4591 M-リボミック 2021-11-09 16:15:00
2022年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

           2022年3月期       第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                                                    2021年11月9日
上場会社名     株式会社リボミック                                               上場取引所         東
コード番号     4591  URL https://www.ribomic.com/
代表者       (役職名) 代表取締役社長                (氏名)中村            義一
問合せ先責任者   (役職名) 取締役執行役員管理本部長           (氏名)大岩            久人       TEL       03(3440)3745
四半期報告書提出予定日      2021年11月10日                配当支払開始予定日         -
四半期決算補足説明資料作成の有無:無
四半期決算説明会開催の有無   :有 (機関投資家・アナリスト向け)

                                                                              (百万円未満切捨て)
1.2022年3月期第2四半期の業績(2021年4月1日~2021年9月30日)
  (1)経営成績(累計)                                                  (%表示は、対前年同四半期増減率)
                 事業収益          営業利益                           経常利益      四半期純利益
                 百万円      %   百万円      %                      百万円   %    百万円   %
 2022年3月期第2四半期      5   24.7   △778    -                      △767  -    △767  -
 2021年3月期第2四半期      4    4.7   △563    -                      △587  -    △588  -

                                       潜在株式調整後
                   1株当たり
                                        1株当たり
                  四半期純利益
                                       四半期純利益
                           円 銭               円 銭
2022年3月期第2四半期             △27.51               -
2021年3月期第2四半期             △25.01               -
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首から
   適用しております。
   2.潜在株式調整後1株当たり四半期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり四半期純損失であ
   るため記載しておりません。

 (2)財政状態
                         総資産                        純資産                       自己資本比率
                                   百万円                        百万円                            %
2022年3月期第2四半期                       5,526                      5,235                       94.7
2021年3月期                            6,119                      6,002                       98.1
(参考)自己資本  2022年3月期第2四半期 5,233百万円  2021年3月期  6,001百万円
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首から
   適用しております。

2.配当の状況
                                                 年間配当金
                 第1四半期末         第2四半期末           第3四半期末                期末             合計
                     円 銭            円 銭              円 銭                    円 銭            円 銭
2021年3月期               -             0.00              -                     0.00           0.00
2022年3月期               -             0.00
2022年3月期(予想)                                              -                  0.00           0.00
(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無:無

3.2022年3月期の業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
                                                                       (%表示は、対前期増減率)
                                                                              1株当たり
                事業収益            営業利益              経常利益             当期純利益
                                                                              当期純利益
               百万円       %    百万円           %    百万円      %       百万円      %     円 銭
    通期           80   △11.9   △2,495        -   △2,391    -       △2,393   -    △85.75
(注)1.直近に公表されている業績予想からの修正の有無:無
   2.当社は年次で業績を管理しているため、通期業績予想のみ開示しております。
   3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首から
     適用しており、上記の業績予想は当該会計基準などを適用した後の数値となっております。
※    注記事項
    (1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用:無

    (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
      ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更   :有
      ② ①以外の会計方針の変更          :無
      ③ 会計上の見積りの変更           :無
      ④ 修正再表示                :無
      (注)詳細は、四半期決算短信(添付資料)10ページ「2.四半期財務諸表及び主な注記(4)四半期財務諸表に
      関する注記事項(会計方針の変更)をご覧ください。

    (3)発行済株式数(普通株式)
      ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)   2022年3月期2Q   27,908,784株   2021年3月期     27,908,784株
      ②   期末自己株式数           2022年3月期2Q          -株     2021年3月期            -株
      ③   期中平均株式数(四半期累計)    2022年3月期2Q   27,908,784株   2021年3月期2Q   23,528,997株



※    四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です

※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     (将来に関する記述等についてのご注意)
      本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
     断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等
     は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての
     注意事項等については、四半期決算短信(添付資料)6ページ「1.当四半期決算に関する定性的情報(4)業績予
     想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
                        株式会社リボミック(4591) 2022年3月期第2四半期決算短信


