4591 M-リボミック 2019-05-14 15:00:00
2019年3月期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]
2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
2019年5月14日
上場会社名 株式会社リボミック 上場取引所 東
コード番号 4591 URL https://www.ribomic.com/
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名)中村 義一
問合せ先責任者 (役職名) 取締役執行役員管理本部長 (氏名)宮崎 正是 TEL 03(3440)3745
定時株主総会開催予定日 2019年6月27日 配当支払開始予定日 ―
有価証券報告書提出予定日 2019年6月28日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無 :有 (機関投資家・証券アナリスト向け)
(百万円未満切捨て)
1.2019年3月期の業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)経営成績 (%表示は対前期増減率)
事業収益 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2019年3月期 7 △87.7 △928 - △835 - △836 -
2018年3月期 64 △31.0 △899 - △751 - △753 -
1株当たり 潜在株式調整後 自己資本 総資産 売上高
当期純利益 1株当たり当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2019年3月期 △58.22 - △45.1 △34.1 △11,681.8
2018年3月期 △55.61 - △32.3 △31.2 △1,390.3
(参考)持分法投資損益 2019年3月期 -百万円 2018年3月期 -百万円
(注)潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの1株当たり当期純損失であるため記
載しておりません。
(2)財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2019年3月期 2,569 1,483 57.7 102.95
2018年3月期 2,326 2,227 95.6 156.54
(参考)自己資本 2019年3月期 1,481百万円 2018年3月期 2,224百万円
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2019年3月期 △830 △418 1,080 1,012
2018年3月期 △694 958 534 1,179
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 純資産
(合計)
配当性向
配当率
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2018年3月期 - 0.00 - 0.00 0.00 - - -
2019年3月期 - 0.00 - 0.00 0.00 - - -
2020年3月期
(予想)
- 0.00 - 0.00 0.00 -
3.2020年3月期の業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)
(%表示は対前期増減率)
1株当たり
事業収益 営業利益 経常利益 当期純利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 116 - △1,055 - △987 - △988 - △68.69
(注)当社は年次で業績を管理しているため、通期業績予想のみ開示しております。
※ 注記事項
(1)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更:無
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
④ 修正再表示 :無
(2)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2019年3月期 14,389,900株 2018年3月期 14,213,100株
② 期末自己株式数 2019年3月期 -株 2018年3月期 -株
③ 期中平均株式数 2019年3月期 14,370,457株 2018年3月期 13,542,236株
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
1.本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績
等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっ
ての注意事項等については、決算短信(添付資料)5ページ「1.経営成績等の概況(4)次期の見通し」をご覧
ください。
2.決算補足説明資料は、TDnetで本日開示し、開示後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です。
3.機関投資家、証券アナリスト向けの決算説明会を2019年5月16日に開催する予定です。
4.「2019年3月期 第1四半期決算短信」より日付の表示方法を和暦表示から西暦表示に変更しております。
株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………………………… 4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………………………… 4
(4)次期の見通し ……………………………………………………………………………………………………… 5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………………………… 6
3.財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………………………… 7
(1)貸借対照表 ………………………………………………………………………………………………………… 7
(2)損益計算書 ………………………………………………………………………………………………………… 9
