4592 M-サンバイオ 2019-04-17 07:30:00
米国脳神経外科学会において、外傷性脳損傷(TBI)による運動機能障害をもつ患者に対してのSB623の効果を公表 [pdf]

                                                             2019 年4月 17 日
各 位
                         会   社   名   サ ン バ イ オ 株 式 会 社
                         代 表 者 名     代 表 取 締 役 社 長       森     敬 太
                                      (コード番号:4592      東証マザーズ)
                         問い合わせ先      執行役員経営管理部長         角谷     芳広
                                     ( T E L . 0 3 - 6 2 6 4 - 3 4 8 1 )




           米国脳神経外科学会において、外傷性脳損傷(TBI)による
           運動機能障害をもつ患者に対しての SB623 の効果を発表

 サンバイオ株式会社(本社:東京都中央区、社長:森 敬太)は、本日、「米国脳神経外科学会において、外傷性脳
損傷(TBI)による運動機能障害をもつ患者に対しての SB623 の効果を発表」について、別添のとおりプレスリリースを
いたしますので、お知らせします。

                                                                      以上
                                                               2019 年4月 17 日
                                                              サンバイオ株式会社




            米国脳神経外科学会において、外傷性脳損傷(TBI)による
            運動機能障害をもつ患者に対しての SB623 の効果を発表

    米国脳神経外科学会の年次総会にて、フェーズ2臨床試験(STEMTRA 試験)の良好な結果を公表
         TBI による運動機能障害に対して幹細胞治療が有効である可能性を示唆


 当社グループ(サンバイオ株式会社及びその子会社である SanBio, Inc.)は、24 週時点の Fugl-Meyer Motor
Scale(FMMS)のベースラインからの改善量が、SB623 投与群 8.7 点、コントロール群 2.4 点となり主要評価項
目を達成した SB623 の外傷性脳損傷を対象にした日米グローバル第2相試験(STEMTRA 試験)の有効性及
び安全性に関する詳細結果を、米国サンディエゴで行われた米国脳神経外科学会(American Association of
Neurological Surgeons)の年次総会にて発表したので、お知らせします。

 STEMTRA 試験で使用された当社独自の再生細胞薬 SB623 は、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の
間葉系幹細胞を加工・培養して製造したもので、脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発するこ
とで失われた運動機能の改善を促すことが期待されています。

 米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、米国において TBI による
障害を持つ患者数は約 530 万人おり、毎年 28 万人以上の新規患者が慢性的な障害に苦しんでいます 1。ま
た、TBI による障害は、一般的に長期化するとされています 2。

 ピッツバーグ大学の神経外科教授であり神経外傷治験センター(Neurotrauma Clinical Trials Center)の責任
者である Dr. Okonkwo, M.D., Ph.D.,は、以下のように述べています。「外傷性脳損傷は全世界で一般的な疾
患であるにもかかわらず、辛く長期化する障害は現状過少に評価されています。今回の臨床試験の結果は大
変画期的であり、損傷を受けた脳が再生する可能性を示唆しています。これは、外傷性脳損傷にとどまらず他
疾患で行われている研究にも大きな意味を持つ可能性があります。」

 本試験では、SB623 投与群 46 名、コントロール群 15 名の合計 61 名の被験者で行われ、主要評価項目は
FMMS のベースラインからの改善量としています。運動機能障害の変化を測定する FMMS において、10 点以
上の改善は外傷性脳損傷における臨床的に意味のある改善量とされているなかで 3、本試験では SB623 投与
群 18 名(39.1%)、コントロール群 1 名(6.7%)で 10 点以上を達成し、統計学的な有意差を認めました(p 値
=0.044)。

 新たな安全性の懸念は認められず、最も多かった有害事象は頭痛で、術後 7 日までに SB623 投与群の
34.4%に頭痛が発生しましたが、SB623 投与群とコントロール群で、有害事象発生率の統計学的な有意差はあ
りませんでした(p 値=0.25)。

 当社代表取締役社長の森敬太は、以下のように述べています。「本試験は、毎年多くの患者様が発症し、根
治治療が存在しない外傷性脳損傷に対して、幹細胞治療による脳の再生を示唆する当社で把握している限り
では世界初の事例です。また、試験データは神経障害に対する再生医療の開発に重要な前進を示しており、
サンバイオが世界最大級の脳外科の学会においてこれらデータを発表できたことを大変光栄に思います。」
 当社は、外傷性脳損傷プログラムフェーズ3臨床試験を 2020 年 1 月期末までに開始することを計画しており、
日本においては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020 年1月期(2019
年2月~2020 年1月)中に、再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指しています。

 <出典>
 1: Centers for Disease Control and Prevention. Report to Congress on Traumatic Brain Injury in the United States: Epidemiology and
Rehabilitation. National Center for Injury Prevention and Control; Division of Unintentional Injury Prevention. Atlanta, GA. 2014.
 2: Walker WC, Pickett TC. Motor impairment after severe traumatic brain injury: a longitudinal multicenter study. Journal of
Rehabilitation Research & Development. 2007;44(7):975-982.
 3: Feys HM et al., 1998; van der Lee JH, et al., 2001


                                                                                                                             以上

STEMTRA 試験について
STEMTRA 試験は、日米グローバルで行っているフェーズ2臨床試験で、外傷性脳損傷により慢性期の運動機
能障害を負っている患者様を対象に、期間 12 か月で行われているランダム化二重盲検比較試験です。本試験
では、SB623 は脳内の受傷箇所周辺に直接投与されます。
本試験においては、TBI 受傷後 12 か月を経過し、Glasgow Outcome Scale extended (GOS-E)が 3~6 の中程
度または重度の 18 歳~75 歳の患者様を対象とし、治験期間中に実施されるすべての検査・診断受けることと、
治験参加前 3 か月間にてんかん発作を起こしていないことを条件としました。主要評価項目は、6 か月時点の
FMMS のベースラインからの改善量であり、米国、日本及びウクライナの 13 の投与施設、18 の評価施設で 61
名の被験者を対象に行ないました。

サンバイオ株式会社及び SanBio, Inc.について
当社グループは、東京に本社、カリフォルニア州マウンテンビューに支社を置く再生細胞薬の研究、開発、製造
及び販売を手掛ける再生細胞事業を展開しています。当社独自の再生細胞薬である SB623 は、慢性期脳梗
塞を対象にフェーズ 2b 試験、慢性期外傷性脳損傷を対象にフェーズ2試験を実施中です。当社グループの詳
細は、http://www.sanbio.jp にてご覧いただけます。


本件に関するお問い合わせ先
 サンバイオ株式会社
 経営管理部
 メール:info@sanbio.jp