○添付資料の目次

1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………    2
 (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………    2
 (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………    5
 (3)キャッシュ・フローの状況 ………………………………………………………………………………………    6
 (4)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………………    6
2.四半期財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………    7
 (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………    7
 (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………………    8
    第2四半期累計期間 ………………………………………………………………………………………………    8
 (3)四半期キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………    9
 (4)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………   10
   (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………   10
   (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………   10
   (会計方針の変更) …………………………………………………………………………………………………   10




                         - 1 -
                                     株式会社リボミック(4591) 2022年3月期第2四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当社は、抗体に継ぐ次世代新薬として期待されているアプタマー(核酸医薬の一種)に特化して医薬品の研究開
  発を行うバイオベンチャーです。当社はアプタマー創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からなる
  創薬プラットフォームである当社独自の「RiboARTシステム」を活用して、革新的なアプタマー医薬の研究開発
  (「アプタマー創薬」)を行っております。
                                             ※1
   当社事業の最重点経営目標は、「自社での臨床Proof of Concept の獲得に向けた開発」であり、当第2四半期
  累計期間においてもその実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
   その具体的な進捗を以下に要約いたします。


  ※1:臨床Proof of Concept(臨床POC):新薬の開発段階で、投与薬剤がヒトでの臨床試験において意図した薬効
    と安全性を有することが示されること。


   「RBM-007」の開発について


  (イ) 「RBM-007」(抗FGF2アプタマー)による臨床開発の狙い
   当社では、自社で創製したRBM-007(FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマー)を、自社での臨床開発のテ
  ーマに選び、「滲出型加齢黄斑変性症(Wet Age Related Macular Degeneration、wet AMD)」と「軟骨無形成症
                                             ※2
  (Achondroplasia、ACH)の治療薬としての開発を進めております          。

  (ロ) 開発状況、及び既存治療法との比較
  a)滲出型加齢黄斑変性症(wet AMD)
  ・第2相臨床試験(試験略称名:TOFU試験)
   2018年10月から2019年7月にかけて米国で実施した第1/2a相臨床試験(試験略称名:SUSHI試験)により
  RBM-007の安全性と忍容性が確認されたことを受けて、2019年12月より、RBM-007の複数回投与による臨床POC確認
  を目的としたTOFU試験が米国で開始され、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて2020年3月後半から5月上旬
  にかけて一時的に新規患者登録を中断いたしましたが、2021年8月、患者組入れを完了いたしました。この試験
  は、既存薬のVEGF阻害剤が奏功しないwet AMD患者を対象に、①RBM-007硝子体内注射の単剤投与群、②既存の抗
                    Ⓡ                                 Ⓡ
  VEGF阻害剤としてアイリーア 硝子体内注射との併用投与群と、③アイリーア 硝子体内注射の単剤投与群との間
  で、有効性と安全性を比較評価する無作為化二重盲検試験です。最後の患者の最終観察は2021年12月末までに実施
  され、データ解析ののち、トップラインデータの公表は2022年3月期第4四半期中(2022年3月まで)を予定して
  おります。

  ・TOFU Extension試験(試験略称名:RAMEN試験)
   TOFU試験の進捗に基づき、長期的な薬理作用に関する知見を得る目的で、追加試験(RAMEN試験)の被験者への
  投与を2020年10月より開始し、2021年8月、患者組入れを完了いたしました。RAMEN試験はオープン試験で、TOFU
  試験を完了し、登録基準を満たす被験者に対して、追加のRBM-007の硝子体内投与を一ヶ月間隔で計4回行いま
  す。本試験の目的は、追加投与に伴う安全性と有効性、とりわけRBM-007の瘢痕形成抑制効果に関する知見を収集
  することです。
   現在wet AMDの治療に使用されている既存薬(VEGF阻害剤)には、失明の原因となる網膜の瘢痕形成を抑制する
  作用がありません。瘢痕形成の評価には長期間の観察が必要なため、試験期間を延長したRAMEN試験によって
  RBM-007の瘢痕抑制に関する示唆が得られれば、臨床的に重要な結果となります。トップラインデータの公表は
  2022年3月期第4四半期中(2022年3月まで)を予定しております。

