4875 J-メディシノバ 2020-09-01 19:30:00
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチン開発の経過に関するお知らせ ~プロトタイプでの特異抗体誘導の確認について~ [pdf]

                                                     2020 年 9 月 1 日




各   位
                          会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                          代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CE O     岩城 裕一
                                          (コード番号:4875     JASDAQ)

                                  東京事務所代表 副社長
                          問合せ先                             松田 和子
                                  兼最 高 医学 責 任者 (CMO)
                                                  電話:03-3519-5010
                                    E-Mail:infojapan@medicinova.com



新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチン開発の経過に関するお知らせ
        ~プロトタイプでの特異抗体誘導の確認について~


2020 年 9 月 1 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)      (以下「当社」といいます。        )は、バイオ
コモ株式会社(三重県三重郡菰野町菰野 1325 番地、代表取締役社長 福村正之)            (以下「バイオコ
モ社」 及び三重大学と共同で実施する新型コロナウイルス
     )                            (SARS-CoV-2)    に対するワクチン開
発において、BC-PIV を用いた経鼻投与ウイルスワクチンの候補品(プロトタイプ)による動物
実験(マウスへの単回投与)で Spike タンパク抗原特異抗体誘導を確認したことについて、お知
らせします。

バイオコモ社は、新型コロナウイルス感染症流行の世界的な拡がりを受け、2020 年 3 月に遺伝子
組み換え実験の文部科学省による承認を取得し、当該ウイルスワクチンの開発に着手しました。
(参照 1)
また、当社とバイオコモ社及び三重大学は、2020 年 7 月 27 日公表の「バイオコモ株式会社及び
三重大学との新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチンの共同開発に関するお知
らせ」のとおり、三者共同でのワクチン開発を開始しました。(参照 2)

これまでに三重大学とバイオコモ社が開発してきた、プラット・フォーム・テクノロジーの BC-
PIV を用い、モダリティ・抗原の数々の組み合わせから、まずは、免疫誘導を惹起する可能性の
高い、複数種類のベクターワクチン候補を構築しました。
それら候補の中でも、膜表面に変異型 Spike タンパク抗原を搭載した候補ベクターでは、新型コ
ロナウイルス受容体である ACE2(Angitotensn Converting Enzyme-2、アンジオテンシン変換
       *1
酵素-2) と高い結合が確認され、  ACE2と結合する立体構造を有した抗原が膜表面上に提示さ
れていることを確認しました。
Spike タンパク抗原特異的な抗体の誘導について調べるため、マウスにこれらの候補ベクターを
単回、経鼻投与し、ELISA 法で測定した結果、新型コロナウイルス抗原に対する Spike タンパク
特異抗体の誘導を確認いたしました。
マウス実験において良好な特異抗体誘導が確認されたベクターを開発候補として複数選定し、現
在、信頼性の高い中和抗体価評価法による中和抗体の測定を進めております。さらに、下記の試
験についても現在実施中もしくは実施予定です。

    1.   粘膜免疫の誘導確認と抗体価の測定


                            -1-
    2.   細胞性免疫(CD4/CD8 陽性 T 細胞)の解析
    3.   開発候補ワクチンによる動物での新型コロナウイルス感染防御試験

なお、バイオコモ社において、既にベクター製造の要であるパッケージング細胞*2 をマスターセ
ルバンク*3 化しており、当社は、バイオコモ社と協力して、安全性試験及び臨床試験に必要なワ
クチン候補の製造を開始すべく準備を進めております。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は次のようにコメントしています。
「新型コロナウイルスの鼻腔投与ワクチンの複数のプロトタイプを用い、     単回投与だけで、SARS-
CoV-2 Spike タンパク質に対する強力な特異抗体反応を誘発する事を確認できたことは、とても
喜ばしい事です。この特異抗体誘発の確認は、利便性が高い、効果的なワクチンの開発の重要な
ステップです。     追加の試験結果をできるだけ早く報告できるよう、引き続き尽力してまいります。 」

(参照1) 2020 年 3 月 19 日バイオコモ社発表
         「新型コロナウイルスワクチン開発着手のお知らせ」
         http://www.biocomo.jp/20200319.pdf

(参照2) 2020 年 7 月 27 日公表
         「バイオコモ株式会社及び三重大学との新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新
         規ワクチンの共同開発に関するお知らせ」
         https://medicinova.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/07272020.pdf



なお、現時点において今後の開発スケジュール及び費用の見通し等について確定しておらず、本
件が当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響についても現在のところ未定でございますが、業
績に重要な影響を及ぼすことが明らかになった場合、     確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                                    以   上


*
 1 ACE2(Angitotensn Converting Enzyme-2、アンジオテンシン変換酵素-2)
新型コロナウイルスがヒト細胞内に侵入するために必要なヒト細胞膜上の受容体のこと。
新型コロナウイルスの膜上に存在するタンパク質、スパイク S タンパク質と結合、この受容体を足場にしてヒト
の細胞内に侵入することが知られています。

*
 2 パッケージング細胞
ウイルスベクターの産生に用いられるヘルパー機能を有する遺伝子を導入した細胞のこと。

*
 3 マスターセルバンク
一般的には、選択されたクローン細胞株から医薬品利用可能な規格の基で調製された細胞で、複数の適切な保存
容器(アンプルやバイアル)に分注し、一定の条件下で保存したものをいいます。



メディシノバについて

メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
                                     、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。



                                   -2-
当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




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