                                                        25
当社の抗体作製技術
          標的を動物に免疫                   標的で抗体を釣り上げ(取得)
         (ハイブリドーマ法)                   (ファージディスプレイ法)



                       作るのが容易な           作り難い抗原を餌に
                       抗原を免疫




                 動物の体内で
                 抗体産生細胞が               1000億種類の抗体が入った
                 創り出される                プールの中から独自の技術で
                                       目的の抗体を釣り上げ(取得)




                   マウス抗体*                            ヒト抗体*


比較的簡便に作成可、しかし難しい標的は苦手            高度な技術が必要、しかし難しい標的も可能


がん治療薬に向けてハイブリドーマ法からファージディスプレイ法へ技術展開
*人に投与するためには、この後ヒト型に遺伝子組換えを行う     *このままの形でヒトに投与出来る            26
各パイプラインと抗体作製技術との関係図

当社コード     抗体取得法          作製            抗体                  標的
                                ヒト化
 PPMX-   ハイブリドーマ法




                                                                       抗体取得技術を高度化させ難易度の高い標的抗原に対応
                                                     GPC3:
                                                     ・作り易い
  T001                                               ・細胞の増殖に関わる機能を持
                         中外製薬
                                                       つ蛋白質
                    免疫
                                                     ・肝がん細胞表面に多く存在す
                                                       る
                                        Bispecific
                                キメラ
 PPMX-   ハイブリドーマ法

  T002
                    免疫                               CDH3:
                                                     ・作り易い
                                     配列ヒト化率:70%      ・細胞同士を結合する機能を持
                                                       つ蛋白質
                                ヒト化
 PPMX-   ハイブリドーマ法                                    ・肺、卵巣がんなど多くの固形
                                                       がん細胞の表面に多く存在す
  T004                   自社
                                                       る

                    免疫

                                      配列ヒト化率:90%
                                ヒト
 PPMX-   ファージディスプレイ法
                                                     TfR:
                                                     ・作り難い
  T003                                               ・細胞の増殖に必要な鉄分を
                                                       取り込む機能を持つ蛋白質
                                                     ・特に血液がん細胞の表面に
                                     配列ヒト化率:100%       多く存在する

                                                                                                   27
実用的なファージ抗体ライブラリ
                    ヒトファージ抗体ライブラリを使えば、こんなことができる。


                                    特定の条件に合致した集団を
                                    すくい上げる。



       抗体産生細胞                       任意の相手に結合する抗体を
      (ヒトの中にある                      釣り上げる。
       抗体を作る細胞)



                                    特殊な相手に結合する抗体を
    人工的に抗体を作る技術                     見つけ出す。

                    ヒトファージ抗体ライブラリ




                    当社のファージ抗体ライブラリの特徴
                     多くの抗体の中から目的に沿って選び出せる。
                     すべてヒト由来の抗体なので安心。
   ヒトファージ抗体ライブラリ
                     H鎖重視のライブラリ構成で親和性の高い抗体を取得できる。
    1,000億種類の抗体集団



   多くの抗体を含んだライブラリから効率的に抗体を取得
                                                    28
ファージディスプレイ法の抗体スクリーニング技術

細胞を使う当社独自の方法(ICOS法)
                                             問題点
                                             従来のスクリーニング方法では細胞に対して非特異的に
                                             反応する抗体が残ることが知られている。



                              細胞
                                             当社の抗体スクリーニング技術(ICOS法)
                                             有機溶媒を用いる独自の方法を見出し、細胞をそのまま
                                             使いつつも、非特異抗体を除去することが可能。


                                             特徴
                                              細胞をそのまま使うことで複雑な形状の蛋白質にも
                                               対応できる。
                                              特殊な条件(有機溶媒)で抗体選び出すことができる。
                                               この条件で選ばれた抗体は優れた反応性をもつ。
 ヒトファージ抗体ライブラリ                                様々な細胞で抗体取得の実証済み。




 正しい立体構造を標的にすることで、機能阻害抗体を効率的に単離
   ICOS法:Isolation of antigen/antibody Complexes through Organic Solvent method, 特許第4870348号
                                                                                               29
抗体作製技術のまとめ

        抗体医薬品開発 に関する当社の考え方

            難易度の高い標的で創薬を目指すために
            独自の技術プラットフォームを磨いてきた


     ハイブリ          ファージ
                                  ICOS法
     ドーマ法         ディスプレイ法




