4599 M-ステムリム 2021-09-09 16:00:00
2021年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]
2021年7月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
2021年9月9日
上 場 会 社 名 株式会社ステムリム 上場取引所 東
コ ー ド 番 号 4599 URL https://stemrim.com
代 表 者 (役職名)代表取締役会長CEO (氏名)冨田 憲介
問合せ先責任者 (役職名)経営管理部長 (氏名)中山 勝仁 (TEL)072(648)7152
定時株主総会開催予定日 2021年10月27日 配当支払開始予定日 ―
有価証券報告書提出予定日 2021年10月28日
決算補足説明資料作成の有無 : 有
決算説明会開催の有無 : 有(決算説明動画を配信予定)
(百万円未満切捨て)
1.2021年7月期の業績(2020年8月1日~2021年7月31日)
(1)経営成績 (%表示は対前期増減率)
事業収益 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年7月期 1,400 △33.3 △593 - △583 - △582 -
2020年7月期 2,100 - 415 - 361 - 347 -
潜在株式調整後
1株当たり 自己資本 総資産 事業収益
1株当たり
当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
当期純利益
円 銭 円 銭 % % %
2021年7月期 △10.02 - △5.5 △5.3 △42.4
2020年7月期 6.44 5.74 5.2 5.2 19.8
(参考) 持分法投資損益 2021年7月期 ― 百万円 2020年7月期 ― 百万円
(注)1.2021年7月期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当
たり当期純損失を計上しているため記載しておりません。
2.2020年7月期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社株式は2019年8月9日に東京証
券取引所マザーズ市場に上場しており、新規上場日から2020年7月期末までの平均株価を期中平均株価
とみなして算定しております。
(2)財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年7月期 10,909 10,696 94.4 174.98
2020年7月期 11,281 10,850 95.5 189.62
(参考) 自己資本 2021年7月期 10,298 百万円 2020年7月期 10,768 百万円
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2021年7月期 △519 △92 109 10,172
2020年7月期 575 △153 7,757 10,675
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 純資産
配当性向
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) 配当率
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2020年7月期 ― 0.00 ― 0.00 0.00 ― ― ―
2021年7月期 ― 0.00 ― 0.00 0.00 ― ― ―
2022年7月期(予想) ― 0.00 ― 0.00 0.00 ―
3.2022年7月期の業績予想(2021年8月1日~2022年7月31日)
当社における現在の事業収益は開発進捗に伴うマイルストーン収入がその大半を占めており、 これらの収入は提携先の開発
戦略及び開発スケジュールに大きく依存しております。そのため、 当社がマイルストーン収入を受領する時期を予想することは困
難であり、 事業年度ごとの事業収益額に大きな変動が生じる可能性があります。以上より、 2022年7月期の業績予想につきまし
ては、 現時点では合理的な業績予想の算定が困難であることから、 記載しておりません。
2022年7月期は再生誘導医薬開発品レダセムチド(HMGB1より創製したペプチド医薬。開発コード:PJ1)について、 引き続き
臨床試験及び適応拡大に向けた研究開発が進捗することを見込んでおります。また、 レダセムチドに続く再生誘導医薬開発候補
品について、 臨床試験及びライセンスアウトにむけた交渉が引き続き進捗することを見込んでおります。
2022年7月期に係る現金収支は下記の通りとなる見込みです。
・研究開発に係る現金支出は1,200百万円~1,500百万円を見込んでおります。
・一般管理費に係る現金支出は230百万円~300百万円を見込んでおります。
・新規提携に伴う一時金が発生する可能性があります。
・導出済みのパイプラインについて、 既存の提携先からのマイルストーン収入が発生する可能性があります。
なお、 当社は2026年までの研究開発活動のための十分な資金を確保しております。
※ 注記事項
(1)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 無
④ 修正再表示 : 無
(2)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年7月期 58,851,600 株 2020年7月期 56,789,400 株
② 期末自己株式数 2021年7月期 ―株 2020年7月期 ―株
③ 期中平均株式数 2021年7月期 58,107,792 株 2020年7月期 54,007,263 株
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
将来性に関する記述等についてのご注意
