4755 楽天グループ 2021-02-12 15:00:00
2020年度通期及び当第4四半期ハイライトに関するお知らせ [pdf]

                                                2021 年2月 12 日
各   位
                          会 社 名 楽天株式会社
                          代表者名 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
                           (コード:4755 東証第一部)
                          本開示文書についての問合せ先
                          役   職 副社長執行役員 最高財務責任者
                          氏   名 廣瀬 研二
                          電   話 050-5581-6910


        2020 年度通期及び当第4四半期ハイライトに関するお知らせ


【2020 年度通期及び当第4四半期ハイライト】
・当社グループの当連結会計年度における売上収益は 1,455,538 百万円(前連結会計年度比
15.2%増)となり、成長を加速させています。通期及び当第4四半期ともに過去最高となって
おり、創業以来の連続増収を更新しています。一方、モバイルにおける自社基地局設置の約5
年前倒しを含め、先行投資が継続中のため、Non-GAAP 営業損失は 102,667 百万円(前連結会計
年度は 95,129 百万円の Non-GAAP 営業利益)となりました。なお、モバイル、物流、投資事業
の損益除く Non-GAAP 営業利益は 148,853 百万円で前連結会計年度比 37.6%増と大きく伸長しま
した。


・当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、社会、経済、生活
に急速な変化が起きるなか、当社グループは、国内外 70 以上の多様なサービスにより構成され
る楽天エコシステムを活用した事業経営により、各サービスにおける顧客基盤の拡大及びサー
ビス間のクロスユース促進を図りました。


・当社グループにおける平均月間利用者数(注1)は前連結会計年度に比べ、17.5%上昇し、当
社グループサービスを2サービス以上利用するユーザーの割合(注2)は 70%を超えてなお伸
長を続けています。


・インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』に
おける送料無料ラインの統一施策の奏功や新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「巣ごもり
消費」等の影響を受け、
          『楽天市場』の年間流通総額が初めて3兆円を超える等、国内EC取扱
高が 4.5 兆円(前連結会計年度比 19.9%増)と大幅に伸長しました。当第4四半期においても
この傾向は継続し、ショッピングEC流通総額(注3)は前年同期比 45.2%増と大幅に伸長しま
した。
・フィンテックにおいては、
            『楽天カード』において、2020 年度通期カードショッピング取扱高
が 11 兆円を超えたほか、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続いています。


・モバイルの携帯キャリアサービスにおいては、自社回線エリアの拡大や各種マーケティング
施策が奏功し、2020 年 12 月には、累計契約申し込み数が 200 万回線を突破しました。なお、
2021 年2月8日時点における累計契約申し込み数は 250 万回線となりました。


・海外事業においては、ビジネスモデルの転換・集約を行い、好調に推移している米国を中心
とするオープン型ECや、欧米・アジア等におけるコンテンツ事業・マーケティング事業の強
化を図りました。フィンテック事業においても、楽天証券の海外関連4社すべてで黒字化を達
成したほか、楽天カードや楽天銀行の海外展開も図りました。今後、モバイル事業においても、
世界中の通信事業者や企業へ「Rakuten Communications Platform」の提供を進め、グローバル
通信企業への進化を目指します。


・当社グループは、2021 年4月1日からは楽天グループ株式会社と社名を変更する予定です。
より迅速な意思決定のための体制を構築し、ID・ポイント・ブランドを活用した楽天エコシ
ステムの展開拡大を図り、イノベーションを加速してまいります。




【インターネットサービス】
・インターネットサービスセグメントにおける売上収益は 820,115 百万円(前連結会計年度比
10.3%増)
      、セグメント利益は 40,114 百万円(前連結会計年度比 62.6%減)となりました。

   (単位:百万円)      売上収益      前連結会計年度比    営業利益      前連結会計年度比

     国内EC        584,135    +21.1%     58,192     +13.0%
       その他       235,980     -9.6%     -18,079     -73,788
 インターネット 合計      820,115    +10.3%     40,114      -62.6%




国内EC
・2020 年3月より、
           『楽天市場』において導入された送料無料ラインの統一施策の奏功や、新型
コロナウイルス感染症の流行に伴うオンラインショッピング需要の影響を受け、
                                   『楽天市場』や
『Rakuten 24』『楽天西友ネットスーパー』等のオンラインショッピング事業における取扱高
            、
が大幅に伸長しました。


・当第4四半期においてもこの傾向は継続し、当第4四半期におけるショッピングEC流通総
額は前年同期比 45.2%増と大幅に伸長しました。
・当連結会計年度における『楽天市場』の新規購入者数は前連結会計年度比 27.6%増、さらに復
活購入者数(注4)においても、27.1%増と順調に拡大しており、今後のさらなる成長が期待さ
れます。