   成熟した確かな技術     ヒト抗体の多様化を   細胞膜上の複雑な構造
                    最大化         を反映


             がん治療薬の開発に真価を発揮


   ペルセウスプロテオミクスの抗体作製プラットフォーム

                                          30
主要特許
                  特許権の名称                           登録年月日       存続期間
                                     出願番号                                   内容・特徴
               (取得済又は出願中の別)                        登録番号        満了日

                                                                  癌細胞特異的に高集積する放射性金
                             特願2011-553868 2013年10月4日             属標識抗カドヘリン抗体、さらにこ
PPMX-T002   放射性金属標識抗カドヘリン抗体                             2031年2月9日
                            PCT/JP2011/052759 JP5380553           れを含有する癌治療薬及び癌診断薬
                                                                  に関するもの

                                                  2016年5月27日
            トランスフェリン受容体抗体         特願2012-066535               2032年3月23日
                                                    JP5939855


            トランスフェリン受容体を特異的 特願2013-514005     2016年8月5日             抗TfR抗体を含む医薬組成物、特
PPMX-T003                                                 2032年5月7日 に悪性腫瘍の治療に関わる医薬組成
            に認識できる抗体        PCT/JP2012/061676   JP5980202
                                                                    物に関するもの

            トランスフェリン受容体を特異的 特願2014-545766 2017年9月22日
                                                        2033年11月8日
            に認識できる抗体        PCT/JP2013/080249 JP6212497


            高い内在化能力を有する抗CDH3 特願2012-540965 2016年9月16日
                                                         2031年10月28日
            抗体               PCT/JP2011/074958 JP6006640

                                                                     薬物を修飾した抗CDH3抗体、特に
            抗CDH3(P-カドヘリン)抗体の薬 特願2014-508962 2017年3月24日
PPMX-T004                                                  2032年4月4日 悪性腫瘍の治療に関わる医薬組成物
            剤コンジュゲート           PCT/JP2012/059236 JP6113717
                                                                     に関するもの

            抗CDH3ヒト化抗体、その薬剤コ 特願2015-500306    2018年8月3日
                                                          2034年2月14日
            ンジュゲート、及びそれらの使用 PCT/JP2014/053473   JP6377601

                                                                         抗体ライブラリから細胞表面に結合
            細胞表面抗原に対する抗体の取得                       2011年11月25日
ICOS法                             特願2004-349783               2024年12月2日 する抗体をスクリーニングするため
            とその抗原同定                                 JP4870348
                                                                         の方法

    PPMX-T003:上記の他に4件特許出願中
                                                                                            31
事業計画




       32
(1)成⾧戦略

開発      抗体の種類     対象国          2021年3月
コード     対象疾患                      現在



                  米国    P1 expansion(国内P2相当)実施中   P2b/P3                    承認
PPMX-   ・RIT*1                                    入マイル
T002     固形がん                                     ストーン

                  日本            P1実施中                      P1終了                              承認


         PV
        (真性多血症)          P1 (PV患者)自社で実施準備中                    導出                 承認


         AML
PPMX-   (急性骨髄性白            アカデミアと共同研究中
                  日本他
T003    血病)                                                          P1/P2a終了                                   承認


         リンパ腫              アカデミアと共同研究中
                                                                                                  P2b/P3


         固形がん              アカデミアと共同研究中
                                                                         消化器がん腹膜播種(医師主導治験)
                                                                                                           承認
                  日本
        ・単剤             P2終了
                  米欧
        ・アテゾリズマ
                  日本
        ブ併用
PPMX-             台湾                                         中外製薬株式会社の
         肝がん                    P1実施中
T001                                                         開発戦略による                   承認

        ・バイスペシ    米国
                        P1終了
        フィック
         固形がん     日本            P1実施中


PPMX-   ・ADC*2
                  日本他
T004     固形がん                                                                         P1終了

