4875 J-メディシノバ 2021-03-10 08:00:00
米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携によるMN-166(イブジラスト)の共同開発に関するお知らせ [pdf]

                                                           2021 年 3 月 10 日




各   位

                                会 社 名       M e d i c i N o v a , I n c
                                代表者名     代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO      岩城 裕一
                                                 (コード番号:4875     JASDAQ)

                                         東京事務所代表 副社長
                                問合せ先                              松田 和子
                                         兼最高医学責任者(CMO)
                                                         電話:03-3519-5010
                                           E-Mail:infojapan@medicinova.com



            米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携による
             MN-166(イブジラスト)の共同開発に関するお知らせ



2021 年 3 月 9 日 米国 ラ・ホイヤ発 – メディシノバ(MediciNova,Inc.)
                                                 (米国カリフォルニア
州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)      (以下「当社」といいます。      )は、この度、化
学ガス暴露脅威の治療法の共同開発のために米国保健福祉省(HHS)             ・米国生物医学先端研究開
                *1
発機構(BARDA) と提携合意したことをお知らせします。

この度、MN-166(イブジラスト)*2 は BARDA の Department of Research, Innovation, and
Ventures(DRIVe 研究・イノベーション・ベンチャー)                   (以下「DRIVe」といいます。 )部門の
Repurposing Drugs in Response to Chemical Threats ReDIRECT プログラム(ドラッグリポジ
ショニングによる化学物質暴露脅威への対策)の共同開発の化合物として選定されました。本提
携において、塩素ガス吸入暴露に起因する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)及び急性肺障害(ALI)
*3
   の治療法としての MN-166(イブジラスト)の概念実証試験ために、BARDA から研究開発資
金が提供され、共同開発を進めてまいります。
なお、MN-166(イブジラスト)は、DRIVe の ReDIRECT プログラムを通じて BARDA の開発
支援に選ばれた最初の化合物となります。

BARDA は ReDIRECT プログラムを立ち上げた目的として、以下のように述べています。
「BARDA は、化学的脅威(シアン化物、オピオイド、神経剤、塩素、硫黄マスタードなど)に対
する医学的対策(Medical countermeasures:MCMs)として既存の治療薬を再利用するために
ReDIRECT プロジェクトを設立しました。      化学的脅威に対する効果的な医学的対策としては大量
殺傷状況下での投与の容易さと、暴露後の治療法としての迅速な有効性が必要です。医薬品のリ
ポジショニング   (英文では Repurposing) FDA 承認薬や開発後期ステージの治験薬の中から、
                            は、
本来の臨床適応以外の新たな用途を特定する戦略であります。既存の化合物を化学的脅威への治
療薬としてリポジショニングにより再利用することで、従来の創薬に伴うコストやリスクを軽減
する可能性を秘めています。      」

現在、塩素ガス吸入暴露による急性肺障害の治療薬として FDA(米国食品医薬品局)に承認され
ているものなく、MN-166(イブジラスト)は、その薬理学的プロフィールや、LPS(リポ多糖類
内毒素)誘因 ARDS マウスモデルでの良好な結果などから、塩素ガス吸入暴露に伴う急性呼吸窮
迫症候群(ARDS)や急性肺障害(ALI)の予防を目的とした医療対策としての可能性を期待され
ています。
                        -1-
当社の最高医学責任者(CMO)である松田和子は、次のようにコメントしています。
「ドラッグ・リポジショニングにより MN-166 を化学ガス暴露脅威の治療という新しい適応症で
開発する機会を得られたことを、MediciNova チームを代表して感謝しています。MN-166 は、
ARDS 動物モデルで観察された肺組織の組織学的変化(肺水腫を含む)を防ぎ、肺組織の細胞ア
ポトーシスを減少させることで肺障害を予防しました。塩素ガス暴露の最も深刻な健康被害特徴
が急性肺障害であることを考えると、MN-166 は、塩素ガス暴露による健康状態を改善し、生存
率を維持する可能性があります。臨床治験が不可能な適応症における開発において、既に別の適
応症の複数の治験で 800 人以上のヒトでの高用量安全性データが蓄積されていることは大きな強
みです。 」

本件が当社の 2021 年 12 月期の連結業績に与える影響は現在精査中であり、開示すべき事項が
生じた場合は速やかにお知らせいたします。

                                                         以   上


*
 1 米国福祉保健局(HHS)米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)について
生物医学先端研究開発機構    (BARDA) 米国福祉保健局
                       は、      (HHS)の一部であり、化学、生物、放射線、 (CBRN)
                                                     核
の脅威や、パンデミックインフルエンザ(PI)や新興感染症(EID)の脅威から国を守るために設立されました。
BARDA は、ワクチン、医薬品、診断薬などの医療対策の移行を支援し、FDA による承認や戦略的国家備蓄品に
含めるための検討に向けて、研究から高度な開発まで取り組んでいます。BARDA の支援には、臨床研究機関ネッ
トワークから先端開発・製造イノベーションセンター、充填・製造ネットワークに至るまで、資金提供、技術支
援、中核的サービスなどが含まれます。BARDA は医療対策の多様なポートフォリオをサポートしており、これま
でに合計 57 の FDA 承認、ライセンス、またはクリアランスを取得しています。
BARDA の使命は、リスクを共有し、効率性を高め、開発を加速させるために、産業界との官民パートナーシップ
を成功させることで達成されており、同時に、国の安全保障に不可欠な対策品への継続的なアクセスを保証する
市場を維持しています。

*
 2 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。

*
 3 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)/急性肺障害(ALI)について
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、血液中の酸素レベルの低下を引き起こす重篤な肺機能不全の一種です。何らか
の理由で肺が損傷を受けると、肺胞と呼ばれる小さな空気嚢の内部に血液や体液が溜まり、肺胞が膨らみを保つ
界面活性剤(サーファクタント)が分解され、肺胞がつぶれた状態になります。そのため、肺から吸い込む空気中
の酸素を血液中に取り込むことができず、低酸素状態になります。急性期を過ぎると肺が線維化し固くなり、コン
            ARDS は数日で発症する場合もあれば、
プライアンスが低下します。                  非常に急速に悪化する場合もあります。ARDS
の最初の症状は通常、息切れで、他の徴候と症状として、低酸素血症、急速で浅い呼吸、呼吸時の肺のクリック
音、水疱音、または喘鳴が聞かれます。感染症は、ARDS の最も一般的な危険因子です。これらの感染には、イン
フルエンザ、コロナウイルスまたはその他のウイルス感染症、敗血症などが含まれます。発症後死亡率は、ARDS
患者の約 40%と言われています。
急性肺障害(ALI)は、ARDS 発症前後の状態を言います。


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メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
                                     、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。



注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
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ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、           当社が米国証券取引委員会に提出した 2020 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
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