4875 J-メディシノバ 2019-04-02 08:00:00
MN-166の進行型多発性硬化症を適応とするSPRINT-MS フェーズ2b臨床治験 サブグループ解析結果のお知らせ [pdf]

                                                       2019 年 4 月 2 日




各   位


                                                      MediciNova, Inc.
                                                  代表取締役社長兼 CEO
                                                            岩城 裕一
                                コード番号:             4875 東証 JASDAQ
                                問合わせ先:                MediciNova, Inc.
                                               最高医学責任者(CMO)
                                                            松田 和子
                                  電話番号:                 03-3519-5010
                                   E-mail:   infojapan@medicinova.com


    MN-166 の進行型多発性硬化症を適応とする SPRINT-MS フェーズ 2b 臨床治験
                  サブグループ解析結果のお知らせ


2019 年 4 月 2 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)は、MN-166(イブジラスト)の進行型多発
性硬化症(進行型 MS)を適応とする SPRINT-MS フェーズ 2b臨床治験のサブグループ解析結
果に関してお知らせします。

今回行われたサブグループ解析は、FDA から受けた「再発二次性進行型 MS(再発を伴う二次性
進行型 MS) と無再発二次性進行型 MS
                    (再発を伴わない二次性進行型 MS)は異なる病態である。
未だに治療薬がないのは再発を伴わない、   無再発二次性進行型 MS だけである。 というフィード
                                         」
バックを基に行われました。本解析の目的は、EDSS(総合障害度評価スケール)を用いて行う臨
床的に有意な治療効果評価において、MN-166(イブジラスト)の治療効果が、どのタイプの進行
型 MS 患者で最も高いかを調べることです。一定期間持続する身体障害の進行リスクは、本フェ
ーズ 2b 治験では副次的評価項目でしたが、フェーズ 3 臨床治験では主要評価項目となります。
持続する身体障害進行リスクは、磁気共鳴画像法(MRI)で評価する脳萎縮の抑制など臨床的評
価ではない画像評価とは異なり、FDA からの承認の基準となる最も重要な臨床評価項目です。
以下の表に示されるように、MN-166 (イブジラスト) 治療が持続する身体障害進行リスクを減少
させる効果は、  再発を伴わない二次性進行型 MS のサブグループにおいて最も強い傾向がみられ、
リスク減少度はプラセボ群に比べて 46%、ハザード比 0.538 でした。

      持続する身体障害進行リスク:Cox Hazard Rations サブグループ解析
              ITT(Intend-to-Treat, 治療の意図)グループ
                            患者数
    サブグループ                               ハザード比*  リスク減少度
                    MN-166        プラセボ
一次性 PMS                68           66     0.707   29%
          再発有り          9            6     1.153   -15%
二次性 PMS
          再発無し         52           54     0.538   46%
   *MN-166 群とプラセボ群を比較したハザード比


多くの二次性進行型 MS 患者では再発がおきることは無く、 例えば SPRINT-MS スタディでは 96
週間の治療中に再発がおきた二次性進行型 MS 患者は、12%(121 名中 15 名)のみでした。再発
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を伴わない二次性進行型 MS 患者の長期治療に対して FDA から承認された薬はまだないため、
本治療薬領域には大きな市場機会があると考えられます。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は次のようにコメントしています。 「このサブグループ解
析結果を大変喜ばしく思っています。再発を伴う二次性進行型 MS に対しては、最近 2 つの治療
薬が続けて FDA から承認されましたが、再発を伴わない二次性進行型 MS の長期治療用に承認
された薬剤はまだありません。多くの二次性進行型 MS 患者は再発が無いため、治療薬の必要性
は非常に大きいと考えています。今回のサブグループ分析結果と SPRINT-MS スタディの広範デ
ータ分析を基に、現在、次のフェーズ 3 臨床治験デザインを詳細検討中で、まもなく治験計画を
FDA に提出する予定です。今回の分析結果に基づいて考えると、我々は、次に実施されるフェー
ズ 3 治験の成功確率は、非常に高いと考えております。患者さんにとって便利な経口投与、非常
に高い安全性および耐容性、進行性 MS に対して他の薬物よりも優れた有効性の可能性により、
我々は MN-166 がこの疾患の治療薬の中で最も優れたものになり得ると考えています。 」