   *1: Radio-immunotherapy(放射線免疫療法)の略。放射性核種で標識した抗体を患者さんに投与し、これを腫瘍に到達させて腫瘍を殺傷する治療法。
   *2: Antibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体)の略。抗体に連結された強力な細胞傷害活性を持つ薬物により、細胞を殺傷する。
 ※PPMX-T001の特許は2022年に有効期限を迎えます。
 ※この表は当社想定によるもので、記載どおりに進行することを保証するものではありません。
 ※導出後のすべての開発は、導出先企業の開発戦略によって決定されます。                                                                                  33
(1)成⾧戦略        より多くの抗体医薬品を患者さんの元へ
 ~高い機能性を持つ抗体医薬品を目指して~                       これからの抗体医薬品

                                                    ペルセウス
                                                   プロテオミクス
                                                      PPMX-T005
                                  高次構造に
                                                      PPMX-T006
                                  基づく抗原
                                                      PPMX-T007
                                                         ・
                                          PPMX-T003      ・
                                                         ・


                                            一歩先を行く抗体医薬品の開発
                 現在の抗体医薬品

                                            M13ファージ
                                                                  高難易度抗原

            立体構造に                                            技術的な参入障壁による
            基づく抗原     PPMX-T002/004                           “ブルーオーシャン”

               PPMX-T001               中難易度抗原
                                      製薬企業各社による
                                       “激しい開発競争”
 過去の抗体医薬品


単純な          低難易度抗原
構造の抗原
            開発しつくされた
               “荒野”
                                                                           34
(2)経営指標

   当社における導出時の契約一時金とその後の継続的な
  マイルストーン等の収入は、当社又は導出先における研
  究開発の進捗に大きく左右されます。
   そのため、当社では、ROA(総資産利益率)やROE(自己
  資本利益率)といった数値的な目標となる経営指標ではな
  く、将来の売上に繋がるパイプラインの開発の進捗、パ
  イプラインの拡充及び売上高を重要な経営指標として、
  事業活動を推進しております。
  【パイプラインの開発の進捗】

   第1相試験        第2相試験      第3相試験   承認・上市

                        マイル
           導出           ストーン

  パイプラインの開発の進捗については、
  「ビジネスモデル パイプラインの進捗」をご参照ください。
                                           35
(3)利益計画及び前提条件
  PPMX-T003 PV患者さん第Ⅰ相試験に注力
                                       (単位:百万円、%)
                決算期   2021年3月期    2022年3月期    対前期
   項目                   (実績)       (予想)※      増減率

   売上高                      67           70         3.3
   販売費及び一般管理費               475         630     32.4
              研究開発費         313         411     31.2
                人件費         90          111     24.1
                その他         72          107     48.2
   営業損失(△)                △411        △564

   経常損失(△)                △410        △583
   当期純損失(△)               △413        △625

   売上高:新型コロナウイルス感染症の影響で売上は、落ち込みましたが、2022年3月
       期は、若干の回復を見込んでおります。
   販売費及び一般管理費
    研究開発費:PPMX-T003 PV患者さんの第Ⅰ相試験を開始し、その費用を見込ん
          でおります。
    その他  :株式上場関連費用等の増加を見込んでおります。

   ※2021 年6 月22 日開示「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う決算情報等のお知
    らせ」より抜粋。
                                                          36
(4)進捗状況の開示


   第1四半期     第2四半期   第3四半期   第4四半期




                決算短信・四半期決算短信
              パイプラインの開発の進捗の開示


                     決算説明会のタイミング
                 「事業計画及び成⾧可能性に関する事項」


 パイプラインの導出、導出済みパイプラインの次相試験の開始等、
 重要な進捗が生じた場合には、適時開示していく方針であります。


                                     37
(5)資金使途
上場時における調達資金の使途                2022年    2023年     2024年
                               3月期      3月期     3月期以降
                                         P1
                 真性多血症(PV)
                                       患者さん

PPMX-T003他      急性骨髄性白血病                         P1/2a
                    (AML)
 研究開発費
                  探索研究等
                              256百万円   333百万円     907百万円

                研究開発人件費
研究開発運営経費         賃借料等
                              154百万円   156百万円     312百万円


  事業運営の
                人件費・賃借料等      219百万円   204百万円     408百万円
  運転資金

   設備投資           設備投資        40百万円    7百万円      15百万円

 (注)上記金額には、オーバーアロットメントによる売出しに関する第三者割当増資分(最大396百万円)を含ん
    でおります。
                                                           38
リスク情報




