4875 J-メディシノバ 2020-02-14 08:30:00
2019年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結) [pdf]

                           2019 年 12 月期 決算短信〔米国基準〕
                                                 (連結)
                                                                                                          2020 年 2 月 14 日

  上 場 会 社 名 メディシノバ・インク                                上場取引所 東
  コ ー ド 番 号 4875                  URL https://medicinova.jp
  代   表   者 (役職名)  代表取締役社長兼 CEO              (氏名) 岩城 裕一
                   取締役兼 CMO
  問合せ先責任者 (役職名)                              (氏名) 松田 和子       (TEL)03(3519)5010
                   東京事務所代表副社長
  定時株主総会開催予定日     2020 年 6 月 16 日
  有価証券報告書提出予定日    2020 年 6 月 10 日     配当支払開始予定日 -
  決算補足説明資料作成の有無           :有・無
  決算説明会開催の有無              :有・無(メディア、機関投資家及びアナリスト向け)

1.2019 年 12 月期の連結業績(2019 年 1 月 1 日~2019 年 12 月 31 日)
(1)連結経営成績(累計)                                                                    (単位:米ドル(千円)
                                                                                           、%表示は、対期増減率)
                                                                                                  当社株主に帰属する
                         売上高                    営業利益                    税引前当期純利益
                                                                                                    当期純利益
                                       %                       %                         %                              %
                                            △ 14,031,077                △ 12,928,998                  △ 12,941,658
   2019 年 12 月期                 0      -                       -                         -                              -
                                           (△ 1,530,229)               (△ 1,410,036)                  (△ 1,411,417)
                                            △ 15,586,826                △ 14,669,811                   △ 14,675,087
   2018 年 12 月期                 0      -                       -                         -                              -
                                           (△ 1,699,899)               (△ 1,599,889)                  (△ 1,600,464)
 (注)包括利益 2019 年12 月期 △ 12,941,189 米ドル(△ 1,411,366 千円)(-%)2018 年12 月期 △ 14,673,614 米ドル(△ 1,600,304 千円)(-%)

                                                                                 (単位:米ドル(円)
                                                                                          、%表示は、対期増減率)

                   1株当たり当社株主に帰属する       潜在株式調整後1株当たり         株主資本当社株主に              総資産
                       当期純利益           当社株主に帰属する当期純利益
                                                                                                         売上高営業利益率
                                                            帰属する当期純利益率           税引前当期純利益率

                            △ 0.30
  2019 年 12 月期                                      -                △ 17.5%             △ 16.5%                        -
                            (△ 32)
                             △ 0.36
  2018 年 12 月期                                      -                △ 26.3%             △ 24.3%                        -
                             (△ 39)
 (参考)持分法投資損益 2019 年 12 月期 -米ドル(-千円) 2018 年 12 月期 19,867 米ドル(2,166 千円)
 (注)①1株当たり当社株主に帰属する当期純利益はASC Topic260「1 株当たり利益」に基づいて算出しております。
     ②潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益については、1株当たり当社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。

(2)連結財政状態                                                    (単位:1 株当たり金額を除き米ドル(千円)
                                                                                  、%表示は、対期増減率)
                        総資産            資本合計(純資産)                株主資本              株主資本比率                1 株当たり株主資本
                                                                                                 %                    米ドル
                                                                                                                       (円)

                          79,205,174         74,894,623             74,894,623                                       1.71
  2019 年 12 月期                                                                                 94.6
                         (8,638,116)        (8,168,007)            (8,168,007)                                   (186.49)
                          77,222,692         73,107,612             73,107,612                                       1.74
  2018 年 12 月期                                                                                 94.7
                         (8,421,906)        (7,973,116)            (7,973,116)                                   (189.76)

(3)連結キャッシュ・フローの状況                                                                                      (単位:米ドル(千円))
                       営業活動による                投資活動による                     財務活動による                     現金及び現金同等物
                      キャッシュ・フロー              キャッシュ・フロー                   キャッシュ・フロー                       期末残高
                            △ 9,124,987                   △ 11,272                10,615,551                   63,792,657
  2019 年 12 月期
                            (△ 995,171)               (△ 1,229)                  (1,157,731)                  (6,957,227)
                            △ 9,114,121                 626,324                   42,808,781                   62,313,418
  2018 年 12 月期
                            (△ 993,986)                   (68,306)               (4,668,725)                  (6,795,901)
 (注) 当社の2019年12月期及び2018年12月期の連結財務諸表の原文は米ドルで表示されています。連結経営成績及び連結財政状態について、カッコ内に表示
 されている金額は、便宜上、2020年1月31日現在の三菱UFJ銀行の対顧客電信直物相場の仲値に基づき、1米ドル=109.06円で換算された金額です。また記載金額
 は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。


2.配当の状況                                                                                   (単位 米ドル
                                                                                             :   (円)
                                                                                                   )
                                                                          配当金総額      配当性向     株主資本
                                   1株当たり配当金
                                                                           (合計)      (連結)    配当率(連結)
                 第1四半期末   第2四半期末    第3四半期末         期末          合計
 2018 年12 月期        ―        ―           ―         0.00        0.00        0.00       ―           ―
 2019 年12 月期        ―        ―           ―         0.00        0.00        0.00       ―           ―
 2020年12月期(予想)      ―        ―           ―         0.00        0.00                   ―


3.2020年12月期の連結業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)
  2020年12月期の連結業績予想につきましては、具体的な売上高及び営業利益の予想値を公表することが、当社が進めてお
 ります提携及び導出活動における価値の最大化を阻害する要因となる可能性が想定されます。
  また、提携契約の締結に至った場合、契約の内容によっては2020年12月期において見込んでいる研究開発費の一部が相手
 方負担となる可能性もありますため、連結業績の合理的な予測が困難な状況であります。
  これらの点を考慮し、   現時点においては今期の業績予想を記載しておりませんが、判明次第速やかにお知らせいたします。



※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動
                                                    :有・無
    (連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)
       新規 1 社      (社名)   MediciNova Europe GmbH          除外    社        (社名)


(2)会計方針の変更
   ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                             :有・無
   ② ①以外の会計方針の変更                                    :有・無

(3)発行済株式数(普通株式)
   ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                2019年12月期            43,908,065株   2018年12月期        42,081,306株
   ② 期末自己株式数                          2019年12月期                    -株    2018年12月期                -株
   ③ 期中平均株式数                          2019年12月期            43,158,830株   2018年12月期        41,124,909株

 ※ 監査手続の実施状況に関する表示
  ・当社は金融商品取引法に基づく財務諸表の監査手続を受けていません。

 ※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
   2020 年 12 月期の業績予想が判明次第、お知らせいたします。
   本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
    断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の
    前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、【添付資料】2 ページ「経営成績に関す
    る分析」をご覧ください。
   連結財務諸表の作成において米国基準を採用しているため、個別業績の概要を記載しておりません。
                                                       メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




○   添付資料の目次

1. 経営成績・財政状態に関する分析 ...................................................... 2
  (1) 経営成績に関する分析........................................................... 2
  (2) 財政状態に関する分析........................................................... 4
  (3) 事業等のリスク................................................................. 7
2.企業集団の状況..................................................................... 26
3.経営方針 .......................................................................... 26
4.連結財務諸表....................................................................... 28
  (1) 連結貸借対照表................................................................ 28
  (2) 連結損益及び包括利益計算書 .................................................... 29
  (3) 連結株主資本等変動計算書 ...................................................... 30
  (4) 連結キャッシュ・フロー計算書 .................................................. 31
  (5) 継続企業の前提に関する注記 .................................................... 31
  (6) 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 .................................. 32
  (7) 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更 ............................ 33
  (8) 連結財務諸表に関する注記事項 .................................................. 33
5. 連結財務諸表(日本円換算) ......................................................... 40
  (1) 連結貸借対照表................................................................ 40
  (2) 連結損益及び包括利益計算書 .................................................... 41
  (3) 連結株主資本等変動計算書 ...................................................... 42
  (4) 連結キャッシュ・フロー計算書 .................................................. 43


※   本文中の日時は、米国太平洋時間となっています。




                                         1
                                               メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




1.    経営成績・財政状態に関する分析

      医薬品業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、新薬の開発競争も激しくなるばかりです。加えて、新薬の申
      請・承認プロセス及び基準・方針は国や地域により異なるため、新薬を創出するまでの道程は決して平坦ではあ
      りません。
      このような環境下において、当社では、いかなる環境の変化にも対応できるよう柔軟な経営を心掛けながら、治
      療法が限られている難病を患う世界中の患者さんに有効な薬を届けることを目的として事業を行っております。
      中でも、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オヒオイド依存など)、グリオブラスト
      ーマをはじめとする多様な神経系疾患を適応とするMN-166 イブジラスト)
                                   (       及びNASH、肺線維症など線維症疾患、
      あるいは高中性脂肪症を適応とするMN-001(タイペルカスト)に経営資源を収集して新薬を創出すべく邁進して
      おります。


(1) 経営成績に関する分析

     (a) 当期の経営成績

      (i)    収益

             当社は、2019年12月31日及び2018年12月31日に終了した事業年度のいずれにおいても、収益または売上
             原価を計上していません。


      (ii)   研究開発及びパテント費

             2019年12月31日に終了した事業年度の研究開発及びパテント費は、2018年12月31日に終了した事業年度
             の研究開発及びパテント費5.6百万米ドル(610百万円)と比べて0.5百万米ドル(54百万円)増加し、6.1
             百万米ドル(665百万円)となりました。この増加は主として、業績目標に対する達成度に基づく(研究
             開発にかかわる)役職員への株式報酬費用が減少した一方で、MN-166(イブジラスト)の臨床治験に係る
             費用が増加したことによるものです。


      (iii) 一般管理費

             2019年12月31日に終了した事業年度の一般管理費は、2018年12月31日に終了した事業年度の一般管理費
             10.0百万米ドル(1,090百万円)と比べて2.0百万米ドル(218百万円)減少し、8.0百万米ドル(872百万
             円)となりました。この減少は主として、業績目標に対する達成度に基づく(一般管理業務にかかわる)
             役職員への株式報酬費用及びその他の一般営業費用が減少したことによるものです。


      (iv)   その他の費用(純額)

             2018年12月31日に終了した事業年度のその他の費用は約23千米ドル(2,508千円)であったのに対し、
             2019年12月31日に終了した事業年度のその他の費用は約46千米ドル(5,016千円)でした。その他の費用
             は、持分法適用JVに係る持分割合に応じた投資損失(純額)、支払利息、ならびに外貨建仕入債務に係
             る為替差損(純額)で構成されています。


      (v)    受取利息

             2018年12月31日に終了した事業年度の受取利息は約0.9百万ドル(98百万円)であったのに対し、2019年
             12月31日に終了した事業年度の受取利息は、約1.1百万ドル(119百万円)でした。受取利息は、2019年
             度及び2018年度における現金及び現金同等物に係る利息により構成されています。




