4875 J-メディシノバ 2020-07-27 19:30:00
バイオコモ株式会社及び三重大学との新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する新規ワクチンの共同開発に関するお知らせ [pdf]

                                                     2020 年 7 月 27 日




各   位
                           会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                           代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO      岩城 裕一
                                           (コード番号:4875     JASDAQ)

                                   東京事務所代表 副社長
                           問合せ先                             松田 和子
                                   兼最高医学責任者(CMO)
                                                   電話:03-3519-5010
                                     E-Mail:infojapan@medicinova.com



    バイオコモ株式会社及び三重大学との新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する
             新規ワクチンの共同開発に関するお知らせ



2020 年 7 月 27 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)
                                                   (米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)       (以下「当社」といいます。        )は、バイオ
コモ株式会社(三重県三重郡菰野町菰野 1325 番地、代表取締役社長 福村正之)             (以下「バイオコ
      *1
モ社」  ) と三重大学大学院医学系研究科の野阪哲哉教授らが共同で開発したヒトパラインフル
エンザ 2 型ウイルスベクターBC-PIV を用い、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンを共
同で開発することについてバイオコモ社及び三重大学と合意しましたのでお知らせします。
なお本共同開発において、BC-PIV を用いる新型コロナウイルスワクチンの全世界における開発
及び販売にかかる全ての権利を、当社がバイオコモ社および三重大学から独占的に付与されるこ
とになります。

バイオコモ社と三重大学により共同開発された BC-PIV は、ヒトパラインフルエンザ 2 型ウイル
ス(hPIV2)の一部遺伝子を欠損させ非伝播型にしたウイルスベクターです。感染した通常の細
胞では二次感染性ウイルスが産生されず、高い安全性をもち、複数の外来タンパク質を効率よく
レシピエントに導入できる画期的なベクターです。遺伝子だけでなく、外来タンパク質そのもの
をベクターの膜表面・内部に搭載・運搬できるように工夫されており、ウイルスの大型膜タンパ
ク質や膜表面のシグナル伝達受容体・リガンドタンパク質のように、天然型の立体構造や多量体
構造を必要とするタンパク質を、構造を維持した状態で搭載することが可能で、アジュバントな
しで抗原タンパク質に対して優れた免疫原性を引き出します。新型コロナウイルスワクチンは、
BC-PIV に新型コロナウイルスの抗原タンパク質を抗原性が最大限に維持できる形で搭載させて
います。これまでに、バイオコモ社は当該技術を用いて組換えエボラウイルスワクチン(参照 1)
および RS ウイルスワクチンの作製(データ未発表)に成功しています。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は、以下のようにコメントしています。
「コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に歯止めがかからない状況において、BC-PIV を用
いる新型コロナウイルスに対するワクチンを、バイオコモ社及び三重大学と共同でグローバルに
開発することは、  大変重要なプロジェクトであると認識しています。バイオコモ社は過去に、   BC-
PIV を用いたエボラウイルス、 ウイルス対するワクチン作製に成功しています。
                RS                       また、BC-PIV
が鼻粘膜、上気道粘膜に親和性が高く、粘膜局所免疫を誘導する経鼻吸収型ワクチンとして開発
できる可能性が高いことは大きな魅力であり、この共同開発への決断の大きな後押しになりまし
た。 新型コロナウイルス感染に惹起される非常に重篤な疾患である ARDS を対象とする MN-166