        39
認識するリスク         1/2
                                         顕在化し
                               顕在化の 顕在化の
       項目           主要なリスク               た場合の     リスク対応策
                                可能性  時期
                                          影響度
医薬品の研究開発、医薬品業界 医薬品開発の成功確率が低いこと、
                                              当社の技術を駆使して、次期
               研究開発期間が⾧期間を要するこ
                                 中   中⾧期   大  パイプライン候補の研究開発
 新薬開発の不確実性     と等により、投資回収額が回収で
                                              に取り組んでおります。
               きない可能性
医薬品の研究開発、医薬品業界                                先行競合品に対しては、異な
               競合他所の有する医薬品候補物質
                                              る位置づけにあります。潜在
               の研究開発が、当社のものと同じ
                                 中   中⾧期   小  的競合品に対しては、学会情
 競合            疾患領域で先行した場合、当社優
                                              報等から把握し当社品の位置
               位性が低下する可能性
                                              づけを明確にします。
医薬品の研究開発、医薬品業界 自然災害及び重大な感染症の流行                コミュニケーションを密にし
               等により、原薬の安定供給や適時                て情報収集に努めるなどトラ
                                 中   不明    大
 外部委託先との連携     なサービス業務を受けられない可                ブルを回避するための措置を
               能性                             講じております。
事業遂行
               優れた技術が出現した場合、当社                新たな技術、次期パイプライ
                                 小   中⾧期  不明
               の特許技術が陳腐化する可能性                 ン候補の研究開発に取り組み、
                                              新しい特許の獲得に取り組ん
               他社の特許・発明により、当社の                でおります。
                                 小   中⾧期   大
 特許            特許が無力化する可能性                    物質特許に加えて、薬剤の機
                                              能や治療用途と組み合わせた
               他国において申請した特許が取
                                              特許等の出願補強で当社特許
               得・登録されない可能性       小   中⾧期  不明
                                              を強化します。
               当該技術が利用される可能性
事業遂行           重大な感染症の流行等が発生した
                                              「緊急コロナウイルス対策方
               場合や、研究所の一時閉鎖等の不
 災害、感染症等の発生に関す                   中   不明   不明 針」を定め、在宅勤務を実施
               測の事態が発生した場合、研究開
 る不確実性                                        するなど対応しております。
               発が遅延する可能性
※ 有価証券届出書の「事業等のリスク」に記載の内容のうち、成⾧の実現や事業計画の遂行に影響する主要なリスクを抜粋して記載して
  おります。
※ その他のリスクは、有価証券届出書の「事業等のリスク」をご参照ください。
                                                                 40
認識するリスク           2/2

                                             顕在化し
                                   顕在化の 顕在化の
      項目            主要なリスク                   た場合の      リスク対応策
                                    可能性  時期
                                             影響度
パイプライン
              開発が遅延または中止となる可能性      小   中⾧期   小     当社の技術を駆使して、次期
                                                    パイプライン候補の研究開発
  PPMX-T001   契約の存続期間切れにより、想定した回
                                    大   短期    小     に取り組んでおります。
              収額を得られない可能性
パイプライン
              開発が遅延または中止となる可能性      小   中⾧期   大     当社の技術を駆使して、次期
                                                    パイプライン候補の研究開発
  PPMX-T002   契約の存続期間切れにより、想定した回
                                    小   中⾧期   大     に取り組んでおります。
              収額を得られない可能性
パイプライン                                              現在は自社開発を行っており、
                                                    広い疾患領域で適用可能性を
                                                    検討し、開発遅延や中止のリ
              開発が遅延または中止となる可能性      小   中⾧期   大     スクを低減します。また、当
  PPMX-T003
                                                    社の技術を駆使して、次期パ
                                                    イプライン候補の研究開発に
                                                    取り組んでおります。
              開発の遅延及び追加試験による追加費用                    上記対応策を実施するととも
              が必要となり、資金調達が必要となる可    小   中⾧期   大     に、必要に応じて資金調達を
              能性                                    実施いたします。




※ 有価証券届出書の「事業等のリスク」に記載の内容のうち、成⾧の実現や事業計画の遂行に影響する主要なリスクを抜粋して記載して
  おります。
※ その他のリスクは、有価証券届出書の「事業等のリスク」をご参照ください。
                                                                     41
Perseus Proteomics Inc.



              Email : info@ppmx.com
              TEL : 03-5738-1705
              FAX : 03-3481-5760