4875 J-メディシノバ 2019-12-05 08:00:00
第30回 ALS/MND国際シンポジウムにおけるMN-166のALSを適応とする臨床治験に関してさらなるデータ解析結果発表のお知らせ [pdf]

                                                             2019 年 12 月 5 日




各   位

                                 会 社 名        M e d i c i N o v a , I n c
                                 代表者名      代 表 取 締 役 社 長 兼 CE O     岩城 裕一
                                                   (コード番号:4875     JASDAQ)

                                           東京事務所代表 副社長
                                 問合せ先                               松田 和子
                                           兼最 高 医学 責 任者 (CMO)
                                                           電話:03-3519-5010
                                             E-Mail:infojapan@medicinova.com


        第 30 回 ALS/MND 国際シンポジウムにおける MN-166 の ALS を適応とする
                臨床治験に関してさらなるデータ解析結果発表のお知らせ



2019 年 12 月 5 日 米国 ラ・ホイヤ発 – メディシノバ(MediciNova,Inc.)
                                                  (米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)      (以下「当社」    )は、現地時間 2019 年 12
月 4 日から 12 月 7 日までオーストラリアのパースにて開催されている第 30 回 ALS/MND(筋
委縮性側索硬化症/運動神経疾患)国際シンポジウムにおいて、カロライナ・ヘルスケアシステム
の神経研究所で行われた ALS(筋萎縮性側索硬化症)を適応とする MN-166(イブジラスト)の
臨床治験に関しての ALS の MN-166 の治療効果についてのさらなる解析データを発表をいたし
ますのでお知らせします。

発表のタイトルは「Interaction(nonuiformity)of ALS progression and Efficacy of MN-166
(Ibudilast)(和訳:ALS の進行度と MN-166 の治療効果の関連について)で、当社の取締役
          」
CMO(最高医学責任者)の松田和子が以下のハイライトを含めて発表いたします。発表日時は現
地時間 12 月 5 日の午前 10 時 30 分の予定です。


【ハイライト】

 • ALS の病状進行と MN-166 による治療効果を理論的に予測できる要因について分析を行っ
   た。 候補要因として、 性別、 年齢、 人種、   発症部位  (上肢、下肢、延髄) Upper Motor Neuron
                                             、
   (UMN、上位運動神経)・Lower Motor Neuron(LMN、下位運動神経)の神経症状、そして
   ALS 病歴(最初の症状発症から治験参加時までの日数)の項目を選択した。
 • ALSFRS-R スコアで評価された ALS 病状進行に対して、MN-166 の治療効果に特に影響を
   与える可能性のある要因探索のために、回帰ツリー分析、および重回帰分析を実施した。
 • 回帰ツリー分析は要因の組合せで生じる薬剤効果への影響を分析しており、重回帰分析は要
   因個々の全体的な薬剤効果への影響を分析している。
 • ステップワイズ法による重回帰分析により、ALS 病歴が治療効果に影響する統計的に有意な
   要因であることが特定された(p = 0.015)
                          。
 • ALS 病歴とベースライン(治療前)ALSFRS-R スコア※1、および ALS 病歴と ALS の病状進
   行※2、すなわちベースラインから 6 か月の治療終了時の ALSFRS-R スコアの変化との関連
   を分析するために相関分析を行った。

                                   -1-
 <※1 ALS 病歴とベースラインの ALSFRS-R スコアの関係>
       治験参加時の ALS 病歴が 600 日未満(ALS の病歴が短い)の患者に注目すると、有
        意な負の相関(-0.72、p <0.01)が観察されたが、ALS 病歴が 600 日以上(ALS の病
        歴が長い)の患者では認められなかった。

 <※2 治療グループ別に見た、ALS 病歴と ALSFRS-R スコア進行度の関係>
       プラセボ群では、
               ALS 病歴と ALS の病状進行との間に有意な正の相関(0.63、 <0.05)
                                                p
        が観察された。リルゾール治療のみでは、病歴の短い患者ほど、病状が悪化が早いこ
        とが観察された。
       MN-166 治療群では、プラセボ群で見られた ALS 病歴と ALS の病状進行の間の有意
        な相関関係がみられなくなった。