  ・第2相医師主導治験(試験略称名:TEMPURA試験)
   本試験は、医師の企画・立案に基づく医師主導治験で、先行中の第2相臨床試験(TOFU/RAMEN試験)とは異な
  り、治療未経験(treatment-naïve)のwet AMD患者5名に3回のRBM-007の硝子体内投与(月1回)を行い、
  RBM-007の有効性と安全性を評価するもので、被験者への投与が2021年7月より開始されました。本試験は、治療
  未経験者の被験者を対象とするため、RBM-007の本来の作用やパワーを確認する上で重要な試験となります。

  ・wet AMDの既存治療法と課題
   wet AMDは、加齢に伴い網膜の黄斑部に障害がおこる疾患で、無治療の状態だとやがて失明に至ります。欧米で
  は失明原因の第一位となっています。この疾患の病態の一つは異常な血管新生によるとされており、10数年前に治
  療薬として血管新生を阻害する医薬品(VEGF阻害剤)が開発され、臨床医からは夢のような薬と評価されました

                                     - 2 -
                                            株式会社リボミック(4591) 2022年3月期第2四半期決算短信


(既存薬の全世界市場規模は約1.2兆円)。しかし、その後の経過観察によって、臨床上の問題点が明らかになっ
てきました。その一つは、相当数(約1/3)の患者に対して、既存薬の有効性が乏しいことです。また、有効とみ
                                                                             ※3
られた患者も2~3年程度経過すると薬効が低下し、再び失明のリスクにさらされます 。これらの要因として、
病変による網膜組織の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられていますが、既存薬には瘢痕化を抑制する作用
はありません。これに対してRBM-007は血管新生のみならず瘢痕形成を抑制する作用を持つことが、疾患モデル動
                                   ※4                 ※5
物での薬理試験から明らかになりました (非臨床POC獲得 )。RBM-007のような、VEGF以外を新規標的とし、
二つの異なる作用を持ち合わせる医薬品は既存薬(VEGF阻害剤)にはなく、既存の医薬品では奏功しない患者に対
して新規の治療法を提供できる可能性があります。


※2:Nakamura Y. Multiple therapeutic applications of RBM-007, an anti-FGF2 aptamer. Cells 2021, 10,
  1617. https://doi.org/10.3390/cells10071617
※3:Rofagha S, Bhisitkul RB, Boyer DS, Sadda SR, Zhang K. Seven-year outcomes in ranibizumab-treated
    patients in ANCHOR, MARINA, and HORIZON: a multicenter cohort study (SEVEN-UP).Ophthalmology
  2013:120(11):2292-99
※4:Matsuda Y, Nonaka Y, Futakawa S, Imai H, Akita K, Nishihata T, Fujiwara M, Ali Y, Bhisitkul RB,
  Nakamura Y. Anti-angiogenic and anti-scarring dual action of an anti-fibroblast growth factor 2
  aptamer in animal models of retinal disease. Mol. Ther. Nucl. Acids, 17:819-828 (2019).
※5:非臨床Proof of Concept(非臨床POC):ヒトでの臨床試験に入る前に、病態モデル動物での薬効確認試験に
    おいて、投与薬剤が意図した薬効を有することが示されること。

b)軟骨無形成症(ACH)
・第1相臨床試験
 本プロジェクトは、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の助成(2015年から合計6年間)を受
け、2020年4月、新薬の治験計画届出書を独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し、2020年7
月、RBM-007の安全性、忍容性及び薬物動態を調べることを目的として、国内の1治験施設において、合計24名の
健康成人男性を対象とする第1相臨床試験を開始し、2021年5月に試験を終了いたしました。
 なお、本プロジェクトは2021年度から3年間は、AMEDの希少疾患用医薬品指定前実用化支援事業として実施して
おります。


