4587 ペプチドリーム 2020-03-12 15:00:00
三菱商事株式会社との合弁会社設立を伴う業務提携のお知らせ [pdf]

                                                              2020 年3月 12 日
各    位
                              会       社   名   ペ プ チ ド リ ー ム 株 式 会 社
                              代 表 者 名         代表取締役社長        リード・パトリック
                                               (コード番号:4587       東証第一部)
                              問い合わせ先          IR 広報部長        岩 田      俊 幸
                              電 話 番 号          (   0 4 4 )   2 2 3 - 6 6 1 2




         三菱商事株式会社との合弁会社設立を伴う業務提携のお知らせ


    当社は、2020年3月12日開催の取締役会において、以下のとおり、三菱商事株式会社(以下
「三菱商事」)との間で、細胞治療・再生医療等製品の製造等に使用される、細胞培養向け
培地*1の重要成分である、成長因子を代替するペプチド*2(以下、「代替ペプチド」)の開発・
製造・販売を行う合弁会社、ぺプチグロース株式会社(英文名:PeptiGrowth Inc. 以下、「ぺプ
チグロース」)を三菱商事60.5%、ペプチドリーム39.5%の出資比率で設立することを決議しました
のでお知らせ致します。


*1 細胞を体外で培養するために必要な栄養素を含む液状や固体の物質。成長因子、アミノ酸、糖類、無機物など

から構成される。

*2 アミノ酸が 2~50 個程度繋がった物質の総称。




1.業務提携の背景と理由
    成長因子は、ヒトを含む動物の体内に広く存在し、細胞の成長・増殖や、またiPS細胞・ES細胞
等の幹細胞を神経細胞や血液細胞等へと分化誘導させる際に重要な役割を担うタンパク質です。
現在は、動物血清からの抽出物、あるいは遺伝子組み換え技術によって製造されたものが主に
使用されていますが、不純物混入による安全性上のリスク、製造ロット間の品質のばらつき、
高額な製造コスト等が、細胞治療・再生医療の更なる普及に向けて大きな課題となっています。
    当社では、産業全体が直面するこうした課題について当社の特殊ペプチド技術を用いることで
解決が可能と考え、一方で、開発から製造、販売までを一気通貫で最適化し、必要な体制を実現
していくためには、当社が有していない販売やマーケティング機能に強みをもつパートナー企業
との提携が必要と考えました。
    三菱商事は、当社の関連会社である特殊ペプチド原薬のCDMO(医薬品開発製造受託機関)・
ぺプチスター株式会社への出資会社の一つで、特殊ペプチド原薬の全世界への流通を担うグロー
バル企業です。当社は上記の課題認識を共有する三菱商事との間で業務提携の可能性について
検討を続けてまいりました。その結果、細胞培養向け成長因子代替ペプチドの開発、製造及び
販売に特化した合弁会社を設立し、当社が有する技術基盤・開発力、三菱商事が有する幅広い



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ネットワーク・顧客基盤を活用した製造および販売ノウハウを融合することが、事業上の相乗
効果を最大化し、また細胞治療・再生医療の普及促進に資する体制を構築していく上で最適解で
あるとの結論に至りました。




2.業務提携の内容等
(1)業務提携の内容
 合弁会社であるぺプチグロースでは、ペプチドリームが有する独自の創薬開発プラットフォー
ムシステム:PDPS (Peptide Discovery Platform System)を用いて、成長因子と同等の機能を
有する代替ペプチドを新規に同定し、動物血清や遺伝子組み換え技術を用いない、将来的には
完全ゼノフリー培地*3 の実現にも資する化学合成品として、複数品目の代替ペプチドの開発を
進めてまいります。また、商業ベースでの製造工程・体制を確立することで、品質面において
高純度で製造ロット間のばらつきが小さく、またコスト面の合理化も実現し、細胞治療・再生
医療等製品向け次世代成長因子代替ペプチドとしての実用化を目指します。代替ペプチドの製造
においては、当社の関連会社であるペプチスター株式会社との協業を予定しています。
 三菱商事からは、社長含む経営幹部ポジションを担う人材を派遣し、ぺプチグロースの経営
全般に携わる他、三菱商事グループが有する幅広いネットワーク・顧客基盤の利活用を通じて、
グローバル市場における代替ペプチドの販売及び市場拡大を図ります。
 本取り組みを通じて、産業全体が抱える課題解決、および細胞治療・再生医療の普及促進に
貢献してまいります。