• これらの分析結果は、ALS 病歴が短い患者(発症より 600 日以内)で、MN-166 の治療効果
  がより強いのではと予想される。



当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は次のようにコメントしています。
「既に完了していた ALS の第 2 相臨床試験のデータの更なる分析で、興味深い結果が得られた
ことを非常に嬉しく思います。この分析結果は、すでに第 3 相試験のデザインに組み込まれてい
ます。発症 18 か月未満の ALS 患者さんをターゲットにすることにより、第 3 相試験の成功の可
能性がはるかに高くなると考えています。    」

                                                           以上



ALS(筋萎縮性側索硬化症)を適応とする臨床治験について
当社は、カロライナ・ヘルスケアシステムの神経外科研究所、神経筋/ALS・MND センター所長
のベンジャミン・リックス・ブルックス博士と共同で、初期および進行 ALS 患者を対象とした 1
日 60mg の MN-166(イブジラスト)投与を評価しました。治験参加者の全員が、100mg/日のリ
ルゾールを服用しておりました。本治験は、6 ヶ月間のプラセボ対照、無作為二重盲検に続き、6
ヶ月間のオープンレベル(非盲検)の計 12 ヶ月間の治験でした。本治験の主要評価項目(プライ
マリーエンドポイント)は、ALS 患者における MN-166 の安全性、認容性および治療効果です。
(治療効果の評価には ALSFERS-R を含む。 )51 名の初期 ALS 患者(ITT=Intend To Treat)を
対象としたデータ解析結果は、2017 年に米国ボストンで開催された第 28 回 ALS/MND(筋萎縮
性側索硬化症/運動神経疾患)国際シンポジウムにおいて発表されました。MN-166 を服用した群
では、プラセボ群と比較して、ALSFRS-R 総合スコア、MMT(徒手筋力テスト)および ALSAQ-
5 スコアでの治療反応者の比率が高いという結果が得られています。本治験は ALS を対象とした
MN-166 の最初の治験で、今回の治験により、   MN-166 の ALS を適応とする次の治験を推進する
ために必要な治験データを得られました。


ALS(筋萎縮性側索硬化症)について
ALS(筋萎縮性側索硬化症) 、またの名をルー・ゲーリック病(著名な大リーグ野球選手が罹患し
たことから)と呼ばれるこの疾病は、脳及び脊椎の神経細胞にダメージを及ぼす進行性の神経変
性疾患です。このダメージにより特定の筋肉への指令が届かなくなり、筋肉が萎縮し弱まってい
きます。その結果、随意運動が不自由となり、病状末期には全身の運動麻痺に至り人工呼吸器な
どの補助が必要になります。診断されてからの生存期間は通常 2 年から 5 年と言われています。
米国 ALS 協会によると、現在米国にはおおよそ 20,000 人の ALS 患者がおり、毎年約 6,000 人が

                             -2-
新たに診断されております。


MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ
トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカ
イン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められてい
ます。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨
床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されてお
り、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など) 、各種依存症、
慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬
化症及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発して
おり、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許の
ポートフォリオを有しております。


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として
新規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、進行型多発性硬
化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)       、グリオブラストーマを
はじめとする多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症
など線維症疾患を適応とする MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほか
には MN-221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリ
カ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。


このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来に
おける開発や効果に関する記述などが含まれます。         これらの「将来の見通しに関する記述」       には、
そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不確定
要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開発
するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資
金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発およ
び商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及
び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するもの
ではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼
ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執行
能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通
りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との
提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証
券取引委員会に提出した 2018 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載
されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。し
たがって、 将来の見通しに関する記述」
       「                   はその時点における当社の状況を述べているにとどまり、
実際の結果または成り行きは、         必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下さい。
また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。


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