(3)株主資本等変動計算書 …………………………………………………………………………………………… 10
(4)キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………………………………… 11
(5)財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………………………………… 12
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………… 12
(キャッシュ・フロー計算書関係) ……………………………………………………………………………… 12
(持分法損益等) …………………………………………………………………………………………………… 12
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………… 12
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………… 12
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………… 12
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当社は、抗体に継ぐ次世代新薬として期待されているアプタマー(核酸医薬の一種)に特化して医薬品の研究開
発を行うバイオベンチャーです。当社は、アプタマー創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からな
る創薬プラットフォームである当社独自の「RiboARTシステム」を活用して、革新的なアプタマー医薬の研究開発
(「アプタマー創薬」)を行っております。
当社の当事業年度における最重点経営目標は、「自社での臨床Proof of Concept※1の獲得に向けた開発」であ
り、その実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
その具体的な進捗を以下に要約いたします。
※1 臨床Proof of Concept(臨床POC):新薬の開発段階において、投与薬剤がヒトでの臨床試験において意図し
た薬効と安全性を有することが示されること。
「RBM-007」の開発について
① 「RBM-007」(抗FGF2アプタマー)による臨床開発の狙い
当社では、自社で創製したRBM-007(FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマー)を、自社での臨床開発のテ
ーマに選び、開発を進めております。
線維芽細胞増殖因子2(Fibroblast Growth Factor 2、FGF2)は、40数年前に発見されたタンパク質で、血管新
生促進等の様々な生理作用を持つことが報告されております。しかしながら、長年に渡りFGF2は創薬標的の候補で
あったにもかかわらず、抗体を含め優れた阻害剤の開発がほぼない状態でした。そうした中、当社は、独自のアプ
タマー創薬技術により、過年度においてFGF2に結合しその作用を特異的に阻害するアプタマーRBM-007の創製に成
功いたしました。
開発の対象疾患としては、上述のようなFGF2の生理作用に鑑みて加齢黄斑変性症と軟骨無形成症を選択いたしま
した。
加齢黄斑変性症は、加齢に伴い網膜の黄斑部に障害がおこる疾患で、無治療の状態だとやがて失明に至ります。
欧米では失明原因の第一位となっています。疾患の要因の一つは異常な血管新生とされており、10年ほど前に治療
薬として血管新生を阻害する医薬品(VEGF阻害剤)が開発され、臨床医からは夢のような薬と評価されました(既
存薬の全世界市場規模は約1兆円)。しかし、その後の経過観察によって、臨床上の問題点が明らかになってきま
した。その一つは、相当数の患者に対して、既存薬の有効性が乏しいことです。また、有効とみられた患者も2~3
年程度経過すると薬効が低下し、再び失明のリスクにさらされます※2。これらの要因として、病変による網膜組
織の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられていますが、既存薬には瘢痕化を抑制する作用はありません。こ
れに対してRBM-007は血管新生のみならず瘢痕形成を抑制する作用を持つことが、疾患モデル動物での薬理試験か
ら明らかになりました(非臨床POC獲得※3)。RBM-007のような二つの異なる作用を持ち合わせる医薬品は既存薬
(VEGF阻害剤)にはなく、既存の医薬品では奏功しない患者に対して新規の治療法を提供できる可能性がありま
す。
一方、軟骨無形成症は四肢短縮による低身長を主な症状とする希少疾患で、治療薬はなく、厚生労働省から難病
指定を受けています。軟骨無形成症患者においては、FGF2が骨伸長を抑制する要因の一つとして作用しています
が、RBM-007は疾患モデルマウスを利用した実験では、体長の短縮を約50%回復する効果を確認しました。さら
に、軟骨細胞への分化誘導が欠損していることが知られている軟骨無形成症患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細
胞)は、RBM-007存在下で、その分化誘導が回復することも確認しました(非臨床POC獲得)。現在、本邦では治療
に成長ホルモンが使用されていますが、効果は十分とは言えず、骨延長術(足の骨を切断して引き離した状態で固
定し、骨の形成を促す)といった非常に厳しい治療が幼い子供に施されることもあり、新薬が待ち望まれていま
す。
なお、現在、いかなる疾患に対しても臨床ステージにあるFGF2阻害剤の報告はありません。自社での臨床開発の
実施により臨床POCが獲得されれば、新規治療法の確立に至る第一歩になるとともに、新薬候補品としてのRBM-007
の価値が高まり、ライセンス収益の拡大及び将来に向けた発展に寄与するものと考えております。
※2 Rofagha S, Bhisitkul RB, Boyer DS, Sadda SR, Zhang K. Seven-year outcomes in ranibizumab-
treated patients in ANCHOR, MARINA, and HORIZON: a multicenter cohort study (SEVEN-UP).
Ophthalmology 2013;120(11):2292-99.