・
『楽天トラベル』においては、外出自粛や緊急事態宣言の発令等を受け、予約低迷、キャンセ
ルが相次ぎましたが、2020 年7月より政府が実施した「Go To トラベル事業」等の効果もあり、
特に第3四半期以降において、売上収益の改善がみられたほか、コスト効率化等の取り組みに
より、利益の改善がみられました。当第4四半期おいても、売上及び利益の改善が続きました
が、政府は、2020 年 12 月、感染症の再拡大の予防を目的とした、同事業の一時停止を発表して
おり、これを受け、2020 年 12 月以降の宿泊予約等には押し下げの影響が見られました。


・物流事業については、自社物流施設への楽天市場出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマ
イルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に注力し、これに伴う先行投
資が発生しています。また、日本郵便株式会社との間に、物流領域における戦略的提携に向け
た基本合意書を締結しました。


・同事業においては、
         『楽天市場』を中心としたオンラインショッピング事業における取扱高の
拡大に従い、当連結会計年度における自社物流サービス『楽天スーパーロジスティクス』を利
用する楽天市場出店店舗数が当前連結会計年度比 87.4%増、出荷量は 140.7%増と大幅に拡大し
ました。


その他
・スポーツサービスにおいては、プロ野球公式戦、サッカーリーグ戦の入場者数制限を受け、
売上収益が減少したものの、段階的な規制緩和が行われるなかで、収益の改善が見られました。
投資事業においては、当社グループの投資先である Lyft, Inc.が、2019 年3月 29 日(現地時
間)に米国 NASDAQ 市場へ新規株式公開を行ったことに伴い、前第1四半期において有価証券評
価益約 1,100 億円を計上したこと等の影響から、当連結会計年度においては減益となりました。
【フィンテック】
・フィンテックセグメントにおける売上収益は 576,195 百万円(前連結会計年度比 18.5%増)、
セグメント利益は 81,291 百万円(前連結会計年度比 17.3%増)となりました。


   (単位:百万円)      売上収益      前連結会計年度比   営業利益     前連結会計年度比
    楽天カード        261,328    +13.7%    37,733    +15.8%
     楽天銀行        95,527      +7.2%    28,053     +3.7%
     楽天証券        74,091     +31.0%    16,609    +50.8%
     保険事業        106,373     -0.1%    7,525     +87.4%
   楽天ペイメント       33,060     +14.6%    -6,776     -1,465
       その他        5,816     +30,143   -1,852     -1,822
  フィンテック 合計      576,195    +18.5%    81,291    +17.3%



楽天カード
・2020 年6月に『楽天カード』会員数が 2,000 万人を突破して以降も会員基盤の拡大が続き、
2020 年 11 月には同会員数が 2,100 万人に到達しました。


・同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費に依然厳しさがみられるものの、オン
ラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、2020 年度通期カードショッピング取扱高は 11
兆円を超える等、取扱高の伸長が売上収益及び利益の増加に貢献しました。


・一方で、コロナ禍の資金需要減退を受け、ショッピングリボ残高及びカードキャッシング残
高の積み上げが鈍化又は減少し、収益には押し下げの影響がみられました。当第4四半期にお
いても同様の傾向が続く中、好調な『楽天市場』等におけるカード利用時のマーケティング費
用等が増加し、営業利益の押し下げの影響がありましたが、グループサービスのクロスユース
を促進しました。


楽天銀行
・2020 年6月に口座数が 900 万口座を突破して以降も、新規口座獲得数が堅調に伸長し、2021
年1月には オンライン銀行で初めて 1,000 万口座を突破しました。


・口座数拡大に伴い、日常生活のためのメイン口座としての利用が増加し、当第4四半期にお
ける決済件数は前年同期比 42.2%増、給与振込口座数は 53.2%増と拡大しました。


・口座数拡大に伴い預金利息が増加したものの、決済件数増加等による役務取引等収益の伸長
が大きく増収増益を確保しました。
楽天証券
・2020 年 12 月に証券総合口座数が 500 万口座を突破する等、新規口座開設数の大幅な増加が
続くと同時に、国内株式・米国株式売買代金の伸長に伴う手数料収入等の増加が、売上収益及
び利益の増加に貢献しました。


・また、収益源の多様化を目指し、注力している資産形成系サービスにおいては、投信積立の
月額積立設定額が 2020 年 12 月には 300 億円を超え、つみたて NISA 口座の国内シェアは 27.5%
(注5)(2020 年9月末時点)となる等、順調に拡大しています。


保険事業
・生命保険サービスにおいては、コロナ禍において対面の商品販売が制約を受ける中において
も、オンラインによる販売の強化、コスト削減施策等が奏功し、売上収益及び営業利益が増加
しました。当第4四半期においては、前第4四半期に有価証券売却益を計上したこと等の影響
から、前年同期比で営業利益が減少しました。


・損害保険サービスにおいては、収益性向上のための、アンダーライティング強化施策等によ
り、収入保険料が減少した一方で、再保険の効果的な活用により、発生保険金等の費用が減少
したことで、営業利益が増加しました。


