4592 M-サンバイオ 2021-03-18 15:00:00
2021年1月期決算説明会資料 [pdf]
2021年1月期
決算説明会資料
2021年3月18日
サンバイオ株式会社
(東証マザーズ:4592)
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はじめに
当社は創業20周年を迎えました。
現在最優先で進めている日本での再生細胞薬SB623による外傷性脳損傷治療を実現させ、
さらに多くの疾患を対象とした開発にも取り組み、SB623を多くの国々で普及させること、
さらには創業以来のミッションである新たな治療カテゴリーを創り上げるため、
SB623をはじめ、有効な治療法のない分野における革新的な新薬の実現を目指し、
鋭意努力してまいります。
本日の内容
1 決算報告
2 SB623臨床データ
3 SB623国内承認とその後の展開について
4 今後について
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1.決算報告
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連結損益計算書
概ね昨年度と同程度の事業費用を計上する一方、保有有価証券の売却により当期純損失は縮小
2020年1月期 2021年1月期 2021年1月期
(B)-(A)
実績(A) 実績(B) 当初予想
単位:百万円
事業収益 447 - ▲447 -
研究開発費 4,327 4,071 ▲256 3,757
事業費用 5,933 5,801 ▲131 5,453
営業利益 ▲5,486 ▲5,801 ▲316 ▲5,453
当期純利益 ▲5,157 ▲3,385 1,771 ▲5,544
$USレート(円) 109.08 106.34 - 110.00
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連結賃借対照表
保有有価証券の売却により、昨年度と同程度の現金及び預金残高を維持
2020年1月期末 2021年1月期末
(B)-(A) 差異の要因
単位:百万円 (A) (B)
現金及び預金 13,646 12,480 ▲1,165
貯蔵品 469 444 ▲25
流動資産 14,626 13,131 ▲1,494
固定資産 979 211 ▲767
資産合計 15,605 13,343 ▲2,261
短期借入金、
流動負債 1,175 2,469 +1,294 1年内返済予定長期
借入金の増加
固定負債 3,500 2,525 ▲975 長期借入金の減少
負債合計 4,675 4,994 +319
純資産合計 10,930 8,349 ▲2,580
負債純資産合計 15,605 13,343 ▲2,261
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連結業績予想
当期と同程度の事業費用を見込み、SB623国内製造販売承認と上市に向けた準備を進める
2021年1月期 2022年1月期
実績 業績予想
単位:百万円
事業収益 - -
研究開発費 4,067 3,820
事業費用 5,801 5,786
営業利益 ▲5,801 ▲5,786
当期純利益 ▲3,386 ▲5,877
$USレート(円) 106.34 110.00
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2.SB623臨床データ
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STEMTRA試験結果のNeurology ®掲載(2021年1月5日付 プレスリリース)
主要評価項目:SB623投与群と偽手術群において、6カ月後のFugl-Meyer Motor Scale (FMMS)
のベースラインからの変化量に統計学的な有意差
副次評価項目&安全性評価
6カ月後のDRS (Disability Rating Scale)やAction Research Arm Test (ARAT), GV (Gait Velocity),
Global Rating of Perceived Change (GRPC)において、ベースラインからの改善傾向が認められた。
SB623投与群と偽手術群において有害事象に差は認められなかった。
SB623治療の忍容性は高く、有害事象のために離脱した患者はいなかった。
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STEMTRA試験概要
【目的】
運動機能障害を有する慢性期外傷性脳損傷患者に対するSB623の有効性と安全性を評価
【対象】
運動機能障害を有する慢性期の外傷性脳損傷患者
【主な適格基準】 【試験方法】
⚫ 18-75歳の男女 2.5×106、5.0×106、10.0×106個のSB623投与群及び偽手術群を
⚫ TBI*後12カ月~ 設定し、1:1:1:1で対象を無作為割付けし12カ月間観察。
⚫ MRIで確認可能な局所性脳損傷あり 手術を受けた61名の患者を対象にMRI検査および運動機能テストを
⚫ GOS-E Score:3-6 行い、術後6カ月後の中間解析を実施。
*TBI(Traumatic brain Injury):外傷性脳損傷
15名
無作為化 15名
各群1:1:1:1
31施設 15名
16名
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STEMTRA試験結果
