4689 Zホールディングス 2019-07-29 15:10:00
アスクルの第56回定時株主総会における取締役選任議案(第2号議案)の議決権行使について [pdf]

                                              2019 年 7 月 29 日
各   位
                         会  社   名 ヤ  フ  ー       株 式 会 社
                         代表者の役職氏名 代表取締役社長       川邊 健太郎
                                     (コード番号 4689 東証第一部)
                         問 い 合 わ せ 先 常務執行役員
                                     最高財務責任者      坂上 亮介
                         電         話 03-6898-8200


              アスクルの第 56 回定時株主総会における
           取締役選任議案(第 2 号議案)の議決権行使について

 ヤフー株式会社(以下、ヤフー)は、8 月 2 日開催のアスクル株式会社(以下、アスクル)の第 56 回定
時株主総会の取締役選任議案(第 2 号議案)において岩田彰一郎代表取締役社長(以下、岩田社長)らへ
の再任に反対の議決権を行使したことに関し、その理由とその後の状況を補足としてご説明いたします。


1:
 「低迷する業績への責任」が岩田社長らの再任に反対する最大の理由
・アスクルの営業利益(2018 年 5 月期)は、前期比約 53%減。2019 年 5 月の当期純利益は、前期比約
 90%減。
・2017 年 7 月の決算発表で、
                 「2019 年 5 月期は V 字回復」「過去最高益を目指す」と掲げながら翌年度
                                    、
 には撤回するなど、岩田社長の業績目標達成のための指導力及び実行力には疑問を持たざるを得ません。


【図 1:アスクルの営業利益、当期純利益の推移】
2:
 「低迷する業績」を反映する「低迷する株価」
・株価の向上は、大株主と少数株主の共同利益ですが、下の図のとおり日経平均の年平均成長率(CAGR)
  が約 3 年間(2016 年 7 月 1 日から 2019 年 7 月 10 日)で 17 パーセント上昇している一方で、アスク
  ルの株価の年平均成長率(CAGR)は 22.2 パーセントの減少となっています。
【図 2:株価の推移(日経平均とアスクルの約 3 年間の株価)
                              】


                                                    日経平均




                                                     アスクル




※2016 年 7 月 1 日時点の株価を 100 として指数化


3:ヤフーによる岩田社長らの再任に反対後のアスクル株価の上昇
・ヤフーが 7 月 17 日に発表したプレスリリース(※1)以降、アスクルの株価は上昇し、その後も高値
  で推移しています。これは、新しい経営体制の下での抜本的な経営改革を通じた業績の回復と企業価
  値の向上への期待が、株式市場に結果として現れているものと考えています。
【図 3:7 月 10 日以降のアスクルの株価推移】


                                                           2,777

                                        2,606


       2,309                    2,323




※1:アスクル株式会社の第 56 回定時株主総会における取締役選任議案(第 2 号議案) に対する当社議
決権行使に関するお知らせ
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2019/07/17a/
4:アスクル株を保有する少数株主・プラス株式会社およびレオス・キャピタルワークス株式会社も岩田
社長らの再任に反対
・アスクルの少数株主であるプラス株式会社(以下、プラス)も、7 月 24 日に岩田社長らの再任に反対の
  理由と議決権を行使した旨のプレスリリースを行っています(※2)
                                。
・また、同じくアスクルの少数株主で、ひふみ投信等で著名な資産運用会社であるレオス・キャピタルワ
  ークス株式会社(以下、レオス)からも、本日、弊社の議決権行使への賛同のコメントをレオスから弊
  社へ直接頂きましたのでお知らせいたします(※3)
                         。


※2:プラス「第 56 回定時株主総会における取締役選任議案(第2号議案)に対する当社議決権行使に関
するお知らせ」
https://www.plus.co.jp/news/201907/0003752.html
 【以下、プラスのプレスリリース抜粋】
なお、当社としては、当社が創業者として設立したアスクルに対し長年にわたって協力を続けてきました
が、近時、岩田社長が当社代表取締役社長でアスクル社外取締役である今泉公二に関し、一部マスメディ
アの取材等で「ヤフーに利用された可能性は大いにあり得る」などと憶測に基づく話をされている点につ
いて、大変残念に思っております。また、アスクルが、ヤフー、プラス両社の議決権行使に関する意向表
明後に突如として、ヤフーとの業務・資本提携関係を解消しようとされたことについては、担当取締役が
本件発覚後の記者会見の場ですら LOHACO 事業での連携を含むヤフーとのシナジーを強調されていた
ことと相反しており、アスクルの業績の維持向上のためではなく、岩田社長による現体制維持と保身のた
めの行動にほかならないと捉えております。それを適切に是正できなかった独立社外取締役各位の姿勢
は、少数株主の立場からしても遺憾であったことを付言させていただきます。


※3:レオスコメント「アスクルの業績向上および株価向上のため、8月2日開催の株主総会に係る議決
権行使についてのヤフーの判断を支持します。本株主総会以降、速やかにアスクル(および大株主である
ヤフー)が適切なガバナンス体制を構築されることを期待するとともに、少数株主の利益の確保が果たさ
れているかを注視していきます。
              」


5:アスクルの業績の早期回復と実効的なガバナンス体制確立への協力
  ヤフーとしては、アスクルの株主総会後も、引き続きアスクルの経営の独立性を尊重しながら、
                                            「アスク
ルの業績の早期回復」に協力してまいります。
  また、ヤフーとしては株主総会後も、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」及び 2019
年 6 月 28 日策定の経済産業省「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(※4)
                                             」を踏まえ、
アスクルの一般株主の利益に十分配慮し、同社における実効的なガバナンス体制の確保に向けて行動をし
ていく考えです。今回の株主総会においては、変化の激しい E コマース市場において、株主共同の利益で
ある企業価値向上を図るべき「業務執行(経営判断)を監督する役割」などの観点から、アスクルの独立
社外取締役についても再任反対の議決権行使をしましたが、独立社外取締役に「一般株主の利益を確保す
る役割」を果たしていただくことは、ヤフーがアスクルの大株主として、アスクルにおける実効的なガバ
ナンスの確保を図る責任を果たすうえでも重要と考えています。速やかに、アスクルにおいて臨時株主総
会などを通じて、新たな独立社外取締役の方が一般株主の利益を確保するに十分な人数選任されるよう、
アスクルにおける指名プロセスの独立性を前提としつつ、当社としても最大限協力していきます。
※4:経済産業省「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628003/20190628003.html


                                                                    以上