4591 M-リボミック 2020-08-07 15:00:00
2021年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

            2021年3月期         第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                                                       2020年8月7日
上場会社名      株式会社リボミック                                               上場取引所          東
コード番号      4591  URL https://www.ribomic.com/
代表者        (役職名) 代表取締役社長                (氏名)中村 義一
問合せ先責任者    (役職名) 取締役執行役員管理本部長               (氏名)今野 高章              TEL       03(3440)3745
四半期報告書提出予定日       2020年8月7日                 配当支払開始予定日         ―
四半期決算補足説明資料作成の有無:無
四半期決算説明会開催の有無           :無

                                                                                (百万円未満切捨て)
1.2021年3月期第1四半期の業績(2020年4月1日~2020年6月30日)
 (1)経営成績(累計)                                                  (%表示は、対前年同四半期増減率)
                       事業収益             営業利益              経常利益                        四半期純利益
                       百万円    %         百万円         %     百万円              %           百万円   %
2021年3月期第1四半期             2 13.9         △262       -      △268            -            △268 -
2020年3月期第1四半期             1   -          △219       -      △220            -            △220 -

                          潜在株式調整後
                   1株当たり
                           1株当たり
                   四半期純利益
                           四半期純利益
                    円 銭         円 銭
 2021年3月期第1四半期     △13.85         -
 2020年3月期第1四半期     △14.97         -
(注)潜在株式調整後1株当たり四半期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり四半期純損失であるた
     め記載しておりません。

 (2)財政状態
                          総資産                       純資産                         自己資本比率
                                   百万円                        百万円                                %
2021年3月期第1四半期                       5,368                      5,214                           97.0
2020年3月期                            2,269                      2,180                           95.3
(参考)自己資本     2021年3月期第1四半期          5,207百万円       2020年3月期            2,164百万円

2.配当の状況
                                                  年間配当金
                  第1四半期末         第2四半期末          第3四半期末                 期末               合計
                      円 銭            円 銭              円 銭                    円 銭              円 銭
 2020年3月期               -             0.00              -                     0.00             0.00
 2021年3月期               -
 2021年3月期(予想)             0.00                            -                    0.00            0.00
(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無:無

3.2021年3月期の業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
                                                                        (%表示は、対前期増減率)
                                                                                       1株当たり
                 事業収益            営業利益             経常利益             当期純利益
                                                                                       当期純利益
               百万円        %     百万円         %    百万円      %        百万円           %        円 銭
    通期           118    △2.0   △1,561       -   △1,484    -       △1,485         -       △84.61
(注)1.直近に公表されている業績予想からの修正の有無:無
   2.当社は年次で業績を管理しているため、通期業績予想のみ開示しております。
※    注記事項
    (1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用:無

    (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
      ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更  :無
      ② ①以外の会計方針の変更         :無
      ③ 会計上の見積りの変更          :無
      ④ 修正再表示               :無

    (3)発行済株式数(普通株式)
      ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)   2021年3月期1Q   24,502,984株   2020年3月期     17,555,784株
      ②   期末自己株式数           2021年3月期1Q          -株     2020年3月期            -株
      ③   期中平均株式数(四半期累計)    2021年3月期1Q   19,387,629株   2020年3月期1Q   14,726,923株




※   四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です

※   業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
    (将来に関する記述等についてのご注意)
     本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
    断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等
    は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての
    注意事項等については、四半期決算短信(添付資料)5ページ「1.当四半期決算に関する定性的情報(3)業績予
    想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
                        株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

○添付資料の目次

1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………   2
 (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………   2
 (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………   5
 (3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………………   5
2.四半期財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………   6
 (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………   6
 (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………………   7
    第1四半期累計期間 ………………………………………………………………………………………………   7
 (3)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………   8
   (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………   8
   (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………   8
   (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………………………   8




                         - 1 -
                                              株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当社は、抗体に継ぐ次世代新薬として期待されているアプタマー(核酸医薬の一種)に特化して医薬品の研究開
  発を行うバイオベンチャーです。当社は、アプタマー創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からな
  る創薬プラットフォームである当社独自の「RiboARTシステム」を活用して、革新的なアプタマー医薬の研究開発
  (「アプタマー創薬」)を行っております。
   当社の当事業年度における最重点経営目標は、「自社での臨床Proof of Concept※1の獲得に向けた開発」であ
  り、その実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
   その具体的な進捗を以下に要約いたします。

