4881 M-ファンペップ 2021-01-29 11:30:00
抗体誘導ペプチドの新規開発化合物決定のお知らせ [pdf]
2021 年 1 月 29 日
各 位
会 社 名 株式会社ファンペップ
代表者名 代表取締役社長 三好 稔美
(コード番号:4881 東証マザーズ)
問合せ先 取締役管理部長兼 CFO 林 毅俊
(TEL. 03-5315-4200)
抗体誘導ペプチドの新規開発化合物決定のお知らせ
-標的タンパク質 IL-23 に対する抗体誘導ペプチド「FPP005」-
当社は、標的タンパク質インターロイキン 23(IL-23)に対する抗体誘導ペプチドの探索研究を進めて
まいりましたが、この度、新規開発化合物「FPP005」
(開発コード)を決定し、臨床試験開始に向けて前臨
床試験を開始いたしましたのでお知らせいたします。
当社は、新しいモダリティ(創薬技術)である抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術を保有し
ていることを強みとし、 大阪大学大学院医学系研究科との共同研究によって様々な疾患を対象とする抗体
誘導ペプチドの探索研究を行っております。これまでに海外で臨床試験を実施中の「FPP003」 (標的タン
パク質:IL-17A)及び前臨床試験段階にある「FPP004」
(標的タンパク質:IgE)を創出しており、新たに
「FPP005」の前臨床試験を開始して開発パイプラインが更に強化されました。
抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で抗体産生を誘導して治療効果を示すペプチドワクチンです。
バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成で製造することが可能
なため製造コストを抑制でき、さらに投与後は患者様の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生す
るため、薬剤投与間隔も長いことが特徴です。この特徴により、当社は、高額な抗体医薬品に対して医療
費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、先進国で深刻化する医療財政問題の解決や
患者様の負担軽減に貢献していきたいと考えております。
FPP005 の標的タンパク質 IL-23 は、様々な炎症性疾患の病態に重要な役割を担っており、先行する抗
IL-23 抗体医薬品は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に
開発が進んでおります。 FPP005 についても、尋常性乾癬を始めとする幅広い炎症性疾患を対象に開発を進
めて社会に貢献することを目指してまいります。
なお、本研究開発(IL-23 を標的とした抗体誘導ペプチドの研究開発)は、国立研究開発法人新エネル
ギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業
化支援」の支援を受けて、橋渡し研究機関大阪大学との共同研究により実施しております。
FPP005 の前臨床試験は、昨年の株式上場時の公募増資による調達資金を充当して進める予定であり、 当
該費用を織り込んだ当期(2021 年 12 月期)の業績予想は 2020 年 12 月期決算短信公表時(2月 10 日予
定)に開示する予定です。
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<参考情報>
◆ 研究開発パイプライン
<開発品>
臨床試験 臨床試験
種類 開発品 対象疾患 探索研究 前臨床 導出先等
実施地域 第Ⅰ相 第Ⅱ相 第Ⅲ相
塩野義製薬(株)
機能性ペプチド SR-0379 ⽪膚潰瘍 ⽇本 第Ⅲ相臨床試験 準備中 (全世界のライセンス契約)
乾癬 豪州 第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験 実施中
FPP003 ⼤⽇本住友製薬(株)
(標的:IL-17A) (北⽶のオプション契約)
強直性脊椎炎 ー 前臨床
抗体誘導ペプチド
FPP004 花粉症
ー 前臨床 未定
(標的:IgE) (季節性アレルギー性⿐炎)
FPP005
乾癬 ー 前臨床 未定
(標的:IL-23)
<研究テーマ>
種類 対象疾患 提携企業
精神神経疾患
疼痛 ⼤⽇本住友製薬(株)
(精神神経疾患に関する研究契約)
⾼⾎圧
塩野義製薬(株)
抗体誘導ペプチド アレルギー性疾患
(疼痛に関する共同研究)
抗⾎栓
㈱メディパルホールディングス
家族性⼤腸腺腫症 (研究開発⽀援)
その他
新型コロナウイルス感染症 アンジェス㈱
感染症予防ワクチン
(COVID-19) (共同研究)
抗体誘導ペプチド
当社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとして、炎症
性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対する治療ワクチン「抗体誘導ペプチド」の研究開発を進めて
おります。
生体内で抗体産生を誘導するためには、B 細胞が標的タンパク質(抗原)を認識し、更にヘルパーT 細
胞からの刺激によって B 細胞が活性化する必要があります。しかし、慢性疾患の標的タンパク質である自
己抗原(自己タンパク質等)に対しては、ヘルパーT 細胞が活性化しないため抗体が産生されません。こ
のため、抗体誘導ペプチドは、B 細胞が認識する「エピトープ」部分(B 細胞エピトープ)に、ヘルパーT
細胞が認識する T 細胞エピトープを含んだ「キャリア」部分を結合し、標的の自己タンパク質に対する抗
体産生を誘導するように設計しております。
当社の抗体誘導ペプチドの強みは、①「キャリア」に当社独自の機能性ペプチド「AJP001」を使用して
いること(注)、②標的タンパク質の特性(物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に応じた「エピト
ープ」を設計・選定する技術ノウハウを保有していることであり、当社は、これら2つの強みを合わせて
創薬プラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」
と呼んでおります。
(注)一般的に「キャリア」には生物由来の物質が使用されておりますが、これらのキャリアには T 細胞エピトープ
だけでなく B 細胞エピトープも含まれるため、キャリアに対する抗体も産生されます。そのため、繰り返し投
与するとキャリアに対する免疫誘導が強くなり、標的タンパク質に対する免疫誘導が減弱する可能性がありま
す。一方、AJP001 をキャリアとした場合、AJP001 に対する抗体は産生されないため、標的タンパク質特異的に
抗体産生を誘導することが可能です。
※ 「抗体誘導ペプチド」は当社の登録商標です。
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◆ 創薬プラットフォーム技術「STEP UP」
以上
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