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的で
あると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。ま
た、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績
予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料P.6「1.経営成績等の概況(4)今後の見通
し」をご覧ください。
株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………5
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………5
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………6
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………6
3.財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………7
(1)貸借対照表 ………………………………………………………………………………………7
(2)損益計算書 ………………………………………………………………………………………9
(3)株主資本等変動計算書 …………………………………………………………………………10
(4)キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………………12
(5)財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………………13
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………13
(追加情報) …………………………………………………………………………………………13
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………13
(持分法損益等) ……………………………………………………………………………………13
(1株当たり情報) …………………………………………………………………………………14
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………………14
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当事業年度(2020年8月1日~2021年7月31日)の具体的な進捗としましては、再生誘導医薬開発品レダセム
チド(HMGB1より創製したペプチド医薬)について、臨床試験に向けた研究開発が引き続き進捗いたしました。レ
ダセムチドは、従来の再生医療とは異なり、体外で人工的に培養した細胞の移植や投与を一切必要とせず、薬の
投与のみにより患者体内の幹細胞を活用する方法で、損傷した組織の再生を促す全く新しい作用メカニズムに基
づく医薬品です。当事業年度においては、レダセムチドの導出先である塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央
区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)との間で2020年6月30日付にて締結したレダセムチドの
複数の疾患に対する臨床開発を加速度的に展開していくための契約について、本契約に係る一時金の受領条件を
達成し、一時金1,400百万円を受領いたしました。本契約は、当社がこれまでに複数のアカデミア・グループとの
共同研究を通じて蓄積してきた非臨床のエビデンスを活用して、新たに慢性肝疾患、変形性膝関節症、心筋症を
対象とした医師主導治験を開始する準備を進めていくものであり、慢性肝疾患、変形性膝関節症においては2020
年11月より第Ⅱ相臨床試験が開始されております。引き続き幅広い疾患領域への適応拡大を通じて、レダセムチ
ドの価値最大化に向けた取り組みを加速してまいります。
当社の事業領域である再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事
法によって再生医療の産業化促進の基盤が整うなか、引き続き複数の再生医療等製品が承認を受けるなど、再生
医療技術に対する社会的な期待と関心はますます高まっております。また、再生医療の市場規模予測では、国内
2020年950億円が2050年2.5兆円、世界2020年1兆円が2050年38兆円と大幅な増加が見込まれており、従来の医薬
品や医療では治療が困難であった疾患に対する新たな医療への期待がいかに大きいものかがわかります。このよ
うな状況の中、体外で培養し加工した細胞を用いず、医薬品の投与によって患者自身の体内で間葉系幹細胞の集
積誘導による再生医療を実現する「再生誘導医薬」を、移植治療や従来型の再生医療が抱える数多くの問題を克
服する革新的な再生医療技術として、表皮水疱症をはじめとした難病を含む様々な疾患に苦しむ世界中の患者の
皆様にお届けすることは、ステムリムの社会的使命であると考えております。
レダセムチドにおける疾患ごとの進捗は以下の通りです。
a) 栄養障害型表皮水疱症治療薬(PJ1-01)の開発について、2020年1月に開催された第41回水疱症研究会及び、
第1回国際表皮水疱症会議(The 2020 EB World Congress)にて、栄養障害型表皮水疱症患者を対象とした臨
床試験(第Ⅱ相医師主導治験)のデータ解析結果(速報)が報告され、本治験に参加した栄養障害型表皮水疱
症患者全例(9例)の解析で、レダセムチド投与により主要評価項目(全身皮膚の水疱、びらん、潰瘍の合計
面積の治療前値からの変化率)で、統計学的に有意な改善が確認されました。レダセムチド投与終了後の最終
観察時点(投与終了6ヵ月後)においても、9例中7例が治療前値を下回る改善を示し、そのうち4例は50%以