  ※1 臨床Proof of Concept(臨床POC):新薬の開発段階において、投与薬剤がヒトでの臨床試験において意図し
  た薬効と安全性を有することが示されること。


   「RBM-007」の開発について


  ① 「RBM-007」(抗FGF2アプタマー)による臨床開発の狙い
   当社では、自社で創製したRBM-007(FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマー)を、自社での臨床開発のテ
  ーマに選び、開発を進めております。
   線維芽細胞増殖因子2(Fibroblast Growth Factor 2、FGF2)は、40数年前に発見されたタンパク質で、血管新
  生促進等の様々な生理作用を持つことが報告されております。しかしながら、長年に渡りFGF2は創薬標的の候補で
  あったにもかかわらず、抗体を含め優れた阻害剤の開発がほぼない状態でした。そうした中、当社は、独自のアプ
  タマー創薬技術により、過年度においてFGF2に結合しその作用を特異的に阻害するアプタマーRBM-007の創製に成
  功いたしました。
   開発の対象疾患としては、上述のようなFGF2の生理作用に鑑みて滲出型加齢黄斑変性症(Wet Age-related
  Macular Degeneration、wet AMD)と軟骨無形成症(Achondroplasia、ACH)を選択いたしました。
   wet AMDは、加齢に伴い網膜の黄斑部に障害がおこる疾患で、無治療の状態だとやがて失明に至ります。欧米で
  は失明原因の第一位となっています。この疾患の要因の一つは異常な血管新生によるとされており、10数年前に治
  療薬として血管新生を阻害する医薬品(VEGF阻害剤)が開発され、臨床医からは夢のような薬と評価されました
  (既存薬の全世界市場規模は約1兆円)。しかし、その後の経過観察によって、臨床上の問題点が明らかになって
  きました。その一つは、相当数(約1/3)の患者に対して、既存薬の有効性が乏しいことです。また、有効とみられ
  た患者も2~3年程度経過すると薬効が低下し、再び失明のリスクにさらされます※2。これらの要因として、病変
  による網膜組織の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられていますが、既存薬には瘢痕化を抑制する作用はあ
  りません。これに対してRBM-007は血管新生のみならず瘢痕形成を抑制する作用を持つことが、疾患モデル動物で
  の薬理試験から明らかになりました(非臨床POC獲得※3)※4。RBM-007のような二つの異なる作用を持ち合わせる医
  薬品は既存薬(VEGF阻害剤)にはなく、既存の医薬品では奏功しない患者に対して新規の治療法を提供できる可能
  性があります。
   一方、ACHは四肢短縮による低身長を主な症状とする希少疾患で、治療薬はなく、厚生労働省から難病指定を受
  けています。ACH患者においては、FGF2が骨伸長を抑制する要因の一つとして作用していますが、RBM-007は疾患モ
  デルマウスを利用した実験で、体長の短縮を約50%回復する効果を示しました。さらに、軟骨細胞への分化誘導が
  欠損していることが知られているACH患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、RBM-007存在下で、その分化誘
  導が回復することも確認しました(非臨床POC獲得)。現在、本邦では治療に成長ホルモンが使用されています
  が、効果は十分とは言えず、骨延長術(足の骨を切断して引き離した状態で固定し、骨の形成を促す)といった非
  常に厳しい治療が幼い子供に施されることもあり、新薬が待ち望まれています。
   自社での臨床開発の実施により臨床POCが獲得されれば、新規治療法の確立に至る第一歩になるとともに、新薬
  候補品としてのRBM-007の価値が高まり、ライセンス収益の拡大及び将来に向けた発展に寄与するものと考えてお
  ります。同時に、wet AMDの場合の硝子体という局所投与のみならず、全身投与による疾患治療の世界初の事例と
  して、アプタマー医薬品の開発に大きく貢献するものとなります。


  ※2 Rofagha S, Bhisitkul RB, Boyer DS, Sadda SR, Zhang K. Seven-year outcomes in ranibizumab-
    treated patients in ANCHOR, MARINA, and HORIZON: a multicenter cohort study (SEVEN-UP).
    Ophthalmology 2013;120(11):2292-99.
  ※3 非臨床Proof of Concept(非臨床POC):ヒトでの臨床試験に入る前に、病態モデル動物での薬効確認試験に
    おいて、投与薬剤が意図した薬効を有することが示されること。
  ※4 Matsuda Y, Nonaka Y, Futakawa S, Imai H, Akita K, Nishihata T, Fujiwara M, Ali Y, Bhisitkul RB,

                                              - 2 -
                                           株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

  Nakamura Y. Anti-angiogenic and anti-scarring dual action of an anti-fibroblast growth factor 2
  aptamer in animal models of retinal disease. Mol. Ther. Nucl. Acids, 17:819-828 (2019).