※3 非臨床Proof of Concept(非臨床POC):ヒトでの臨床試験に入る前に、病態モデル動物での薬効確認試験に
おいて、投与薬剤が意図した薬効を有することが示されること。
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
② 開発スケジュール
(イ)加齢黄斑変性症
加齢黄斑変性症を対象にした臨床試験として、最初にRBM-007の安全性・忍容性を調べることを主な目的とし
た、PI/IIa試験(ニックネームはSUSHI STUDY)を米国において実施中です。
本PI/IIa試験は、オープンラベル(非盲検)、非無作為化(ランダム化しない)、非対照(対照薬を置かない)
の試験で、9人の被験者に対して、RBM-007を単回投与(硝子体内注射)いたします。3用量(3コホート)を設
定し、もっとも少ない用量から1人ずつ投与し、安全性、忍容性等を確認するもので、スタンフォード大学を中心
とした米国西海岸の複数の治験施設において試験を進めております。
2018年10月から12月にかけて低用量群(第1コホート)の3例、2019年1月から2月にかけて中用量群(第2コ
ホート)の3例の投与が実施されました。第1コホートについては2019年1月、第2コホートについては2019年3
月に社外の安全性評価チームが被験者全員の投与後の経過データを評価し、いずれの患者においても安全性につい
て問題となる事象は認められないとの結果を得ています。これを受けて、2019年3月に高用量群(第3コホート)
の最初の患者への投与を行い、安全性評価チームの審査を経て、5月までに3例への投与が完了いたしました。
今後、SUSHI Studyの全試験結果を検証した上で、2019年6月に試験結果を公表する予定です。その結果にもと
づいて、次のPhase II試験の準備を行い、2020年3月期第3四半期においてPhase II試験を開始したいと考えてお
ります。また、これと並行して、国内外の製薬企業との提携協議を進めてまいります。
今後もRIBOMIC USA Inc.との緊密な連携の下、関連法令、ガイドライン等を遵守しつつ、この臨床試験を迅速・
適切に推進してまいります。
(ロ)軟骨無形成症
2021年3月期中における独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届出を目標として開発を
進めております。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助を受け、GLP適合非臨床安全性・毒性試
験および治験薬製造が完了いたしました。本プロジェクトは2018年度からの3年間を対象に、AMEDの難治性疾患実
用化研究事業に採択されており、本支援の下、治験開始に向けた準備を着実に進めてまいります。
③ 推進体制
当社では、事業開発部と臨床開発部を中心に外部機関の協力も得て、治験実施体制の構築を進めております。米
国での臨床開発を推進する拠点としては、当社完全子会社であるRIBOMIC USA Inc.を2017年8月にカリフォルニア
州に設立し、新薬開発経験が豊富なYusuf Ali氏(Ph.D.)がCEOとして陣頭指揮を執っております。2019年5月に
は、当社の取締役執行役員1名が、RIBOMIC USA管掌として着任いたしました。また、数多くの加齢黄斑変性症の
臨床開発に携わってきたカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)メディカルセンター眼科の医師である
Robert B. Bhisitkul教授を含めた3名の眼科専門医による科学諮問委員会が設置されております。同委員会にお
いては継続的に臨床試験計画の審議、治験データの評価等が行われます。また、2019年1月にワシントン大学医学
部セントルイス校の眼科学・視覚科学の医師であるRajendra S Apte教授とコンサルティング契約を締結し、科学
顧問として、その専門的知見を活かした助言を行っていただいております。
さらに、軟骨無形成症治療薬開発については、大阪大学医学部附属病院小児科の臨床医で、小児における骨系統
疾患の専門医である大薗恵一教授と医学専門家の委嘱に関する契約を締結し、各種助言等を行っていただいており
ます。
今後もRBM-007の開発推進に向け、体制の整備を図ってまいります。
④ 開発コスト
過年度に発行した第12回新株予約権の行使が2018年5月25日に完了し、600百万円を調達いたしました。さらに
追加の開発資金として、2018年6月13日に株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・ヘル
スケア日本2.0投資事業有限責任組合及びTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当の方
法による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債、及び第14回新株予約権を発行いたしました。現在、第1回無
担保転換社債型新株予約権付社債で1,000百万円の調達を完了するとともに、今後の第14回新株予約権の行使によ
り1,001百万円の調達を予定しております。
その他のプロジェクト
① ライセンス・アウト契約ならびに共同研究契約
当事業年度において当社は、米国プリツカー精神神経疾患研究コンソーシアムのメンバーの一員であるミシガン
大学と、当社が創製したアプタマーの精神疾患に対する効果を検証することを目的に、共同研究試料提供契約
(MTA)を締結いたしました。また2019年1月に、三菱商事株式会社の子会社であるビタミンC60バイオリサーチ株式
会社との間で、化粧品原料候補の創製・開発に関する共同研究開発契約を締結いたしました。
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
② 共同研究成果の特許出願及び覚書締結
当社と大正製薬株式会社は、2014年3月1日付共同研究契約に基づき共同研究を実施してまいりました。本共同
研究の結果得られたアプタマーについて、変形性関節症の増悪因子の一つである ADAMTS5(a disintegrin and
metalloproteinase with thrombospondin motifs 5)の働きを抑制し、変形性関節症の新規治療薬候補となる可能
