4875 J-メディシノバ 2021-06-07 19:30:00
米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携共同開発におけるMN-166(イブジラスト)の塩素ガス暴露による肺障害に対する動物試験の開始のお知らせ [pdf]

                                                                      2021 年 6 月 7 日




各   位

                                      会 社 名         M e d i c i N o v a , I n c
                                      代表者名       代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO         岩城 裕一
                                                          (コード番号:4875       JASDAQ)

                                                 東京事務所代表 副社長
                                      問合せ先                                松田 和子
                                                 兼最高医学責任者(CMO)
                                                                 電話:03-3519-5010
                                                   E-Mail:infojapan@medicinova.com



       米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携共同開発における
MN-166(イブジラスト)の塩素ガス暴露による肺障害に対する動物試験の開始のお知らせ



2021 年 6 月 7 日 米国 ラ・ホイヤ発 – メディシノバ(MediciNova,Inc.)
                                                 (米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)      (以下「当社」といいます。      )は、本日、MN-
                *1
166(イブジラスト) の効果を評価する塩素ガス暴露誘発性急性肺障害動物(ヒツジ)モデル試
験(以下「本試験」といいます。       )を開始したことをお知らせいたします。
本試験では、MN-166(イブジラスト)または対照薬を投与し、肺機能、肺損傷及び浮腫形成、心
肺の血行動態、全身の血管透過性などを評価します。

当社は MN-166(イブジラスト)を塩素ガス暴露による急性呼吸困難症候群(ARDS)や急性肺損
傷(ALI)*2 などの肺障害に対する治療法・医療対策(MCM)として開発するために、米国保健
社会福祉省傘下の生物医学先端研究開発機構(BARDA)*3 と提携しています。   (参照:2021 年 3
月 10 日付「米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携による MN-166
                                          (イブジラスト)
の共同開発に関するお知らせ」   )

当社最高科学責任者(CSO)のフェデリコ・ガエータは以下のようにコメントしています。
「BARDA と協力して、塩素などの化学物質に曝された患者さんに迅速に投与できる治療薬とし
ての MN-166 を評価するための最初の動物モデル(ヒツジ)試験を開始できることを嬉しく思い
ます。FDA(米国食品医薬品局)のルールでは、医療対策品(MCM)の開発において、有効性を
立証するためのヒトでの臨床試験が倫理的又は物理的に実行が可能でない場合、ヒトでの臨床試
験は必要ないとされています。その薬剤がヒトで臨床的に有用である可能性が高いことを証明し
た場合、FDA は、十分に管理された動物モデル試験の結果に基づき医療対策品(MCM)として
医薬品を承認することができます。MN-166 は、急性呼吸困難症候群(ARDS)の動物(マウス)
モデル試験において、肺組織の肺水腫などの組織学的変化を抑制し、肺組織の細胞のアポトーシ
ス*4 を減少させることで肺傷害を予防しました。塩素ガス暴露による肺障害の特徴は肺水腫であ
ることを考えると、MN-166 は塩素ガス暴露による健康状態を改善し、命を救う可能性があると
考えています。   」

本プロジェクトは、米国保健社会福祉省(Department of Health and Human Services)Office
of Assistant Secretary for Preparedness and Response; Biomedical Advanced Research and
Development Authority(契約番号:75A50121C00022)からの連邦資金により、かかる費用の
全部または一部が賄われています。
                                           -1-
本件が当社の 2021 年 12 月期の連結業績に与える影響は現在精査中であり、開示すべき事項が
生じた場合は速やかにお知らせいたします。

                                                         以   上


*
 1 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。

*
 2 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)/急性肺障害(ALI)について
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、血液中の酸素レベルの低下を引き起こす重篤な肺機能不全の一種です。何らか
の理由で肺が損傷を受けると、肺胞と呼ばれる小さな空気嚢の内部に血液や体液が溜まり、肺胞が膨らみを保つ
界面活性剤(サーファクタント)が分解され、肺胞がつぶれた状態になります。そのため、肺から吸い込む空気中
の酸素を血液中に取り込むことができず、低酸素状態になります。急性期を過ぎると肺が線維化し固くなり、コン
            ARDS は数日で発症する場合もあれば、
プライアンスが低下します。                  非常に急速に悪化する場合もあります。ARDS
の最初の症状は通常、息切れで、他の徴候と症状として、低酸素血症、急速で浅い呼吸、呼吸時の肺のクリック
音、水疱音、または喘鳴が聞かれます。感染症は、ARDS の最も一般的な危険因子です。これらの感染には、イン
フルエンザ、コロナウイルスまたはその他のウイルス感染症、敗血症などが含まれます。発症後死亡率は、ARDS
患者の約 40%と言われています。
急性肺障害(ALI)は、ARDS 発症前後の状態を言います。

*
 3 米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)について
生物医学先端研究開発機構    (BARDA) 米国福祉保健局
                       は、      (HHS)の一部であり、化学、生物、放射線、 (CBRN)
                                                     核
の脅威や、パンデミックインフルエンザ(PI)や新興感染症(EID)の脅威から国を守るために設立されました。
BARDA は、ワクチン、医薬品、診断薬などの医療対策の移行を支援し、FDA による承認や戦略的国家備蓄品に
含めるための検討に向けて、研究から高度な開発まで取り組んでいます。BARDA の支援には、臨床研究機関ネッ
トワークから先端開発・製造イノベーションセンター、充填・製造ネットワークに至るまで、資金提供、技術支
援、中核的サービスなどが含まれます。BARDA は医療対策の多様なポートフォリオをサポートしており、これま
でに合計 57 の FDA 承認、ライセンス、またはクリアランスを取得しています。
BARDA の使命は、リスクを共有し、効率性を高め、開発を加速させるために、産業界との官民パートナーシップ
を成功させることで達成されており、同時に、国の安全保障に不可欠な対策品への継続的なアクセスを保証する
市場を維持しています。

*
 4 アポトーシスとは
アポトーシスは、細胞自体に組み込まれたプログラムによる細胞死のことをいいます。外傷等によって細胞死(壊
死)するのではなく、内部の遺伝的な信号によってあらかじめ死がプログラムされていることを言います。



メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
                                     、グリオブラストーマをはじ



                             -2-
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。



注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、           当社が米国証券取引委員会に提出した 2020 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、           「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があるこ
とにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




                                    -3-