上の著明な改善を示したことから、栄養障害型表皮水疱症に対するレダセムチド治療効果の長期持続性も確認
されました。また副次評価(安全性評価)では懸念となる有害事象は観察されず、栄養障害型表皮水疱症患者
におけるレダセムチド投与の有効性と安全性が確認されました。
表皮水疱症治療薬について、対象となる栄養障害型表皮水疱症は、全国の患者数が200名前後である希少難治
性疾患であり現在有効な治療法がありません。また年間当たりの新規患者は15名程度と想定されており、大規
模な第Ⅲ相試験を計画することが困難であるため、当初の予定どおり第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、医薬品の承
認申請を行うことを見込んでおります。
b) 脳梗塞治療薬(PJ1-02)の開発について、本医薬品のライセンス先である塩野義製薬により、第Ⅱ相臨床試
験が進行中であり、これまでに被験者の組み入れと安全性の確認が順調に進捗し、2021年7月に患者の組み入
れが目標症例である150例に到達・完了いたしました。今後は治験登録患者の経過観察期間を経てデータ解析・
評価が行われる予定です。
c) 心筋症治療薬(PJ1-03)の開発について、大阪大学医学系研究科心臓血管外科学との共同研究において、心
筋梗塞や各種心筋症の疾患モデル動物を用いた薬効試験にて顕著な治療効果と作用メカニズムの証明がなされ
ており、その成果は、米国の循環器学会であるAHA (American Heart Association) Scientific Sessions 2018
等の国際学会で報告されるとともに、2019年3月の第18回日本再生医療学会総会では多光子顕微鏡によるin
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
vivo imaging(生体画像描出法)によって、レダセムチドを投与した心筋梗塞モデル動物において、GFP(緑色
蛍光タンパク)陽性骨髄由来細胞が心筋梗塞巣へ集積し血管周囲において活発に移動する様子を観察することに
成功したことを報告するなど、評価を受けております。
d) 変形性膝関節症治療薬(PJ1-04)の開発について、2020年11月より国立大学法人弘前大学において、変形性
膝関節症患者を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)が開始され、2021年2月より治験患者第一例目への投
与が開始されております。変形性膝関節症は膝関節軟骨の摩耗により膝の形が変形、痛みや腫れをきたす疾患
で、重度の症例では強い痛みのため歩行困難になることも多く、QOL (Quality of Life) 及び日常生活動作の
低下が顕著になります。本邦の潜在患者数は約2,500万人、そのうち自覚症状を有する患者数は約800万人と推
定されています。主な原因は加齢によるものが多く、40代以降の中高年に多く発症します。損傷をうけた関節
軟骨は自己修復しにくいことが知られており、損傷した軟骨組織の修復促進、あるいは人工関節置換術への移
行を回避できるような新たな治療法の開発が望まれています。レダセムチドは、マウス膝関節軟骨欠損モデル
を用いた本剤の非臨床試験で軟骨修復作用等が確認されており、変形性膝関節症患者に対する新たな治療薬と
なることが期待されます。
e) 慢性肝疾患治療薬(PJ1-05)の開発について、2020年11月より国立大学法人新潟大学において、慢性肝疾患
患者を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)が開始され、2021年3月より治験患者第一例目への投与が開始
されております。線維化の進行した肝硬変は、肝機能低下、門脈圧亢進、発癌など生命予後を左右する様々な
問題が生じうる疾患であり、肝硬変の患者数は国内40~50万人と推定されております。現状、一般治療におい
て、線維化の進行した肝硬変に対し完治が期待できる治療法は肝移植を除き確立しておらず、移植医療に頼ら
ない新たな肝線維化改善薬や組織再生促進薬の開発が期待されております。レダセムチドは、肝硬変モデルマ
ウスに対して高い抗炎症、線維化改善効果が確認されており、有効な治療法のなかった線維化を伴う慢性肝疾
患・肝硬変の患者に対し、新たな治療の選択肢になり得る可能性があります。
レダセムチドについて、2020年9月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する令和2年度
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発(3次公募)」に採択されました。COVID-19肺炎
は、重症化すると肺胞上皮細胞や肺胞周囲の血管内皮細胞が不可逆的に傷害され、肺炎治癒後も肺機能障害が長
期の後遺症として残り、抗ウイルス薬や抗炎症剤では失われた肺機能の回復は期待し得ないことが知られており
ますが、レダセムチドの投与により骨髄から損傷組織に集積する間葉系幹細胞は、抗炎症作用、抗線維化作用と
共に、上皮組織や血管組織を再生する作用を持つことが示されていることから、レダセムチドはCOVID-19肺炎の
後遺症リスクを軽減する世界初の治療薬となることが期待されます。
肺線維症マウスモデルにおいて、レダセムチドの投与により肺中コラーゲンの指標であるハイドロキシプロリ
ン量を最大70%統計学的に有意に抑制し、かつ病理組織学的評価で線維化スコアの低下を確認しました。また経
皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)測定の結果、肺機能の改善傾向が確認されたことより臨床において重視される肺
機能検査上の改善効果を得ました。LPS誘発による急性炎症肺炎モデルにおいては、レダセムチドの投与により肺
中のサイトカイン量や炎症細胞数が低下傾向を示したことにより、COVID-19の急性炎症亢進に対するレダセムチ
ドの有効性を示唆する結果を得たほか、パラビオーシスマウスモデルにおいては、レダセムチドにより誘導され
