4596 M-窪田製薬HD 2019-06-10 08:30:00
「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対する欧州オーファンドラッグ指定のお知らせ [pdf]

                                                    2019 年6月 10 日

 各 位
                                  会社名    窪田製薬ホールディングス株式会社
                                  代表者名   代表執行役会長、社長兼最高経営責任者
                                            窪田 良
                                         コード番号 4596 東証マザーズ
                                  問合せ先   執行役最高財務責任者 前川 裕貴
                                         (TEL:03-6550-8928(代表)
                                                             )


「エミクススタト塩酸塩」のスターガルト病治療に対する欧州オーファンドラッグ指定のお知らせ


 窪田製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、以下「当社」              )は、100%子会社の
アキュセラ・インク(本社:米国ワシントン州、以下「アキュセラ」              )がスターガルト病を適応症
として開発する新薬候補「エミクススタト塩酸塩」              (以下、「エミクススタト」)について、この度
欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)よりオーファンドラッグ指定の通知を受けたこ
とをお知らせします。

 オーファンドラッグは稀少疾病用医薬品と呼ばれ、治療が困難な病気や患者数が少ない病気に対
する治療薬のことをいいます。欧州では、生命を脅かすような疾患や重篤で慢性的な衰弱状態の疾
患で、1万人当たり5人未満の発症率である疾患の診断や治療のための医薬品が指定対象となって
おり、開発促進を図るため 10 年間の市場独占、医薬品の製造販売承認申請費用の減額などのイン
センティブ(注1)がスポンサー企業に提供されます。

 オーファンドラッグの認可数は年々増加傾向にあり、2018 年に米国 FDA で製造販売承認を受けた
新薬のうち、実に 58%がオーファンドラッグ指定を受けていました。またその多くが1千億円以上
のピーク時の売り上げが期待されています。

 なお、エミクススタトは、スターガルト病の新規治療薬候補として米国 FDA からもオーファンド
ラッグ指定を受けています。(2017 年1月6日付当社プレスリリース『
                                  「エミクススタト塩酸塩」の
スターガルト病治療に対する FDA オーファンドラッグ指定のお知らせ』をご参照ください。)

スターガルト病について
 スターガルト病は、徐々に光受容体が損傷し、視野の欠損、色覚異常、歪み、ぼやけ、中心部が
見えにくいなど様々な視力低下の症状が生じる遺伝性疾患です。典型的なスターガルト病は小児期
から青年期にかけて発症しますが、中には成人期まで視力低下を自覚しない患者もいます。スター
ガルト病の約 95%の症例は、網膜に局在する ABCA4 遺伝子の異常に起因していると考えられていま
す*1。

 スターガルト病は、8千~1万人に 1 人が罹患すると言われており(注2)、米国、欧州、日本に
おいて合計 15 万人弱の患者がいると推定されています。現在、スターガルト病に対し症状の進行
を抑制する治療法は存在しておらず、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患として対応が急
がれています。




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エミクススタトについて
 眼球の奥にある網膜には、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚
サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは、明るい光や強い光にさらされると
有害代謝産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの
働きに支障をきたすだけではなく、網膜自体が損傷され、視力低下あるいは失明にいたると考えら
れています。

 網膜には、こうした有害代謝産物の前駆物質を分解する細胞に輸送する働きをする ABCA4 という
遺伝子があります。スターガルト病はこの ABCA4 遺伝子の異常により、網膜にビタミン A 由来の有
害代謝産物が過剰に蓄積され、網膜内の細胞が損傷し最終的には視機能障害をきたすと考えられて
います。

 エミクススタトは、視覚サイクルに不可欠な酵素である RPE65 を抑制することで、視覚サイクル
を調節し、ビタミン A の代謝率を低下させます。これにより、スターガルト病の発症に関与すると
考えられているビタミン A 由来の有害代謝産物の産生が低下するため、網膜の機能維持に有用であ
ると理論づけられています。

 (注1)オーファンドラッグに指定された場合、開発促進を図るためにスポンサー(開発)企業は以
     下のインセンティブ(メリット)を享受することができます。
    ① 10 年間の市場独占期間
    ② 製造販売承認申請費用の減額
    ③ 当局による助言・指導、相談料の減額
    ④ 優先承認審査

 (注2):Facts About Stargardt Disease, National Eye Institute.
      https://nei.nih.gov/health/stargardt/star_facts. (閲覧日 2018 年 9 月 14 日)


                                                                               以上


窪田製薬ホールディングス株式会社について
  当社は、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的に、イノベーショ
ンをさまざまな医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げる眼科医療ソリューション・カンパニー
です。当社100%子会社のアキュセラ・インク(米国)が研究開発の拠点となり、革新的な治療薬・医
療技術の探索及び開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づ
く「エミクススタト塩酸塩」において糖尿病網膜症およびスターガルト病への適応を目指し研究を
進めております。また、白内障や老視(老眼)の薬物治療を目的とした低分子化合物の研究開発、そ
して網膜色素変性における視機能再生を目指す遺伝子療法の開発を実施しております。同時に、糖
尿病黄斑浮腫、ウェット型加齢黄斑変性など血管新生を伴う疾患の治療を目指し、生物模倣技術を
用いた低分子化合物の研究開発も進めております。在宅・遠隔医療分野(モバイルヘルス)では、
PBOSなどクラウドを使った医療モニタリングデバイスの研究開発も手掛けております。
    (ホームページアドレス:http://www.kubotaholdings.co.jp)

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