4587 ペプチドリーム 2021-09-02 15:00:00
富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の承継会社の全株式取得(子会社化)に関するお知らせ [pdf]
2021 年9月2日
各 位
会 社 名 ペ プ チ ド リ ー ム 株 式 会 社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 リード・パトリック
(コード番号:4587 東証第一部)
問 い 合 わ せ 先 IR 広報部ディレクター 沖 本 優 子
電 話 番 号 ( 0 4 4 ) 2 2 3 - 6 6 1 2
富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の承継会社の
全株式取得(子会社化)に関するお知らせ
ペプチドリーム株式会社(以下「当社」
)は、本日開催の取締役会において、富士フイルム富山
化学株式会社(以下「富士フイルム富山化学」
)から放射性医薬品事業(以下「対象事業」)を吸収
分割により承継する新会社の全株式を取得して子会社とすること(以下「本件」
)を決議し、富士
フイルム株式会社との間で本件に係る株式売買契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
1.本件の背景・目的
当社は、当社独自の創薬開発プラットフォームであるPDPS (Peptide Discovery Platform
System)を活用し、特殊ペプチド創薬に加えて、ヒットペプチドを介して得られるファーマコフォ
ア情報を用いた低分子創薬、およびペプチド-薬物複合体(以下「PDC」
)への展開を進めておりま
す。PDCは、放射性核種・核酸(siRNAやDNA等)
・抗体・タンパク質・ペプチド・低分子化合物等の
ペイロードを生体内の特定の部位や臓器に送達するキャリアとして特殊環状ペプチドを活用し、
治療が必要な細胞・組織への選択的な薬物の送達を可能とすることで、健康な細胞・組織への影
響や副作用を最小限に抑えながら、治療効果の最大化を狙う創薬アプローチです。当社では、こ
のPDCの活用用途の拡大を積極的に進めてまいりましたが、その中でも、放射性医薬品領域におけ
るPDCの活用については、次世代放射性核種との組み合わせにより、今後さまざまな疾患に対する
診断薬・治療薬としての開発ポテンシャルを有することから、この領域でのPDCの活用を重要戦略
の一つと位置付けてまいりました。
他方、富士フイルム富山化学は、富士フイルム株式会社が展開するヘルスケア事業において、
診断・治療領域の医薬品などの研究・開発・製造・販売を担っており、特に放射性医薬品領域に
おいては国内の放射性医薬品リーディングカンパニーの一社としてSPECT(Single Photon
Emission Computed Tomography)用診断薬、PET(Positron Emission Tomography)用診断薬、放
射性治療薬を提供しております。放射性治療薬については、2021年6月23日に、富士フイルム富
山化学が開発を進めてきた「ルタテラ 静注」が、神経内分泌腫瘍の新たな治療選択肢となる「ペ
プチド受容体放射性核種療法剤(Peptide Receptor Radionuclide Therapy; PRRT)(ペプチド-
」
放射性核種複合体)として国内初の製造販売承認を受けております。
放射性医薬品領域は、技術革新が進む次世代放射性核種と選択的なデリバリー技術の組み合わ
1
せにより、今後治療と診断の両分野において、ますます臨床応用の範囲が拡大していくものと想
定しております。本件を通じて、当社が有するPDC技術と対象事業が有する放射性医薬品の研究開
発から製造販売までの実績・ノウハウを組み合わせることにより、放射性医薬品の創製、研究開
発から製造販売まで一気通貫で最適化された新たなプラットフォームを構築し、放射性医薬品領
域におけるPDC事業のさらなる拡大と開発スピードの加速、ならびに当該領域のグローバルネット
ワークにおける中心的ハブの実現を目指してまいります。なお、本件により以下のシナジーを期
待できるものと考えております。
1.技術面でのシナジー
対象事業は放射性核種に関する技術・ノウハウを有しており、当社は放射性核種を目的の
細胞・組織に特異的にデリバリーするためのキャリアペプチドに関する技術・ノウハウを
有しております。技術的な相性も高いことから、両社の技術を組み合わせることにより、
新たな次世代放射性医薬品を継続的に創出できるものと考えております。
2.機能面でのシナジー
対象事業は有望な候補化合物を獲得できればこれを研究開発から製造販売まで商業化し
ていくプラットフォームを有しており、当社の候補化合物の創製に関するプラットフォー
ムと組み合わせることにより、放射性医薬品の創製、研究開発から製造販売まで一気通貫
で最適化された新たなプラットフォーム(日本市場におけるPartner of Choice)を構築
できるものと考えております。
3.事業開発面でのシナジー
対象事業は放射性医薬品に関する海外パートナーからの導入・商業化実績を有しており、
当社は各種パートナーとの間でペプチド-放射性核種複合体に関する研究開発プログラム
を複数推進しております。両社の強みを融合することにより、日本市場での開発を進める
グローバル製薬企業にとってのPartner of Choiceとして放射性医薬品グローバルネット
ワークにおける中心的ハブを実現し、導入製品を一層拡充するとともに、自社創製品の海
外への導出を通じて、両社の事業開発を双方向に強化してまいります。
2.本件の概要
本件は、以下の方法で行うことを予定しております。
① 富士フイルム富山化学が対象事業を吸収分割により富士フイルムの完全子会社である新会社
