4875 J-メディシノバ 2019-07-12 08:00:00
MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症を適応とするフェーズ3臨床治験計画に関するお知らせ [pdf]

                                                        2019 年 7 月 12 日




各   位

                                                      MediciNova, Inc.
                                                  代表取締役社長兼 CEO
                                                            岩城 裕一
                                  コード番号:           4875 東証 JASDAQ
                                  問合わせ先:     東京事務所代表 副社長
                                             兼最高医学責任者(CMO)
                                                            松田 和子
                                  電話番号:                 03-3519-5010
                                   E-mail:   infojapan@medicinova.com


         MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症を適応とする
                フェーズ 3 臨床治験計画に関するお知らせ


2019 年 7 月 12 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)        (以下「当社」   )は、進行型多発性硬化症
(以下「進行型 MS」     )を適応とする MN-166(イブジラスト)のフェーズ 3 臨床治験計画概要に
関して FDA(米国食品医薬品局)からフィードバックを受け、方針が決定しましたので、お知ら
せいたします。

本フェーズ 3 臨床治験計画の重要なポイントは、以下の通りです。

1.本フェーズ 3 臨床治験では、無再発二次性進行型 MS(再発を伴わない二次性進行型 MS)の
  みを対象に患者登録を行います。
  無再発二次性進行型 MS のみを対象とする理由は次の通りです。
    無再発二次性進行型 MS の患者は、他の進行型 MS の患者と比較し、MN-166(イブジラ
     スト)による治療に対する臨床的効果が最も高いと考えられます。
     2019 年 4 月 2 日付「MN-166 の進行型多発性硬化症を適応とする SPRINT-MS フェーズ
     2b 臨床治験サブグループ解析結果のお知らせ」で発表いたしましたとおり、持続する身
     体障害進行リスクを減少させる効果は、         無再発二次性進行型 MS のサブグループにおいて
     最も強い傾向がみられ、MN-166 治療群のリスク減少度はプラセボ群と比較して 46%、ハ
     ザード比 0.538 でした。
    他の進行型 MS と比較し、無再発二次性進行型 MS はアンメット・メディカルニーズ(有
     効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が最も高いと考えられます。一次性進行型
     MS および再発二次性進行型 MS(再発を伴う二次性進行型 MS)とは異なり、無再発二
     次性進行型 MS の長期治療に対して承認されている治療薬は本日時点において存在しませ
     ん。さらに、無再発二次性進行型 MS は進行型 MS 患者全体の中で最も大きな割合を占め
     ており、   最近の進行型 MS 臨床治験データによると、    二次性進行型 MS 患者の 80%以上が
     「無再発」であると考えられています。
    上記を踏まえ、      無再発二次性進行型 MS のみを対象に患者登録するという当社の治験計画
     に FDA は同意しました。

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2.本フェーズ 3 臨床治験の主要評価項目は、FDA が同意した、EDSS(総合障害度評価スケー
  ル)で評価される、3 か月持続する身体障害の進行リスクです。これは、近年承認された進行
  型 MS 適応の治療薬でのフェーズ 3 臨床治験と同じ主要評価項目です。

3.当社は、フェーズ 3 臨床治験の実施回数を 1 回と予定しています。
  FDA は、 回のフェーズ 3 臨床治験が上市申請の基礎になり得ること、
          1                               臨床治験の結果次第で
  は上市承認に繋がる可能性を認めています。
  2019 年 3 月に新たに承認された再発二次性進行型 MS の 2 つの治療薬は、1 回のフェーズ 3
  臨床治験の実施で FDA より承認されております。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は次のようにコメントしています。
「進行型 MS に対する MN-166 のフェーズ 3 臨床治験計画について方針決定することができ、と
ても嬉しく思います。最近、再発二次性進行型の治療薬が 2 つ承認されましたが、二次性進行型
MS 患者の大多数は再発せずに経過し、そのような患者の長期治療に対して承認された治療薬は
まだ存在していないため、アンメット・メディカルニーズは非常に高いと考えています。
患者さんにとって便利な経口薬であること、優れた安全性および許容性のプロフィールを持つこ
と、進行型 MS に対して他の薬物よりも優れた有効性の可能性があることなどから、イブジラス
トが進行型多発性硬化症という疾患に対する治療薬の中で最も優れたものとなる可能性があると
私たちは考えています。  」

本件が当社の 2019 年 12 月期の業績に与える影響は現在のところ未定ですが、業績に重要な影響
を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。

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進行型多発性硬化症について
米国多発性硬化症協会の統計によると、全世界に約230万人の多発性硬化症患者がいると考えられ
ます。そのうち約85%の患者は、発症時に再発寛解型とされるものです。その再発寛解型のほと
んどの患者が、時間の経過とともに、再発や寛解が殆ど見られなくなり、徐々に神経機能が悪化
する二次性進行型多発性硬化症へ進行します。また約15%の患者は発症時に一次性進行型と診断
され、このタイプの患者さんは再発や寛解を経ることなく、歩行、視覚、認知力やその他の身体
機能の障害が進行し続けます。多発性硬化症に対する現在の治療法は炎症反応に影響を与えるも
のの、進行型多発性硬化症に見られる神経変性に対しては限られた効果しかもたらさないと考え
れます。進行型多発性硬化症において、病状の進行を抑える、神経保護効果を有する治療薬は医
療上の必要性が高いと考えられます。


MN-166(イブジラスト)とは
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ
トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカ
イン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められてい
ます。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨
床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されており、
これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など) 、各種依存症、慢性
神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症
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及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、
進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポート
フォリオを有しております。


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として
新規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、進行型多発性硬
化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)      、グリオブラストーマをは
じめとする多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など
線維症疾患を適応とする MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには
MN-221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。

当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ
合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。



このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来
における開発や効果に関する記述などが含まれます。これらの「将来の見通しに関する記述」に
は、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不
確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を
開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分
な資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発
および商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開
発及び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定する
ものではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関
に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・
執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期
待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計
画の妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関
との提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米
国証券取引委員会に提出した 2018 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に
記載されているものも含め、         しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。
したがって、    「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社の状況を述べているにとどま
り、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下
さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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