4592 M-サンバイオ 2019-04-25 07:30:00
再生細胞薬「SB623」が欧州医薬品庁より先端医療医薬品の指定を受ける [pdf]
2019 年4月 25 日
各 位
会 社 名 サ ン バ イ オ 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 森 敬 太
(コード番号:4592 東証マザーズ)
問い合わせ先 執行役員経営管理部長 角谷 芳広
( T E L . 0 3 - 6 2 6 4 - 3 4 8 1 )
再生細胞薬「SB623」が欧州医薬品庁より先端医療医薬品の指定を受ける
サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、社長:森 敬太)は、本日、「再生細胞薬「SB623」が欧州医薬品庁より
先端医療医薬品の指定を受ける」について、別添のとおりプレスリリースをいたしますので、お知らせします。
当社グループ(サンバイオ株式会社及びその子会社である SanBio, Inc.)は、SB623 の慢性期外傷性脳損傷を対
象にした日米グローバルフェーズ2臨床試験の良好な結果を受けて、日本においては、国内の再生医療等製品に対
する条件及び期限付承認制度を活用し、2020 年1月期(2019 年2月~2020 年1月)中に、再生医療等製品として
の慢性期外傷性脳損傷適応 SB623 の製造販売の承認申請、グローバルにおいては、慢性期外傷性脳損傷プログラ
ムのフェーズ3臨床試験を 2020 年 1 月期末までに開始することを計画しています。今回、本指定により、欧州におけ
る SB623 の臨床開発が前進していくことについて、お知らせします。
本指定による当社グループの 2020 年1月期における業績への影響については精査中であり、今後公表すべき事
項が生じた場合には、速やかに公表します。
以上
2019 年4月 25 日
サンバイオ株式会社
再生細胞薬「SB623」が欧州医薬品庁より先端医療医薬品の指定を受ける
当社グループ(サンバイオ株式会社及びその子会社である SanBio, Inc.)は、現在慢性期外傷性脳損傷、慢
性期脳梗塞及び慢性期脳出血により運動機能障害を負っている患者様を対象とした再生細胞薬「SB623」が、
欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)より、先端医療医薬品(Advanced Therapy Medicinal
Product:ATMP)の指定を受けたので、お知らせします。
ATMP とは、遺伝子、組織、または細胞に基づいたヒト用の薬であり、指定については EMA の先進療法委員
会(Committee for Advanced Therapies:CAT)によって決定されます。ATMP の指定を受けた治療は、その病気
や怪我の治療に対し画期的で新しい好機を提供します 1。
また、今回 ATMP 指定を受けた SB623 は、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の間葉系幹細胞を加工・
培養して製造したもので、脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで失われた運動機能
の改善を促すことが期待されている当社独自の再生細胞薬です。
当社代表取締役社長の森敬太は、今回の ATMP 指定を受けて、以下のように述べています。「SB623 が対象
疾患としている一つである慢性期外傷性脳損傷(TBI)を例にとると、TBI は全世界で一般的な疾患であり、欧州
では毎年 57,000 人の TBI による死者、150 万人の TBI による入退院が発生していることから、SB623 の早期の
普及のため、今回の ATMP 指定により、SB623 の欧州における開発や規制について、欧州当局と密接に取り組
んでいけることを期待しています 2。」
上述の SB623 慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、米国時間 2019 年4月 16 日に、日米グローバル
フェーズ2臨床試験(STEMTRA 試験)の有効性及び安全性に関する詳細結果を、米国サンディエゴで行われ
た米国脳神経外科学会(American Association of Neurological Surgeons:AANS)の年次総会にて発表していま
す。この STEMTRA 試験では、SB623 投与群 46 名、コントロール群 15 名の合計 61 名の被験者で行われ、主
要評価項目は Fugl-Meyer Motor Scale(FMMS)のベースラインからの改善量(運動機能障害の変化を測定す
る FMMS において、10 点以上の改善は外傷性脳損傷における臨床的に意味のある改善量とされています 3。)
とし、その結果は、24 週時点の FMMS のベースラインからの改善量が、SB623 投与群 8.7 点、コントロール群
2.4 点となり主要評価項目を達成しました(p 値=0.044)。また、10 点以上の改善は、SB623 投与群 18 名
(39.1%)、コントロール群 1 名(6.7%)であったことから、統計学的な有意差が認められました(p 値=0.04)。さら
に、新たな安全性の懸念は認められず、最も多かった有害事象は頭痛でしたが、SB623 投与群とコントロール
群で、有害事象発生率の統計学的な有意差はありませんでした。
上述の STEMTRA 試験の結果及び EMA より ATMP 指定を受けたことにより、当社グループは、グローバルで
外傷性脳損傷プログラムフェーズ3臨床試験を 2020 年 1 月期末までに開始する計画と、日本で 2020 年1月期
(2019 年2月~2020 年1月)中に、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用した再生
医療等製品としての製造販売の承認申請を進めていきます。
<出典>
1: Advanced therapy medicinal products: overview. European Medicines Agency. https://www.ema.europa.eu/en/human-
regulatory/overview/advanced-therapy-medicinal-products-overview Last accessed April 17, 2019.
2: Majdan M, Plancikova D, et al. Years of life lost due to traumatic brain injury in Europe: A cross-sectional analysis of 16
countries. PLOS Medicine. 2017;14(7).
3: Feys HM et al., 1998; van der Lee JH, et al., 2001
以上
STEMTRA 試験について
STEMTRA 試験は、日米グローバルで行っているフェーズ2臨床試験で、外傷性脳損傷により慢性期の運動機
能障害を負っている患者様を対象に、期間 12 か月で行われているランダム化二重盲検比較試験です。本試験
では、SB623 は脳内の受傷箇所周辺に直接投与されます。
本試験においては、TBI 受傷後 12 か月を経過し、Glasgow Outcome Scale extended (GOS-E)が 3~6 の中程
度または重度の 18 歳~75 歳の患者様を対象とし、治験期間中に実施されるすべての検査・診断受けることと、
治験参加前 3 か月間にてんかん発作を起こしていないことを条件としました。主要評価項目は、6 か月時点の
FMMS のベースラインからの改善量であり、米国、日本及びウクライナの 13 の投与施設、18 の評価施設で 61
名の被験者を対象に行ないました。
サンバイオ株式会社及び SanBio, Inc.について
当社グループは、東京に本社、カリフォルニア州マウンテンビューに支社を置く再生細胞薬の研究、開発、製造
及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開しています。当社独自の再生細胞薬である SB623 は、慢性期脳梗
塞を対象にフェーズ 2b 試験、慢性期外傷性脳損傷を対象にフェーズ2試験を実施中です。当社グループの詳
細は、http://www.sanbio.jp にてご覧いただけます。
本件に関するお問い合わせ先
サンバイオ株式会社
経営管理部
メール:info@sanbio.jp