主要評価項目(FMMS*スコアの変化)を達成
主要評価項目であるベースラインからの6カ月時 SB623 Pooled
のFMMS*スコアの変化は、偽手術群に対して
11.0
Control
10.0
SB623治療群で有意に高かった。 9.0
8.0
Change from Baseline SEM
最小二乗平均(標準誤差): 7.0
8.3 (1.4) vs. 2.3 (2.5), p=0.04
6.0
5.0
p=.04
4.0
ベースラインから1、3カ月時のFMMS*スコアの
3.0
2.0
変化(算術平均)は、偽手術群と比べて 1.0
SB623治療群で高く推移した。 0.0
-1.0
0 1 2 3 4 5 6
Post Treatment (Months)
*FMMS: Fugl-Meyer Motor Scale
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Neurology®掲載の反響
STEMTRA論文は、脳神経領域の世界的権威であるMasha Savelieff博士、Eva Feldman医師により
Neurology ® Editorialでも取り上げられ、その他複数の媒体で紹介
Cell Therapy for Chronic TBI Shows Promise | Physician's Weekly (以下、記事より抜粋)
NeurologyのEditorialにおいて,ミシガン大学アナーバー校のSavelieff博士とFeldman医師は次のように述べています。
「STEMTRA試験においては、脳損傷部位へ幹細胞がtargeted deliveryされました。この投与方法は、
髄腔内投与によるnon-targeted deliveryで行われたALSを対象とした第III相臨床試験の失敗により、これまで以上に
支持されています」
他家骨髄由来MSC細胞移植の潜在的な利点として、免疫抑制剤の併用が不要なこと、倫理的な懸念なしに入手可能なこと、
がん化リスクが低いことを指摘しています。
「したがって、TBIに有効な治療法が存在しない今、この肯定的な結果が研究の最終終了時にも維持されれば、
このSTEMTRA第II相試験は、今後の第III相試験の実施を支持する結果でしょう」と彼らは述べています。
Stromal/stem cell implant improves motor function in patients with history of TBI (healio.com)
Stem cell implants show promise in chronic traumatic brain injury | Nature Reviews Neurology
Stromal/stem cell implant improves motor function in patients with history of TBI – Brain Health Education and Research Institute
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日本脳神経外傷学会においても発表(2021年3月1日付 プレスリリース)
「有効な治療法が無かった外傷性脳損傷による運動機能障害に対して、コントロール群を設定し二重盲検にて
間葉系間質細胞の脳内投与の有効性を証明した報告はこれが初めてである」(川堀先生コメントより)
2月26日-27日 第44回日本脳神経外傷学会@香川
• 発表日 :2021年2月26日(金)/ セッション :シンポジウム 3 脳保護・再生医療
• 基調講演: 慢性期頭部外傷患者に対する間葉系幹細胞(SB623)脳内投与の治験成績(STEMTRA研究)
北海道大学病院脳神経外科・神経細胞治療研究部門 川堀真人先生
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3.SB623国内承認とその後の展開について
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国内承認申請に向けて
先駆け審査指定制度の枠組みにおいて当局と協議中
先駆け 承認 薬価
対面助言・事前面談 先駆け総合評価相談 審査 承認 販売
指定 申請 収載
対面助言・事前面談 承認
・当社からの申込に応じて、当局が指導・助言を行う ・条件及び期限付き承認制度※を活用し、早期上市を
目指す
先駆け総合評価相談 薬価収載
・類似薬効比較方式または原価計算方式で算定される
・当局が、承認申請後の審査期間を6ヶ月間で対応 が、現時点でどちらの方式になるかは未定
可能と見込んだ時点で、承認申請の許可がされる
販売
・薬価収載後、速やかな販売を行うために準備中
※平成26年11月25日に施行された医薬品医療機器等法により、早期承認(条件及び期限付承認)制度が導入。均質でない再生医療等製品について、
安全性を確認でき有効性が推定されれば、条件及び期限を付した製造販売の承認を取得できる制度(医薬品医療機器等法第23条の26より)。
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SB623製造販売承認後を見据えて
国内販売体制準備状況
今後、承認要件(市販後調査、適正使用推進など)が決定次第、販売体制や詳細を詰めていく作業になる。
現在、パートナー企業や自治体と連携し、TBI患者さんに早期に貢献できる準備を進めている。
現状