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                                     メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




 (b) 次期(2020年12月期)の業績見通し

 次期(2020年12月期)も引き続き、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存
など)、グリオブラストーマをはじめとする多様な神経系疾患を適応とするMN-166(イブジラスト)及びNASH、肺線
維症など線維症疾患を適応とするMN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中し、臨床治験を進めてまいります。こ
れらの開発パイプラインの進捗に伴い、臨床治験にかかる費用が当期よりも多くなり、研究開発費が増加する見込み
です。

 次期(2020年12月期)の連結業績予想につきましては、具体的な売上高及び営業利益の予想値を公表することが、
当社が進めております提携及び導出活動における価値の最大化を阻害する要因となりうる可能性が想定されます。
 また、本資料の発表日現在においては、次期(2020年12月期)の事業費用について、営業費用として16.3百万米ド
ル(約1,777百万円)(前期比+16.4%)の支出を見込んでおりますが、提携契約の締結に至った場合、契約の内容に
よっては研究開発費の一部が相手方負担となる可能性もありますため、連結業績の合理的な予測が困難な状況であり
ます。
 これらの点を考慮し、現時点においては今期の業績予想を記載しておりませんが、判明次第速やかにお知らせいた
します。

 上記の見通しは本資料の発表日現在において当社の立てたある前提に基づくものであり、これら前提は経営陣の経
験や過去の傾向、現況、期待される将来の進展、及びその時の状況下において適切と判断する他の要因に対する経営
陣の認識に基づくものであります。このような見通しは多くの前提、リスク、不確定要素の影響を受けますが、これ
らの多くは当社のコントロールが及ばないものであり、実際の当社の業績は上記の見通しと大きく異なることがあり
ます。これらリスクにつきましては、米国証券取引委員会(SEC)提出のメディシノバ・インクにかかる文書に詳述さ
れているリスクファクターが含まれています。リスクファクターの詳細に関しましては、 本短信P7~P25をご参照下さ
い。)




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                                                   メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




(2)   財政状態に関する分析

(a)   資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析

      当社は2019年及び2018年12月31日に終了した事業年度において、それぞれ12.9百万米ドル(1,406百万円)及び
      14.7百万米ドル(1,603百万円)の当期純損失を計上しました。2019年12月31日現在における当社の累積欠損の
      額は、369.1百万米ドル(40,254百万円)であります。なお、これまで当社の営業損失に対する資金補填は、主
      として当社株式関連証券の私募、当社普通株式の公募、長期借入、提携先との開発契約及びワラント行使によ
      る資金調達(うち一部は自社株買戻しに使用)により行われてきました。

      下表は、2019年及び2018年12月31日に終了した事業年度におけるキャッシュ・フローの要約です。

                                           (単位:千米ドル(百万円))
                                    2019年12月期    2018年12月期
                                      △ 9,125        △ 9,114
         営業活動によるキャッシュ・フロー
                                       (△ 995)       (△ 993)
                                         △ 11            626
         投資活動によるキャッシュ・フロー
                                         (△ 1)           (68)
                                        10,616        42,809
         財務活動によるキャッシュ・フロー
                                        (1,157)       (4,668)
                                         1,480        34,321
         合計
                                          (161)       (3,743)

エクイティ・ファイナンス
      当社は、2015年5月22日付けで、MLV & Co. LLC (MLV)との間でATM新株販売代理契約(2015年ATM契約)を締結
      しました。同ATM契約により、当社はMLVを通じ、当社普通株式を発行価格総額30.0百万米ドル(3,271百万円)
      を上限として随時売却することができます。MLVを通じて普通株式を売却する場合には、1933年証券法(その後
      の改正を含む)に基づき公布されたRule 415における定義上で「市場を通じた」株式発行と見なされるあらゆ
      る方法にて売却が実施されます。これらの方法には、NASDAQその他の既設の普通株式の売買市場で直接売却す
      る方法、並びに、マーケットメーカーへの売却及びマーケットメーカーを通じた売却方法が含まれます。また、
      当社の事前承認を前提に、MLVは普通株式を相対取引で売却することもできます。当社は、MLVに対して手数料
      として、同ATM契約に基づき売却された普通株式による手取金総額の4.0%を上限として支払うことに合意しま
      した。当社の手取金は、MLVに売却される当社普通株式の数及び各取引における1株当たりの購入価格に左右さ
      れます。当社は、同ATM契約上、株式を売却するいかなる義務も負わず、また、いつでも書面通知により同ATM
      契約を解約できます。当社は、2016年9月16日付けで、2015年ATM契約を修正し、FBR Capital Markets & Co.
      (FBR)を販売代理人に加えました。当社は、この2015年ATM契約を2019年8月23日に解約しました。


      当社は、2019年8月23日付けで、B. Riley FBR, Inc. (B. Riley FBR)との間でATM新株販売代理契約(2019年
      ATM契約)を締結しました。同ATM契約により、当社は B. Riley FBRを通じ、当社普通株式を発行価格総額75.0
      百万米ドル(8,179百万円)を上限として随時売却することができます。B. Riley FBRを通じて普通株式を売却
      する場合には、1933年証券法(その後の改正を含む)に基づき公布されたRule 415における定義上で「市場を
      通じた」株式発行と見なされるあらゆる方法にて売却が実施されます。これらの方法には、NASDAQその他の既
      設の普通株式の売買市場で直接売却する方法、並びに、マーケットメーカーを通じた売却方法が含まれます。
      また、当社の事前承認を前提に、B. Riley FBRは普通株式を相対取引で売却することもできます。当社は、B.
      Riley FBRに対して手数料として、同ATM契約に基づき売却された普通株式による手取金総額の3.5%を上限とし
      て支払うことに合意しました。当社の手取金は、B. Riley FBRに売却される当社普通株式の数及び各取引にお
      ける1株当たりの購入価格に左右されます。


      2019年12月31日に終了した事業年度において、当社は普通株式804,963株を1株当たり7.24米ドル(789円)から
      10.03米ドル(1,093円)までの間の価格で売却し、総額で6.8百万米ドル(741百万円)、純額で6.5百万米ドル
      (708百万円)の手取金を受領しました。2018年12月31日に終了した事業年度において、当社は普通株式200,000
      株を1株当たり7.81米ドル(851円)で売却し、総額で1.6百万米ドル(174百万円)、純額で1.5百万米ドル(163
      百万円)の手取金を受領しました。




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公募増資
       当社は、2018年2月12日付けで、買取引受方式により、1株当たり9.05米ドル(986円)で当社普通株式4,419,890
       株の公募増資を完了し、これにより総額で40.0百万米ドル(4,362百万円)、純額で約37.4百万米ドル(4,078
       百万円)の手取金を受領しています。なお、手取金の純額は、手取金の総額から引受ディスカウント・手数料
       及び公募費用を控除した額です。これに加え、当社は、最大で662,983株の普通株式を公募価格で追加購入でき
       る30日間のオーバーアロットメント・オプションを引受会社に付与していましたが、2018年2月21日に引受会社
       がこのオプションを一部行使したことにより、追加で当社普通株式126,038株を売却し、総額で1.1百万米ドル
       (119百万円)の手取金を受領しました。


ワラント
       2018年12月31日に終了した事業年度において、当社の普通株式750,000株を購入するワラントが行使され、総額
       で2.4百万米ドル(261百万円)の手取金を受領しました。2019年12月31日現在、未行使のワラントはありませ
       ん。


財政状態及び流動性に影響を与える可能性のある要素
       2019年12月31日現在、当社の現金及び現金同等物は63.8百万米ドル(6,958百万円)で、運転資本は62.1百万米
       ドル(6,772百万円)でした。本短信提出日現在、当社は、少なくとも2021年12月31日までの事業運営にあたっ
       て十分な運転資本を確保しているものと考えています。


       当社の将来的な資金需要は多くの要素に左右されます。例えば、以下のような要素が挙げられますが、これら
       に限定されるわけではありません。
       ・ 将来の臨床治験及びその他の研究開発の進捗及び費用
       ・ 当社の製品開発プログラムの範囲、優先順位及び件数
       ・ 臨床治験、薬事承認又は商取引上の事象に関する様々なマイルストーンの達成時に、将来的なマイルストー
         ンの支払債務が生じる取り決めになっているライセンス契約における当社の義務
       ・ ライセンス付与その他の取り決め等を含む戦略的な協働関係を構築・維持する能力及びさらなる製品候補
         を取得する当社の能力
       ・ 薬事承認の取得に係る期間及び費用
       ・ 当社の製品候補の臨床治験用生産又は商業生産に要する製造手配を確実に行うための費用
       ・ 当社の経営陣、人員、システム及び設備を拡充するために必要な費用
       ・ 訴訟に関する費用
       ・ 当社が取得する可能性のある事業の運営又は縮小に関する費用
       ・ 特許権その他の知的財産権の出願、侵害の告発、行使及び防御に関する費用
       ・ 当社の製品候補の販売について薬事承認を取得した場合に必要となる、販売及びマーケティング機能並び
         に商品化活動の構築に要する費用又はこれらを外部に請負わせるために要する費用




 (b)   キャッシュ・フロー関連指標の推移

                                   2015年    2016年        2017年      2018年      2019年
                                   12月期     12月期         12月期       12月期       12月期
            株主資本比率                 86.4%    86.7%        89.0%      94.7%      94.6%

            時価ベースの自己資本比率          284.4%    556.2%      568.8%     448.6%     371.1%

            キャッシュ・フロー対有利子負債比率          -        -            -          -          -

            インタレスト・カバレッジ・レシオ      1,300.2       -            -          -          -

        (参考)   株主資本比率(%)               株主資本/総資産
               時価ベースの株主資本比率(%)         株式時価総額/総資産
               キャッシュ・フロー対有利子負債比率       有利子負債/営業キャッシュ・フロー



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                                メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




     インタレスト・カバレッジ・レシオ      営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1) いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2) 時価総額の算定方法は、当期末の東証JASDAQ市場での株価終値×(当期末の発行済み株式数-当
     期末の自己株式数)となっております。なお、ナスダック・グローバル市場での当期末株価終値
     による時価ベースの自己資本比率は373.6%となります。
(注3) 営業キャッシュ・フローがマイナスの場合、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレ
     スト・カバレッジ・レシオについては開示していません。




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                                           メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




     (3) 事業等のリスク

 当社の所属する業界は、ダイナミックで変化の早い環境にあり、多くのリスク及び不確実性を抱えております。当
社の事業、財務状況及び業績に重大な悪影響を与える事項があり、それらを慎重に考慮する必要があります。したが
って、当社の事業を評価するにあたり、本書及びその他の米国証券取引委員会(「SEC」)・東京証券取引所等への提
出資料に記載する他の項目とともに、下記に述べるリスクファクターを参照してください。なお、その他の、当社が
現在予測していない事象や重要ではないと考えている事象もまた、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性が
あります。なお、リスクファクターの内容には、2018年度有価証券報告書から大きな変更はありません。


