4875 J-メディシノバ 2020-07-01 19:30:00
MN-166(イブジラスト)のCOVID-19感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を適応とするIND申請に対する承認通知受領のお知らせ [pdf]

                                                      2020 年 7 月 1 日




各    位
                           会 社 名      M e d i c i N o v a , I n c
                           代表者名    代 表 取 締 役 社 長 兼 CEO      岩城 裕一
                                           (コード番号:4875     JASDAQ)

                                   東京事務所代表 副社長
                           問合せ先                             松田 和子
                                   兼最高医学責任者(CMO)
                                                   電話:03-3519-5010
                                     E-Mail:infojapan@medicinova.com



     MN-166(イブジラスト)の COVID-19 感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
             を適応とする IND 申請に対する承認通知受領のお知らせ



2020 年 7 月 1 日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフォルニ
ア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼 CEO:岩城裕一)     (以下「当社」といいます。        )は、MN-166
(イブジラスト) において COVID-19 患者を対象とする急性呼吸窮迫症候群(ARDS)*2を
               *3

適応として申請しておりました IND(臨床試験実施申請)が FDA(米国食品医薬品局)から承認
され、当該 IND に基づき、COVID-19 患者における MN-166(イブジラスト)の急性呼吸窮迫症
候群(ARDS)の予防効果などについて検討する臨床治験*1の開始が承認されましたのでお知ら
せいたします。

当社代表取締役社長兼 CEO の岩城裕一は以下のようにコメントしています。
「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)発症リスクが高い COVID-19 の患者さんを対象とする臨床治験
が、FDA より承認が得られたことをとても嬉しく思います。MN-166(イブジラスト)は、過剰
炎症やサイトカインストームを軽減することで COVID-19 患者さんの死亡を予防する可能性が
あると考えています。既に報告したように、MN-166(イブジラスト)による治療で、肺組織の炎
症、出血、肺胞うっ血、および肺胞壁浮腫などの組織学的変化が改善したことが ARDS マウスモ
デルスタディで示されました。良好なマウスモデルスタディの結果に加え、最近 MN-166(イブ
ジラスト)は抗 SARS-CoV-2 効果を持つ可能性がある化合物として同定されました。更に、長く
知られている MN-166(イブジラスト)の抗血栓作用は COVID-19 患者で多くみられる肺塞栓症
などの血栓を予防する可能性があります。      現在のアメリカでの COVID-19 の高い感染状況を考え
ると、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のリスクがある COVID-19 患者さんに安全で効果のある薬
剤の開発が緊急に望まれています。     」

本件が、当社の 2020 年 12 月期の連結業績に与える影響は現在精査中であり、開示すべき事項が
生じた場合は速やかにお知らせいたします。
                                              以 上


*
    1 本臨床治験について
FDA と協議の基で承認されたフェーズ 2 臨床試験の概要は以下の通りです。
    • 標準治療(抗凝固療法を含む)を受けている ARDS 発症リスクのある入院中の COVID-19 患


                             -1-
        者を対象とするプラセボ対照、無作為(1:1)二重盲検試験
    •   治験参加者はランダムに 2 つの治療グループに割り当てられ、最大 100mg/日の MN-166 ま
        たはプラセボを 7 日間投与
    •   7 日間の治療後、14 日目と 28 日目にフォローアップ
    •   プライマリー・エンドポイントは、     呼吸不全にならなかった患者の比率、 NIAID スケール(訳
        注:8 ポイントで評価、例:1=死亡、8=入院不要)で測定された被験者の臨床状態の変化、
        7 日間の治療後の血漿サイトカインの値の変化
    •   セカンダリー・エンドポイントは、COVID-19 患者における MN-166(イブジラスト)の安
        全性・忍容性、および 14 日目での呼吸不全になっていない患者の比率などが含まれる
本臨床治験参加基準は、PCR などによる SARS-CoV-2 感染の確認、COVID-19 肺炎と一致する
胸部画像の異常所見、酸素補助のない呼吸状態で酸素飽和度(SpO2)≤ 92%などの他、少なくと
も 1 つの COVID-19 重症化の発症因子をもつことです。

*
    2 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)について
急性呼吸窮迫症候群  (ARDS)は、血液中の酸素レベルの低下を引き起こす重篤な肺機能不全の一
種です。何らかの理由で肺が損傷を受けると、肺胞と呼ばれる小さな空気嚢の内部に血液や体液
が溜まり、肺胞が膨らみを保つ界面活性剤(サーファクタント)が分解され、肺胞がつぶれた状
態になります。そのため、肺から吸い込む空気中の酸素を血液中に取り込むことができず、低酸
素状態になります。急性期を過ぎると肺が線維化し固くなり、コンプライアンスが低下します。
ARDS は数日で発症する場合もあれば、非常に急速に悪化する場合もあります。ARDS の最初の
症状は通常、息切れで、他の徴候と症状として、低酸素血症、急速で浅い呼吸、呼吸時の肺のク
リック音、水疱音、または喘鳴が聞かれます。感染症は、ARDS の最も一般的な危険因子です。
これらの感染には、インフルエンザ、コロナウイルスまたはその他のウイルス感染症、敗血症な
どが含まれます。発症後死亡率は、ARDS 患者の約 40%と言われています。

*
    3 MN-166(イブジラスト)について
MN-166 はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻
止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4 及び-10 の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイ
トカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6 などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカイ
ン IL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められていま
す。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨床
研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されており、
これらの作用が MN-166 の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALS など)  、各種依存症、慢性
神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。当社は、進行型多発性硬化症
及び ALS、薬物依存症をはじめとする多様な神経系疾患を適応とする新薬として開発しており、
進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存などを含むさまざまな疾患治療をカバーする特許のポート
フォリオを有しております。


メディシノバについて
メディシノバ(MediciNova, Inc.)は、有望な低分子化合物を様々な領域の疾患の治療薬として
新規医薬品の開発を行う日米両株式市場に上場する製薬企業です。現在当社は、コロナウイルス
感染に惹起される ARDS、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピ
オイド依存など)、グリオブラストーマをはじめとする多様な疾患を適応とする MN-166(イブ
ジラスト)及び NASH、肺線維症など線維症疾患を適応とする MN-001(タイペルカスト)に
経営資源を集中しております。ほかには MN-221(ベドラドリン)及び MN-029(デニブリン)
も当社のパイプラインの一部です。




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当社詳細につきましては https://medicinova.jp/をご覧下さい。メディシノバの所在地はアメリ
カ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート 300、エグゼクティブ・スクエア 4275(電話
1-858-373-1500)です。



注意事項

このプレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation Reform Act of
1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能性があります。これらの記述に
は、MN-166、MN-001、MN-221 及び MN-029 の治療法の将来における開発や効果に関する記述などが含まれま
す。これらの「将来の見通しに関する記述」には、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象
に導く多数のリスクまたは不確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、また
は MN-029 を開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分な
資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発および商品化に付随
するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発及び商品化のリスク、現段階の臨
床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するものではない可能性、当局の承認取得の遅延または
失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリ
スク及びかかる権利の防御・執行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機
関が当社の期待通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画の
妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関との提携またはタイ
ムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国証券取引委員会に提出した 2019 年
12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記載されているものも含め、しかしそれに限定されな
いその他のリスクや不確定要素があります。したがって、
                         「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社
の状況を述べているにとどまり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があるこ
とにご留意下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。




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