                             -1-
のプロジェクト(参照 3)に加え、新型コロナウイルスに対するワクチン開発プロジェクトを進め
ることに対し、大きな使命感を抱いております。 」

バイオコモ社の代表取締役 福村正之氏は以下のようにコメントしています。
「治療法が無い、または治療法が限られている疾患に対するグローバルな臨床開発に実績がある
メディシノバ社と共に本ワクチン開発を進めていけることを大変喜ばしく思います。我々は本年
3 月に三重大学大学院 野阪哲哉教授らと BC-PIV を用いる新型コロナウイルスワクチンの開発
に着手し(参照 2)、新型コロナウイルスの複数の安定化 Spike タンパク質変異体を考案、当該遺
伝子/タンパク質を各々保持する BC-PIV を作製しました。既にマウスを用いた基本的な特性解
析試験を終えています。BC-PIV の特徴は、立体構造を維持した大型抗原タンパク質をベクター
エンベロープ上に搭載できることに加え、鼻粘膜・上気道への親和性が高いため、筋肉注射によ
る投与だけではなく、新型コロナウイルスと同じ感染経路である経鼻からの投与により粘膜局所
免疫の誘導も可能になると考えられることです。我々にとってはこれまで GMP 製造が一つの壁
となっておりました。今回メディシノバ社との共同開発により、新型コロナウイルスワクチンの
非臨床・臨床試験開発をスピード感をもって進め、日本国内だけでなくグローバルな実用化開発
に向けて挑戦いたします。 」

三重大学大学院 野阪哲哉教授は以下のようにコメントしています。
「バイオコモ社と本学のこれまでの長年にわたるベクター開発や遺伝子組換えワクチンの研究成
果を、現在世界的な大問題になっている COVID-19 の予防に役立てられる可能性が出てきたこと
を大変嬉しく思います。我々はワクチン用ベクターとして有効性、安全性、利便性、経済性を兼
ね備えた BC-PIV を臨床応用する道を探ってきましたが、近年のアカデミアの研究環境は厳しい
ものがありました。今回、我々が真に有効と自負する新型コロナウイルスワクチンの製品化に際
し、製造と臨床開発の実績が豊富なメディシノバ社との国際共同開発が実現したことは我々アカ
デミアの人間にとっては大きな励みとなります。日本のみならず、世界の人々の福音となるよう
な新型コロナウイルスワクチンをできるだけ早く実用化したいと思います。    」

(参照1) 2019 年 9 月 9 日 SCIENTIFIC REPORTS 公開論文
       「A versatile platform technology for recombinant vaccines using non-propagative
       human parainfluenza virus type 2 vector」
       https://www.nature.com/articles/s41598-019-49579-y

(参照2) 2020 年 3 月 19 日バイオコモ社発表
       「新型コロナウイルスワクチン開発着手のお知らせ」
       http://www.biocomo.jp/20200319.pdf

(参照 3) 2020 年 3 月 10 日公表
       「重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした MN-166(イブジラスト)
       の開発開始に関するお知らせ」
       2020 年 4 月 8 日公表
       「MN-166(イブジラスト)の COVID-19 感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対
       象とする臨床治験開始のお知らせ~イェール大学先端治療センターとの共同治験~」
       2020 年 7 月 1 日公表
       「MN-166(イブジラスト)の COVID19 感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を適
       応とする IND 申請に対する承認通知受領のお知らせ」

なお、現時点においては開発のスケジュールや費用の見通し等について確定しておらず、本件が
当社の 2020 年 12 月期の業績に与える影響についても現在のところ未定でございますが、業績に
重要な影響を及ぼすことが明らかになった場合、確定次第速やかに発表させていただきます。

                                                                                     以 上




                                         -2-
*
 1 バイオコモ社について

バイオコモ株式会社は三重大学大学院医学系研究科感染症制御医学・分子遺伝学の野阪哲哉教授と共同で新しい
ワクチンの研究開発に取り組む創薬ベンチャーです。新規ワクチンや治療薬の開発により既存ワクチンが存在し
ない感染症への感染防御やがん患者を救うことで福祉に貢献することを目指しております。

三重大学医学部の野阪哲哉教授と共同で開発した安全性の高い BCPIV 及び VLP/BC-PIV 技術を用いて、 ウイ
                                                        RS
ルス、             T
   エボラウイルスのワクチン、 細胞の活性化により難治性固形がんを治療する抗腫瘍免疫活性化剤の開発に
取組んでいます。

(企業 web サイト)http://www.biocomo.jp/index.html


メディシノバについて

メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として新規医薬品の開
発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス感染に惹起される ARDS、進行
型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
                                     、グリオブラストーマをはじ
めとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする
MN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029
(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。

当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリカ合衆国カリフォ
ルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話 1-858-373-1500)です。




注意事項

このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、
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