・ACHの既存治療法と課題
 ACHは四肢短縮による低身長を主な症状とする希少疾患で、現時点において治療薬は存在せず、厚生労働省から
難病指定を受けています。RBM-007は疾患モデルマウスを利用した実験で、体長の短縮を約50%回復する効果を示し
ました。さらに、軟骨細胞への分化誘導が欠損していることが知られているACH患者由来のiPS細胞(人工多能性幹
細胞)は、RBM-007存在下で、その分化誘導が回復することも確認しました(非臨床POC獲得)。現在、本邦では治
療に成長ホルモンが使用されていますが、効果は十分とは言えず、骨延長術(足の骨を切断して引き離した状態で
固定し、骨の形成を促す)といった非常に厳しい治療が幼い子供に施されることもあり、新薬が待ち望まれていま
す。RBM-007を用いた細胞試験や動物試験でのACH治療薬としての効果については、2021年5月米国科学誌Science
                                                 ※6
Translational Medicine電子版に論文が掲載されました                  。

※6:Kimura T, Bosakova M, Nonaka Y, Hruba E, Yasuda K, Futakawa S, Kubota T, Fafilek B, Gregor T,
    Abraham SP, Gomoklova R, Belaskova S, Pesl M, Csukasi F, Duran I, Fujiwara M, Kavkova M, Zikmund
    T, Kaiser J, Buchtova M, Krakow D, Nakamura Y, Ozono K, Krejci P. RNA aptamer restores defective
    bone growth in FGFR3-related skeletal dysplasia. Science Translational Medicine, Vol. 13, Issue
    592, eaba4226 (2021)

 自社での臨床開発の実施により臨床POCが獲得されれば、新規治療法の確立に至る第一歩になるとともに、新薬
候補品としてのRBM-007の価値が高まり、ライセンス収益の拡大及び将来に向けた発展に寄与するものと考えてお
ります。同時に、wet AMDのように硝子体という局所投与のみならず、全身投与による疾患治療の世界初の事例と
して、アプタマー医薬品の開発に大きく貢献するものとなります。

(ハ)推進体制
 当社の臨床開発については、日米それぞれにおいて、新薬開発の経験が豊富な責任者が臨床開発を陣頭指揮し、
臨床医や製品開発のエキスパートを含む外部の協力も得て進めております。
 今後もRBM-007の開発推進に向け、一層の体制整備を図ってまいります。


                                             - 3 -
                                            株式会社リボミック(4591) 2022年3月期第2四半期決算短信




 その他のプロジェクト


 当社は、既存パイプラインを継続的、重層的に拡大し、中長期的に成長するために、特に優れた薬効が確認され
ているRBM-011、RBM-010、並びにRBM-003を、RBM-007に次ぐ重点開発プログラムと位置づけております。以下にプ
ロジェクトの優先度順に概要をまとめます。

(イ) RBM-011(抗IL-21(インターロイキン21)アプタマー)、肺動脈性肺高血圧症)
 RBM-011が対象とする肺動脈性肺高血圧症は、難病に指定されている原因不明の病気であり、肺動脈壁が肥厚し
て血管の狭窄が進行した結果、高血圧をきたして全身への血液や酸素の供給に障害が生じ、最終的には心不全から
死に至ることのある重篤な疾患です。プロスタグランジンI2製剤などの既存治療薬が十分な効果を発揮しない患
者の予後は依然として極めて悪い状態です。これらの既存治療薬は、いずれも血管を拡張させる作用を持つもので
あり、血管壁の肥厚を改善する作用を持つ薬はなく、その開発が強く望まれています。
 AMEDの難治性疾患実用化研究事業の一環として助成を受けて(2017年度から3年間)、当社が創製したRBM-011
の共同研究を肺動脈性肺高血圧症の国内での専門医療機関である国立研究開発法人国立循環器病研究センター(国
循)と進め、動物実験において、肺動脈壁の肥厚に対して、顕著な抑制効果を持つことが明らかになり、2020年度
から3年間のAMEDの治験準備(ステップ1)研究として助成を受け、国循と密に連携して、本剤を臨床試験に進め
るべく開発を推進しております。