る間葉系幹細胞が損傷肺のAce2陽性2型肺胞上皮に分化して肺胞機能の再生に寄与していることが明らかとなり
ました。
レダセムチド以外の新規再生誘導医薬候補物質の探索プロジェクトについては、次世代の開発候補品選定に向
けた積極的な研究開発投資を続けながら候補物質スクリーニングを多面的に展開してきたことで、これまでに顕
著な活性を有する複数の新規候補化合物を同定するに至っております。
また、2021年1月に本社研究所を拡張し、同建屋内に動物実験施設(約223㎡)を新設いたしました。本動物実
験施設では、新規シーズのスクリーニング、実験動物を使用した薬効試験等を行い、今後、再生誘導医薬の対象
となる疾患領域の更なる拡大に寄与すると考えております。
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これらの結果、当事業年度の経営成績の状況は以下のとおりであります。
(事業収益)
当事業年度における事業収益は前事業年度に比べて700,000千円減少し、1,400,000千円(前年同期比33.3%
減)となりました。事業収益は、塩野義製薬株式会社と締結している新たに3疾患を対象としたレダセムチド
の適応拡大に向けた契約に係る一時金の受領条件を達成・受領したことによるものです。
(事業費用)
当事業年度における研究開発費は前事業年度に比べて167,150千円増加し1,523,797千円(前年同期比12.3%
増)、販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて142,292千円増加し469,932千円(前年同期比43.4%増)と
なりました。
研究開発費の増加は、主に本社動物実験施設の拡張に伴う研究機器の導入、研究開発活動の積極的な推進に
伴う研究用試薬等の購入による研究用材料費の増加、人員の増加による人件費の増加、及び共同研究費の増加
によるものであります。
この結果、当事業年度における事業費用は前事業年度に比べて309,443千円増加し1,993,729千円(前年同期
比18.3%増)となりました。
(営業損益)
当事業年度において、事業収益1,400,000千円、事業費用1,993,729千円を計上した結果、営業損失は593,729
千円(前事業年度は415,713千円の営業利益)となりました。
(営業外損益・経常損益)
当事業年度における営業外収益は前事業年度に比べて302千円減少し12,778千円(前年同期比2.3%減)、営
業外費用は前事業年度に比べて64,887千円減少し2,877千円(前年同期比95.8%減)となりました。営業外収益
の主な内訳は補助金収入12,723千円であり、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する、
「令和2年度 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発(3次公募)」に採択されたことに
よるものであります。また、営業外費用の主な内訳は本社動物実験施設工事に係る撤去費用2,657千円及び支払
利息219千円であります。
これらの結果、経常損失は583,827千円(前年同期は361,030千円の経常利益)となりました。
(特別損益・税引前当期純損益)
当事業年度における特別利益は7,784千円(前年同期はなし)となりました。特別利益は従業員の退職に伴う
新株予約権の戻入益7,784千円であります。
これらの結果、税引前当期純損失は576,043千円(前年同期は361,030千円の税引前当期純利益)となりまし
た。
(当期純損益)
当事業年度における法人税等は6,404千円となりました。この結果、当期純損失は582,448千円(前事業年度
は347,761千円の当期純利益)となりました。
なお、当社は再生誘導医薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しておりま
す。
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(2)当期の財政状態の概況
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は10,497,494千円となり、前事業年度末に比べ469,216千円減少いたしま
した。これは主に現金及び預金が503,020千円減少したことによるものです。また、固定資産合計は411,784千
円となり、前事業年度末に比べ97,080千円増加いたしました。これは主に動物実験施設の拡張により、有形固
定資産が94,115千円増加したほか、敷金及び保証金の増加により投資その他の資産が2,819千円増加したことに
よるものです。この結果、資産合計は10,909,279千円となり、前事業年度末に比べ372,136千円減少となりまし
た。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は87,625千円となり、前事業年度末に比べ266,904千円減少いたしまし
た。これは主に未払金が203,623千円減少したことによるものです。また、固定負債合計は125,013千円となり、
前事業年度末に比べ48,182千円増加いたしました。これは主に資産除去債務が48,468千円増加、繰延税金負債
が2,774千円増加したことによるものです。この結果、負債合計は212,638千円となり、前事業年度末に比べて
218,721千円減少となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は10,696,640千円となり、前事業年度末に比べ153,414千円減少いたしまし
た。これは主に当期純損失582,448千円を計上した一方、新株予約権が316,734千円増加、新株予約権の行使に
より資本金及び資本準備金がそれぞれ56,149千円増加したことによるものです。なお、2020年12月の減資によ
り資本金が73,013千円減少し、資本準備金が73,013千円増加しております。この結果、資本金32,424千円、資