② 開発状況、及びスケジュール
(イ) 滲出型加齢黄斑変性症(wet AMD)
 wet AMDを対象にした臨床試験として、第1/2a相臨床試験(試験略称名:SUSHI試験)を2018年10月から2019年7
月にかけて米国で実施いたしました。
 本第1/2a 相臨床試験は、オープンラベル(非盲検)、非対照(対照薬を置かない)の試験で、RBM-007の3用量
(3コホート)を、計9人の被験者に対して、単回投与(硝子体内注射)し、安全性、忍容性を確認することを主
な目的として、米国西海岸の複数の治験施設において実施いたしました。
 その結果、全ての用量において、主要評価項目(安全性と忍容性の確認)を達成し、あわせて副次的評価項目に
おいて薬効を示唆する結果も認められました。とくに薬効評価の指標となり得る光干渉断層撮影(OCT)による中
心窩網膜厚の変化について、治療抵抗性のある高齢の患者を対象としたにもかかわらず、中心窩網膜厚の減少(50
マイクロメートル以上)が、高用量(第3コホート)の3名全例で認められ、その効果が投与後56日目まで維持さ
れました。さらに、その3名中2名の被験者においては、56日目で中心窩網膜厚が約200マイクロメートル減少
し、ほぼ正常レベルに回復していました。
 この結果を受けて、2019年12月より、RBM-007の複数回投与による視力改善の臨床POC確認を目的とした第2相臨
床試験(試験略称名:TOFU試験)が米国で開始され、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて3月後半から5月
上旬にかけて一時的に新規患者登録を中断いたしましたが、現在は順調に進んでいます。この試験は、wet AMD患
者を対象に、①RBM-007硝子体内注射の単剤投与群、②既存薬としてアイリーア(アフリベルセプト)硝子体内注
射との併用投与群と、③アイリーア硝子体内注射の単剤投与群との間で、有効性と安全性を比較評価する無作為化
二重盲検試験です。
 またこれと並行して、国内外の製薬企業との提携協議を進めてまいりました結果、2020年3月、韓国AJU薬品株
式会社(以下、AJU薬品)との間で、韓国・東南アジア地域におけるRBM-007のwet AMDを適応疾患とするライセン
ス契約を締結いたしました。この締結により、AJU薬品は、RBM-007の韓国・東南アジア地域における独占的開発権
と販売権を取得します。また、当社は、AJU薬品より、契約一時金として1百万USドルを受領、今後、RBM-007の開
発段階に応じて、開発マイルストーンとして最大5百万USドル、合計最大6百万USドルを受け取る権利を取得しま
す。
 今後もRIBOMIC USA Inc.との緊密な連携の下、関連法令、ガイドライン等を遵守しつつ、この臨床試験を迅速・
適切に推進してまいります。


(ロ) 軟骨無形成症(ACH)
 本プロジェクトは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助(2015年度からの3年間ならびに
2018年度からの3年間)を受け、GLP適合非臨床安全性・毒性試験及び治験薬製造が完了しております。独立行政
法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との対面助言により非臨床試験データの充足性が確認され、2020年4月、新
薬の治験計画届出書をPMDAに提出しました。その後、PMDAによる30日間の審査を経て、2020年7月、第1相臨床試
験を開始いたしました。第1相臨床試験は、RBM-007の安全性、忍容性及び薬物動態を調べることを目的として、
国内の1治験施設において、合計24名の健康成人男性を対象に実施しております。