薬価 適正薬価の算出を目指した提出資料の準備
診療報酬 脳神経外科学会 保険委員会への対応
販売体制 治療実態の明確化、治療フェーズ毎の医師、患者の考え方に基づく戦略立案
の構築 術前・術後の患者フォローを軸とした、地域ごとの活動の戦略策定
流通体制 スズケンとのR-SATシステムの実装準備
の構築 各地域における流通スキーム確立へ向けた活動
情報提供 製品戦略に基づいた情報提供資材、動画コンテンツの準備
資材の作成 製品用Websiteコンテンツの準備
適正使用のために必要なサイエンスインサイトの収集
適正使用
推進体制の ICTを活用した適格性判定システムの構築準備
構築
市販後適性使用に必要なe-ラーニングコンテンツの準備
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慢性期外傷性脳損傷治療の現状(日本)
① 慢性期では有効な治療法が存在せず、多くの患者さんが病院を受診しなくなる。(約40%は病院を受診してないと想定*1)
② 各診療科の全ての医師が、慢性期の頭部外傷患者を診療しているとは限らない。
③ 患者さんを診ている医師と、細胞移植する医師が異なる。
重傷患者療養施設
病院を受診していない
セグメント
30,000人
(40%)
病院を受診している
セグメント
*1: SanBio 頭部外傷定量調査(2020年10月実施)
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アジア展開について
2021年2月1日、アジアにおける初の子会社SANBIO ASIA PTE. LTD.をシンガポールに設立
【シンガポール法人設立の目的】
✓ 製造や流通、アジア展開に向けた適切な人材配置により、サンバイオのグローバル体制を整える
✓ SB623国内承認後に、同法人がハブとなりアジア地域への販路拡大を目指す
<会社概要>
◆ Entity Name: SANBIO ASIA PTE. LTD.
◆ UEN: 202104096W
◆ Transaction Name: Incorporation of Local Company
◆ Transaction No.: C210074644
台湾、韓国、中国への展開を見据え市場調査を開始
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再生医療✕アジア諸国*1について
各国の再生医療に対する関連法案を確認しながら、適切なタイミングでの市場導入を検討していく
中国 韓国 台湾
外傷性脳損傷:400万人 外傷性脳損傷:16万人 外傷性脳損傷:7万人
年間発生数*2 脳梗塞:330万人 脳梗塞:8.6万人 脳梗塞:3.6万人
脳出血:140万人 脳出血:5.1万人 脳出血:1.6万人
既承認 0製品 16製品(自家13、他家3) 0製品
再生医療品
再生医療に特有の法案はなし Advanced Biotechnology Act Cell and Gene Therapy Medicinal
関連法案 *ただし、優先承認審査制度利用可能 (2020年9月) Product Management Act(TBD)
海南省先行区条例を利用することで、 国内外の企業が、細胞・再生治療剤 再生医療の法案が可決されれば、
最先端の医療技術の研究プロジェクト への進出が予想され、今後の市場拡 日本と同様にPhase2試験の結果を
その他 を展開し、輸入医薬品の承認時間を 大が見込まれる。 活用し条件付き承認を取得できる
短縮することが見込める。 可能性がある。
*1...IQVIA調査(2020年4月実施)
*2... World Population Prospects / The Lancet Neurology; Global, regional, and national burden of traumatic brain injury and spinal cord injury / GHDx Healthdata
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4.今後について
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パイプライン:アンメットニーズの高い疾患領域への挑戦
フェーズ 3
細胞薬 適応症 研究 非臨床 フェーズ 1 フェーズ 2 薬事申請
(Pivotal)
日本
外傷性脳損傷
SB623 米国
慢性脳損傷
脳梗塞 フェーズ2b または 3 試験計画中 (日本)*1
脳出血 フェーズ2b または 3 試験計画中 (日本)*1
SB623 加齢黄斑変性(ドライ型)*2 Ocumensionと中華圏における業務提携
網膜疾患 網膜色素変性*2 Ocumensionと中華圏における業務提携
その他の非臨床プログラム
パーキンソン病
SB623 脊髄損傷
アルツハイマー病
SB618 末梢神経障害 等
SB308 筋ジストロフィー
MSC1 がん疾患
炎症性疾患
MSC2
視神経炎*² Ocumensionと中華圏における業務提携
*1:これまでの慢性期脳梗塞及び慢性期外傷性脳損傷の臨床試験で安全性が確認できているため、フェーズ2b臨床試験以降から開始。
*2: Ocumension (香港) との共同開発
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SB623 今後の開発について
国内慢性期外傷性脳損傷(TBI)プログラムを最優先。その後、脳梗塞と脳出血の国内臨床試験へ