本件が当社の2019年12月期の業績に与える影響は現在のところ未定ですが、業績に重要な影響
を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。


SPRINT-MSスタディ共同プロジェクトについて
本治験は、NeuroNEXTネットワーク、クリーブランド・クリニック、米国多発性硬化症協会及
びメディシノバの協力で行われました。米国立衛生研究所(NIH)の支部である国立神経疾患脳
卒中研究所(NINDS)傘下の臨床治験NeuroNEXTネットワークは、学術、民間及び医薬業界
が提携して神経疾患治療を目的とする研究を行うために設立されました。Neuro NEXTネットワ
ークへは米国内の有数の医療施設が参画しています。NeuroNEXTネットワーク設立主旨は、確
立されたインフラを提供しNINDSの学術研究者や患者支援団体の協力などを活用することで、
フェーズ2臨床治験を支援し、有望な神経疾患領域での医薬品の開発における時間/コストの最適
化を図ること、官民の開発努力の調整を図ることなどです。本ネットワークにおける臨床治験コ
ーディネートセンターはマサチューセッツ総合病院、データ管理センターはアイオワ大学が担当
しました。クリーブランド・クリニックのフォックス博士らは、NeuroNEXTネットワークに参
加する大学病院の医師・研究者らと共同で臨床治験を行いました。また、米国多発性硬化症協会
は、本臨床治験の公示、患者への治験参加呼びかけなどの協力をしました。当社は、MN-166に
おけるFDAの神経医薬品部門からの治験許可(IND)を提供した他、MN-166に関する安全デー
タ、科学的データの提供、治験データ分析面のサポート及び治験薬とプラセボの供給などを支援
しました。


進行型多発性硬化症について
米国多発性硬化症協会の統計によると、全世界に約230万人の多発性硬化症患者がいると考えら
れます。そのうち約85%の患者は、発症時に再発寛解型とされるものです。その再発寛解型のほ
とんどの患者が、時間の経過とともに、再発や寛解が殆ど見られなくなり、徐々に神経機能が悪
化する二次性進行型多発性硬化症へ進行します。また約15%の患者は発症時に一次性進行型と診
断され、このタイプの患者さんは再発や寛解を経ることなく、歩行、視覚、認知力やその他の身
体機能の障害が進行し続けます。多発性硬化症に対する現在の治療法は炎症反応に影響を与える
ものの、進行型多発性硬化症に見られる神経変性に対しては限られた効果しかもたらさないと考
えれます。進行型多発性硬化症において、病状の進行を抑える、神経保護効果を有する治療薬は
医療上の必要性が高いと考えられます。



MN-166(イブジラスト)とは
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ

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トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカ
イン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められてい
ます。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨
床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されてお
り、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など) 、各種依存症、
慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬
化症及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発して
います。当社は、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバー
する特許のポートフォリオを有しております。


                                                           以上


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新
規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、進行型多発性硬化
症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)           、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な神経系疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線
維症疾患を適応とする MN-001    (タイペルカスト)     に経営資源を集中しております。ほかには MN-
221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ
合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-
858-373-1500)です。


このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来に
おける開発や効果に関する記述などが含まれます。         これらの「将来の見通しに関する記述」       には、
そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不確定
要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を開発
するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な資
金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発およ
び商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及
び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するもの
ではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼
ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執行
能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待通
りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との
提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証
券取引委員会に提出した 2018 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載
されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。し
たがって、 将来の見通しに関する記述」
       「                  はその時点における当社の状況を述べているにとどまり、
実際の結果または成り行きは、        必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意下さい。
また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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