(ロ) RBM-010(抗ADAMTS5アプタマー、変形性関節症等)
  RBM-010は、当社と大正製薬株式会社との共同研究で創薬された製品で、変形性関節症の増悪因子の一つである
ADAMTS5(a disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs 5)の働きを抑制する作用がありま
す。変形性関節症は、種々の原因により、膝や足の付け根、肘、肩等の関節に痛みや腫れ等の症状が生じ、その後
関節の変形をきたす病気です。現在、治療法としては痛みや腫れを和らげる薬の服用や関節置換術などの手術しか
なく、根治する薬はありません。日本には、変形性関節症を有している人が、2,500万人以上、また、世界では、
変形性関節症の患者が約2億4,000万人以上と推定されており、今後高齢化に伴いさらに増加が予測されていま
す。
 RBM-010(抗ADAMTS5アプタマー)は、関節での軟骨成分の分解を促進しているADAMTS5を抑制することにより、
変形性関節症の症状進行を遅らせることが期待でき、現在、局所投与による徐放性製剤の開発に取り組んでおりま
す。


(ハ)RBM-003(抗キマーゼアプタマー、心不全等)
 心筋梗塞直後、Chymase(キマーゼ)は肥満細胞と心筋細胞等の組織損傷部位から分泌され、アンジオテンシン
Ⅱ等の活性化をとおして、心筋に悪影響を及ぼすことが知られています。ハムスターを用いた冠動脈結紮による心
筋梗塞急性期モデルにおいて、RBM-003の投与は梗塞後のキマーゼ陽性肥満細胞の集積並びにキマーゼ活性を抑制
                                  ※7
し、顕著な心機能改善効果を示しました 。RBM-003は、冠動脈結紮の前投与のみならず、後投与においても顕著
な心機能改善効果を示し、冠動脈結紮を行った実験動物(ハムスター)の生存率を著しく改善いたしました。現
在、急性心不全に対する医薬品は存在せず、Unmet Medical Needsの疾患となっています。RBM-003は他のキマーゼ
阻害剤と比べて非常に強い酵素阻害活性を持つことが確認されており、急性心不全に対する即効性の注射薬の開発
を目指して、今後の研究開発を加速してまいります。


※7:Jin D, Takai S, Nonaka Y, Yamazaki S, Fujiwara M, Nakamura Y. A chymase inhibitory RNA aptamer
  improves cardiac function and survival after myocardial infarction. Mol. Ther. Nucl. Acids, 14:
    41-51 (2019)

(ニ) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬アプタマーの開発
 世界的なパンデミックとなっているCOVID-19に対して、多くの企業や研究機関が精力的にワクチンの開発を進め
た結果、欧米が先行するかたちでワクチンの接種が急ピッチで進んでおります。しかしながら、変異ウイルス等の
出現やワクチンの供給不足を含む様々な障害が解決されないために、未だその終息の見通しが立つには至っており
ません。一刻も早い感染症克服のためには、当社は、ワクチン開発と並行して治療薬の開発が不可欠であると考え
ており、COVID-19に対するアプタマー創薬研究を精力的に継続しております。
 COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2は、ウイルス表面のスパイクタンパク質(Sタンパク質)がヒトの細胞表面
にある受容体(ACEタンパク質)に結合することによって感染が開始され、その後細胞内に侵入し増殖することが
明らかになっていますが、当社は、Sタンパク質やACE2タンパク質に統合することによって、Sタンパク質とACE2タ