当社の事業及び業界に関連するリスク


1. 当社は、創立以来多額の営業損失を計上していますが、さらに、近い将来にわたり、かかる損失が継続することを
見込んでおります。

当社は、設立当初から多額の純損失を計上しております。2019年12月31日に終了した年度において、純損失は約12.9
百万米ドル(1,406百万円)でした。また、設立当初から2019年12月31日までに、369.1百万米ドル(402億円)の累積
欠損を計上しています。今後数年間は、既存の開発プログラムの開発継続に伴って相当額の純損失を見込んでいるほ
か、長期的には、研究開発の拡大及び製品候補、技術または事業などのうち当社を補てんするものをライセンス導入
または獲得する際にも、損失が拡大する恐れがあります。2019年12月31日現在、当社の現金及び現金同等物は63.8百
万米ドル(6,958百万円)、運転資金は62.1百万米ドル(6,772百万円)でした。当社が将来十分な資金を調達できる
保証はありません。もし当社が追加の資金調達をできないような場合、一つまたは複数のプログラムを売却するか営
業を中止する可能性があります。


将来的な当社の資金需要は、下記の事項によって左右されます。
・    将来の臨床治験及びその他の研究開発の経過及び費用
・    当社の製品開発プログラムの範囲、数量及び優先順位
・    臨床治験、薬事承認又は商取引上の事由に関し目標を達成した場合マイルストーンを支払わなければならなくな
     るという、ライセンス契約上当社が負うべき義務
・    ライセンス及びその他協定を含む戦略的提携を確立・維持するために必要な当社の能力
・    薬事承認の取得のタイミング及び費用
・    当社の製品候補の臨床治験用生産又は商業生産に要する製造準備を確保するための費用
・    当社の経営陣、人員、システム及び設備を拡充するために必要な費用
・    訴訟に関する費用
・    当社が取得する可能性のある事業の運営又は縮小に関する費用
・    特許権及びその他知的財産権の出願、侵害の告発、実施及び防御に関する費用
・    当社製品候補の販売のための薬事承認を取得した場合に、営業及びマーケティング機能並びに商品化活動の構築
     に要する費用またはこれらを外部に請け負わせるために要する費用


    当社は、2020年の研究開発費について、2020年にMN-166及びMN-001の開発を引き続き重視したことを理由として、
2019年の研究開発費よりも増加するものと予測しています。当社の現金需要に関する予測は、追加の資金調達または
ひとつあるいは複数の戦略的提携を確保しない限り大きな開発へ資金を拠出しないことを前提としています。当面は、
多額な営業損失の増加を継続して負担することが予測されております。医薬品の開発に伴う多くのリスク及び不確実
性のため、当社は、将来の損失額や利益を上げることのできる時期について予測することができません。


    もし将来当社が課税所得を得た場合に、所有者変更が起これば、新規の営業損失の利用または税額控除の繰戻は、
1986年内国歳入法382項及び383項に従い実質的に年間限度額の定めに従うことになり、また同様な州の規定に従わな
ければなりません。こうした所有者変更は、課税所得及び税金との相殺に利用することのできる新規営業損失及び税
額控除の繰越額を制限することとなります。


2. 当社事業の運営に必要となる資金調達ができない場合、当社は製品候補を開発し、商品化することができなくな
ります。




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                                       メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




 当社は、設立以来多額の資本を消費しております。
 当社の事業は引き続き相当額の研究開発費を必要とします。当社は、入手可能な資金源から近々資金調達を行わな
ければ、当社の事業を継続し、現在保有する製品候補の臨床治験を終えることも、順調に開発した製品を上市するこ
ともできなくなると考えています。負債やエクイティ・ファイナンス、提携先との取り決め、その他の資金源から、
当社に有利な条件で、必要な時に適切な資金が得られるか、又はそもそも資金が得られるかについて、保証はありま
せん。事業に必要なタイミングで十分な追加資金を得られない場合、当社は一つ若しくは複数の当社臨床活動若しく
は薬事活動の中止、遅延若しくは縮小、又は一般管理費のさらなる削減を余儀なくされる可能性があります。


3. 当社はまだ、販売が認可された製品を有しておりません。また、仮に認可を得られても、当面のところ製品販売に
よる収益は期待できません。

 当社は今日まで、主として有価証券の売却、及びこれより少ない程度で負債による資金調達により事業資金を得て
おります。当社は製品候補の商品化からは収益を一切得ておらず、また、商品化したとしても、今後少なくとも数年
間はこの状況が継続するものと思われます。当社は、製品候補が商品化される前の段階においては、当社が戦略的提
携関係を結ぶ、または一定の契約関係を締結することができ、かかる契約により規定されている場合にはライセンス
導出契約による前払い金及びマイルストーンが当社の主な収入源となると見込んでおります。当社の製品候補の販売
から収益を得るには、当社が、単独又は第三者と共同で、大消費市場向けの医薬品を開発し、薬事承認を受け、製造
及び販売において成功を収めなければなりません。当社は、これらの活動において成功しない可能性があり、さらに、
当社の営業活動を継続させ、又は採算を取るだけの十分な収益を上げることができない可能性もあります。


4. 当社は、製品候補MN-166及びMN-001の成功に著しく依存しておりますが、これらが首尾よく薬事承認を受け、商品
化することを保証することはできません。

 当社は現在、まだ販売承認を得た製品を有しておらず、今後、医薬品を上市できる保証もありません。医薬品に関
わる研究、治験、製造、表示、承認、販売、マーケティング、流通などのすべては、FDA及び米国外の当局の広範な規
制に従わなければなりません。当社はFDAへNDAを、又は米国外の規制当局へNDAと同等の申請を提出して、その承認を
受けるまでは、米国内で製品候補を商品化し、販売することができません。しかし、FDAの承認までは、長く、コスト
がかかり、しかも不確実な道のりです。当社の事業の成功は、MN-166及びMN-001の開発及び販売の成功に依存してお
ります。現在、この製品候補は、まだ臨床開発段階にあるため、NDA又はNDAと同等の申請は未提出で、販売の許可を
受けておりません。
 製品候補の安全性や効能について、FDAや米国外の規制当局を満足させる結果を出せず必要な承認を得ることがで
きないような場合をはじめとする多くの理由により、臨床開発プログラムが医薬品としての上市に結びつかないこと
がありえます。臨床治験を経て製品候補開発を進めるには不十分な財務資源及びその他の資源しか持つことができな
い場合、又は第三者との戦術的提携関係を確保することができない場合には、必要な承認が得られないことも考えら
れます。臨床治験の完了又は規制当局からの承認取得が適時に行われなかった場合や遅延した場合は、当社の事業及
び株価に重大な悪影響を及ぼします。


5. 臨床初期段階の臨床治験の結果がかならずしも後期の臨床結果を予測できるものではないため、いかなる適応に
おいても当社が臨床治験を行うすべての製品候補は、臨床後期において良好な結果を出し、薬事承認に至ることはな
いかもしれません。

 当社の製品候補は医薬品開発に内在する失敗のリスクにさらされています。当社は、製品候補の商品化の薬事承認
を受けるに先立ち、当社開発の製品候補がターゲットの適応疾患を患う多様な人種の患者にとって安全で有効性を持
つことを、うまくコントロールされた臨床治験により示さなければなりません。初期臨床段階の臨床治験における成
功が、たとえ、統計的な有意差が認められていても、後期段階の臨床治験では安全性や有効性を示すことができずに
成功を意味しないこともありえます。
製薬会社には、初期の臨床治験で有望な結果を得ていたとしても、その後の臨床治験で大きな挫折を経験した例が多
く見られます。計画中の臨床治験またはその他の製品候補の臨床治験において、治験デザイン、十分な数の被験者の
登録ができない、副作用その他の安全性の問題、薬効の不足などを含む様々の要因により、成功に至らない可能性が
あります。もしも、製品候補が十分な安全性または有効性を示すことができない場合、その製品候補の開発に重大な
遅れが出たり、開発の中止を余儀なくされることがありえます。



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                                         メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




6. NASH及びIPFを適応とするMN-001の開発努力に資源を充当することにより他の製品候補の開発が損なわれる恐れ
があり、その場合包括的な当社の製品開発の効率を制限する可能性があります。

    当社はNASH及びIPF治療を目的としてMN-001を開発することを決定しております。これにより、他の製品候補の開発
から、財政資源/経営資源を奪い、当該プログラムを完了/継続する見込みを狭めてしまう可能性があります。


7. 成功裡に治療薬剤を商品化するためには、製品候補の臨床治験を完了し、薬事承認を取得しなければならず、この
治験は複雑なもので、多大な時間及び費用を費やし、またその失敗の可能性は高く、遅延又は中止される可能性があ
ります。

 当社の製品候補は開発、臨床治験、製造及び商品化に関して当局の広範な規制に従わなければなりません。FDA及び
その他の規制当局から薬事承認を取得する過程は、多大な時間及び費用を要するとともに不確実であり、さらに予期
せぬ遅延を余儀なくされることもあります。製品候補の市販に向けて薬事承認を受けるため、当社は自社費用で、製
品候補の安全性と効能を示す目的で、患者である被験者に対して適切でよくコントロールされた臨床治験を行わなけ
ればなりません。臨床治験には多大な資本と年月を有し、その結果は不確実なものです。当社は今日までに、臨床治
験を行うために必要な薬事承認を取得しております。当社の製品候補についてFDAからINDが承認され、現在も有効で
す。
医薬品の商品化に必要となる臨床開発を完了するために数年かかる可能性があり、また臨床開発のどの段階において
も遅延又は失敗は起こりうることで、そうなれば、FDA又は米国外の規制当局により最終的に承認された当社の製品候
補由来の製品を市販・販売することができなくなります。臨床治験の結果がネガティブなものであったり、決定的な
結果が出ず、追加の臨床治験及び/又は非臨床治験を実施することを当社が決定したり、又は規制当局に課されたりす
る場合もあります。臨床治験の中間結果は、必ずしも最終結果を予測するものではなく、前臨床試験及び早期の臨床
治験における成功は、その後の臨床治験の成功を保証するものではありません。医薬品業界の多くの企業は、早期の
治験段階で有望な結果が得られた場合でも、その後の段階の臨床治験において進捗の大幅な停滞を経験しています。
加えて、臨床治験完了の遅延や臨床治験から得られたデータに対する規制当局による拒否は、開発コストの増大につ
ながり、該当する製品候補の開発に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。


