4594 M-ブライトパス 2019-12-24 18:00:00
大阪大学、BIKEN財団及び帝京大学とTLR9アゴニストの研究開発開始に伴う契約を締結 [pdf]

                                                2019 年 12 月 24 日
各 位
                            会 社 名   ブライトパス・バイオ株式会社
                            代表者名    代表取締役社長 永井 健一
                                    (コード番号:4594 東証マザーズ)
                            問合せ先    管理部長 小林 勝広
                                    (TEL.03-5840-7697)



     ブライトパス・バイオは大阪大学、BIKEN 財団及び帝京大学と
  免疫賦活化剤 TLR9 アゴニスト脂質核酸製剤の研究開発開始に伴う契約を締結



 ブライトパス・バイオ株式会社(本社事業所:東京都千代田区麹町二丁目 2 番地4、代表取締役:
永井 健一、以下「ブライトパス・バイオ」、国立大学法人大阪大学(所在地:大阪府吹田市、総長:
                    )
西尾 章二郎、以下「大阪大学」、一般財団法人阪大微生物病研究会(本部:大阪府吹田市山田丘3
               )
番1号 大阪大学内、理事長:山西 弘一、以下「BIKEN 財団」、及び学校法人帝京大学(本部:東京
                                )
都板橋区加賀二丁目 11 番 1 号、理事長・学長:冲永 佳史、以下「帝京大学」
                                       )は、抗腫瘍効果をも
つ免疫賦活化剤である TLR9 アゴニスト脂質核酸製剤(以下「本製剤」
                                  )の臨床開発を目指して、以
下の契約を締結しました。


・本製剤の製造法開発に関する共同研究契約・・・ブライトパス・バイオと大阪大学
・本製剤の実施許諾に関するライセンス契約・・・ブライトパス・バイオと BIKEN 財団、
大阪大学、帝京大学


 PD-1 阻害剤に代表される免疫チェックポイント抗体は、がん治療における有望な選択肢となりま
したが、一部のがん種を除き奏効率はいまだ十分とは言えない状況です。免疫チェックポイント抗体
はがん細胞を攻撃する免疫細胞のブレーキを外す役割を果たしていますが、免疫細胞自体が腫瘍局
所に存在しない、若しくは存在したとしても攻撃できる状態になっていない場合(”Cold Tumor”)
は、いくらブレーキをはずすことができても十分な抗腫瘍効果はみられず、このことは免疫チェック
ポイント抗体が奏功しない大きな要因と考えられています。“Cold Tumor”の状態から、免疫細胞を
腫瘍局所に招聘しがん細胞を攻撃することができる状態つまり“Hot Tumor”にすることが、がん免疫
治療における大きな目標となっており、世界中の研究者・製薬企業が様々なアプローチでこの課題に
取り組んでいます。


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 TLR9(Toll Like Receptor 9)は、特定の自然免疫系細胞のエンドソーム膜上に存在し、ウイルス
などの外来物の侵入を察知する受容体タンパク質です。がんの治療においては、TLR9 アゴニストに
よる TLR9 受容体への刺激は、当該受容体をもつ自然免疫系細胞からのサイトカインシグナルを介
して、抗腫瘍効果を持つ T 細胞が能動的に賦活化される環境を整えると考えられています(つまり
”Cold Tumor”を”Hot Tumor”にする)。TLR9 アゴニストは、現在 B 型肝炎ワクチンとしてすでに米
国で承認されており、がん治療薬としては米国を中心とした複数の企業によって臨床試験が進めら
れ、その初期的な臨床上の効果が示唆されてきています。しかしながら、現在開発されている TLR9
アゴニストの多くは、その製剤の性質上、腫瘍に直接投与しなければならないという制限があり、そ
のことが①「適応できるがん種を制限」し、②「がん免疫反応を腫瘍局所から全身へ波及させるうえ
で制約がある中で、視覚的に確認できないがんには直接作用させることができず(例えば、小さな転
移巣などは見逃してしまう)、
             」 また③「患部への投与が侵襲的であることから患者の肉体的負担を大
きくする(結果として複数回投与の制約につながる)
                       」など、いくつかの大きな課題が残されており
ます。


 大阪大学の青枝大貴特任准教授(常勤)
                  (微生物病研究所 ワクチン動態プロジェクト/BIKEN 財団
BIKEN 次世代ワクチン開発研究センター プロジェクトリーダー)
                                、松崎高志特任講師(常勤)(医学
系研究科 循環器内科学)、小山正平助教(医学系研究科 呼吸器・免疫内科学)及び帝京大学の鈴木亮
教授(薬学部 薬物送達学)らは、TLR9 アゴニストの有効成分である核酸を脂質に包埋することによ
り血中内での安定性を高めることで、腫瘍局所投与時のような制限のない静脈投与が可能な製剤の
開発に成功しました。臨床でのコンセプトが示されつつある TLR9 アゴニストを、より優れたディリ
バリーフォーマットにのせた本製剤は、開発のリスクを低減しつつ他剤と差別化された製品である
と考えています。


 本製剤は 2021 年度中の治験入りを目指し開発を進めていきます。


                                                         以上
ブライトパス・バイオ株式会社について
従来の標準治療の適用が困難な難治性・進行性のがんに対する治療法としてがん治療の革新をもた
らしつつある「がん免疫療法」の開発を行う創薬バイオベンチャーです。米国で臨床試験を実施中の
がんペプチドワクチンをパイプラインとして有するほか、細胞医薬の開発、免疫制御分子に対する抗
体、がん細胞特異的な遺伝子変異に由来するネオアンチゲンを標的とした新薬の開発を行っていま
す。

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問い合わせ先


・ブライトパス・バイオ株式会社 管理部
Tel: 03-5840-7697
E-mail: irpr05@brightpathbio.com
https://www.brightpathbio.com/index.html




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