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  ンパク質の結合を阻害し、ウイルスの細胞内への侵入を阻止するような活性を持つアプタマーに、治療薬としての
  効果が期待出来るものと考えております。
   現在までに、多数の候補配列情報を取得、表面プラズモン共鳴法を用いたスクリーニングによって、抗Sタンパ
  ク質アプタマーの候補(Sタンパク質に対する結合、並びに宿主受容体ACE2への結合阻害活性を持つアプタマー)
  を複数特定することに成功しております(ヒット化合物の取得)。また、東京大学医科学研究所・アジア感染症研
  究拠点(研究代表者:合田仁特任准教授)との共同研究により、培養細胞を用いたin vitro試験において、取得さ
  れた抗Sタンパク質アプタマーの中に、シュードタイプウイルス(水疱性口内炎ウイルスの粒子表面にSARS-CoV-2
  のSタンパク質を作らせた偽型ウイルス)の感染を抑制する活性を確認いたしました。今後は、取得されたヒット
  アプタマーから最適候補を選別して動物モデルでの感染阻害効果を検証する予定です。

  (ホ) 共同研究契約
   (ⅰ)ビタミンC60バイオリサーチ株式会社との間の共同研究開発契約に基づき、化粧品原料候補の創製・開発に
  関する共同研究を実施し、現在までに有望なアプタマーの創薬に成功しており、実用化へ一歩進んでおります。
   (ⅱ)2021年2月、あすか製薬株式会社と、産婦人科領域で重要な役割を担う特定のホルモン受容体を標的とした
  創薬研究開発に関する複数年間の共同研究開発契約を締結し、共同研究を進めております。

  (ヘ) 継続中の自社創薬プロジェクト
   アプタマー医薬品の汎用性をさらに活かすため、コンピューター科学を応用した技術開発(以下、「JST委託事
  業」)等を継続して進めております。2018年度から開始されたJST委託事業においては、早稲田大学と共同し、バ
                                                                                  ※8
  イオインフォマティクスを駆使したアプタマー探索技術(RaptRanker)を開発いたしました 。RaptRankerを用い
  ることにより、当社のアプタマー創薬プロセスを効率化し、創薬期間の短縮及び成功率の向上につながります。更
  に、2021年4月から3年間の事業として、「AIアプタマー創薬プロジェクト」がJSTに採択され、早稲田大学と共
  同で、当社が手掛ける RNA アプタマーの創薬のプロセスを、深層学習などの人工知能技術を活用することで自動
  化し、創薬期間の短縮および創薬成功率の向上を実現させることを目指し、研究をすすめております。


  ※8:Ishida R, Adachi T, Yokota A, Yoshihara H, Aoki K, Nakamura Y, Hamada M. RaptRanker: in silico
    RNA aptamer selection from HT-SELEX experiment based on local sequence and structure information.
    Nucl. Acids. Res. 48(14):e82 (2020)


   これらの結果、当第2四半期累計期間において、事業収益5百万円(前年同四半期の事業収益は4百万円)、事業
  費用として研究開発費を628百万円、販売費及び一般管理費を155百万円計上し、営業損失は778百万円(前年同四
  半期の営業損失は563百万円)となりました。
   また、営業外収益として、コンピューター科学を応用した技術開発を目的としたJST委託事業による助成金収入
  を11百万円計上したこと等により、経常損失は767百万円(前年同四半期の経常損失は587百万円)となりました。
  これにより四半期純損失は767百万円(前年同四半期の四半期純損失は588百万円)となりました。
   なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首
  から適用しております。
   また、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し
  ております。


(2)財政状態に関する説明
  ① 資産の部
   当第2四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて593百万円減少し、5,526百万円となりまし
  た。これはRBM-007の開発に関する委託費等の前渡金が38百万円増加した一方で、有価証券が499百万円、現金及び
  預金が130百万円減少したこと等によるものです。なお、当第2四半期会計期間末において保有している有価証券
  は、第15回新株予約権等により調達した資金の一部について、研究開発への充当時期まで、一定以上の格付けが付
  された金融商品で元本が毀損するリスクを抑えて運用することを目的としたものです。

  ② 負債の部
   当第2四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて174百万円増加し、291百万円となりました。こ
  れは、RIBOMIC USA Inc.での臨床試験実施費用を含む未払金が89百万円、国循からの薬剤開発委託費等による前受
  金が78百万円増加したこと等によるものです。




