4875 J-メディシノバ 2020-10-22 19:30:00
MN-166(イブジラスト)の化学療法誘発性末梢神経障害を対象とする多施設フェーズ2b臨床治験の開始に関するお知らせ [pdf]

                                                         2020 年 10 月 22 日




各   位

                               会 社 名       M e d i c i N o v a , I n c
                               代表者名     代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO      岩城 裕一
                                                (コード番号:4875     JASDAQ)

                                        東京事務所代表 副社長
                               問合せ先                              松田 和子
                                        兼最高医学責任者(CMO)
                                                        電話:03-3519-5010
                                          E-Mail:infojapan@medicinova.com



        MN-166(イブジラスト)の化学療法誘発性末梢神経障害を対象とする
              多施設フェーズ 2b 臨床治験の開始に関するお知らせ
    ~シドニー大学及びオーストラレーシア消化器疾患臨床治験グループとの共同治験~



2020 年 10 月 22 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
                                                    (米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)       (以下「当社」といいます。       )は、MN-166
(イブジラスト)の化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)を対象とする多施設・プラセボ対照・
無作為化・二重盲検 フェーズ 2b 臨床治験(以下「本治験」といいます。             )を開始することをお知
らせします。

本治験は、当社、シドニー大学、Australasian Gastro-Intestinal Trials Group(AGITG)の 3 者
による共同治験です。オーストラリアのシドニー大学の Janette Vardy 教授が治験責任医師を務
めます。  本治験では、 オキサリプラチン化学療法を受ける転移性大腸がん患者を対象に、                     MN-166
(イブジラスト) オキサリプラチンによる急性神経毒性と化学療法誘発性末梢神経症
          が、                                                   (CIPN)
を軽減するかを評価します。
AGITG は本治験に治験研究費を提供し、 当社は治験薬と薬事、           安全性モニターなどをサポートし
ます。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は次のようにコメントしています。
「化学療法誘発性末梢神経症(CIPN)の治療薬としての MN-166 の可能性を更に評価するため
に、Vardy 博士との次なる共同研究を行うことができ、大変嬉しく思います。
本年 9 月 24 日のプレスリリース(参照)でもご報告しましたように、CIPN を対象とした MN-
166 の最初の臨床治験では、治験参加者の半数が MN-166 治療で急性期症状の改善を報告し、神
経学的パラメータの改善が認められました。
CIPN にはまだ治療薬がなく、 アンメットメディカルニーズに応える必要があると考えています。    」

本治験の責任医師である Janette Vardy 博士は次のようにコメントしています。
「最初の CIPN を対象とする MN-166 の治験で得られたデータは心強いものでした。AGITG と
MediciNova からの支援を得て、オキサリプラチン治療に誘発される急性神経毒性と CIPN にお
いて、より多くの患者を対象に MN-166 の臨床的有用性を検討します。    」




                                 -1-
(参照)2020 年 9 月 24 日公表
      「MN-166(イブジラスト)の化学療法誘発末梢神経炎フェーズ 2 臨床治験に関する良好な
      結果の Cancer Chemotherapy and Pharmacology 誌への論文掲載のお知らせ」
      https://medicinova.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/09242020.pdf



本件が当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響は現在のところ未定ですが、業績に重要な影響
を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                                         以   上



化学療法誘発性末梢神経障害試験について
本治験は、多施設・プラセボ対照・無作為化・二重盲検デザインのフェーズ 2b 治験です。
オキサリプラチン化学療法を受ける転移性大腸癌患者を対象とし、合計 100 人の患者登録を予定しています。登
録された患者さんは 1:1 の比率で実薬群またはプラセボ群に割り当てられます。
MN-166(イブジラスト)60mg/日またはプラセボの投薬は、オキサリプラチン化学療法の第 1 クールの 2 日前
から開始し、オキサリプラチン化学療法中は継続します。
本治験では、MN-166(イブジラスト)治療が、オキサリプラチンに誘発される急性神経毒性症状と CIPN を減
少させるかを評価します。さらに、神経毒性を理由とするオキサリプラチンの減量や中止を、MN-166(イブジ
ラスト)の治療が減らすことが出来るかについても評価します。


抗がん剤による末梢神経障害について
末梢神経障害とは、脳および脊髄から起始し、末梢へ延びる神経への損傷によって引き起こされる一連の症状で
す。これらの末梢へと延びる神経は末梢神経と呼ばれます。癌治療に使用される化学療法及び他の薬物のいくつ
かは、手足などに感覚を伝える末梢神経に損傷を与えることがあります。この損傷は、化学療法誘発末梢神経障
害(訳注:よく使われる用語は“抗がん剤による末梢神経障害”(CIPN)をもたらし、癌治療の化学療法でよ
                             )
くみられる副作用です。多くの場合、患者は自身のつま先や指先に「ピンや針で刺されているようだ」と不快を
訴えます。化学療法誘発性末梢神経障害は、やむを得ず化学療法の投薬量を減量したり、早期の治療中止につな
がり、癌の転帰に影響し、患者のクオリティ・オブ・ライフや生存に重大な影響を及ぼす可能性があります。
4,000 人を超える患者を含むメタ分析によれば、化学療法誘発性末梢神経障害有病率は、化学療法後の最初の 1
ヶ月で 68%、3 ヶ月で 60%、6 ヶ月以上で 30%(
                             「発生率、罹患率、化学療法誘発性末梢ニューロパチー:系統
            、Seretny M ら)とされています。長期にわたる神経毒性は、乳癌や結腸癌の治療
的レビューおよびメタ分析」
を受けている患者で最も多いといわれており、増加している癌生存者にとって重要な問題です。


オキサリプラチン誘発性末梢神経障害について
オキサリプラチンは、結腸・直腸・胃・小腸などの消化器癌患者の生存を改善することが示されています。オキ
サリプラチンによる末梢神経障害には、急性発症及び慢性の 2 つがあり、血液毒性以外の毒性としては、最も多
くみられるものです。急性の神経毒性はオキサリプラチン投薬中、または投薬後数時間以内に症状が認められる
ことが多いです。薬剤蓄積による慢性の神経障害は、治療薬量を制限(容量減少、治療中止)したり、患者の日
常生活の活動性を制限するほど重度になることがあります。これらの神経毒性の発症機序としては、オキサリプ
ラチンにより引き起こされる中枢および背根神経節の神経炎症が関係しているといわれています。


MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻
害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 な
どを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経
栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和するこ
とがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認
されており、これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)
                                             、各種依存症、慢性神
経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症及び ALS、薬物依


                                        -2-
存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、進行型多発性硬化症、ALS、薬物
依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポートフォリオを有しております。



メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
                                     、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。



注意事項
このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、
                         「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があるこ
とにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




                                    -3-