性が示されたことから、当該成果に関する PCT 出願を共同で完了いたしました。併せて両者は、2019年4月に共
同研究成果の今後の取り扱いについて覚書を締結いたしました。今後、大正製薬株式会社の協力を適宜受けなが
ら、当社が当該アプタマーの事業化を進める上で重要なグローバル展開を推進するためのパートナーを選定してい
く事といたしました。なお、本覚書の締結により、本共同研究契約は満了となりました。
③ 継続中の自社創薬プロジェクト
上記以外の自社創薬プロジェクトのうち、RBM-003(抗キマーゼアプタマー、心不全等)については、特に優れ
た薬効が動物試験で確認され、当事業年度において大阪医科大学との共同研究論文が国際学術誌(Molecular
Therapy Nucleic Acids)に掲載されました。当社は、RBM-003をADAMTS5同様にRBM-007に次ぐ重点開発プログラム
と位置づけて、今後開発パートナーとの提携等に向け、努力する方針です。また当社は、アプタマー医薬品の汎用
性をさらに活かすため、GPCR(Gタンパク質共役型7回膜貫通型受容体)を標的とするアプタマー創薬(AMED委託
事業)や、コンピュータ科学を応用した技術開発等を継続して進めており、これらはいずれも公的助成金に採択さ
れております。
これらの結果、当事業年度において事業収益を7百万円(前事業年度比87.7%減)、事業費用として研究開発費を
612百万円、販売費及び一般管理費を323百万円計上し、営業損失は928百万円(前事業年度は899百万円の営業損
失)となりました。
また、営業外収益として、AMEDの支援事業による助成金収入103百万円等を計上した一方で、営業外費用とし
て、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第14回新株予約権の発行諸費用等に係る株式交付費11百万円を
計上したこと等により、経常損失は835百万円(前事業年度は751百万円の経常損失)となりました。これにより当
期純損失は836百万円(前事業年度は753百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し
ております。
(2)当期の財政状態の概況
(資産の部)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて242百万円増加し、2,569百万円となりました。これ
は、有価証券が400百万円、RBM-007の開発に関連する外注費等に対する前渡金が37百万円増加した一方で、RBM-
007の開発を中心とした研究開発への投資を行ったことにより現金及び預金が166百万円減少したこと等によるも
のです。なお、当事業年度末において保有している有価証券は、保有する資金を、研究開発への充当時期まで、
適切な格付けを得た安全性の高い金融商品で運用することを目的としたものです。
(負債の部)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて986百万円増加し、1,086百万円となりました。これは、
今後の開発資金の調達のため第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行したことにより転換社債型新株予
約権付社債が1,000百万円増加した一方で、未払金が29百万円減少したこと等によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて744百万円減少し、1,483百万円となりました。これ
は、新株予約権の一部について権利が行使されたことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ46百万円増加し
た一方で、当期純損失836百万円を計上したことにより、利益剰余金が同額減少したこと等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末から37.9ポイント減少し、57.7%となっております。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比較し167百万円減
少し、1,012百万円となりました。
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は830百万円(前事業年度は694百万円の支出)となりました。主な資金増加要因
は、減価償却費27百万円によるものです。一方で主な資金減少要因は、未払金の減少による支出20百万円、RBM-
007の開発を中心とした研究開発への投資を行ったこと等に伴う税引前当期純損失835百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は418百万円(前事業年度は958百万円の収入)となりました。主な資金減少要因
は、定期預金の預入による支出803百万円、有価証券の購入による支出399百万円によるものです。一方で、主な
資金増加要因は、定期預金の払戻による収入803百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,080百万円(前事業年度は534百万円の収入)となりました。主な資金増加要
因は、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行による収入989百万円、第12回新株予約権の一部につい
て権利が行使されたこと等に伴う株式の発行による収入92百万円によるものです。
(4)次期の見通し
(事業収益)
当社は、アプタマー創薬技術のプラットフォームである「RiboART システム」をベースとして、新規のアプタ
マー医薬の開発に取り組んでおります。
当社の基本方針は、自社で創製した開発候補アプタマーを製薬企業にライセンス・アウトし、そのライセンス
収入を見込む「自社創薬」と、安定的な共同研究収入を一定期間期待できる製薬企業との「共同研究」の二つを
バランス良く組合せ、持続的な収益向上を図ることであります。
2020年3月期においては、既存の共同研究の推進とステージアップ、創薬品目のライセンス・アウト、及び新
規共同研究契約の締結により事業収益として116百万円を見込んでおります。
(事業費用)
事業費用は、研究開発費と販売費及び一般管理費とに分け、各費用における過去の実績金額を勘案しつつ、今