最優先
慢性期外傷性脳損傷 臨床試験の開始時期
(TBI)
申請準備中 について検討(※)
臨床試験開始に向け
脳梗塞 臨床試験を計画 (※)
PMDAと協議予定
臨床試験開始に向け
脳出血 臨床試験を計画 (※)
PMDAと協議予定
※ 自社開発又はパートナーリング等のオプションを検討。
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変革期に挑むサンバイオ:グローバルリーダーになるために
各分野において実績と知見を持つリーダーの下、会社の成長に伴い必要となる機能をカバーした執行体制
業務執行取締役
代表取締役会長 代表取締役社長 取締役副社長兼COO
川西 徹 SanBio, Inc. Chairman SanBio, Inc. CEO
森 敬太 辻村 明広
執行役員
CTOO CMO 事業部長
経営管理部長
(Chief Technical Operations Officer) (Chief Medical Officer) (日本・アジア)
Chris Horan Bijan Nejadnik 角谷 芳広
山本 寛
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変革期に挑むサンバイオ:シニアリーダー層の充実
経営メンバーを支え、実務を牽引する経験豊富なシニアリーダーを積極的に採用し、組織基盤を強化
取締役副社長兼COO CTOO
SanBio, Inc. CEO (Chief Technical Operations Officer)
辻村 明広 Chris Horan
信頼性・薬事部長(統括製造販売責任者)
澤口 和美
国内の薬事責任者として、日本における薬事戦略構
築、治験相談や申請に係る当局対応の中心的役割
を担う。2021年2月、薬事部に品質保証部および信
頼性保証部を組織統合して責任者に就任、日本で
の製品上市を薬事と品質面から強力に推進する。
CMO
(Chief Medical Officer) Head of Quality 生産部長 Head of Global
Bijan Nejadnik Lesa Valentine 津村 治彦 Supply Chain
開発部長
Julia Cher
成田 裕保
信頼性保証部門の 日本における グローバルサプライ
国内の中枢神経領域 、幹細胞、再生医療コミュニ
ティの主要なオピニオンリーダーと連携し、日本の臨床 グローバル責任者 生産部門責任者 チェーンの責任者
開発業務全般の指揮を執る。CMOと共に、各プログラ
ムの臨床開発戦略やサンバイオグループ全体の長期
戦略の立案において重要な役割を担う。
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日本発、再生医療分野のグローバルリーダーへ
患者さんに一日も早く薬を届けることで企業価値の最大化を目指す
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創業20周年を迎えて
本年2021年2月21日に当社創業20年を迎えました。
当社においては、外傷性脳損傷や慢性期脳梗塞などの未だ有効な治療法のない
脳神経疾患に対して再生細胞薬の実現を目指し取り組んでおりますが、
現時点で承認取得・上市までこぎつけることができておらず、決意を新たに推し進める所存です。
現在最優先で進めている日本での再生細胞薬SB623による外傷性脳損傷治療を実現させ、さらに多くの疾
患を対象とした開発にも取り組み、SB623を多くの国々で普及させること、さらには創業以来のミッションである
新たな治療カテゴリーを創り上げるため、SB623をはじめ、有効な治療法のない分野における革新的な新薬の
実現を目指し、鋭意努力してまいります。
最後に、まだ道のりの途中ではありますが、創業以来多くの皆様のご支援・ご協力をいただき、ここまで来ることが
できました。今後も患者さんに一日も早く薬をお届けしたいという想いのもと事業を進めることで、社会の発展に
努め、ひいては企業価値向上を図ってまいりますので、引き続きご支援・ご鞭撻いただけますと幸いです。
サンバイオ代表取締役社長 森 敬太
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免責事項
本開示資料は、投資者に対する情報提供を目的として、経営情報や財務情報等の情報および将来の事
業計画等を記載したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。実際に投資を行なう際は、お
客様自身のご判断で行なうようお願いいたします。
本資料に掲載されている当社の計画、戦略、判断などのうち、過去の歴史的事実以外のものは当社の将
来の見通しに関する現時点での見解であり、当社が現在入手可能な情報・仮定および判断に基づいて作
成されており、様々なリスクや不確実性を含んでいます。 従って、将来、実際に公表される業績等は、将来
の事業環境の変化等を含む様々な要素によって変動する可能性があります。
本資料に掲載された情報につきましては、予告なく変更される可能性があります。本資料に基づいて被った
いかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切責任を負いかねます。
サンバイオ株式会社
経営管理部
Email: info@sanbio.jp
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