 それぞれの製品候補の臨床治験の実施に関連して、当社は以下のリスクをはじめとする多くのリスクに直面してお
ります。


・    製品候補に適応症に対する効能がないことが判明する可能性
・    臨床治験の被験者が、深刻な副作用またはその他の好ましくない副作用を呈する可能性
・    早期段階の臨床治験で得られた良好な結果と一致しない結果が出る可能性
・    FDA又はその他の規制当局が、当社が提案する開発計画に同意しない可能性又は完了した臨床研究の結果を受理
     しない可能性
・    当社が計画する臨床治験及びそこから得たデータを、FDAなどの薬事当局が不十分であるとみなす可能性(この
     場合、これにより当社の製品候補について、後期段階における臨床研究で成功を収めるまで、又はこれらの研究
     により導かれた結果が承認基準を満たしているとFDA又はその他の規制当局がみなすまでには、追加的な開発を
     要することになります。)


 もし、当社が保有する製品候補について成功裡に臨床開発を終えることができなければ、規制当局から承認を得る
ことができないため商品化が不可能となり、かかる製品候補から収益を得ることができなくなります。また、製品候
補の臨床治験を行う過程において必要となる十分な財務資源又はその他の資源を得られなければ、必須の薬事承認を
受けられない可能性もあります。さらに、当社が薬事承認を受けるために必要な前臨床又は臨床データを提供するこ
とができたと思っていても、FDA又は米国外の規制当局は、その管轄内における当該製品候補の商品化を最終的に承認
しないおそれがあります。このような場合、当社の営業収益獲得能力は著しく制限され、当社の事業に悪影響を及ぼ
します。また、当社の製品候補が薬事承認を得ることに成功しても、その後も、追加治験の実施、製品表示の変更、
製造過程に関する規制要件の変更、医師への書面による勧告又は製品のリコールや回収など、FDAの規制を受け続ける
ことになります。




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                                    メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




8.当社は、当社の製品候補に関して厳重な規制を受けます。これによって当社製品候補の開発及び販売に遅れが生じ
るおそれがあります。

 当社、当社の外部製造業者、業務提供業者、供給業者及び提携先、並びに当社の製品候補は、FDA及びその他米国に
おける規制当局並びに諸外国における同種の規制当局による厳重な規制を受けております。当社の製品候補は、FDAの
承認を経るまで、米国市場で販売できません。現在まで、当社の製品候補は、いずれもまだFDAから承認を受けておら
ず、また、かかる承認をいかなる製品候補についても一切受けられない可能性もあります。FDAの承認を得るためには、
通常臨床開発に数年かかり、多くの資源を必要とします。さらに、規制要件や指針の変更はありうることで、また、
製品候補や適応症に関する新しい情報が出ることもあります。そうした場合、予期せぬ追加の非臨床治験又は臨床治
験を行ったり、これらの変更を織り込んで臨床治験プロトコルの修正を行わなければならなくなったりする場合があ
ります。予期せぬ追加の治験には費用がかかるだけでなく、製品候補に対する薬事承認の遅延や拒絶につながるおそ
れがあります。これらの規制要件は、製品候補の市場規模を制限し、又は追加費用を発生させることがあります。必
要な承認の取得が遅れ又は取得できない場合、当社の該当製品候補からの収益力が大幅に弱められ又は全く失われる
可能性があります。


 さらに、薬事承認の前後において、当社、当社の提携先及び当社の製品候補は数々のFDAの規制上の要求、とりわけ、
治験、製造、品質管理、製品表示、広告、販促、流通及び輸出といった事項に関する要求に服します。FDAの規制要件
は変更される可能性があり、また政府による追加的な規制が施行される可能性があり、これらは当社、当社の提携先
及び当社の製品候補に影響を及ぼす可能性があります。近年注目を集めた特定の医薬品の安全性に関わる有害事象が
引き金となり、FDAは承認の条件として、安全性の監視、流通や適応用法の制限、患者の教育、表示の改善、特別な梱
包又は表示方法、特定の副作用についての迅速な報告、販促資料の事前承認、直接的な対消費者宣伝の制限など、費
用のかかるリスク管理プログラムを要求する可能性があります。その上当社は、今回の法改正及び米国内外における
将来的な立法又は行政行為により生じ得る政府の規制の可能性、性質及び程度については予測することができません。


 米国以外の市場に当社のいずれかの製品を売り込むためには、当社及び当社の戦略的提携先及びライセンシーは、
安全性及び効能に関する当該国の多くの様々な規制要件を満たしていることを立証し、これらを遵守しなければなり
ません。承認手続は国によって異なり、FDAの課す要件以上のさらなる製品試験及び追加的な事務審査期間を要するこ
とがあります。米国以外の国で承認を取得するために要する時間は、FDAからの承認を取得する際に要する時間とは異
なることがあります。米国以外の国における薬事承認のプロセスは、FDAからの承認に関する上記記載のリスクのすべ
てを伴うことがあります。米国を含むある国において薬事承認を得たからといって、他国においても薬事承認を得る
ことができるとは限りませんが、ある国における薬事承認取得の失敗又は遅延は、他国における薬事承認プロセスに
悪影響を与える可能性があります。また、当社が申請する当該製品候補の適応症がすべて承認されるとは限らないた
め、当社製品の使用が制限され、当社の潜在的なライセンス使用料収入及び製品売上に悪影響を及ぼします。また、
当社の受けたいずれかの承認により、販売される製品の適応用法に制限が加えられ、又は多額の費用のかさむ市販後
研究を命じられることがあります。


 米国内外において適用される規制要件を遵守することができなければ、当社は、罰金その他の民事罰、製品の承認
の遅延又は不認可、薬事承認の差止め又は取り消し、製品リコール、製品の差押え、業務制限、製造又は臨床治験の
中止、差止め及び刑事告発等のさまざまな規制等の対象となる可能性があり、そのいずれもが当社の業務に損害を与
えるものです。


9.当社の製品候補が薬事承認を取得できても、引き続き開発や規制に関わる問題に直面する可能性があります。

 米国における薬事承認を取得しても、FDAが、製品の適応又はマーケティングに関して重大な制限を課す場合や、追
加の研究開発及び臨床治験等、コストのかかるおそれのある承認後研究を継続的に要求することがあります。これら
の措置によって、製品から得べかりし収益が損なわれる可能性があります。たとえば、MN-166、その他の既存の製品
候補又は将来ライセンス導入し若しくは取得する可能性のある製品候補(もしあれば)について、薬事承認を得られ
たとしても、最終的に、その製品表示に用法に関する制限を加えられ又は当社が定めた適応症を含められないことと
なる場合もありえます。


 当社の製品候補はまた、承認後も、製品表示、梱包、保管、宣伝、販促、記録の保管及び安全性その他の医薬品に



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関する市販後情報の提出について、継続してFDAの規制に従わなければなりません。それに加えて、承認を受けた製品、
製造業者及び製造施設は、常に、定期的な審査・査察を受けることになります。規制当局が、深刻な又は頻繁に起こ
る予期せぬ副作用の存在や製品の製造施設に関する問題等、製品に関して既知でない問題を発見した場合は、該当製
品又は当社に対して、市場からの製品の回収を含む措置を課すことも考えられます。当社の製品候補がcGMPsなどの当
局の適用規制に従わない場合、当局は以下の措置を取る可能性があります。


・   行政警告書(warning letters)又はアンタイトルド・レター(untitled letters)の発行
・   各種罰金の賦課、査察費用の償還、特定の措置の期限、違反に対する罰金などを定めた同意判決(consent decree)
    の受け入れの要求
・   その他の民事・刑事罰の賦課
・   薬事承認の延期
・   あらゆる進行中の臨床治験の一時停止
・   当社の提出した審議中の出願又は承認済みの出願に対する補足事項の承認拒否
・   費用のかかる新しい製造要件など、業務制限の賦課
・   製品の差し押さえ又は製品リコールの要求


10. 当社が臨床治験を実施する開発品が副作用を引き起こす可能性があります。また、その他にも薬事承認を遅らせ
たり、阻止したり、販売潜在力を限定する属性を持っているおそれもあります。

 当社の開発するいかなる製品候補の副作用も、当社または規制当局に臨床治験の中止、遅延、または中断を余儀な
くさせる可能性があり、またFDAまたはその他の規制当局が一部またはすべての適応に対する薬事承認を却下する結
果となり、それにより当社は開発プログラムの再評価を余儀なくされる場合があります。これにより、当社は当該製
品候補の商品化ができず、販売による売上を上げることができなくなるかもしれません。
また、当社が開発し販売承認を得た製品候補に、後から副作用が確認された場合、または副作用と何らかの関連があ
ると認識された場合には、


・   規制当局が製品の承認を撤回する、または処方に限定を課す場合があります。
・   規制当局が、リスクを相殺するに足るより大きい臨床効果を求める場合があります。
・   規制当局が、製品について、その使用方法を制限するなど製品の商業的成功を損なう結果となる追加表示を求め
    る可能性があります。
・   製品の投与方法の変更を余儀なくされる場合があります。また、追加の臨床治験の実施、製品の表示の変更、リ
    スク評価・リスク緩和戦略が必要になるかもしれません。
・   製品の販売中止を余儀なくされることがありえます。
・   訴訟を起こされ、患者が被った損害に対し製造物責任を負わなければならない場合があります。
・   受諾可能な条件で提携契約を結ぶことができず、当社のビジネスモデルを実現できない可能性があります。
・   当社の評判を損なうことがあります。


11.臨床治験の開始若しくは完了の遅れ、又は臨床治験の中断若しくは中止が、費用の増加及び製品候補の薬事承認
獲得の遅延又は制限を招く可能性があります。

 当社の臨床治験の開始又は完了に遅延が生じた場合、製品開発費用が大きく増加し、製品候補の薬事承認取得が遅
れる又は制限されるおそれがあります。臨床治験の開始及び完了には、十分な数の治験実施施設を特定し維持すると
ともに、それらの治験場に十分な数の患者を登録する必要があります。当社は、製品候補に関する実施中又は計画中
の臨床治験の患者登録が予定通り完了するか、あるいは計画中又は実施中の追加臨床治験が予定通り完了するかにつ
いて、予想することはできません。


 臨床治験の開始及び完了は下記事由の遅延を含む様々な要因によって遅延する可能性があります。
・   臨床治験の開始又は変更の承認の取得
・   想定されている臨床治験受託機関(「CRO」)及び治験実施施設との間で受け入れ可能な条件での契約締結に到
    ること。かかる条件は、多くの交渉を要し、また、異なるCROや治験実施施設との間では大きく異なってくるも
    のです。



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・   臨床治験参加患者の勧誘及び登録
・   臨床治験に参加したものの、治験プロトコル、効能がないこと、個人的な問題若しくは治療による副作用のため
    治験から離脱しようとする患者又はフォローアップできなくなった患者を維持・確保すること
・   十分な量の製品候補を製造すること
・   想定される治験実施施設における臨床治験を実施し、又は変更するため、治験審査委員会(「IRB」)の承認又
    は米国外の相当機関の承認を取得すること