本剰余金10,500,407千円、利益剰余金△234,686千円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,172,222千円と前事業年度末と比べ
503,020千円の減少となりました。
営業活動の結果使用した資金は519,649千円(前事業年度は575,413千円の収入)となりました。これは主に、
税引前当期純損失の計上576,043千円、株式報酬費用の計上324,519千円、未払金の減少203,623千円等によるもの
であります。
投資活動の結果使用した資金は92,715千円(前事業年度は153,711千円の支出)となりました。これは主に本社
動物実験施設の拡張に伴う、有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動の結果得られた資金は109,317千円(前事業年度は7,757,140千円の収入)となりました。これは主に、
新株予約権の行使による株式発行収入によるものであります。
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(4)今後の見通し
当社における現在の事業収益は開発進捗に伴うマイルストーン収入がその大半を占めており、 これらの収入は提携先の
開発戦略及び開発スケジュールに大きく依存しております。そのため、 当社がマイルストーン収入を受領する時期を予想する
ことは困難であり、 事業年度ごとの事業収益額に大きな変動が生じる可能性があります。以上より、 2022年7月期の業績予想
につきましては、 現時点では合理的な業績予想の算定が困難であることから、 記載しておりません。2022年7月期は再生誘
導医薬開発品レダセムチド(HMGB1より創製したペプチド医薬品。開発コード:PJ1)について、 引き続き臨床試験及び適応
拡大に向けた研究開発が進捗することを見込んでおります。また、 レダセムチドに続く再生誘導医薬開発候補品について、
臨床試験及びライセンスアウトにむけた交渉が引き続き進捗することを見込んでおります。
2022年7月期に係る現金収支は下記の通りとなる見込みです。
・研究開発に係る現金支出は1,200百万円~1,500百万円を見込んでおります。
・一般管理費に係る現金支出は230百万円~300百万円を見込んでおります。
・新規提携に伴う一時金が発生する可能性があります。
・導出済みのパイプラインについて、 既存の提携先からのマイルストーン収入が発生する可能性があります。
なお、 当社は2026年までの研究開発活動のための十分な資金を確保しております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、財務諸表の企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で財務諸表を作成する方針です。なお、国
際会計基準の適用については国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
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3.財務諸表及び主な注記
(1)貸借対照表
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2020年7月31日) (2021年7月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 10,675,242 10,172,222
貯蔵品 18,047 12,111
前払費用 266,630 269,644
その他 6,790 43,516
流動資産合計 10,966,711 10,497,494
固定資産
有形固定資産
建物(純額) 207,748 309,003
車両運搬具(純額) ― 857
工具、器具及び備品(純額) 21,257 13,261
有形固定資産合計 229,006 323,122
無形固定資産
ソフトウエア 1,104 1,249
無形固定資産合計 1,104 1,249
投資その他の資産
長期前払費用 78,135 77,823
敷金及び保証金 6,457 9,588
投資その他の資産合計 84,592 87,412
固定資産合計 314,704 411,784
資産合計 11,281,415 10,909,279
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2020年7月31日) (2021年7月31日)
負債の部
流動負債
未払金 252,956 49,333
未払費用 19,192 27,677
未払法人税等 3,286 3,628
リース債務 2,980 3,060
預り金 14,867 3,925
その他 61,245 ―
流動負債合計 354,529 87,625
固定負債
リース債務 6,733 3,673
資産除去債務 59,390 107,858
繰延税金負債 10,707 13,481
固定負債合計 76,830 125,013
負債合計 431,360 212,638
純資産の部
株主資本
資本金 49,288 32,424
資本剰余金
資本準備金 10,371,245 10,500,407
資本剰余金合計 10,371,245 10,500,407
利益剰余金
その他利益剰余金
繰越利益剰余金 347,761 △234,686
利益剰余金合計 347,761 △234,686
株主資本合計 10,768,294 10,298,145
新株予約権 81,760 398,495
純資産合計 10,850,054 10,696,640
負債純資産合計 11,281,415 10,909,279
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(2)損益計算書
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(自 2019年8月1日 (自 2020年8月1日
