4881 M-ファンペップ 2021-06-29 15:00:00
機能性ペプチド「AJP001」の用途特許成立(中国)のお知らせ [pdf]

                                                     2021 年 6 月 29 日
各   位
                                 会 社 名   株式会社ファンペップ
                                 代表者名    代表取締役社長         三好    稔美
                                         (コード番号:4881 東証マザーズ)
                                 問合せ先    取締役管理部長兼 CFO      林 毅俊
                                                (TEL. 03-5315-4200)



            機能性ペプチド「AJP001」の用途特許成立(中国)のお知らせ
             -抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術に活用-

 当社の抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術に利用している機能性ペプチド「AJP001」の用途
特許(以下、
     「本特許」   )が中国において成立致しましたのでお知らせします。
 本特許は、AJP001 の抗体誘導ペプチド投与時に必要な免疫反応を活性化する用途等を保護する特許で
す。

    【発明の名称】   新規ペプチドおよびその用途
    【出願人】     国立大学法人大阪大学(注)
    【特許番号】    ZL201580052119.6
    (注)当社は、大阪大学より独占的通常実施権の許諾を受けているアンチエイジングぺプタイド株式会社から
        サブライセンス(医薬品分野の独占的通常実施権の許諾)を受けております。


 抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチドワク
チンです。
 バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成で製造することが可能
なため製造コストを抑制でき、さらに投与後は患者様の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生す
るため、薬剤投与間隔も長いことが期待されます。この特徴により、当社は、高額な抗体医薬品に対して
医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、先進国等で深刻化する医療財政問題の
解決や患者様の負担軽減に貢献していきたいと考えております。

 当社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとする抗体誘
導ペプチドの創薬プラットフォーム技術を活用して炎症性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対す
る抗体誘導ペプチドの創薬研究を進めており、これまでに標的タンパク質 IL-17A に対する抗体誘導ペプ
チド「FPP003」、標的タンパク質 IgE に対する抗体誘導ペプチド「FPP004」及び標的タンパク質 IL-23 に
対する抗体誘導ペプチド「FPP005」を創生して医薬品開発を進めております。
 これらの開発品については、世界展開を視野に入れて開発を進めており、米国及び欧州に次ぐ医薬品市
場規模があり今後も拡大が見込まれる中国市場への事業展開についても検討を進めていく方針です。

 本特許成立は、当期業績に影響を与えるものではありませんが、中国での本特許の実施について独占排
他権が認められたことを意味し、AJP001 を含有する抗体誘導ペプチドの開発プロジェクトを強力にサポ
ートするものです。本特許は、米国でも既に成立しており、日本及び欧州等にも出願しております。




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                                             <参考情報>



◆ 研究開発パイプライン

 <開発品>
                                  事業化   臨床試験    探索                  臨床試験
    開発品            対象疾患                               前臨床                            導出先等
                                 想定地域   実施地域    研究            第Ⅰ相   第Ⅱ相    第Ⅲ相
                                                                                     塩野義製薬㈱
   SR-0379         ⽪膚潰瘍          全世界    ⽇本            第Ⅲ相臨床試験 実施中                (全世界のライセンス契約)

                    乾癬                  豪州      第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験 実施中
   FPP003                                                                         ⼤⽇本住友製薬(株)
                                 全世界
 (標的:IL-17A)                                                                     (北⽶のオプション契約)
                  強直性脊椎炎                 ー      前臨床
   FPP004           花粉症
                                 全世界     ー      前臨床                                   未定
  (標的:IgE)     (季節性アレルギー性⿐炎)
   FPP005
                    乾癬           全世界     ー      前臨床                                   未定
 (標的:IL-23)

<研究テーマ>
       種類                 対象疾患                        提携企業
                  精神神経疾患
                  疼痛                            ⼤⽇本住友製薬(株)
                                             (精神神経疾患に関する研究契約)
                  ⾼⾎圧
                                                 塩野義製薬(株)
抗体誘導ペプチド          アレルギー性疾患
                                               (疼痛に関する共同研究)
                  抗⾎栓
                                               ㈱メディパルホールディングス
                  家族性⼤腸腺腫症                        (研究開発⽀援)
                  その他
                  新型コロナウイルス感染症                       アンジェス㈱
感染症予防ワクチン
                  (COVID-19)                         (共同研究)




抗体誘導ペプチド
 当社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとして、炎症
性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対する治療ワクチン「抗体誘導ペプチド」の研究開発を進めて
おります。
 生体内で抗体産生を誘導するためには、B 細胞が標的タンパク質(抗原)を認識し、更にヘルパーT 細
胞からの刺激によって B 細胞が活性化する必要があります。しかし、慢性疾患の標的タンパク質である自
己抗原(自己タンパク質等)に対しては、ヘルパーT 細胞が活性化しないため抗体が産生されません。こ
のため、抗体誘導ペプチドは、B 細胞が認識する「エピトープ」部分(B 細胞エピトープ)に、ヘルパーT
細胞が認識する T 細胞エピトープを含んだ「キャリア」部分を結合し、標的の自己タンパク質に対する抗
体産生を誘導するように設計しております。
 当社の抗体誘導ペプチドの強みは、①「キャリア」に当社独自の機能性ペプチド「AJP001」を使用して
いること(注)、②標的タンパク質の特性(物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に応じた「エピト
ープ」を設計・選定する技術ノウハウを保有していることであり、当社は、これら2つの強みを合わせて
創薬プラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」
と呼んでおります。
(注)一般的に「キャリア」には生物由来の物質が使用されておりますが、これらのキャリアには T 細胞エピトープ
     だけでなく B 細胞エピトープも含まれるため、キャリアに対する抗体も産生されます。そのため、繰り返し投
     与するとキャリアに対する免疫誘導が強くなり、標的タンパク質に対する免疫誘導が減弱する可能性がありま
     す。一方、AJP001 をキャリアとした場合、AJP001 に対する抗体は産生されないため、標的タンパク質特異的に
     抗体産生を誘導することが可能です。

※ 「抗体誘導ペプチド」は当社の登録商標です。



                                                 2
◆   創薬プラットフォーム技術「STEP UP」




                                以上




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