後の研究開発の拡大・進捗計画等に基づいて見積もっております。なお、2020年3月期においては、RBM-007の
加齢黄斑変性症の臨床POC獲得に向けた臨床開発費、その他のパイプラインにおける、早期の臨床段階へのステ
ージアップ、他社との提携等の成果に繋げるために必要な研究開発費用を見込んでおります。
(営業利益)
営業利益は、事業収益から事業費用を差し引き、△1,055百万円を見込んでおります。
(営業外収益・費用)
営業外収益は、主にAMEDの支援事業による助成金収入を見積もっており、営業外費用につきましては、特筆す
べき費用は見込んでおりません。
(経常利益)
経常利益は、営業利益から営業外収益・費用を加減算し、△987百万円を見込んでおります。
(当期純利益)
当期純利益は、経常利益から法人税、住民税及び事業税を差し引き、△988百万円を見込んでおります。
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、財表諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を確保するため、当面は、会計基準につきましては、日
本基準を適用する予定です。
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3.財務諸表及び主な注記
(1)貸借対照表
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 1,580,937 1,413,982
有価証券 599,987 999,994
貯蔵品 3,212 8,182
前渡金 10,872 48,179
前払費用 7,822 8,914
未収入金 757 185
未収消費税等 33,832 22,273
その他 2,697 301
流動資産合計 2,240,119 2,502,014
固定資産
有形固定資産
建物 22,555 22,555
減価償却累計額 △12,649 △13,619
建物(純額) 9,905 8,935
工具、器具及び備品 217,823 223,297
減価償却累計額 △181,878 △206,577
工具、器具及び備品(純額) 35,945 16,719
有形固定資産合計 45,850 25,654
無形固定資産
ソフトウエア 423 2,404
無形固定資産合計 423 2,404
投資その他の資産
関係会社株式 22,552 22,552
敷金 15,347 14,453
長期前払費用 2,627 1,956
投資その他の資産合計 40,526 38,962
固定資産合計 86,800 67,021
資産合計 2,326,919 2,569,036
負債の部
流動負債
未払金 65,267 35,471
未払費用 10,558 11,272
未払法人税等 17,332 18,455
前受金 - 6,750
預り金 6,589 7,567
その他 - 6,500
流動負債合計 99,748 86,016
固定負債
転換社債型新株予約権付社債 - 1,000,000
固定負債合計 - 1,000,000
負債合計 99,748 1,086,016
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株式会社リボミック(4591) 2019年3月期決算短信
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2018年3月31日) (2019年3月31日)
純資産の部
株主資本
資本金 3,214,482 3,261,040
資本剰余金
資本準備金 3,187,482 3,234,040
資本剰余金合計 3,187,482 3,234,040
利益剰余金
その他利益剰余金
繰越利益剰余金 △4,177,070 △5,013,695
利益剰余金合計 △4,177,070 △5,013,695
株主資本合計 2,224,893 1,481,385
新株予約権 2,278 1,634
純資産合計 2,227,171 1,483,019
負債純資産合計 2,326,919 2,569,036
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(2)損益計算書
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
事業収益 64,727 7,949
事業費用
研究開発費 663,809 612,979
販売費及び一般管理費 300,812 323,596
事業費用合計 964,622 936,576
営業損失(△) △899,894 △928,626
営業外収益
受取利息 394 823
助成金収入 155,037 103,611
その他 631 610
営業外収益合計 156,064 105,045
営業外費用
株式交付費 6,787 11,498
為替差損 992 119
その他 - 0
営業外費用合計 7,779 11,618
経常損失(△) △751,609 △835,200
特別損失
固定資産除却損 228 214
特別損失合計 228 214
税引前当期純損失(△) △751,838 △835,414
法人税、住民税及び事業税 1,210 1,210
法人税等合計 1,210 1,210
当期純損失(△) △753,048 △836,624
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(3)株主資本等変動計算書
前事業年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益 新株予約権 純資産合計
資本金
新株式申
剰余金
株主資本
込証拠金 資本剰余金 利益剰余金 合計
資本準備金
合計 合計
繰越利益
剰余金
当期首残高 2,943,060 3,765 2,916,060 2,916,060 △3,424,022 △3,424,022 2,438,864 - 2,438,864
当期変動額
新株の発行 269,538 269,538 269,538 539,077 539,077
新株式申込証拠金の振替 1,882 △3,765 1,882 1,882 - -
当期純損失(△) △753,048 △753,048 △753,048 △753,048