に承継させます。(2022 年3月予定)
② 当社が富士フイルム株式会社より新会社の全株式を取得いたします。(2022 年3月予定)
なお、本件に係る資金については、手元資金及びブリッジローンによる調達枠を既に確保して
おります。また、パーマネント化については、金融機関からの借入や市場調達等、適切な財務構
成に向けた各種資金調達手法を検討してまいります。
2
<本件の買収対象>
3.対象会社の概要
(1) 名 称 FTP株式会社(※今後、変更予定)
(2) 所 在 地 東京都中央区京橋二丁目14番1号
(3) 代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名 代表取締役 棚橋 進
(4) 事 業 内 容 放射性医薬品等の製造、販売等
(5) 資 本 金 5百万円
(6) 設 立 年 月 2021年7月15日
(7) 大 株 主 及 び 持 株 比 率 富士フイルム株式会社100%
資 本 関 係 該当事項はありません。
人 的 関 係 該当事項はありません。
(8) 上場会社と当該会社との間の関係
取 引 関 係 該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 該当事項はありません。
当該会社の最近3年間の経営成績 新設会社の為、記載事項はありません。(※1)
(9)
及び財政状態
※1 対象会社は、富士フイルム富山化学株式会社から、2022年3月(予定)に、会社分割(吸収分
割)により対象事業を承継いたしますので、確定した最終事業年度はございません。
4.株式取得の相手先の概要
(1) 名 称 富士フイルム株式会社
(2) 所 在 地 東京都港区西麻布二丁目26番30号
3
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長・CEO 後藤禎一
ヘルスケア(メディカルシステム機材、化粧品・サプリメン
ト、医薬品、バイオ医薬品製造開発受託、再生医療製品
等)、マテリアルズ(化成品、グラフィックシステム機材、
インクジェット機材、ディスプレイ材料、記録メディア、電
(4) 事 業 内 容
子材料等)、 イメージング(カラーフィルム、デジタルカメ
ラ、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、イン
スタントフォトシステム、光学デバイス等)、の開発、製
造、販売、サービス
(5) 資 本 金 40,000百万円(2021年3月31日現在)
(6) 設 立 年 月 2006年10月2日
(7) 大株主及び持株比率 富士フイルムホールディングス株式会社・100%
上場会社と当該会社と 富士フイルムホールディングスは、富士フイルムの発行済普
(8)
の 資 本 関 係 通株式の100.00%を所有しております。
(9) 上場会社と当該会社と 富士フイルムホールディングスの役員の一部は、富士フイル
の 人 的 関 係 ムの役員を兼任しております。
(10) 上場会社と当該会社と 取 引 関 係 富士フイルムは、富士フイルムホー
の取引関係等 ルディングスより資金を借り入れて
おります。また、富士フイルムホー
ルディングスは、富士フイルムに対
しオフィス管理費用を一部請求して
おります。
関連当事者への該当状況 富士フイルムは、富士フイルムホー
ルディングスの完全子会社であり、
富士フイルムホールディングスと富
士フイルムは相互に関連当事者に該
当します。
5.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
-株
(1) 異動前の所有株式数 (議決権の数:-個)
(議決権所有割合:-%)
(2) 取 得 株 式 数 1,001株(発行済全株式を取得予定)
(3) 取 得 価 額 企業価値:30,500百万円(※1,2)
1,001株
(4) 異動後の所有株式数 (議決権の数:1,001個)
(議決権所有割合:100%)
4
※1 クロージング時点での現預金及び借入金の残高並びに運転資本の増減等により調整されます。
※2 上記に加えて、事業の進捗等に応じた条件付対価の支払いが追加で発生する可能性がございま
す。
6.日程
(1) 取締役会決議日 2021年9月2日
(2) 契約締結日 2021年9月2日
(3) 吸収分割効力発生日 2022年3月(予定)
(4) 株式譲渡実行日 2022年3月(予定)
7.業績への影響
本件は、
2022 年3月にクロージングを予定していることから、
今期業績への影響は軽微であり、
2021 年2月 10 日に発表いたしました 2021 年 12 月期の業績予想からの変更はございません。
また、来期以降の業績への影響については、現在精査中であり、確定後すみやかな公表を予定
しております。
<参考>
対象事業(カーブアウト)の財務状況(単位:百万円)
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
決 算 期 1 1
実績 実績 予想2
売 上 高 15,328 13,278 15,500
E B I T D A 1,160 189 900
(税金、償却費等控除前利益 )
営 業 利 益 ▲264 ▲1,275 ▲500
資 産 合 計 17,130 16,380 -
1:一定の仮定のもと富士フイルム富山化学株式会社の対象事業に関する部分を切り出し、富士フイ
ルム株式会社によって作成されたものです。
2:富士フイルム富山化学株式会社によって作成された計画に基づき、当社が一定の仮定のもと作成
した業績予想であり、その達成を当社として約束する趣旨のものではございません。また、実際の業績
等は様々な要因により変動する可能性がございます。
以 上
5