加えて、下記事由を含む複数の要因によって、当社、FDA又はその他の規制当局は、臨床治験を遅延させ、中断し又は
中止する可能性があります。


・   当社の臨床治験の範囲若しくは計画に関する規制当局との継続的な協議を行った結果、又は当社の臨床治験結果
    に関して規制当局から補足的情報が要請された結果、INDに関し臨床治験の差し止めが課される場合。また、差
    し止めを解除し臨床治験を再開すべくFDAその他の規制当局の疑問を氷解させることができない場合
・   FDAその他の規制当局による当社、CRO又は臨床治験実施施設の実施する臨床治験に対する検査の結果、臨床治験
    の差し止めを受ける場合、又は、当該臨床治験に基づくデータを、製品候補の薬事承認の要請のためには利用で
    きなくなる可能性がある場合。
・   当社、又は当社のCRO、臨床治験実施施設のスタッフ若しくは臨床治験に携わるその他の第三者業務提供業者の
    過失又は能力不足によって、規制基準又は当社の治験プロトコルに基づいた臨床治験を行わない、又は行うこと
    ができない場合
・   臨床治験における患者の登録数又は確保率が予想を下回る場合
・   治験参加者に許容できないレベルの危険性又は予期せぬ副作用の問題に関する新情報又は許容不可能な健康被
    害があることが決定的となった場合
・   臨床治験を行うために必要な製品候補やその他原料の供給不足又は品質欠陥
・   臨床治験の継続に十分な資金(たとえば、患者登録の遅れ、追加治験及び研究の実施の要請、当社のCRO又はそ
    の他の第三者との業務提携費用の増加による予期せぬコストの負担等を含む。)の欠如
・   製品候補の剤形や投与方法が、意図せず被験者の服薬不履行を引き起こし、その結果、被験者の保持率が低下し
    十分な解析に必要なデータを充たさない場合。このような場合、治験を完了させることはできません。


 当社の臨床治験に遅延が生じる場合、当社製品候補の商品化の見通しは損なわれ、かかる製品候補の開発費用が増
大し、かかる製品候補にかかる薬事承認の取得にも遅れ又は制限が生じます。臨床治験の開始又は完了を遅らせる
種々の要因が、最終的に製品候補の薬事承認の拒否につながるおそれもあります。さらに、臨床治験のプロトコルの
修正があった場合、当社は、IRB又は米国外の相当機関にプロトコルを再提出しなければならないおそれがあります。
このことにより、臨床治験の完了が遅延し、又は費用、タイミングの問題や、臨床治験の首尾よい完了に影響が及ぼ
されることがあります。


12. 当社の製品候補の開発・販売を行う権利の喪失は、当社の事業を著しく損なう可能性があります。

 当社は、化合物の開発及び販売を行う権利のライセンスを受けております。


 当社には、相互に合意された諸条件に従って、製品候補を開発し、商品化する義務があります。ライセンス導入契
約の諸条件の一部又は全部を当社が満たすことができるかどうかは、多くの要因に依存しており、この中には当社に
は制御不能な要因も含まれています。当社のライセンス導入契約は、当社が本契約に基づく義務について重大な違反
を犯し、ある一定の期間内にかかる違反が治癒されない場合には、解除される可能性があります。


 当社のライセンス導入契約のいずれかが終了した場合、当社は、かかるライセンスの対象となっている製品候補の
開発及び商品化を行う権利を失うことになります。また、その他の製品候補に関するライセンス導入契約の終了も、
当社の事業に著しい悪影響を及ぼすおそれがあります。


13. 当社の競合会社が当社の製品候補よりもより有効な製品を開発し、市販することによって、当社のビジネス・チ
ャンスを減少又は消滅させる可能性があります。




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 バイオテクノロジー業界及び医薬品業界は、急速で著しい技術変化の影響を受けます。当社は、米国内外において
医薬品企業及びバイオテクノロジー企業、並びに複数の学術・研究機関及び政府機関との競争に直面しており、かか
る競争には今後も継続的に直面することになります。いくつかの競合企業は、当社の製品開発プログラムの目的と同
じ疾病及び症状を対象とした製品を有しており、又はそのような医薬品の開発を試みております。競合企業による開
発の結果、当社の製品候補が時代遅れになり、又は競争力をなくす可能性があります。競合企業の多くは、すでに承
認を得ているか又はより進んだ開発段階にある製品候補を有しています。これらの競合企業が、当社の製品候補に比
べより有効で、より安全で、価格が安く、投与方法もより簡便な製品の開発に成功してしまう可能性があります。さ
らに、当社の製品候補より先に特許権保護(patent protection)を受けてしまうことや商品化してしまうことも考え
られます。また、当社が製品の承認を受けられたとしても、競合企業が、当社が承認を受けた製品の市場を限定的な
ものとしてしまうような、代替の治療法を開発するおそれもあります。しかも、医薬品業界では、他社の医薬品技術
の開発や疾病の予防法などの新たな開発が、急速に起こります。その結果、当社の医薬品候補が時代遅れなものとな
ることや競争力をなくすことは十分あり得ることです。


 当社が対象としている多くの疾病の分野では、潜在的な競合企業が異なる作用機序、魅力的な効能及び安全性プロ
フィールを有する新しい化合物の開発に取り組んでおります。当社の競合企業の多くは、当社よりも多くの財源、研
究・開発資源(人的資源及び技術を含みます。)、臨床治験の経験、製造、販売及びマーケティング力並びに製造設
備を有します。小規模の企業も同様に、特に独自の創薬研究及び大手医薬品企業や既存のバイオテクノロジー企業と
の提携契約を通じて、重要な競合相手となる可能性があります。


 これらの要因によって、当社の競合企業が、当社より先に薬事承認を取得する可能性、又は当社が製品候補を開発
し商品化することを阻むような特許権その他の知的財産権を取得してしまう可能性があります。また、競合企業が、
当社のものに比べより有効かつ安価な医薬品を開発する可能性があります。また、これらの競合企業が製品の製造・
マーケティングにおいて当社より成功する可能性もあります。さらに、当社製品候補の開発や商品化の助けとなる適
切な提携業者又はパートナーを決定するに当たっても、同様な競合に直面することが予想されます。


14. 選択された製品候補を開発及び商品化するために第三者との戦略的な提携に依存することになります。かかる第
三者との提携に至った場合、これら製品候補の開発及び商品化に関わる多くの重要な部分につき当社の管理が及ばな
いこともあります。

 当社の主要戦略は、当社の選択した製品候補に関し、後期臨床治験及びその後の開発、商品化を手がける意欲のあ
る大手医薬品企業との提携関係を探ることにあります。現在までのところ、当社はこうした提携関係を結んでおらず、
また合意可能な条件で提携関係を築き、又はそれらの製品候補を商品化することはできない可能性もあります。


 これらの戦略的な提携を結ぶことによって、資金について、並びに提携する製品候補の開発、薬事規制及び商品化
に係る専門知識について、当社の提携先に依存する可能性があります。当社の製品候補のいずれかに関して戦略的な
提携を成功裡に結ぶことができたとしても、当社の提携先は、下記の理由により、当社の製品候補の開発又は効率的
な販売を行えない可能性があります。


・   提携先に十分な資源がない場合、又は、現金若しくは人材が限られているなど、内部的な制約により提携先が必
    要な資源を投入しないことを決定する場合
・   提携先が、提携枠組みの外で、当社の製品候補と競合する可能性のある製品開発に取組むことを決定する場合
・   提携先が、必要な薬事承認を取得できない場合
・   提携先が、市場機会を魅力的なものではないと決定する場合
・   提携先が、複数の供給先から又は合理的な費用で、必要な材料の十分な量を製造できない場合


 また、当社は、提携先を模索するにあたっても、世界中のバイオテクノロジー・医薬品企業と競合しています。こ
れらの競合先の多くが当社より大規模であり、かつ財政的コミットメント、人材の提供又は開発、製造、薬事規制若
しくは商品化における専門知識及びサポートの点で当社より魅力的な条件を提示することができるのです。


 各製品候補につき、当社が提携先を確保し、受諾可能な条件で提携関係を結ぶことができなかった場合、又はこれ
らの製品候補を商品化できなかった場合、当社は、当社の製品候補について、開発の完了又は薬事承認の取得に至ら



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ないこともあり得ます。このような場合、かかる製品候補から収益を生み出し、採算性を確保又は維持する当社の能
力は、大幅に損なわれることになります。


15. 提携契約、追加の新株発行又は借入による資金調達などの条件が、当社の事業を侵害し、また株主の利益を著し
く希薄化させる可能性があります。

 当社が、第三者との業務提携あるいはライセンス契約により追加資本を調達する場合、製品候補に対する商品化権
を含むいくつかの権利の放棄を余儀なくされる場合があり、その結果、収益を生み出し、採算性を確保又は維持する
当社の能力は、大幅に損なわれることになります。また、株式の発行により資金調達を行う場合(借入による資金調
達の一部として行う場合を含みます。)には、株主は相当の株主利益の希薄化を被る可能性があります。負債による
資金調達が可能な場合にも、多額の現金支払義務及び当社の事業遂行能力を損なうような制限的なコベナンツその他
融資条件を伴うことが考えられます。いかなる負債による資金調達又は株式の追加発行にも、当社及び当社の株主に
不利な条件が付される可能性があります。


16. 当社は、当社の臨床治験の実施において第三者に依存しており、これらの第三者が契約上の義務を果たすことが
できなかった場合や期限を守らなかった場合には、追加の開発費用の発生及び臨床治験の開始又は完了の遅延が起こ
りうるとともに、当社の製品候補についてタイムラインの見込みどおりに薬事承認が取得できず、また商品化できな
い場合があります。

 当社は、臨床治験の実施、データの収集及び分析並びに提出書類の作成に関する重要な役割の実施について、CRO、
医療機関、治験医師、契約研究室及びその他の業務提供業者に広範囲にわたり依存しております。当社は、各臨床治
験が治験計画又はプロトコルに沿って実施されるように現行の臨床治験の計画及び管理を行っていますが、当社には、
当社の製品候補の臨床治験のすべての過程を直接遂行する能力はありません。