*3 細胞の最適な増殖や分化誘導に用いられる、 (ヒト以外の動物)
                       異種        由来成分を含まない培地。


(2)合弁会社の概要
(1) 名                 称   ペプチグロース株式会社(PeptiGrowth Inc.)
(2) 所         在       地   東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
(3) 代表者の役職・氏名             代表取締役 杉本 二朗
(4) 事     業       内   容   細胞培養向け成長因子代替ペプチドの開発、製造及び販売
(5) 資         本       金   20 百万円
(6) 設 立 年 月 日             2020 年4月1日(予定)
(7) 決         算       期   3月期
(8) 純         資       産   40 百万円
(9) 総         資       産   40 百万円(※1)
(10) 出    資       比   率   三菱商事:60.5%、ペプチドリーム:39.5%
 ※1:ペプチグロース株式会社は、2020 年4月の設立後、順次事業拡大にあわせて総資産 10 億
円を上回らない範囲での増資を計画しております。




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(3)合弁会社の業績見通し
 ペプチグロースでは、当面は複数品目の代替ペプチドの開発が主な業務になることを想定して
おり、設立後2年程度をめどに研究向け成長因子代替ペプチド製品の順次上市、およびこれに
伴う早期黒字化を目指します。




3.業務提携の相手先の概要
(1)   名                 称   三菱商事株式会社(Mitsubishi Corporation)
(2)   所         在       地   東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
(3)   代表者の役職・氏名             代表取締役社長:垣内 威彦
                            天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフ
                            ラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産
(4)   事     業       内   容   業、電力ソリューション、複合都市開発の10 グループ体制
                            で幅広い産業を事業領域とし、世界約90 の国・地域に広が
                            る拠点と約1,400 の連結事業会社と協働し事業を展開
(5)   設    立    年   月   日   1950年4月1日(創立年月日:1954年7月1日)
                             日本トラスティ・サービス信託銀行㈱                           8.98%
                             日本マスタートラスト信託銀行㈱                             6.71%
(6)   大株主及び持株比率
                             東京海上日動火災保険㈱                                 4.50%
                             明治安田生命保険相互会社                                4.08%
                            資    本    関       係      該当事項はありません。
      上場会社と当該会社と            人    的    関       係      該当事項はありません。
(7)
      の間の関係                 取    引    関       係      該当事項はありません。
                            関連当事者への該当状況              該当事項はありません。
(8)       当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財務状態(単位:百万円)
決算期                             2017年3月期              2018年3月期       2019年3月期
連結純資産                                 5,789,001          6,265,211      6,636,920
連結総資産                                15,753,557         16,036,989     16,532,800
1株当たり連結純資産                           3,101.43円          3,362.34円      3,589.37円
収益                                    6,425,761          7,567,394     16,103,763
税引前利益                                      601,440         812,722        851,813
連結当期純利益                                    440,293         560,173        590,737
1株当たり連結当期純利益                           277.79円            353.27円        372.39円
1株当たり配当金                                   80.00円         110.00円        125.00円




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4.日程
(1)    取締役会決議日        2020年3月12日
(2)    契約締結日          2020年3月12日
(3)    事業開始日          2020年4月1日(予定)




5.今後の見通し
 今回の契約締結による、2020 年2月 13 日に発表いたしました 2020 年 12 月期の業績予想への
影響は軽微です。業績予想に変更が生じる場合には、速やかに開示いたします。




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(参考)当期業績予想(2020 年2月 13 日公表分)及び前期実績                        (単位:百万円)
                    売上高            営業利益        経常利益       当期純利益
  当期業績予想
                    10,000 以上      5,300 以上    5,400 以上    4,000 以上
( 2020 年 12 月 期 )
    前期実績
                        1,037           △887      △706        △488
( 2019 年 12 月 期 )
(注)前期は決算期変更の経過期間となることから、2019年7月1日から2019年12月31日までの
6ヶ月間を対象とした決算となっております。




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