4599 M-ステムリム 2020-11-10 08:30:00
慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第2相試験)開始のお知らせ [pdf]

                                                  2020 年 11 月 10 日




各 位
                                   会 社 名     株 式 会 社 ス テ ム リ ム
                                   代表者名    代表取締役会長 CEO 冨田 憲介
                                           (コード番号:4599 東証マザーズ)
                                   問合せ先    執行役員 経営管理部長 星野 智之
                                               (電話番号:072-648-7152)


      慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始のお知らせ

 当社から塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木功、以下「塩野義製
薬」)へ導出済みの再生誘導医薬開発候補品レダセムチド(HMGB11)より創製した再生誘導医薬候補、開
発コード:S-005151)について、国立大学法人新潟大学より、レダセムチドを用いた医師主導治験として実施
する、慢性肝疾患患者を対象とした第Ⅱ相試験(以下、「本試験」)の治験計画届が医薬品医療機器総合機
構に提出されましたことをお知らせいたします。本治験計画届の提出を持ちまして、本試験が開始されること
となります。

 日本における肝硬変の患者数は40~50万人と推定されています2)。肝臓は、B、C型肝炎ウイルスなどに
起因するウイルス性肝炎や、アルコール性肝炎(ASH)・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)等の生活習慣に
起因する慢性肝障害によって、肝臓内に細胞外基質が過度に蓄積された線維化へと至ります。その進行し
た状態を肝硬変といい、肝機能低下、門脈圧亢進、発癌など生命予後を左右する様々な問題が生じ得る疾
患です。現状、一般診療において、線維化の進行した肝硬変に対し完治が期待できる治療法は確立されて
おりません。なお、肝移植は有効な治療法ですが、臓器のドナー不足は深刻であり、移植医療に頼らない新
たな肝線維化改善薬や組織再生促進薬の開発が期待されています。

 レダセムチドは、怪我や病気で損傷した組織の再生を促進する再生誘導医薬の開発品で、肝硬変モデル
マウスに対して高い抗炎症、線維化改善効果が確認されており、有効な治療法のなかった線維化を伴う慢
性肝疾患・肝硬変の患者に対し、新たな治療の選択肢になり得る可能性があります。また、これまでに大阪
大学等で医師主導治験として実施された第Ⅱ相試験において、栄養障害型表皮水疱症に対する有効性が
示され、現在、塩野義製薬が承認申請に向け準備中です。さらに、急性期脳梗塞に対しても第Ⅱ相試験が
塩野義製薬により進められています。また、変形性膝関節症に対する医師主導治験(第Ⅱ相試験)の準備が
国立大学法人弘前大学において進められております。

 なお、本試験の実施が今年度の通期業績に与える影響については未定であり、業績の修正が必要と判
断された場合には速やかに開示いたします。

 1) HMGB1(High Mobility Group Box 1):体内の間葉系幹細胞を患部に誘導する細胞の核内タンパク
   質の1つ
 2) 肝がん白書 平成27年度 一般社団法人 日本肝臓学会
                                                            以 上