至 2020年7月31日) 至 2021年7月31日)
事業収益 2,100,000 1,400,000
事業費用
研究開発費 1,356,646 1,523,797
販売費及び一般管理費 327,640 469,932
事業費用合計 1,684,286 1,993,729
営業利益又は営業損失(△) 415,713 △593,729
営業外収益
受取利息及び配当金 12 8
補助金収入 13,049 12,723
為替差益 ― 27
雑収入 18 20
営業外収益合計 13,080 12,778
営業外費用
支払利息 296 219
株式交付費 55,221 ―
上場関連費用 9,363 ―
為替差損 22 ―
撤去費用 ― 2,657
その他 2,860 0
営業外費用合計 67,764 2,877
経常利益又は経常損失(△) 361,030 △583,827
特別利益
新株予約権戻入益 ― 7,784
特別利益合計 ― 7,784
税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) 361,030 △576,043
法人税、住民税及び事業税 3,288 3,630
法人税等調整額 9,980 2,774
法人税等合計 13,268 6,404
当期純利益又は当期純損失(△) 347,761 △582,448
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(3)株主資本等変動計算書
前事業年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金
資本金
資本準備金 その他資本剰余金 資本剰余金合計
当期首残高 812,475 2,802,565 ― 2,802,565
当期変動額
新株の発行 3,912,314 3,912,314 3,912,314
減資 △4,675,501 3,656,365 1,019,135 4,675,501
欠損填補 △1,019,135 △1,019,135
当期純利益又は当期
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純
額)
当期変動額合計 △763,187 7,568,680 ― 7,568,680
当期末残高 49,288 10,371,245 ― 10,371,245
株主資本
利益剰余金
新株予約権 純資産合計
その他利益剰余金 株主資本合計
利益剰余金合計
繰越利益剰余金
当期首残高 △1,019,135 △1,019,135 2,595,904 ― 2,595,904
当期変動額
新株の発行 7,824,629 7,824,629
減資 ― ―
欠損填補 1,019,135 1,019,135 ― ―
当期純利益又は当期
347,761 347,761 347,761 347,761
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 81,760 81,760
額)
当期変動額合計 1,366,896 1,366,896 8,172,390 81,760 8,254,150
当期末残高 347,761 347,761 10,768,294 81,760 10,850,054
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
当事業年度(自 2020年8月1日 至 2021年7月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金
資本金
資本準備金 資本剰余金合計
当期首残高 49,288 10,371,245 10,371,245
当期変動額
新株の発行 56,149 56,149 56,149
減資 △73,013 73,013 73,013
当期純利益又は当期
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純
額)
当期変動額合計 △16,863 129,162 129,162
当期末残高 32,424 10,500,407 10,500,407
株主資本
利益剰余金
新株予約権 純資産合計
その他利益剰余金 株主資本合計
利益剰余金合計
繰越利益剰余金
当期首残高 347,761 347,761 10,768,294 81,760 10,850,054
当期変動額
新株の発行 112,298 112,298
減資 ― ―
当期純利益又は当期
△582,448 △582,448 △582,448 △582,448
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 316,734 316,734
額)
当期変動額合計 △582,448 △582,448 △470,149 316,734 △153,414
当期末残高 △234,686 △234,686 10,298,145 398,495 10,696,640
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(4)キャッシュ・フロー計算書
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(自 2019年8月1日 (自 2020年8月1日
至 2020年7月31日) 至 2021年7月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) 361,030 △576,043
減価償却費 7,730 43,596
受取利息及び受取配当金 △12 △8
補助金収入 △13,049 △12,723
支払利息 296 219
為替差損益(△は益) 22 △27
株式交付費 55,221 ―
新株予約権戻入益 ― △7,784
株式報酬費用 81,760 324,519
上場関連費用 9,363 ―
たな卸資産の増減額(△は増加) △5,398 5,935
前払費用の増減額(△は増加) △233,412 △2,702
