4875 J-メディシノバ 2020-11-24 20:30:00
抗SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン(BC-PIV/S)の製造に向けたMaster Virus Seed Stock(MVSS)製造開始に関するお知らせ [pdf]

                                                        2020 年 11 月 24 日




各   位
                               会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                               代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO      岩城 裕一
                                               (コード番号:4875     JASDAQ)

                                       東京事務所代表 副社長
                               問合せ先                             松田 和子
                                       兼最高医学責任者(CMO)
                                                       電話:03-3519-5010
                                         E-Mail:infojapan@medicinova.com



    抗 SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン(BC-PIV/S)の製造に向けた
         Master Virus Seed Stock(MVSS)製造開始に関するお知らせ



2020 年 11 月 24 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォル
ニア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)            (以下「当社」といいます。      )は、バイ
オコモ株式会社(三重県三重郡菰野町菰野 1325 番地、代表取締役社長 福村正之)             (以下「バイオ
コモ社」といいます。 *1 及び三重大学と共同で実施する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に
                 )
対するワクチン開発において、        この度、BC-PIV/S*2 の GMP*5 製造に向けて、Master Virus Seed
              *6
Stock(MVSS) の製造が開始されましたので、お知らせいたします。

当該 MVSS は、当社より、Merck KGaA, Darmstadt, Germany のグループ会社である Merck
BioReliance Testing Service 社に委託し、製造いたします。

当該 MVSS の製造が完了しましたら、ワクチン製品候補 BC-PIV/S の製造及び臨床治験を速やか
に開始したいと考えております。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、以下のようにコメントしています。
「ワクチン製造の重要なステップである MVSS の製造を Merck BioReliance Testing Service 社
で開始できたことを嬉しく思います。効果的な経鼻ワクチンの産生に向けたリソースを、さらに
集中させていきたいと考えております。  」

なお、現時点において今後の開発スケジュール及び費用の見通し等について確定しておらず、本
件が当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響についても現在のところ未定でございますが、業
績に重要な影響を及ぼすことが明らかになった場合、     確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                                  以   上


*
 1 バイオコ社について
バイオコモ株式会社は三重大学大学院医学系研究科感染症制御医学・分子遺伝学の野阪哲哉教授と共同で新しい
ワクチンの研究開発に取り組む創薬ベンチャーです。新規ワクチンや治療薬の開発により既存ワクチンが存在し
ない感染症への感染防御やがん患者を救うことで福祉に貢献することを目指しております。
三重大学医学部の野阪哲哉教授と共同で開発した安全性の高い BCPIV 及び VLP/BC-PIV 技術を用いて、RS


                                 -1-
ウイルス、エボラウイルスのワクチン、T 細胞の活性化により難治性固形がんを治療する抗腫瘍免疫活性化剤の
開発に取組んでいます。
(企業 web サイト)http://www.biocomo.jp/

*
 2 BC-PIV/S とは
                                      *3
BC-PIV/S は、BC-PIV プラットフォーム を利用した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンです。
BC-PIV/S では、複数の抗原に関してプロトタイプを作成し、   免疫応答を比較したうえで開発候補品を絞り込みま
した。
BC-PIV/S の免疫学的特徴は現在詳細解析が進行中ですが、BC-PIV/S は以下のような特徴を有しております。
 ⚫ 骨格ウイルスである hPIV2 は RNA ウイルスであるので、ゲノムへの挿入がない。
 ⚫ エンベロープ型ウイルスベクターであるため、遺伝子(RNA)を介した発現に加えて、ベクター表面への抗
    原タンパク質の発現がある。
 ⚫ 発現した抗原タンパク質は、ヒト細胞上の受容体である ACE2 に結合する。
     (参照:2020 年 9 月 1 日公表「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチン開発の経過に関
     するお知らせ ~プロトタイプでの特異抗体誘導の確認について~」          )
    ⚫ IgA の産生が誘導されるため、経鼻吸収型ワクチンとして開発できる可能性が高い。
     (参照:2020 年 9 月 23 日公表「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチン開発の経過に
     関するお知らせ ~S1 タンパクに対する血清 IgG 抗体及び鼻腔粘膜における IgA 抗体産生の確認につい
     て~」
       )

*
 3 BC-PIV プラットフォームとは
                                     *4
BC-PIV は非増殖型のウイルスベクター です。非増殖型のベクターを開発するために、BC-PIV プラットフォ
ームでは、hPIV2 の増殖に必須なウイルスゲノム由来因子である F 因子を欠損させています。一方、BC-PIV を
遺伝子ベクターとして利用するためには増殖させて精製・回収する必要があるため、F 因子をあらかじめ発現さ
せたベクター製造用の細胞(パッケージング細胞と呼びます。  )を樹立(※)し、GMP でのマスターセルバンクを確
立しました。
    (※) Gene Therapy volume 21, pages775–784(2014) https://www.nature.com/articles/gt201455

*
 4 非増殖型ベクターとは
細胞への一次感染及び遺伝子発現能を有するが、二次感染性ウイルス粒子を産生できない工夫がされており、無
尽蔵にウイルスが増殖できず、   高い安全性を担保できるウイルスベクターのことをいいます。 BC-PIV プラットフ
ォームでは hPIV2 ウイルスの感染性に必須な因子、F 遺伝子を欠損させ、非増殖特性をベクターに付与していま
す。

*
 5 GMP(Good Manufacturing Practice)とは
アメリカ食品医薬品局(FDA)が、1938 年に連邦食品・医薬品・化粧品法に基づいて定めた医薬品等の製造品質
管理基準で、品質の良い優れた医薬品を製造するための要件をまとめたものです。

*
 6 Master Virus Seed Stock(MVSS)とは
MVSS とは、BC-PIV/S の製造に必要な seed virus を GMP で製造したものです。GMP で製造された MVSS を
GMP 製造のパッケージング細胞に感染させることにより、BC-PIV/S が増殖し、これを GMP で回収・精製する
ことにより、非臨床試験及び臨床試験に使用可能なワクチンを得ることが出来ます。



メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)       、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。

当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




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に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
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関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、           当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
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