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  ③ 純資産の部
   当第2四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて767百万円減少し、5,235百万円となりまし
  た。これは、四半期純損失767百万円計上したことにより、利益剰余金が同額減少したこと等によるものです。
   なお、2021年6月29日開催の第18回定時株主総会の決議に基づき、2021年8月3日付で資本金6,492百万円、資
  本準備金563百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振り替え、当該その他資本剰余金7,055百万円を繰越利益剰余金
  に振り替え欠損填補を行いましたが、これによる純資産合計に変動はありません。

(3)キャッシュ・フローの状況
   当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比較し130
  百万円減少し3,207百万円となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)
   営業活動の結果使用した資金は629百万円(前年同四半期は255百万円の支出)となりました。主な資金増加要因
  は、未払金の増加額88百万円、前受金の増加額78百万円によるものです。一方で主な資金減少要因は、税引前四半
  期純損失767百万円、前渡金の増加額38百万円によるものです。


  (投資活動によるキャッシュ・フロー)
   投資活動の結果得られた資金は497百万円(前年同四半期は1,899百万円の支出)となりました。主な資金増加要
  因は、有価証券の減少額499百万円によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)
   財務活動の結果使用した資金はありませんでした(前年同四半期は4,988百万円の収入)。

(4)業績予想などの将来予測情報に関する説明
   当社は、アプタマー創薬技術のプラットフォームである「RiboART システム」をベースとして、新規のアプタマ
  ー医薬の開発に取り組んでおります。
   当社の基本方針は、自社で創製した開発候補アプタマーを製薬企業にライセンス・アウトし、そのライセンス収
  入を見込む「自社創薬」と、安定的な共同研究収入を一定期間期待できる製薬企業との「共同研究」の二つをバラ
  ンス良く組合せ、持続的な収益向上を図ることであります。
   2022年3月期においては、締結済みの契約により得られる収入を見込んでおります。
   なお、2022年3月期の業績予想につきましては、2021年5月13日付の決算短信で公表しました通期の業績予想か
  ら変更はありません。
   2022年4月4日に、株式会社東京証券取引所(以下、「東証」という。)の市場区分が「プライム市場・スタン
  ダード市場・グロ-ス市場」の3つの市場区分に見直されることとなりますが、当社は2021年7月9日付で東証よ
  り「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」を受領し、当社が新市場区分
  における「グロース市場」の上場維持基準に適合していることを確認しております。当社は、この結果及び新市場
  区分のコンセプトを踏まえ「グロース市場」を選択することを取締役会において決議し、東証の定める申請スケジ
  ュールに従い、所定の手続きを進めております。




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2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                (単位:千円)
                        前事業年度             当第2四半期会計期間
                     (2021年3月31日)          (2021年9月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                     3,338,038            3,207,546
   有価証券                       2,500,000            2,000,012
   貯蔵品                            3,038                3,524
   前渡金                          153,984              192,924
   前払費用                          18,358               38,617
   未収消費税等                        35,894               16,680
   その他                            1,025                1,966
   流動資産合計                     6,050,339            5,461,272
 固定資産
   有形固定資産                        30,731               26,863
   無形固定資産                           151                   75
   投資その他の資産                      38,438               37,889
   固定資産合計                        69,320               64,828
 資産合計                         6,119,660            5,526,100
負債の部
 流動負債
   未払金                          43,357              132,810
   未払費用                         11,137               10,691
   未払法人税等                       39,537                  605
   前受金                           3,666               81,666
   その他                          19,262               65,296
   流動負債合計                      116,960              291,070
 負債合計                          116,960              291,070
純資産の部
 株主資本
   資本金                       6,542,185                50,000
   資本剰余金                     6,515,185             5,951,438
   利益剰余金                    △7,055,932             △767,669
   株主資本合計                    6,001,438             5,233,768
 新株予約権                           1,261                 1,261
 純資産合計                       6,002,699             5,235,030
負債純資産合計                      6,119,660             5,526,100




