4584 M-キッズ・バイオ 2020-10-26 15:30:00
世界初の小児先天性心疾患を対象とした再生医療等製品の製造販売承認申請(2023 年度中)に向け大きく加速 [pdf]
2020 年 10 月 26 日
各 位
会 社 名 株式会社ジーンテクノサイエンス
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 谷 匡 治
(コード番号:4584 東証マザーズ)
執 行 役 員
問合せ先 栄 靖 雄
経営管理本部長
(TEL.03-6222-9547)
世界初の小児先天性心疾患を対象とした再生医療等製品の
製造販売承認申請(2023 年度中)に向け大きく加速
~JRM-001 の第3相臨床試験における製造所追加のお知らせ~
この度、当社の完全子会社である株式会社日本再生医療(以下、
「JRM」といいます。)は、小児先天性
心疾患患者に対する心臓内幹細胞(当社開発番号:JRM-001)の有効性および安全性を評価する第3相臨
床試験(以下、
「本臨床試験」といいます。)において、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリン
グ(証券コード:7774 JQ グロース上場。以下、
「J-TEC」といいます。)を製造パートナーとして加える
ことを同社と合意いたしましたので下記のとおりお知らせします。J-TEC は、患者様自身の組織に由来す
る自家細胞を用いた自家再生医療等製品の実用化で豊富な実績を有しており、同社の製造技術を活用し
た本製品の安定製造体制の構築によって、自家細胞を活用する本臨床試験の更なる加速が見込めます。
本製品は、世界に先駆けて先ずは国内での 2023 年度中の製造販売承認申請を目指すもので、本合意に
より本臨床試験の着実な推進が可能となり、将来の本製品上市に伴う当社売上収益への貢献は確実なも
のとなります。この結果、現在開示している当社の中期経営戦略「GTS3.0 ロードマップ」の早期黒字化
並びに 2024 年度以降の収益拡大の構想は大きく前進いたしました。
記
1.製造所追加の目的及び理由
自家心臓内幹細胞を用いる JRM-001 を安定的に製造するには、自家再生医療等製品の特徴を理解し、
その製造管理及び品質管理の経験やノウハウを持っていることが重要です。そこで、既に自家再生医
療等製品3品目 1)を開発、上市した実績がある J-TEC に JRM-001 の製造を委託することを決定し、本
臨床試験の治験製品製造所として追加登録いたしました。
小児先天性心疾患とは、生まれながらに心臓に何らかの異常をもつ疾患で、日本において新生児 100
人に1人が、左右の心房・心室で形成される4つの部屋の一部が正常に機能しない、心房心室間の弁
が狭く血液の通りが悪いなどの異常をもって生まれてきます。JRM は、この小児先天性心疾患に苦しむ
患者様の心機能を改善するため、当該疾患の治療法である外科手術で採取された心臓組織から、高い
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自己複製能力を持ち、心筋細胞へ分化できる心臓内幹細胞を単離・培養し、その心臓内幹細胞を患者
様本人へ投与する世界初の治療法の実用化に取り組んでいます。
本臨床試験の対象となるのは、外科手術による治療が必要とされる先天性心疾患の代表的病態であ
る機能的単心室症の患者様です。機能的単心室症に対する一般的な治療法として外科手術が実施され、
近年、その術後生存率は向上していますが、手術後 90%の患者様が 40 歳までに心機能低下や心不全な
どを発症し、25 年生存率は 70%程度と極めて病状が重い疾患です。
機能的単心室症に対する心臓内幹細胞を用いた治療法については、既に岡山大学においてヒト幹細
胞臨床研究として実施された第1相臨床試験及び第2相臨床試験において、その安全性と有効性を示
唆する研究成果が報告されており、JRM は、その成果に基づき、第3相臨床試験「小児先天性心疾患患
者に実施する外科的修復術後の心機能に対する JRM-001 移植の有効性及び安全性評価試験」を実施し
ています。
当社は、本年2月 17 日の JRM 完全子会社化以降、JRM との連携を強化し本臨床試験への取り組みを
推進してまいりました。その一環として、この度、J-TEC を製造パートナーとして迎え、患者様へ一日
も早く治療を届けられるよう、邁進してまいります。
1)J-TEC が既に開発、上市した自家再生医療等製品
ジェイス:重症熱傷、先天性巨大色素性母斑、栄養障害型表皮水疱症及び接合部型表皮水疱症に対するヒト
(自己)表皮由来細胞シート
ジャック:膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎に対するヒト(自己)軟骨 由来組織
ネピック:角膜上皮幹細胞疲弊症に対するヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート
ご参考:JRM-001 の対象となる患者数
対象患者数(国内) 年間 約 500 人
(注)日本胸部外科学会から発表されている学術調査報告書を基に当社にて算出
http://www.jpats.org/modules/investigation/index.php?content_id=7
2.JRM-001 の国内開発における目標スケジュール
2023 年度半ば:JRM-001 の製造販売承認申請
2024 年度前半:JRM-001 の製造販売承認の取得、発売開始
3.今後の展開
J-TEC における治験製品の製造を進め、本臨床試験の推進並びに将来の販売体制の構築を継続して
まいります。
なお、JRM は、JRM-001 関連特許において、海外での独占的使用権も取得しており、今後、国内のみ
ならず、海外の患者様へもこの治療法をお届けすることを視野に入れております。このような事業展
開をとおして、当社は更なる成長を追求してまいります。
4.業績に与える影響
本件に伴う 2021 年3月期の業績への影響は軽微の見通しです。
以 上
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