4875 J-メディシノバ 2020-03-10 08:00:00
重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象としたMN-166(イブジラスト)の開発開始に関するお知らせ [pdf]

                                                       2020 年 3 月 10 日




各   位

                             会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                             代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CE O     岩城 裕一
                                             (コード番号:4875     JASDAQ)

                                     東京事務所代表 副社長
                             問合せ先                             松田 和子
                                     兼最 高 医学 責 任者 (CMO)
                                                     電話:03-3519-5010
                                       E-Mail:infojapan@medicinova.com



           重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした
            MN-166(イブジラスト)の開発開始に関するお知らせ



2020 年 3 月 9 日 米国 ラ・ホイヤ発 – メディシノバ(MediciNova,Inc.)   (米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)               (以下「当社」 )は、重症肺炎および急性呼
吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome)        )を対象とする MN-166
                                           (以下「ARDS」
(イブジラスト)の開発を開始することをお知らせします。

MN-166(イブジラスト)の重症肺炎および ARDS を対象とする開発は、本年 2 月発表された、
ARDS の動物モデルスタディ(Med Sci Monit、2020; 26:e922281)の良好な結果に基づいてい
ます。本スタディでは、イブジラスト治療が、ARDS で観察される肺組織の炎症、出血、肺胞鬱
血、および肺胞壁浮腫などの組織学的変化を回復させることを示しました。肺水腫スコアを用い
て肺胞内の液体貯留の程度を評価したところ、イブジラスト治療により肺水腫が有意に改善しま
した(p <0.001) 。またイブジラスト治療により、TNF-α(p <0.001)    、IL-1β(p <0.001)
                                                              、IL-
6(p <0.001)、MCP-1(p < 0.001)などの炎症性サイトカインが用量依存的に有意に低下し、イ
ブジラスト治療が炎症反応を抑制したことを示しました。他にも、イブジラスト治療が肺組織で
のアポトーシスを減弱させ、肺損傷から保護することを示唆しました。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、次のようにコメントしています。
「今回、重症肺炎、ARDS を対象とした MN-166 の開発を始める事を喜ばしく思います。重症肺
炎や ARDS は非常に深刻な疾患で、ウイルス感染などが原因で引き起こされることも多く、入院
患者では生命にかかわることもしばしばです。インフルエンザやコロナウイルスの世界的流行を
考慮すると、   重症肺炎や ARDS などへの効率的で安全な治療法を開発することは非常に重要です。
MN-166 は、その抗炎症作用と ARDS 動物モデルスタディの良好な結果に基づき、重症肺炎およ
び ARDS 患者の治療に大きな可能性を秘めていると考えています。   」

なお、本件が当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響は現在のところ未定ですが、業績に重要
な影響を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                                  以上




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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)について
急性呼吸窮迫症候群  (ARDS)は、血液中の酸素レベルの低下を引き起こす重篤な肺機能不全の一
種です。何らかの理由で肺が損傷を受けると、肺胞と呼ばれる小さな空気嚢の内部に血液や体液
が溜まり、肺胞が膨らみを保つ界面活性剤(サーファクタント)が分解され、肺胞がつぶれた状
態になります。そのため、肺から吸い込む空気中の酸素を血液中に取り込むことができず、低酸
素状態になります。急性期を過ぎると肺が線維化し固くなり、コンプライアンスが低下します。
ARDS は数日で発症する場合もあれば、非常に急速に悪化する場合もあります。ARDS の最初の
症状は通常、息切れで、他の徴候と症状として、低酸素血症、急速で浅い呼吸、呼吸時の肺のク
リック音、水疱音、または喘鳴が聞かれます。感染症は、ARDS の最も一般的な危険因子です。
これらの感染には、インフルエンザ、コロナウイルスまたはその他のウイルス感染症、敗血症な
どが含まれます。発症後死亡率は、ARDS 患者の約 40%と言われています。

MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ
トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカ
イン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められてい
ます。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨
床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されており、
これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など) 、各種依存症、慢性
神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症
及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、
進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポート
フォリオを有しております。

メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として
新規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、進行型多発性硬
化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)       、グリオブラストーマを
はじめとする多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症
など線維症疾患を適応とする MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほか
には MN-221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリ
カ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。



このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来に
おける開発や効果に関する記述などが含まれます。         これらの「将来の見通しに関する記述」       には、
そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不確定
要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開発
するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資
金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発およ
び商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及
び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するもの


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ではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼
ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執行
能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通
りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との
提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証
券取引委員会に提出した 2019 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載
されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。し
たがって、 将来の見通しに関する記述」
    「                  はその時点における当社の状況を述べているにとどまり、
実際の結果または成り行きは、   必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下さい。
また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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