・保険事業においては、楽天グループ各サービスと連携した保険商品を提供し楽天グループ、
楽天エコシステムとのシナジーを拡大しています。また、楽天ポイントがたまる保険商品の導
入後、インターネット経由の保険売上が大きく伸び、当連結会計年度におけるインターネット
申込新契約年換算保険料は、楽天生命において前連結会計年度比+42%、楽天損保において+207%
と力強く成長しました。


楽天ペイメント
・コロナ禍において、実店舗における決済が減少する傾向にある中においても、QRコード・
バーコード決済、電子マネー、ポイント等の決済手段を統合したペイメントアプリの機能拡充
や JR 東日本が提供する交通系 IC カード「Suica」との連携に代表される他決済事業者との提携
による利便性向上の施策等が奏功し、取扱高が伸長したことが、売上収益の増加に貢献しまし
た。


・また、顧客との強力なタッチポイントを有する楽天ペイメントは、オフラインからオンライ
ンの楽天エコシステムへ利用者を呼び込む役割を果たしており、現在、新規楽天会員のうち、
4 人に 1 人が楽天ペイメントのサービス経由によるものです。
【モバイル】
・モバイルセグメントにおける売上収益は 227,142 百万円(前連結会計年度比 34.4%増)、セ
グメント損失は 226,976 百万円(前連結会計年度は 76,524 百万円の損失)となりました。

   (単位:百万円)        売上収益      前連結会計年度比      営業利益       前連結会計年度比

 旧モバイルセグメント        173,701     +45.0%      -212,811    -152,760

      その他           53,442      +8.5%      -14,164      +2,309

    モバイル 合計        227,142     +34.4%      -226,976    -150,452



・携帯キャリアサービスにおいては、2020 年4月の本格的なサービスの開始後、9月には5G
のサービスを開始しました。2020 年 12 月に累計契約申し込み数が 200 万回線を突破して以降
も楽天エコシステム内外からの顧客獲得が進んでいます。なお、2021 年2月8日時点における
累計契約申し込み数は 250 万回線となりました。


・同サービスにおいては、基地局の開設を加速化させ、自社回線によるサービス提供エリアの
拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めており、4G人口カバー率は 2020 年
12 月に 70%を超えました。楽天回線エリアが拡大したことに伴い、基地局建設に係る費用が増
加したほか、契約者数が増加したことにより、楽天回線エリア外におけるローミング費用が増
加しました。


・4Gの開設基地局については、96%の人口カバー率を達成していく中で、基地局の高密度化
による通信品質の向上及び今後見込まれる利用者の増加に対応するため、基地局数は 44,000 局
程度になる見通しです。


・世界中の通信事業者や企業が、安全でオープンなモバイルネットワークを迅速かつ低コスト
で簡 単に構築で きるクラウ ドネイティ ブなプラッ トフォーム 「 Rakuten Communications
Platform」については、Telefónica, S.A.との OpenRAN 推進に向けた覚書、Saudi Telecom
Company (stc)とのモバイルネットワーク技術の連携に関する覚書を締結しており、政府機関、
通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、鋭意開発を進めています。


・また、デジタルコンテンツサービスとモバイルサービスの連携を強化し、シナジー効果を高
めることを目的に、当連結会計年度より、一部の事業及び子会社をセグメント間で移管してお
り、Rakuten Kobo Inc.等デジタルコンテンツサイト等の運営を行う事業をモバイルセグメント
に移管しました。左記サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響によるオンライ
ンコンテンツサービス需要の拡大等を受け、引き続き顧客基盤の拡大が続いています。
【2020 年における ESG 評価】
・当社グループによるサステナビリティへのコミットメントや取り組みが評価を受け、MSCI、
FTSE、S&P をはじめとする主要な ESG 指数の構成銘柄に選定されています。また、「Dow Jones
Sustainability World Index (DJSI World)」の構成銘柄にも選定され、国際環境非営利団体
CDP が実施する気候変動に関する企業調査においては、最高評価である「気候変動 A リスト」
に選定されました。


(注1)2019 年1月-12 月末における平均月間アクティブユーザー数と 2020 年1月-12 月末に
     おける平均月間アクティブユーザー数
(注2)過去 12 カ月間における2サービス以上利用者数/過去 12 カ月間における全サービス利
     用者数(2020 年 12 月末時点)
    (楽天ポイントが獲得可能なサービスの利用に限る)
(注3) ショッピングEC流通総額=楽天市場 + 1st パーティー (ファッション, ブックス,
     Rakuten24 (ダイレクト), ネットスーパー + オープンEC (Rebates, チェックアウ
     ト) + ラクマの流通額の合計
(注4) 復活購入者数=1年以上購入がなかったユーザーが購入した場合
(注5) 金融庁 NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査 (2020 年9月末時点)より算出


                                                          以 上