4596 M-窪田製薬HD 2020-05-01 10:15:00
スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」第3相臨床試験、被験者登録完了のお知らせ [pdf]

                                                                    2020 年 5 月1日


  各 位
                                            会社名    窪田製薬ホールディングス株式会社
                                            代表者名   代表執行役会長、社長兼最高経営責任者
                                                     窪田 良
                                                   コード番号 4596 東証マザーズ
                                            問合せ先   取締役兼執行役最高財務責任者
                                                     前川 裕貴
                                                     (TEL:03-6550-8928(代表))


                 スターガルト病治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」
                   第3相臨床試験、被験者登録完了のお知らせ

 窪田製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、以下「当社」)は、当社の 100%子会社クボタビジ
ョン・インク(本社:米国ワシントン州、以下「クボタビジョン」)がスターガルト病を適応症として開発してい
る治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の第3相臨床試験の被験者登録が完了いたしましたことをお知らせしま
す。


 当臨床試験は、ランダムに 10mg のエミクススタト投与群とプラセボ群に2対1で割り当て、1日1回の経口投与
にて 24 ヶ月間実施するもので、主要評価項目には、若年性黄斑変性スターガルト病患者における黄斑部の萎縮の進
行を抑制する効果の検証、副次的評価項目には、最良矯正視力のスコアや読速度などの視機能の変化が含まれま
す。
 クボタビジョンは、2018 年 11 月7日(米国時間)の最初の被験者登録 (FPFV, First Patient First Visit) 完了
後、グローバルに当臨床試験を推進してまいりましたが、最終的に世界 11 カ国、29 施設において登録された被験者
の総数は 194 名となりました。なお、クボタビジョンは被験者登録数の目標を当初 162 名と設定しておりましたが、
コロナウィルスの感染拡大等の影響を踏まえ、被験者登録数を若干積み増すことといたしました。


 本件について、当社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は次のようにコメントしています。
「希少疾患は市場性が高く、近年世界の大手製薬企業が力を入れている疾患領域であり、この臨床試験は非常に価
値が高いと考えています。この貴重な臨床試験に関わっている患者さん、医師をはじめたとした多くの人たちに感
謝しています。」


 「エミクススタト塩酸塩」は、スターガルト病の新規治療薬候補として 2017 年に米国 FDA(Food and Drug
Administration)から、2019 年には欧州 EMA(European Medicines Agency)からオーファンドラッグ認定を受けていま
す。(2017 年1月6日付当社プレスリリース『「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対する FDA オー




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ファンドラッグ指定のお知らせ』、2017 年1月6日付当社プレスリリース『「エミクススタト塩酸塩」のスターガ
ルト病治療に対する欧州オーファンドラッグ指定のお知らせ』をご参照ください。)


なお、本件による当社の 2020 年 12 月期連結業績予想への影響につきましては、現在精査中であり、業績への影響が
見込まれる場合には速やかに開示をいたします。



スターガルト病について
  スターガルト病は患者数が少ない網膜の遺伝性疾患であり、若年性の黄斑変性とも呼ばれ、8千~1万人に1人
がこの病気にかかると推定されています(*1)。スターガルト病を発症すると徐々に視細胞が損傷され、視野の欠
損、色覚異常、歪み、ぼやけ、中心部が見えにくいといった様々な症状が見られます。一般的に、小児期から青年
期にかけて発症しますが、中には成人期まで視力低下を自覚しないこともあります。スターガルト病は、米国にお
ける患者数が推定で 4 万人に満たないことから(*2)、新薬開発を促進するために FDA(米国食品医薬品局)が制定す
る「オーファンドラッグ法(*3)」の対象です。現在、症状の進行を抑制する治療法は存在しておらず、アンメッ
ト・メディカル・ニーズ(*4)として対応が急がれています。
*1 Retinal Pharma & Biologics Market, Market Scope 2015.
*2 Market Scope 社が 2015 年に発行した「Retinal Pharma & Biologics Market」と「UN World Population Prospects 2015」を
もとに、米国、欧州、日本のスターガルト病患者数を自社で算出。
*3 オーファンドラッグ法:オーファンドラッグは稀少疾病用医薬品と呼ばれ、治療が困難な病気や患者数が少ない病気に対す
る治療薬のことをいいます。「オーファンドラッグ法」は病気を治療する医薬品の重要性に基づき研究開発が進むように、公的
援助制度等を整備することを目的に米国 FDA により制定されました。米国で治療薬が存在しない疾患に対して患者数が 20 万人未
満であること、開発コストが販売から回収される見込みがないことなどの基準が設けられている。
*4 アンメット・メディカル・ニーズ:いまだに治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ。
*5 出典: WISEGUY RESEARCH CONSULTANTS PVT LTD Global Juvenile Degeneration (Stargardt Disease) Market Research Report-
Forecast to 2027


エミクススタトについて
  眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼
ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると有害代謝産物を生成します。こ
れが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が
損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えられています。
  網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する際に活躍する ABCA4 という遺伝子があります。スターガル
ト病はこの ABCA4 遺伝子の異常により、網膜にビタミン A 由来の有害代謝産物が過剰に蓄積されることで網膜内の細
胞が損傷を受け、最終的には視機能障害をきたすと考えられています。
  エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素である RPE65 を抑制することで、視覚サイクルを調節し、ビタミ
ン A の代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると考えられているビタミン A 由来の
有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であると理論づけられています。




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                                                   以上
窪田製薬ホールディングス株式会社について
 当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーションをさまざまな
医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニーです。当社100%子会社のクボタビ
ジョン・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医療技術の探索及び開発に取り組んでいます。
当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づく「エミクススタト塩酸塩」においては、糖尿病網膜症およ
びスターガルト病への適応を目指し、開発を進めております。また、網膜色素変性における視機能再生を目指す遺
伝子療法の開発や、在宅・遠隔医療分野(モバイルヘルス)における、クラウドを使った医療モニタリングデバイ
ス(PBOS)の研究開発なども手掛けております。
(ホームページアドレス:http://www.kubotaholdings.co.jp)

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