株主資本以外の項目の
2,278 2,278
当期変動額(純額)
当期変動額合計 271,421 △3,765 271,421 271,421 △753,048 △753,048 △213,970 2,278 △211,692
当期末残高 3,214,482 - 3,187,482 3,187,482 △4,177,070 △4,177,070 2,224,893 2,278 2,227,171
当事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益 新株予約権 純資産合計
資本金 剰余金
株主資本
資本剰余金 利益剰余金 合計
資本準備金
合計 合計
繰越利益
剰余金
当期首残高 3,214,482 3,187,482 3,187,482 △4,177,070 △4,177,070 2,224,893 2,278 2,227,171
当期変動額
新株の発行 46,558 46,558 46,558 93,117 93,117
当期純損失(△) △836,624 △836,624 △836,624 △836,624
株主資本以外の項目の
△644 △644
当期変動額(純額)
当期変動額合計 46,558 46,558 46,558 △836,624 △836,624 △743,507 △644 △744,152
当期末残高 3,261,040 3,234,040 3,234,040 △5,013,695 △5,013,695 1,481,385 1,634 1,483,019
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(4)キャッシュ・フロー計算書
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期純損失(△) △751,838 △835,414
減価償却費 25,606 27,503
為替差損益(△は益) 1,495 △839
株式交付費 6,787 11,498
受取利息 △394 △823
売上債権の増減額(△は増加) 2,075 -
たな卸資産の増減額(△は増加) 2,953 △4,970
未収入金の増減額(△は増加) △659 659
前受金の増減額(△は減少) - 6,750
未払金の増減額(△は減少) 26,670 △20,964
その他 △7,174 △13,866
小計 △694,477 △830,468
利息の受取額 771 1,301
法人税等の支払額 △1,091 △1,297
営業活動によるキャッシュ・フロー △694,797 △830,464
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △14,336 △15,794
有価証券の純増減額(△は増加) △27 △399,999
無形固定資産の取得による支出 △499 △2,511
定期預金の預入による支出 △2,203,121 △803,325
定期預金の払戻による収入 3,203,019 803,223
敷金の差入による支出 △3,657 -
関係会社株式の取得による支出 △22,552 -
投資活動によるキャッシュ・フロー 958,825 △418,407
財務活動によるキャッシュ・フロー
株式の発行による収入 534,265 92,032
転換社債型新株予約権付社債の発行による収入 - 989,124
その他 303 △183
財務活動によるキャッシュ・フロー 534,568 1,080,973
現金及び現金同等物に係る換算差額 △1,495 839
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 797,101 △167,057
現金及び現金同等物の期首残高 382,249 1,179,351
現金及び現金同等物の期末残高 ※ 1,179,351 ※ 1,012,293
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(5)財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
現金及び預金 1,580,937千円 1,413,982千円
預入期間が3か月を超える定期預金 △401,586 △401,688
現金及び現金同等物 1,179,351 1,012,293
(持分法損益等)
該当事項はありません。
(セグメント情報等)
当社は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1株当たり情報)
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
1株当たり純資産額 156.54円 102.95円
1株当たり当期純損失(△) △55.61円 △58.22円
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 -円 -円
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの、1株当たり当期純損失であ
るため記載しておりません。
2.1株当たり当期純損失算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2017年4月1日 (自 2018年4月1日
至 2018年3月31日) 至 2019年3月31日)
1株当たり当期純損失(△)
当期純損失(△)(千円) △753,048 △836,624
普通株主に帰属しない金額(千円) - -
普通株式に係る当期純損失(△)
△753,048 △836,624
(千円)
期中平均株式数(株) 13,542,236 14,370,457
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1 新株予約権7種類及び転換社債
新株予約権9種類
株当たり当期純利益の算定に含めなかった潜在 型新株予約権付社債1種類
(潜在株式数 1,551,400株)
株式の概要 (潜在株式数 3,626,086株)
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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