 FDAは当社及びCROに、通常、適正臨床実施基準(「GCPs」)と呼ばれる規制や基準を遵守することを求めておりま
す。この基準は、臨床治験のデータ及び結果が科学的に正確で信頼性があること、並びに臨床治験の参加者が潜在的
なリスクについて十分に説明を受けることを保証するために、臨床治験の実施、モニタリング、記録及び結果の報告
に関して定められているものです。CROに委託していることによって、GCPsに対する当社の責任及び義務が免除になる
わけではありません。臨床治験の実施のために当社が採用するCRO、医療機関、治験責任医師、契約研究所及びその他
の業務提供業者は当社の社員ではないため、彼らが当社の製品開発プログラムに投入する資源の量及びタイミングに
ついて、当社の支配が及ぶものでもありません。これらの第三者のいずれかが十分な注意や時間、資源を当社の製品
開発プログラムにかけることを怠った場合、そのパフォーマンスが標準以下であった場合、又はFDAの査察を受けGCPs
を遵守していないことが明らかになった場合等には、関係する臨床治験の完了及び影響を受ける開発プログラムの進
展に遅れを生じるおそれがあります。契約により臨床治験の実施を委託するCROは、臨床治験の実施及びその後のデー
タ収集・解析に重要な役割を果たします。CRO等が義務を履行しない場合、当社の製品候補の臨床開発に悪影響を及ぼ
すことがあります。また、CRO、治験責任医師及びその他の業務提供業者の中には、他の商業組織とかかわりを持つも
のもあり、そのような商業組織が競合品を開発中又はすでに商品化している場合も考えられます。CRO、治験責任医師
及びその他の業務提供業者がこのような競合する企業を支持する場合、当社の競争上の地位が危うくなる可能性があ
ります。第三者が契約上の義務を成功裡に履行しない場合や期限を遵守できない場合、又は何らかの理由で臨床デー
タの質や正確性が損なわれた場合、当社の臨床治験は延長、遅延又は中止の事態に陥る可能性もあります。その場合、
当社の製品候補に対する薬事承認を取得することができなくなる可能性が生じます。さらに、当社はこれらの業務を
提供する代替取引先は多数あると考えておりますが、遅延又は追加支出なく取引先の変更を手配できる可能性は低い
と思われます。


17. 当社は製品候補の生産を外部製造業者に依存しており、これにより当社の臨床治験及び製品の商品化に遅延が生
じ、また費用が増える可能性があります。

 当社には、製造設備がなく、また、近い将来において臨床治験用に又は商業営利目的で製品候補の製造設備を設置
することを予定しておりません。当社は、臨床治験用に十分な数量の当社製品候補を共同で製造するために、外部製
造業者と契約しております。また、当社は、FDAその他規制当局に薬事承認された当社製品候補を商業販売用の十分な
数量分製造するために、外部製造業者と契約することを予定しております。当社の製品候補を製造できる競争力のあ



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る供給先は他にもあると考えておりますが、供給契約締結に際しては、事業の遅延又は追加支出を要する可能性があ
ります。これらの遅延又は費用については確定的な予測はできません。


 外部製造業者に製造を委託していることにより、製造過程の一部に対する当社の支配力は限られています。そのこ
とによって、当社は、薬事承認を受けた製品の商品化及び臨床治験を行う当社の能力に対するリスク、薬事規制の遵
守及び品質保証を第三者に依存しているリスク、外部製造業者の長期にわたる供給の拒否又は能力欠如のリスク等の
さまざまな深刻なリスクにさらされることになります。さらに、医薬品の製造業者は、特に初期生産の拡大などに関
して、しばしば困難な問題に直面しています。これらの問題には、生産コストと利益の問題、製品候補の安定性や品
質保証検査など品質管理に関する問題、資格を有する人員の不足の問題、連邦・州・米国外の規制遵守の問題などが
あげられます。契約外部製造業者が合意した条件を守らない場合も考えられます。外部製造業者が上記のような問題
に直面した場合、臨床治験又は商業生産のために製品候補をタイムリーに製造することが困難になり、結果として臨
床治験又は薬事承認の遅れ及び収益の逸失又は遅れを招きます。
当社は、商業的製造・供給契約を、製品の商業化のために必要な商取引法上合理的な条件では締結できない可能性が
あります。このような必要とされる商業的供給契約の確保・維持ができなかった場合、供給の阻害や収益の逸失又は
遅延が生じ、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。製品候補の商業的規模の生産の準備に関わるいかなる
遅れや問題も、FDAやその他の規制当局による製品候補に対する薬事承認の遅れや商業的規模の生産能力の低下につ
ながり、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。たとえば当社と契約した外部製造業者は、多様な条件下に
おける、商業的に実行可能な期間を通じた製品候補の安定性を示すために、特定量の製品候補を製造しなければなり
ません。当社及び当該契約外部製造業者は、製品候補の商品化に対する認可を受けるために、FDAその他の規制当局に
対し、かかる製品候補の安定性のデータ、並びに製造法及びその過程の正当性を明示する必要があります。


 当社の製造業者は、FDAの命じるcGMP及び(場合により)日米EU医薬品規制調和国際会議(「ICH」)の基準に従っ
て業務を行わなければなりません。当社の外部製造業者が、cGMP及び/又はICHの基準を作成及び遵守できず、またか
かる慣行の遵守を文書で立証できなければ、臨床治験の実施及び完了の著しい遅延、製品候補の薬事承認取得の著し
い遅延、又は当社製品の市場での販売開始の著しい遅延が生じるおそれが生じます。さらに、外部製造業者を変更す
ることは困難です。たとえば、特定の製品候補の外部製造業者を変えた場合、cGMPに基づいた製造過程及び手続の再
審査が必要となり、多くの時間と費用がかかる可能性があります。また当社の製造業者が、当社が新しい製造業者に
対し当社製品の製造過程及び手続を譲渡するのに十分な協力を行わない場合、又はこれらの過程若しくは手続の一部
をカバーする知的所有権を保有しており、当社が当該知的所有権に関してライセンスを取得しなければならない場合
もありえます。当社の外部製造業者又は当社が適用規制を遵守しない場合、罰金、差し止め命令、民事賠償、薬事承
認の遅れ、停止又は取消し、製品の没収又はリコール、業務制限及び刑事告発等の制裁が当社に課せられるおそれが
あります。


18. 当社は、商業用規模で製品候補を製造できず、その結果、製品候補の商品化ができない可能性があります。

 現在に至るまで、当社の前臨床研究及び臨床治験用製品候補の製造は少量にとどまっています。これらの製品候補
のいずれかがFDA又は米国外の同種の規制当局による販売承認を得た場合、当社は、かかる製品候補をより大量に製造
しなければならなくなります。当社は、当社の製品候補生産能力を、適時に若しくは合理的な方法で、又は全く成功
裡に高めることができない可能性があります。大幅な製造規模の拡大は、新たに適格性の審査を必要とすることがあ
り、その場合、FDAによる審査及び承認を受けなければなりません。当社が製品候補の生産力を成功裡に高めることが
できない場合、当該製品候補の薬事承認若しくは市場での販売開始が遅れ、又は供給不足となる可能性があります。
当社の製品候補には、精密かつ高品質の製造が必須となります。製造誤差の発生等で、外部製造業者と協力してこの
ような高い製造基準を達成し維持できない場合には、患者の障害若しくは死亡、製品のリコール若しくは回収、製品
試験若しくは流通の遅延若しくは失敗、予算超過、又はその他当社の事業、財務状況及び業績を害するような問題を
招く可能性があります。


19. 当社の製品候補を製造するために必要な原材料が、商取引上合理的な条件で、又は全く入手できず、当社製品候
補の開発及び商品化に遅れが生じる可能性があります。

 当社は、臨床治験用に製造する必要のあるAPI及び製品候補の原材料の外部供給業者からの購入につき、当社製品の
外部製造業者に依存しております。また、当社の製品のいずれかが販売承認を取得した場合に、当社の製品の販売流



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通用に製造する必要のあるAPI及び完成製品の原材料の外部供給業者からの購入につき、当社製品の製造業者に頼る
ことになります。当社の製造業者が当社の納品のスケジュールにあわせてかかる原材料を必要とする際に、又は商取
引上合理的な条件で、供給業者が、製造業者に対して当該原材料を販売しない可能性があり、全く販売しない可能性
もあります。当社は、当社の製造業者によるこれらの原材料の取得のプロセス及びタイミングを管理することは一切
できません。さらに、当社は現在、これらの原材料の製造について契約を締結しておりません。当社の製造業者が臨
床治験用にこれらの原材料を入手できない場合、かかる製品候補の製品試験に遅延が生じ、かかる製品候補の開発能
力に著しい影響を与えることになります。当社製品が薬事承認を取得した後、当社又は当社の製造業者がこれらの原
材料を購入できない場合、当該製品の市場での販売開始の遅延又は製品の供給不足が発生し、かかる製品からの収益
及び採算性の確保又は維持に重大な悪影響を与えることになります。


20. 当社の製品候補が販売の承認を受けても、医師、患者及び医学界から受け入れられない場合、潜在的収益が制限
されるおそれがあります。

 FDA 又はその他規制当局によって当社のいずれかの製品候補の販売承認が得られた場合でも、承認を受けた製品が、
市場で、医師、医療従事者及び第三者支払機関によりどの程度受け入れられるか、その結果、当社の採算性並びに成
長性がどの程度のものになるかは、下記事項を含む複数の要素に左右されます。


・    効能の実証
・    適応症に対する標準療法の変更
・    相対的な利便性及び投与の簡易度
・    副作用の頻度及び重症度
・    より安価なジェネリック医薬品等の代替治療の有無、その費用及び有利性
・    規制の対象となる価格の設定及びコストパフォーマンス
・    当社又は当社の提携先による営業及びマーケティング戦略の有効性
・    FDA又は米国外の規制当局により要求されている製品表示及び説明書
・    第三者支払機関からの十分な保険金給付又は支払償還の有無


 当社が開発する製品候補が、現在の標準療法と同程度に有益な若しくは有益とみなされる治療法を提供できない場
合、又は患者に効果をもたらさない場合、かかる製品候補は、仮に商業販売に向けたFDAその他の規制当局からの薬事
承認を受けた場合であっても、市場において受け入れられる見込みがなくなると思われます。薬事承認を取得した製
品を効果的に宣伝し販売できるかは、競争力ある価格で医薬品を製造できるか、第三者支払機関の給付又は支払償還
を受けることができるかなど、価格の設定及びコストパフォーマンスにかかっています。薬事承認を取得した製品候
補が、医師、患者及び第三者支払機関から適切な支持を得られない場合、当社が当該製品から収益を上げる能力は、
大幅に縮小されます。また、当社の製品候補の有益性について医薬品業界や第三者支払機関に理解してもらうために
は、多大な資源が必要となり、必ずしも成功するとは限りません。


21. 当社の製品が市場に受け入れられない場合、又は当社製品のユーザーが政府若しくは第三者支払機関から適切な
給付や償還を得ることができない場合には、当社の収益及び採算性に悪影響を及ぼします。

    当社が製品を成功裡に商品化できるか否かは、当社が競争力のある価格で製品を製造することができるか、政府当
局、民間の健康保険会社、又は保険維持機構(HMOs)をはじめとするその他の保険機関から製品に対していかに適切
な保険金給付及び支払償還並びに関連する手当てを受けることができるかなど、価格の設定及びコストパフォーマン
スに大きく依存します。第三者支払機関は、昨今、医薬品や医療サービスの価格に異議を唱えることが増えています。
したがって第三者支払機関が、当社の製品について、費用効果があると判断するか否か、又は、当社製品の全部若し
くは一部につき保険金給付若しくは支払償還を行うか否かについて、当社に確証はありません。