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(2)四半期損益計算書
 (第2四半期累計期間)
                                         (単位:千円)
               前第2四半期累計期間          当第2四半期累計期間
               (自 2020年4月1日         (自 2021年4月1日
                至 2020年9月30日)       至 2021年9月30日)
事業収益                       4,011               5,000
事業費用
 研究開発費                   378,002             628,552
 販売費及び一般管理費              189,599             155,265
 事業費用合計                  567,602             783,818
営業損失(△)                 △563,591            △778,818
営業外収益
 助成金収入                         -              11,818
 その他                         501               1,056
 営業外収益合計                     501              12,874
営業外費用
 株式交付費                    20,414                 650
 為替差損                      4,377                 470
 営業外費用合計                  24,792               1,120
経常損失(△)                 △587,882            △767,064
税引前四半期純損失(△)            △587,882            △767,064
法人税等                         605                 605
四半期純損失(△)               △588,487            △767,669




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(3)四半期キャッシュ・フロー計算書
                                                 (単位:千円)
                      前第2四半期累計期間           当第2四半期累計期間
                      (自 2020年4月1日          (自 2021年4月1日
                       至 2020年9月30日)        至 2021年9月30日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前四半期純損失(△)                  △587,882             △767,064
 減価償却費                           13,371                6,714
 受取利息                             △137                  △64
 為替差損益(△は益)                       2,936              △1,744
 株式交付費                           20,414                  650
 売上債権の増減額(△は増加)                 108,830                   -
 棚卸資産の増減額(△は増加)                   2,548                △486
 前渡金の増減額(△は増加)                 △66,746              △38,939
 前受金の増減額(△は減少)                   86,875               78,000
 未払金の増減額(△は減少)                  118,422               88,343
 その他                             46,472                4,849
 小計                            △254,895             △629,741
 利息の受取額                             381                  989
 法人税等の支払額                       △1,079               △1,159
 営業活動によるキャッシュ・フロー              △255,593             △629,911
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                  △1,027               △2,311
 有価証券の純増減額(△は増加)              △2,300,022              499,987
 定期預金の払戻による収入                    401,790                   -
 その他                                 150                   -
 投資活動によるキャッシュ・フロー             △1,899,109              497,676
財務活動によるキャッシュ・フロー
 株式の発行による収入                    4,988,530                   -
 財務活動によるキャッシュ・フロー              4,988,530                   -
現金及び現金同等物に係る換算差額                 △2,936                 1,744
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)            2,830,891            △130,491
現金及び現金同等物の期首残高                 1,199,938            3,338,038
現金及び現金同等物の四半期末残高               4,030,829            3,207,546




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                            株式会社リボミック(4591) 2022年3月期第2四半期決算短信


(4)四半期財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


 (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
  当社は、2021年6月29日開催の第18回定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処
 分について承認可決され、2021年8月3日付でその効力が発生しております。この結果、当第2四半期会計期間にお
 いて、資本金が6,492,185千円、資本準備金が563,747千円それぞれ減少し、この減少額全額をその他資本剰余金に振
 り替えを行い、当該その他資本剰余金7,055,932千円を繰越利益剰余金に振り替えることで、欠損補填を行いまし
 た。
  これらの結果、当第2四半期会計期間末において資本金が50,000千円、資本剰余金が5,951,438千円、繰越利益剰
 余金が△767,669千円となっております。


 (会計方針の変更)
  (収益認識に関する会計基準等の適用)
  「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等
 を第1四半期会計期間の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサー
 ビスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。
  収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従ってお
 り、第1四半期会計期間の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、第1四半期会計期間
 の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。
  この結果、当第2四半期累計期間の損益に与える影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高への影響もあ
 りません。
  なお、「四半期財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第12号 2020年3月31日)第28-15項に定める経過的
 な取扱いに従って、前第2四半期累計期間に係る顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しておりませ
 ん。


  (時価の算定に関する会計基準等の適用)
  「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)
 等を第1四半期会計期間の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計
 基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計
 方針を、将来にわたって適用することといたしました。
  これによる、四半期財務諸表への影響はありません。




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