③ 推進体制
 当社では、事業開発部と臨床開発部を中心に外部機関の協力も得て、治験実施体制の構築を進めてきました。そ
の一環として、2019年10月、第一三共株式会社で37年間臨床開発を担当した池上直隆氏を執行役員臨床開発部長と
して採用し、体制強化を図っております。米国での臨床開発は、当社完全子会社であるRIBOMIC USA Inc.が治験ス
ポンサーとなり、新薬開発経験が豊富なYusuf Ali氏(Ph.D.)がCEOとして陣頭指揮を執っております。2019年5
月に、当社の取締役執行役員1名が、RIBOMIC USA管掌として着任するとともに、2019年8月より眼科専門医
(Daniel de Souza Pereira氏)が社員として新たに加わり米国での臨床開発体制をさらに強化いたしました。ま
た、眼科専門医及び眼科領域の製品開発のエキスパートを含む科学諮問委員会が設置されており、同委員会におい
ては継続的に臨床試験計画の審議、治験データの評価等が行われています。
 さらに、ACH治療薬開発については、大阪大学医学部附属病院小児科の臨床医で、小児における骨系統疾患の専
門医である大薗恵一教授と医学アドバイザーの委嘱に関する契約を締結し、各種助言等を行っていただいておりま
す。
 今後もRBM-007の開発推進に向け、体制の一層の整備を図ってまいります。




                                           - 3 -
                           株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

その他のプロジェクト


① RBM-003(抗キマーゼアプタマー)及びRBM-010(抗ADAMTS5アプタマー)
 当社は、既存パイプラインを継続的、重層的に拡大し中長期的に成長するために、特に優れた薬効が動物試験で
確認されているRBM-003(抗キマーゼアプタマー、心不全等)及びRBM-010(抗ADAMTS5アプタマー、変形性関節症
等)を、RBM-007に次ぐ重点開発プログラムと位置づけております。
 RBM-003が標的とするキマーゼの阻害剤として、バイエル社(独)が開発した低分子のキマーゼ阻害剤があり、
これを用いた、慢性心不全に対する臨床試験が第2相まで実施されていましたが、最近開発の中止が報告されてお
ります。当社のRBM-003はバイエル社のキマーゼ阻害剤に比較して、強い酵素阻害活性をもつことが確認されてお
り、急性心不全に対する即効性の注射薬の開発を目指し、今後の研究開発を加速してまいります。
 RBM-010が対象とする変形性関節症は、種々の原因により、膝や足の付け根、肘、肩等の関節に痛みや腫れ等の
症状が生じ、その後関節の変形をきたす病気です。現在、治療法としては痛みや腫れを和らげる薬の服用や関節置
換術などの手術しかなく、根治する薬はありませんが、RBM-010はその根治療法に道を開く可能性があり、今後の
研究開発に取り組んでおります。


② RBM-011(抗IL-21アプタマー)
 RBM-011(抗IL-21(インターロイキン21)アプタマー)を用いた肺動脈性肺高血圧症に対する新薬の開発研究
を、AMEDの難治性疾患実用化研究事業の一環として助成を受けて(2017~2019年度)、国立循環器病研究センター
と共同で進めてきましたが、今般、その継続研究がAMEDの治験準備(ステップ1)研究として採択されました
(2020~2022年度)。
 肺動脈性肺高血圧症は、難治性呼吸器疾患に認定されている原因不明の病気であり、肺動脈壁が肥厚して血管の
狭窄が進行した結果、全身への血液や酸素の供給に障害が生じ、最終的には心不全から死に至ることのある重篤な
疾患です。近年、プロスタグランジンI2製剤などの治療薬の開発で予後は改善しつつありますが、治療薬が十分な
効果を発揮しない患者様の予後は依然として極めて悪い状態です。これらの既存治療薬は、いずれも血管を拡張さ
せる作用を持つものであり、血管壁の肥厚を抑制する作用を持つ薬はなく、その開発が強く望まれています。
 国立循環器病研究センターとの3年間の共同研究によって、当社が創製したRBM-011は、動物実験において、肺
動脈壁の肥厚に対して、顕著な抑制効果をもつことが明らかになっています。今後は、肺動脈性肺高血圧症の国内
での専門医療機関である国立循環器病研究センターと密に連携して、本剤を臨床試験に進めるべく注力したいと考
えております。


③ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアプタマー治療薬の開発
 当社は、現下の世界情勢と当社の使命に鑑み、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の開発を目的として、
アプタマー創薬研究を開始いたしました。
 COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2は、ウイルス表面のスパイクタンパク質(Sタンパク質)がヒトの細胞表面
にある受容体(ACE2タンパク質)に結合することによって、感染が開始され、その後細胞内に侵入し増殖すること
が明らかになっています。当社は、Sタンパク質やACE2タンパク質に結合することで、Sタンパク質とACE2タンパク
質の結合を阻害したり、あるいはウイルスの細胞内への侵入を阻止するような活性を持つアプタマーの創製を開始
しました。今後、社外の専門研究グループと共同で細胞ならびに動物モデルを用いて検証する予定です。
 世界的なパンデミックとなっているCOVID-19に対して、多くの企業や研究機関がワクチンや抗ウイルス薬の開発
を進めており、臨床試験も開始されておりますが、その終息は全く見通しがたっておりません。一刻も早い感染症
克服のためには、ワクチン開発と並行して、作用機序の異なる様々な治療薬の開発を緊急に間断なく推進すること
が重要です。当社は、タンパク質・タンパク質結合阻害剤としてのアプタマーの卓越した有用性に鑑み、上述のア
プタマー開発がCOVID-19の克服に繋がる有力なアプローチであると期待しています。本研究の遂行に当たっては、
研究員の健康に十分配慮の上、短期間に開発可能であるアプタマーの特徴を最大限に発揮して、迅速にCOVID-19治
療薬の開発に取り組んでまいります。


④ 共同研究契約
 2018年事業年度において当社は、米国プリツカー精神神経疾患研究コンソーシアムのメンバーの一員であるミシ
ガン大学と、当社が創製したアプタマーの精神疾患に対する効果を検証することを目的に、共同研究試料提供契約
(MTA)を締結し、現在、同大学において当社が提供したアプタマーの評価が進められております。
 また、ビタミンC60バイオリサーチ株式会社との間の2019年1月18日付共同研究開発契約に基づき、化粧品原料
候補の創製・開発に関する共同研究を実施しております。




                           - 4 -
                            株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

  ⑤ 継続中の自社創薬プロジェクト
   アプタマー医薬品の汎用性をさらに活かすため、GPCR(Gタンパク質共役型7回膜貫通型受容体)を標的とする
  アプタマー創薬や、コンピューター科学を応用した技術開発(JST委託事業)等を継続して進めております。


  開発コスト


   今後の開発資金の調達を目的として、2020年1月27日にSMBC日興証券株式会社を割当先とする第三者割当の方法
  による第15回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、2020年7月に行使が完了して、総額約55億円の調達を
  達成いたしました。本調達による資金は主に、①RBM-007のwet AMD及びACHを対象とした臨床開発費用(臨床開発
  のための薬剤合成費用を含む)、②RBM-003の心不全を対象とした非臨床試験費用、③RBM-010の変形性関節症を対
  象とした非臨床試験費用、④新規技術開発費用(製剤化技術開発・導入他)等に充当する予定です。

   これらの結果、当第1四半期累計期間において事業収益を2百万円(前年同四半期の事業収益は1百万円)、事業
  費用として研究開発費を165百万円、販売費及び一般管理費を98百万円計上し、営業損失は262百万円(前年同四半
  期は営業損失219百万円)となりました。
   また、営業外費用として、第15回新株予約権の発行に伴う株式交付費4百万円、為替相場の変動による為替差損2
  百万円を計上したこと等により、経常損失は268百万円(前年同四半期は経常損失220百万円)となりました。これ
  により四半期純損失は268百万円(前年同四半期は四半期純損失220百万円)となりました。
   なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し
  ております。


(2)財政状態に関する説明
  ① 資産の部
   当第1四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて3,099百万円増加し、5,368百万円となりまし
  た。これは、現金及び預金が2,652百万円、有価証券が500百万円増加したこと等によるものです。なお、当第1四
  半期会計期間末において保有している有価証券は、保有する資金を、研究開発への充当時期まで、適切な格付けを
  得た安全性の高い金融商品で運用することを目的としたものです。


  ② 負債の部
   当第1四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて65百万円増加し、154百万円となりました。こ
  れは、RIBOMIC USA Inc.での臨床試験実施費用を含む未払金が57百万円増加したこと等によるものです。


  ③ 純資産の部
    当第1四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて3,033百万円増加し、5,214百万円となりまし
  た。これは、第15回新株予約権の一部について権利が行使されたこと等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ
  1,656百万円増加した一方で、四半期純損失268百万円を計上したことにより、利益剰余金が同額減少したこと等に
  よるものです。