未収消費税等の増減額(△は増加) 41,848 △37,260
未払金の増減額(△は減少) 197,746 △203,623
未払費用の増減額(△は減少) 3,237 8,484
預り金の増減額(△は減少) ― ―
未払消費税等の増減額(△は減少) 61,245 △61,245
その他 5,043 △10,210
小計 572,672 △528,873
利息及び配当金の受取額 12 8
補助金の受取額 22,545 12,723
利息の支払額 △296 △219
法人税等の支払額 △19,522 △3,289
法人税等の還付額 2 1
営業活動によるキャッシュ・フロー 575,413 △519,649
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △152,973 △89,054
無形固定資産の取得による支出 ― △530
敷金及び保証金の差入による支出 △1,243 △4,839
敷金及び保証金の回収による収入 505 1,708
投資活動によるキャッシュ・フロー △153,711 △92,715
財務活動によるキャッシュ・フロー
リース債務の返済による支出 △2,903 △2,980
株式の発行による収入 7,769,407 112,298
上場関連費用の支出 △9,363 ―
財務活動によるキャッシュ・フロー 7,757,140 109,317
現金及び現金同等物に係る換算差額 △22 27
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 8,178,820 △503,020
現金及び現金同等物の期首残高 2,496,422 10,675,242
現金及び現金同等物の期末残高 10,675,242 10,172,222
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(5)財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(追加情報)
当社では、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実
施しております。新型コロナウイルス感染症拡大による当社への影響は現時点では限定的であり、当事業年度の見積
りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。
(セグメント情報等)
当社は、再生誘導医薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(持分法損益等)
該当事項はありません。
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株式会社ステムリム(4599) 2021年7月期 決算短信
(1株当たり情報)
前事業年度 当事業年度
(自 2019年8月1日 (自 2020年8月1日
至 2020年7月31日) 至 2021年7月31日)
1株当たり純資産額 189.62円 174.98円
1株当たり当期純利益金額又は
6.44円 △10.02円
1株当たり当期純損失金額(△)
潜在株式調整後
5.74円 ― 円
1株当たり当期純利益金額
(注) 1.当事業年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社は、
当期純損失を計上しているため記載しておりません。
2.前事業年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社株式が2019年8月9日に東京証券取引
所マザーズ市場に上場したため、新規上場日から当事業年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算
定しております。
3.1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益
金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2019年8月1日 (自 2020年8月1日
至 2020年7月31日) 至 2021年7月31日)
1株当たり当期純利益金額又は
1株当たり当期純損失金額(△)
当期純利益又は当期純損失(△)(千円) 347,761 △582,448
普通株主に帰属しない金額(千円) ― ―
普通株式に係る当期純利益又は当期純損失(△)(千円) 347,761 △582,448
普通株式の期中平均株式数(株) 54,007,263 58,107,792
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額
当期純利益調整額(千円) ― ―
普通株式増加数(株) 6,628,460 ―
(うち新株予約権(株)) (6,628,460) (―)
新株予約権22種類
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当たり
― (新株予約権の数 46,014個
当期純利益金額の算定に含まれなかった潜在株式の概要
普通株式 6,034,600株)
4.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2020年7月31日) (2021年7月31日)
純資産の部の合計額(千円) 10,850,054 10,696,640
純資産の部の合計額から控除する金額(千円) 81,760 398,495
(うち新株予約権(千円)) (81,760) (398,495)
普通株式に係る期末の純資産額(千円) 10,768,294 10,298,145
1株当たり純資産額の算定に用いられた期末の普通株式
56,789,400 58,851,600
の数(株)
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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