4591 M-リボミック 2019-06-17 08:30:00
滲出型加齢黄斑変性を適応症とするRBM-007の治験(SUSHI試験)におけるポジティブなトップラインデータについてのお知らせ [pdf]

                                                    2019年6月17日
各 位
                          会社名  株 式 会 社 リ ボ ミ ッ ク
                          代表者名 代 表 取 締 役 社 長 中村義一
                              (コード番号:4591 東証マザーズ)
                          問合せ先 執 行 役 員 経 営 企 画 部 長 長 林 渉 司
                                                   米
                                           TEL. 03-3440-3745


   滲出型加齢黄斑変性を適応症とする RBM-007 の治験(SUSHI 試験)における
         ポジティブなトップラインデータについてのお知らせ

株式会社リボミックは、滲出型加齢黄斑変性(wetAMD)を適応症とした RBM-007(抗 FGF2 ア
プタマー)の第 1/2a 相試験(SUSHI 試験)において、ポジティブなトップラインデータ(速
報)が得られたことをお知らせいたします。本 SUSHI 試験は、9 名の wetAMD の患者さんを
被験者として、低用量群(第 1 コホート)から中用量群(第 2 コホート)さらに高用量群(第 3
コホート)へと漸増し、各被験者に RBM-007 を単回投与したものです。本 SUSHI 試験におい
て、主要評価項目である安全性及び忍容性が確認され、さらに RBM-007 の有効性を支持する
傾向が確認されました。

本 SUSHI 試験に参加した被験者は、wetAMD に罹患し、既存薬である抗 VEGF 薬の硝子体内
投与がほとんど効かない患者さんです。本 SUSHI 試験において、最終コホートの最後の患者さ
んの投与後 56 日目の最終来院日が到来しておりませんが、これを除いた全てのケースで、投与
後 56 日目に至るまで、投与量の制限につながる毒性、全身性の有害事象、眼での重篤な有害事
象のいずれも認められませんでした。高用量群の第 3 コホートの一例において、前眼部に炎症
が生じましたが、   ステロイド(プレドニゾロン)  の点眼により、一日で治癒いたしました。  なお、
本 SUSHI 試験においては、被験者が一定の要件を満たした場合、抗 VEGF 薬によるレスキュ
ー治療を認めていました。

主要評価項目を判定する投与後 28 日目時点において、RBM-007 の副次評価項目である薬理効
果が認められました。9 名の被験者のうち 7 名が RBM-007 に対して治療効果を示しました(最
高矯正視力(BCVA)が 1 文字以上改善した場合、または光干渉断層撮影(OCT)で測定した中
心網膜厚(Central Retinal Thickness)が 50 マイクロメートル(µm)以上減少した場合を、
治療効果を示したと定義)      。投与後 28 日目での視力改善は、第 1 コホートで 2 名、第 2 コホー
トで 2 名、 3 コホートで 1 名に認められました。
       第                             同時点での OCT 画像の改善、すなわち 50 µm
以上の中心網膜厚の減少は、 2 コホートで 1 名、 3 コホートで 3 名全員に認められました。
                     第               第
全体として、RBM-007 の眼への単回の硝子体内投与は、既存薬である抗 VEGF 薬がほとんど
奏功しなかった被験者において、高い忍容性が認められ、大半の被験者において、薬理効果を示
しました。

SUSHI 試験のデータ解析作業は継続しており、医学系の学会で今後発表される予定です。本試
験に続く、第 2 相試験(複数回投与試験)は計画の策定中であり、患者登録は 2019 年度第 3 四
半期から開始される予定です。

なお、本件による当事業年度の業績に対する影響はありません。

RBM-007 と開発背景について
RBM-007 は、新規の核酸アプタマーで、強い FGF2(線維芽細胞増殖因子 2)阻害活性を持ち
ます。現在、抗 VEGF 薬の硝子体内注射が wetAMD の治療法として承認されており、本既存薬
は、wetAMD 患者において素晴らしい視力回復効果を実証しています。しかし、wetAMD 患者
の中には、一定の割合でこの既存薬が奏功しない患者がおり、さらに治療が長期に及ぶと、視力
を失うケースがあり、この原因の一つが黄斑下の線維化です。リボミックは、複数の疾患で血管
新生および線維化に関与している FGF2 をターゲットとして、wetAMD の新薬を研究し、強力

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な FGF2 阻害活性を有する核酸アプタマーである RBM-007 を創製しました。RBM-007 は化
学合成が可能で、さらにウサギの硝子体内投与による硝子体内薬物動態試験では、既存の抗
VEGF 薬に勝る、長期間の優れた硝子体内滞留性を示しています。血管新生抑制および線維化
抑制という、RBM-007 が有するいわば二重の作用は、既存治療薬とのコンビネーションもしく
は既存薬に代替する形で、wetAMD の新規治療法を提供する可能性があります。

SUSHI 試験について
SUSHI 試験(The Phase 1/2a Safety and ocUlar tolerability of a Single intravitreal (IVT)
injection of RBM-007 in subjects witH exudatIve age-related macular degeneration study)
は、オープンラベル(非盲検)で、過去に 3 回以上の抗 VEGF 薬の投与を受けたものの病気が
治癒しなかった 9 人の wetAMD 患者さんを被験者として、用量別に 3 群、すなわち 0.2 mg(第
1 コホート)      、1.0 mg(第 2 コホート)       、2.0 mg(第 3 コホート)を設定し、低用量群から、各
コホート 3 名ずつ、各被験者の被験眼に RBM-007 を単回投与しました。主要評価項目の判定
は投与後 28 日目に行われ、観察は 56 日目まで継続しました。検査項目には、ETDRS 最高矯正
視力(BCVA)      、眼科検査一式、蛍光眼底造影検査、光干渉断層撮影(OCT)                           、OCT 血管撮影、
そして血漿内の RBM-007 レベル測定(PK/PD)が含まれました。SUSHI 試験は RBM-007 の
最初の臨床試験であり、臨床段階にあるその他の FGF2 阻害剤は現在報告されておりません。
本治験の概要は、ClinicalTrials.gov(臨床試験に関する情報を提供する米国の公式サイト)を
ご参照ください。
URL:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03633084

滲出型加齢黄斑変性症(wetAMD)について
wetAMD は欧米における失明の主な原因となっています。この疾患は、網膜の後ろ側で、異常
な漏出性の新生血管が形成される(脈絡膜血管新生)ことで引き起こされます。これらの血管か
ら体液が漏出すると、網膜が肥厚し、線維性の瘢痕形成を含む網膜の変性が生じ、重度かつ急速
な視力低下がもたらされます。網膜の肥厚は、wetAMD の患者における視力低下の唯一の原因
ではありませんが、主な原因であると考えられています。そのため wetAMD 治療では、網膜の
肥厚の減少(改善)は、治療効果の測定指標として広く用いられております。

リボミックについて
創薬バイオベンチャーである株式会社リボミックは、          次世代医薬品として注目される核酸医薬の
一種であるアプタ マー医薬の開発を行って います 。当社の創薬プラ ットフォームである
RiboART システムは、       様々なアプタマー医薬の創出に応用できます。リボミックは、眼科疾患、
疼痛を含む、幅広い Unmet Medical Needs(未だに満足すべき治療法のない疾患領域の医療ニ
ーズ)に対して新規医薬品を提供すべく、研究開発に邁進しております。
当社ホームページもぜひご参照ください。
https://www.ribomic.com/

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