(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明
   当社は、アプタマー創薬技術のプラットフォームである「RiboART システム」をベースとして、新規のアプタマ
  ー医薬の開発に取り組んでおります。
   当社の基本方針は、自社で創製した開発候補アプタマーを製薬企業にライセンス・アウトし、そのライセンス収
  入を見込む「自社創薬」と、安定的な共同研究収入を一定期間期待できる製薬企業との「共同研究」の二つをバラ
  ンス良く組合せ、持続的な収益向上を図ることであります。
   2021年3月期においては、既存の共同研究の推進とステージアップ、創薬品目のライセンス・アウト、及び新規
  共同研究契約の締結により得られる収入を見込んでおります。
   なお、2021年3月期の業績予想につきましては、2020年5月14日付の決算短信で公表しました通期の業績予想か
  ら変更はありません。




                            - 5 -
                  株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                (単位:千円)
                        前事業年度             当第1四半期会計期間
                     (2020年3月31日)          (2020年6月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                     1,601,728            4,254,588
   売掛金                          108,830                    -
   有価証券                         399,994              899,994
   貯蔵品                            6,364                5,249
   前渡金                            2,390               26,890
   前払費用                          18,764               49,052
   未収消費税等                        34,028               43,822
   その他                            3,493                1,992
   流動資産合計                     2,175,594            5,281,589
 固定資産
   有形固定資産                        55,812               49,588
   無形固定資産                         1,626                1,468
   投資その他の資産                      36,704               36,182
   固定資産合計                        94,143               87,240
 資産合計                         2,269,737            5,368,830
負債の部
 流動負債
   未払金                           24,230               82,043
   未払費用                          10,202               10,505
   未払法人税等                        28,038               15,192
   前受金                            6,875                4,812
   その他                           19,442               42,156
   流動負債合計                        88,788              154,711
 負債合計                            88,788              154,711
純資産の部
 株主資本
   資本金                       4,029,956             5,686,025
   資本剰余金                     4,002,956             5,659,025
   利益剰余金                    △5,868,737            △6,137,297
   株主資本合計                    2,164,174             5,207,754
 新株予約権                          16,773                 6,364
 純資産合計                       2,180,948             5,214,118
負債純資産合計                      2,269,737             5,368,830




                  - 6 -
               株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

(2)四半期損益計算書
 (第1四半期累計期間)
                                         (単位:千円)
               前第1四半期累計期間          当第1四半期累計期間
               (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                至 2019年6月30日)       至 2020年6月30日)
事業収益                       1,875               2,136
事業費用
 研究開発費                   128,089             165,725
 販売費及び一般管理費               92,923              98,614
 事業費用合計                  221,013             264,339
営業損失(△)                 △219,138            △262,203
営業外収益
 受取利息                        202                    64
 有価証券利息                       22                    22
 その他                         120                    12
 営業外収益合計                     345                    99
営業外費用
 株式交付費                        49               4,147
 為替差損                      1,335               2,005
 営業外費用合計                   1,384               6,153
経常損失(△)                 △220,178            △268,257
税引前四半期純損失(△)            △220,178            △268,257
法人税等                         302                 302
四半期純損失(△)               △220,480            △268,559




               - 7 -
                          株式会社リボミック(4591) 2021年3月期第1四半期決算短信

(3)四半期財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
 該当事項はありません。


(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
 SMBC日興証券株式会社を割当先とする第15回新株予約権の行使により資本金が1,654,569千円、資本準備金が
1,654,569千円増加し、当第1四半期累計期間における他の新株予約権の行使による増加を含め、当第1四半期会計
期間末において、資本金が5,686,025千円、資本準備金が5,659,025千円となっております。


(重要な後発事象)
  (新株予約権の行使)
    当社が発行いたしました第15回新株予約権は、2020年7月1日から2020年7月14日までの間に、その一部に
   ついて権利行使されました。その概要は以下のとおりであります。なお、これにより、第15回新株予約権のす
   べてが行使完了しております。
   ① 行使された新株予約権の数                    34,023個
   ② 交付株式数                        3,402,300株
   ③ 資本金増加額                       855,476千円
   ④ 資本準備金増加額                     855,476千円




                          - 8 -