 新しく承認された医薬品及び医療サービス並びに新しく承認された既存の医薬品の適応症に関して、保険金給付又
は支払償還が認められるか否かは不確実です。第三者支払機関は、当社の製品について、既存の競合品よりも安全性、
効能、又はコストパフォーマンスの点で劣っていると判断し、保険金給付及び支払償還を認めない可能性があります。
仮に当社製品について第三者支払機関から保険金給付や支払償還を得ることができなければ、医師は、当社の製品の
処方又は投薬を制限するかもしれません。かかる当社製品の使用の削減又は制限は、売上を削減する可能性がありま



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                                   メディシノバ・インク(4875)2019年12月期 決算短信 [米国基準]




す。第三者支払機関が償還を認めたとしても、その支払のレベルが十分でないために、当社製品の売上の収益性が低
くなるおそれがあります。


 米国またはその他の主要なマーケットにおいて、製品候補が市場に受け入れられるか否か及びその売上は、おおむ
ね医療費還付のポリシーによって決定づけられます。また、米国における絶え間ない医療制度改革が医療又は医薬品
の購買力を支配し、大きな影響を与えています。さらに結果として当社の製品に対する保険金給付及び支払償還を不
十分なものにすることもあり得ます。多くの第三者機関は、医療コストを削減するため、医薬品リストの使用等を含
む様々な方法を試みています。当社の製品のマーケット展開は、この医薬品リスト(かかるリストに掲載された医薬
品に対して第三者支払機関が支払償還をするという意味を持った医薬品のリスト)に載るかどうかが鍵を握っていま
す。かかる医薬品リストは、非常に限られた製品しか掲載しなくなってきているため、医薬品企業は、医薬品リスト
に自社の製品を載せようと、激しくしのぎを削っています。こうした競争の強化が、医薬品業界における価格引き下
げの圧力となっています。政府機関を含む第三者支払機関が引き起こしているコスト抑制策が、当社の採算性にも重
大な悪影響を及ぼすおそれがあります。


22. 当社は、経営陣、特に当社代表取締役社長兼チーフ・エグゼクティブ・オフィサー及び経験豊富な科学知識を有
する人員に依存しており、当社が、主要従業員を維持し、鼓舞し、確保することができなければ、当社の製品開発プ
ログラムに遅延が生じ、当社の製品候補の開発又は商品化を成功裡に行えない可能性があります。

 当社は、執行役及びその他の主要従業員、とりわけ当社の設立者であり当社代表取締役社長兼チーフ・エグゼクテ
ィブ・オフィサーを務め、設立当初より日本の医薬品企業からの製品候補のライセンス導入及び日本企業からの資金
調達に尽力してきた岩城裕一氏による継続的な業務の執行に依存しております。製品候補の当社へのライセンス導入
を行っている医薬品企業及び当社からのライセンス導出の可能性のある医薬品企業との間に当社の主要な経営陣が
築いた関係は、雇用、取締役会における業務遂行又はコンサルティング契約のいずれによるかを問わず、当社を主要
な経営陣の継続的な業務遂行に著しく依存させる結果となっています。また、当社は、当社の製品開発プログラムが
高度に技術的な性質を有するため、臨床開発責任者による継続的な業務の遂行に実質的に依存しております。現在の
ところ、当社の執行役又は主要な従業員が当社を退職する予定はありません。退職した個人は、退職後に当社と競合
するその他の事業に従事することが可能です。


 当社が新規の製品候補の獲得又はライセンス導入を行った場合、当社の成功は、これらの新しい製品候補の開発を
管理する有能な経営陣及び科学知識を有する人員を確保し、維持し、鼓舞できるかに左右されます。特に、当社の製
品開発プログラムは、当社がいかに経験豊富な臨床開発及び薬事規制の人員を確保し、維持できるかにかかっており
ます。しかしながら、経験豊富な専門職をめぐっては、当社は多数の企業及び学術機関並びにその他研究機関との獲
得競争に直面しております。当社の本社所在地であるカリフォルニア州サンディエゴにおける有能な人材の獲得競争
は特に激しいものであります。また、当社は、製品開発又は臨床戦略に関して当社に助言を行う、科学アドバイザー
及び臨床アドバイザーを擁しております。しかし、これらの第三者アドバイザーは当社の社員ではなく、他の組織と
の間で、彼らの当社への貢献を限定的なものとするコミットメント又は契約を締結している可能性があります。また、
他の企業と、当社の製品候補と競合する製品の開発に協力する協定を締結している可能性もあります。


 当社は経営陣の主要メンバーとの間で雇用契約を結んでおりますが、当社の各従業員は、適切な通知要件に従って、
常時その雇用関係を終了することができます。当社には、上級管理職のメンバーをカバーするための「主要役員」の
保険がありません。当社が主要な経営陣のいずれかを失えば、適切な代替要員を見つけられず、当社の事業に障害が
生じることがあります。


23. 当社が単独であるいは第三者と協働で販売・流通能力を構築できない場合、当社は、製品候補の商品化を成功裡
に行えなくなることが考えられます。

 現在に至るまで、当社は、医薬品の販売、マーケティング又は流通を一切行っておりません。当社が、自社のいず
れかの製品候補につき薬事承認の取得に成功し、又はその他の承認済みの製品を取得すれば、当社は、販売、マーケ
ティング及び流通能力を、当社自身で又は提携先と共に構築することが必要となります。効果的な販売体制及びマー
ケティング基盤を獲得又は開発するためには、多額の資金及び時間を要するものと考えられ、製品発売の遅れなど、
商品化に悪影響を与えるおそれもあります。当社は、適時に又はコストパフォーマンス良く、十分な又は効果的な販



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売体制を構築及び管理することができない可能性があり、全く構築及び管理できない可能性もあります。また、当社
が構築した販売体制については、当社の製品に対する需要を喚起できない可能性もあり、その場合、当社が収益を上
げ、採算性を確保又は維持することは難しくなります。加えて、当社が社内販売能力を構築することができなければ、
製品販売を目的として、外部業者と契約を結ぶか、あるいは提携を結ぶことが必要となります。当社が、独自である
と第三者と提携するとを問わず、適切に販売・マーケティング・流通能力を構築することができない場合は、製品か
ら収益を得ることができず、増加費用が生じ、採算が取れない可能性があります。さらに、当社は米国外において、
販売に向けて薬事承認を受けた製品を販売するために戦略的な提携を成立させる予定ですが、このような提携を結ぶ
ことができない場合、当社が直接米国外で当社の製品候補を販売する必要性が生じる可能性があります。この場合、
当社はこれに対応して、実務的専門性と販売を支援する流通力をもった国際的販売・マーケティング能力を構築しな
ければならない可能性があります。


24. 医療保健改革政策は当社の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 医薬品企業及びバイオテクノロジー企業の事業及び財務状態は、政府及び第三者支払機関による医療保健の費用を
抑制し、又は削減する試みに影響を受けます。米国及び米国以外の法域において、医療保健制度の仕組を変えようと
する多くの立法及び規制の提案がこれまでになされてきており、また、これからもなされるであろうと予想されます。
たとえば、米国以外のいくつかの国においては、処方薬の価格は政府によって管理されており、当社は、同様の管理
を米国でも行うべきだとする提案が継続してなされるだろうと予想しております。もう1つ当社の事業への影響があ
ると予想される改革の提案例は、米国への医薬品の再輸入をめぐる現在の議論です。さらに、かかる提案が未決定の
間又は承認された場合、当社の株価、当社の資本調達能力、又は当社の戦略的提携若しくはライセンスを獲得する能
力を低下させるおそれがあります。より最近では、非常に多くの医療改革を規定する医療保険改革法案が成立し、こ
れによりコスト、法律的要求事項及び当社の事業に影響が及ぶ恐れがあります。


25.当社は製造物責任について訴訟を起こされる可能性があり、これによって当社が使用できる経営資源を超える重
大な債務が生じ、かつ当社の評判を悪化させる可能性があります。

 製剤の開発及び商品化には、重大な製造物責任のリスクを伴います。当社又は当社の提携先が、臨床治験に製品候
補を使用する場合及びいずれかの承認済みの製品を販売する場合に、製造物責任に関する請求が生じる可能性があり
ます。かかる請求に対して、成功裡に防御することができない場合、多大な賠償責任を課されることがあります。メ
リットや最終的な結果にかかわらず、製造物責任補償請求は下記の結果を引き起こすおそれがあります。


・   臨床治験参加者の離脱
・   臨床治験施設の使用又は臨床治験そのものの中止
・   製品候補に対する需要の減退
・   当社事業の評判の悪化
・   関連訴訟費用の発生
・   患者その他の原告に対する相当額の仲裁金の支払
・   収益の喪失
・   当社製品候補の商品化の失敗


 当社は現在、当社の臨床治験に保険を付しております。当社は、現段階では合理的に十分な保険を付していると考
えておりますが、当社の付した保険では、当社の被る可能性のある損失や費用をすべて補償することができないおそ
れがあります。また、当社が新たな臨床治験又はより大規模な臨床治験を開始する場合、並びに当社の製品候補の販
売が承認された場合には、当該保険の補償範囲を増大及び拡張する必要があります。かかる保険は非常に高額となり、
又は当社の潜在的債務を十分に補償できない可能性があります。さらに、合理的な価格で十分な保険を付すること又
はその他により潜在的な製造物責任請求を防御することができなければ、当社又は当社のいずれかの提携先が開発す
る製品の薬事承認又は商品化が妨げられる可能性があります。製造物責任請求が認められれば、当社の事業及び業績
に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当社のいずれかの製品候補から被害が生じたと主張する第三者が提起す
る訴訟に当社が勝つことができない場合、かかる請求による債務は、当社の総資産額を超えるおそれがあります。


26. 当社は業績の変動を予想しているため、四半期ごとの実績から将来の実績を予見することは困難です。



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 当社の四半期ごとの業績は、過去不安定に推移しており、これからも同様の状況が続くものと思われます。当社の
業績が四半期ごとに変動する要因には、以下のものがあげられます。


・    当社の製品候補の開発の状況、特に、当社の製品開発プログラムに関する活動の進展又は終了、及びライセンス
     契約に基づくマイルストーンの支払のタイミング
・    その他の提携契約、ライセンス契約その他これらに類似の契約の締結及びかかる契約に基づき当社がしなければ
     ならない支払又は受領のタイミング
・    当社の製品開発プログラムに関わる費用の水準の変化
・    期中に発生した提携関係がもたらす予見不可能な影響
・    適用される規制要件を当社が充足するタイミング
・    当社の臨床開発及びその他の社内研究開発努力の拡大の程度
・    訴訟の費用
・    競合技術及び競合製品並びに市場の進展の影響
・    全般的な経済状況及び業界特有の経済状況


 当社の決算の四半期又は年次による比較には必ずしも意味があるとは思われず、将来の実績を予測する目安にすべ
きとは思われません。


27. 当社は公開会社であるために大幅に増大するコストを継続的に負担することとなります。当社の経営陣は、多大
な時間を新たなコンプライアンスへの取り組みに充てなければなりません。

