4875 J-メディシノバ 2020-04-08 19:00:00
MN-166(イブジラスト)のCOVID-19感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とする臨床治験開始のお知らせ [pdf]

                                                       2020 年 4 月 8 日




各   位

                            会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                            代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CE O     岩城 裕一
                                            (コード番号:4875     JASDAQ)

                                    東京事務所代表 副社長
                            問合せ先                             松田 和子
                                    兼最 高 医学 責 任者 (CMO)
                                                    電話:03-3519-5010
                                      E-Mail:infojapan@medicinova.com



    MN-166(イブジラスト)の COVID-19 感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
                を対象とする臨床治験開始のお知らせ
              ~イェール大学先端治療センターとの共同治験~



2020 年 4 月 8 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)      (以下「当社」   )は、COVID-19(コロナウイ
ルス疾患 2019)を原因とする急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome)
                                                             (以
下「ARDS」   )を対象とする MN-166(イブジラスト)の臨床治験をイェール大学(米国コネチカ
ット州)と共同で実施することをお知らせします。

本治験は Richard Bucala M.D.、Ph.D(リチャード・ブカラ博士)が共同指揮するイェール大学
Advanced Therapies Group(先端治療グループ)の研究として実施されます。Bucala 博士はイ
ェール大学医学部教授、リウマチ疾患・アレルギー&免疫学講座主任教授で、マクロファージ遊
走阻止因子(MIF)とその受容体のクローニングに成功し、自己免疫疾患や癌・悪性疾患におけ
る MIF の役割に関する研究を長く主導してきた第一人者です。
本治験の主任治験責任医師は、イェール・ニューヘブン病院、喘息・気道疾患センターおよび肺・
呼吸機能研究所のディレクター、イエール大学医学部教授である Goeffrey Chupp M.D.(ジェフ
リー・チャップ医師)です。
共同治験責任医師は、急性肺損傷および敗血症を含む成人救急医療を専門とする、呼吸器・救命
救急医療の医師・科学者である Maor Sauler M.D.(マオール・サウラー医師)と、アレルギー・
免疫学講座ディレクターでイェール大学 COVID-19 Advanced Therapeutic Group メンバーの
Insoo Kang M.D.(インスー・カン医師)です。

Richard Bucala 博士は次のように述べています。
「MediciNova と提携し、COVID-19 患者の致死的な炎症の治療としての新しいアプローチを追
求できることを非常に嬉しく思います。 更に、    」  「MN-166 のもつ MIF 活性抑制作用はイェール大
学薬理学教室 Elias Lolis PhD(エリアス・ロリス博士)によって発見されたものです。その研究
結果が、本治験に繋がったことは特に喜ばしいものです。MN-166 は、COVID-19 重症例に関連
する過剰炎症を軽減し、ARDS を抑制することにより、COVID-19 の死亡率を低下させる可能性
があると考えています。       」

Geoffrey Chupp 医師は、次のように述べています。

                              -1-
「現在、イェール大学には約 200 人の COVID-19 患者が入院しており、そのうち 34 人が人工呼
吸器を使用しています。MN-166 が COVID-19 の最も重篤な症例に役立つことを期待していま
す。」

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、次のようにコメントしています。
「COVID-19 による ARDS の治験を開始する事を大変喜ばしく思っています。本治験において、
COVID-19感染に惹起される非常に重篤な疾患である ARDS を対象に MN-166 の最適投与量や
投与方法なども評価する予定です。      」

なお、本件が当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響は現在のところ未定ですが、業績に重要
な影響を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                 以 上



急性呼吸窮迫症候群(ARDS)について
急性呼吸窮迫症候群  (ARDS)は、血液中の酸素レベルの低下を引き起こす重篤な肺機能不全の一
種です。何らかの理由で肺が損傷を受けると、肺胞と呼ばれる小さな空気嚢の内部に血液や体液
が溜まり、肺胞が膨らみを保つ界面活性剤(サーファクタント)が分解され、肺胞がつぶれた状
態になります。そのため、肺から吸い込む空気中の酸素を血液中に取り込むことができず、低酸
素状態になります。急性期を過ぎると肺が線維化し固くなり、コンプライアンスが低下します。
ARDS は数日で発症する場合もあれば、非常に急速に悪化する場合もあります。ARDS の最初の
症状は通常、息切れで、他の徴候と症状として、低酸素血症、急速で浅い呼吸、呼吸時の肺のク
リック音、水疱音、または喘鳴が聞かれます。感染症は、ARDS の最も一般的な危険因子です。
これらの感染には、インフルエンザ、コロナウイルスまたはその他のウイルス感染症、敗血症な
どが含まれます。発症後死亡率は、ARDS 患者の約 40%と言われています。

MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ
トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカ
イン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められてい
ます。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨
床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されており、
これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など) 、各種依存症、慢性
神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症
及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、
進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポート
フォリオを有しております。

メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として
新規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、進行型多発性硬
化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)       、グリオブラストーマを
はじめとする多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症
など線維症疾患を適応とする MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほか
には MN-221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。



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当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリ
カ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。


このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来に
おける開発や効果に関する記述などが含まれます。         これらの「将来の見通しに関する記述」       には、
そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不確定
要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開発
するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資
金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発およ
び商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及
び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するもの
ではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼
ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執行
能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通
りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との
提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証
券取引委員会に提出した 2019 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載
されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。し
たがって、 将来の見通しに関する記述」
       「                   はその時点における当社の状況を述べているにとどまり、
実際の結果または成り行きは、         必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下さい。
また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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