 公開会社である当社は、SEC、東京証券取引所JASDAQ市場及びNASDAQ株式市場が施行する規則の他、2002年サーベン
ス・オクスリー法(「SOX法」)の遵守を義務付けられているため、相当額の弁護士、会計士その他の費用を負担しな
ければなりません。これらの規則は、有効な開示及び財務に関する統制、並びに適切なコーポレートガバナンスに関
わる実務の確立及び維持をはじめとして、公開会社にさまざまな要求項目を課しています。当社の経営陣をはじめと
する関係者は、これらのコンプライアンスについての取り組みを行うためにすでにかなりの時間を費やし、またこれ
からも引き続き多くの時間を費やすと思われます。その上、かかる規則は、当社が弁護士及び会計士に支払うコンプ
ライアンス関連の費用を増大させ、また、当社の取締役や執行役の損害保険の更新をより難しく高額なものとしてい
ます。その結果、保険範囲及び保険金給付の範囲の縮小に甘んじることになります。


 SOX法は当社に、(i)財務報告及び開示のコントロール・手続に関する有効な内部統制の維持を行うこと、(ii)SOX法
404条の規定に従い、経営陣による当社の内部統制の有効性の報告を可能にするために、財務報告に関する内部統制の
評価を行うことを要求しております。
東京証券取引所JASDAQ市場における当社の上場企業としての義務に従い、当社はSOX法404条か、日本の同趣旨の規定
のいずれかに従うことを求められていますが、当社はSOX法404条に従うことを選択しました。さらに当社は、2019年
12月31日に終了する年度の財務書類に記述する内部統制に関する報告については、日本の金融商品取引法第193条の2
第2項柱書又は同項第1号及び監査証明府令第9条に基づき、監査証明を受ける必要があります。SOX法404条及び関連規
定を遵守するために、当社は、相当の財政的資源及び経営資源を費やし続けることを義務付けられております。当社
は、将来、統制システムの有効性に関して重要な弱点が生じないと確証することはできません。重要な弱点が発見さ
れた場合、SEC、東京証券取引所及びNASDAQ株式市場その他の規制当局による制裁又は調査の対象となるおそれがあ
り、その結果、財政的資源及び経営資源の追加的な負担を余儀なくされ、さらに、費用のかかる訴訟や当社の内部統
制に対する世間の信用の失墜などを引き起こすことがあり得ます。こうしたことが起これば、当社の株価に悪影響を
与えるおそれがあります。


    さらに2010年7月には、ドッド・フランク・ウォールストリート改革および消費者保護法(ドッド・フランク法)が成
立しました。ドッド・フランク法には、コーポレートガバナンス及び執行役員の報酬に関連した重要な規定が多く定
められ、これに従って、SECもプロキシーへのアクセスなど、追加の規定を多く定めなければなりませんでした。コー
ポレートガバナンスや公的開示において高い行動基準を維持するために、当社は、このような遵守プログラムや規則、
基準を守るために合理的な範囲で資本を投資しています。これらの投資が、一般管理費を増大し、経営陣の時間やコ
ミットメントを戦略的な利益創出活動から奪ってしまうおそれがあります。



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28. 当社は情報システム障害、ネットワークの混乱、データセキュリティの侵害、又はコンピューター犯罪やサイバ
ー攻撃の対象となる可能性があります。

 情報システムの障害、ネットワークの混乱、データセキュリティの侵害、又は高度で標的を絞ったコンピューター
犯罪やサイバー攻撃は、薬事承認取得、医薬品製造及び出荷、業務取引の処理や財務結果報告書などの遅れや意図し
ない秘密情報の開示を引き起こすなど当社の医薬品開発プログラムに支障をきたし、当社の業務に混乱をもたらす可
能性があります。当社はセキュリティ対策を講じていますが、我々の情報技術やインフラストラクチャはハッカーの
攻撃、又は従業員の過失、不正行為やその他混乱による侵害に対して防ぎきれない可能性があります。このような侵
害は我々のネットワークを危険にさらし、そこに保存されている情報はアクセスされ、公に開示されたり、紛失また
は摂取される可能性があります。我々は通常業務において、機密情報を収集しデータセンターやネットワークに保存
しますが、それら機密情報の中には、知的財産、企業秘密、ビジネスパートナーや従業員の個人情報等が含まれてい
ます。機密情報や個人のデータや情報を保護するための我々の取り組みにもかかわらず、当社の施設やシステムまた
は、第三者サービス提供者の施設やシステムはセキュリティの侵害、盗難、データのミスプレースや紛失、プログラ
ミング又は人的過失に対応できない可能性があり、機密情報や個人情報の侵害、システム、ソフトウエアソリューシ
ョン及びネットワークの不正使用、情報への不正アクセス、使用、開示、改ざん、破壊、欠陥製品、生産停止、業務
の中断などを引き起こす可能性があり、当社に対する評判、競争力及び営業成績に悪影響をおよぼす可能性がありま
す。経営陣はこれら懸念事項に対処するため、従業員へのトレーニング、特定のデータとシステムの冗長化の導入、
他のネットワークセキュリティとの強化やフェイルオーバー、包括的なネットワークとシステムの監視、バックアッ
プと保護システムのメンテナンス、及び内部統制を講じてはいますが、システム障害、データ損失またはセキュリテ
ィ侵害が発生した場合に、我々が今日まで実施した対策が十分である保証はありません。その結果、そのような障害、
データ損失、セキュリティの侵害が発生した場合、当社の財務状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。


29. 国際的に当社が事業を行い、製品を販売することに付随するさまざまなリスクが、当社の事業に深刻な悪影響を
及ぼす場合があります。

 当社の事業のうち相当の割合が、米国外で営まれています。当社は、薬事、価格、還付・償還、税金、政治あるいは
労働に関する非協力的または不利な状況など、国際的な営業活動に付随し当社の事業を脅かすリスクにさらされてい
ます。これらのリスクには、下記の例が挙げられます。


・   当社の製品に対する、国ごとに違う、または予期しない薬事要件
・   米国外での人員確保または事業の困難さ
・   当社の製品候補をヨーロッパで販売する場合などある状況下では、販売業者または戦略的提携先に販売努力を過
    度に依存してしまう可能性
・   米国外の政府の税、規制、許可要件
・   米国及び米国外の政府の関税、貿易制限、価格、為替管理及びその他の規制要件
・   特定の国々においては、インフレ、自然災害、戦争、テロ、または政情不安を含む経済的弱点
・   営業費用の増加及び収益の減少をもたらす通貨の為替レートの変動
・   税、海外に居住(旅行)する従業員に関わる雇用、移住、労働法、規制規則などの遵守
・   米国よりも労働不安がよく見られる国における労働力の不確実さ
・   外交及び貿易関係の変動
・   特に、米国と同程度に知的財産権を尊重、保護しない国において、契約上の権利または知的財産権を行使するこ
    とへの異議申し立て


 上記を含む、国際的に事業を展開することに付随するリスクが当社の事業、財務状態及び経営成績に深刻な影響を
及ぼすおそれがあります。



当社の知的財産に関連するリスク


1.当社が適切に当社の財産権を保護しなければ、当社の競争力が低下する可能性があります。



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 当社の特許(当社の所有する特許及びライセンス導入した特許の双方を含みます。)が競争上の優位性をもたらす
ことができないリスクが存在します。たとえば、当社の1つ又は複数の製品候補について当社が薬事承認及び販売承認
を取得する前に、当社の特許、とりわけライセンス導入した特許が期限を迎えてしまう場合がありえます。また、当
社の競合企業が、当社の知的財産権が及ぶ範囲を超える方法論及び技術を駆使して、当社製品と類似する製品を開発
する可能性があります。APIについての組成物特許は、組成、用法その他の制限に関係なく、医薬品を保護する可能性
があります。当社は、当社製品候補のMN-166、MN-001及びMN-221のAPIについて、化合物特許による保護を有しており
ません(但し、MN-001の特定の結晶多形については特許による保護、及びイブジラスト類似体については組成物の発
明に関する保護を有しております。)。その結果、必要な薬事承認を取得している競合企業は、当社が保有し又は当
社のライセンサーを通して独占的な権利を有する、使用方法、製造方法、処方又は(特にMN-001の場合には)特異的
多形特許に関する特許を侵害しない限り、MN-166、MN-001及びMN-221に含まれるものと同じAPIを使用した製品を販売
することができます。たとえば、MN-166、MN-001及びMN-221に関して、現在当社は用法特許に依存しております。一
方当社は、MN-029の物質特許を保有しています。
 当社が許諾を受けた付与済み特許の維持及び当該特許に対する特許出願について、ライセンサーと協議するのが当
社の方針です。但し、通常各ライセンサーは、登録特許の維持及び特許出願申請に関して主要な管理責任を担ってお
ります。各ライセンサーによる当社のための資金の投入額又は投入のタイミングについては、当社の支配権は、仮に
存在したとしても限られたものであり、当社のライセンサーが、仮に当社自らがかかる特許申請を引き受けた場合の
当社の優先度と同程度に、これらの特許の登録申請を優先するとは限りません。特許申請プロセスにおけるこうした
支配権の欠如及び全般的な不確定要素のために、当社がライセンスを受けた特許の維持、及び当社がライセンスを受
けた特許の出願からの特許の追加付与を、当社は保証することはできません。米国において登録済特許の有効性を継
続するためには、維持費の支払が義務付けられています。当社は通常、当社のライセンサーにこの支払を依存してお
り、ライセンサーがその支払を怠った場合には、特許を適時に維持しなかったとして、特許の失権という結果になる
可能性があります。米国以外の国の特許庁の多くも、特許及び特許出願の維持のために、定期的な費用の支払を義務
付けています。当社は通常、この費用の支払についても支配権を有しておらず、当社のライセンサーが適時にかかる
費用を支払うこと、並びに付与済み特許及び係属中の特許出願が放棄されないことを約束することはできません。た
とえば、実際に当社のMN-002(MN-001の代謝産物)に基づきライセンスされた外国特許に関して、一部の費用が適時
に支払われなかったということがあったため、その地域における当社の特許が損なわれたおそれがあります。
さらに、当社のライセンサーは、外国特許の保護については一定限度の選択を行ったと考えられ、したがって、商取
引上重要と思われるすべての国において特許申請が行われているわけではなく、外国特許がすべての国において完了
されたわけではない可能性があります。


 当社の製品候補及び技術の特許保護には、法律上及び事実上の複雑な問題が絡んできます。当社のライセンス導入
契約の大部分は当社に特許権を実施する権利を与えるものであり、義務を課すものではありません。当社のライセン
サーにとって当社の特許権の実施に協力することが必要又は有益である範囲でしか、各ライセンサーからの当社のた
めの資金の投入の額若しくはタイミングについて、又は当社による特許権の実施について彼らが設ける優先度につい
て、当社はコントロールできません。当社は