4583 M-カイオム 2019-11-12 16:00:00
決算補足資料 2019年12月期 第3四半期 [pdf]

                                                                    証券コード:4583




2019年12月期第3四半期
決算補足資料
2019年11月12日




   医療のアンメットニーズに創薬の光を
     To accelerate drug discovery and development of mAb
   for therapeutics to overcome current medical unmet-needs
                            Copyright © 2017 Chiome Bioscience Inc. All Rights Reserved.



株式会社カイオム・バイオサイエンス
    目次                                                         2




                 1.2019年12月期第3四半期業績

                 2.2019年12月期第3四半期事業進捗

                 (参考)
                  事業概要
                  パイプライン紹介




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                                                                                                          3




               2019年12月期第3四半期業績




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    損益計算書
                                  2018年12月期 2019年12月期
                                                                        増減               増減の理由等
                                      3Q        3Q

  売上高                                          142                282    139

  (創薬事業)                                            2              2          0   • BMAA評価期間2年目オプション料計上


                                                                                  • 中外製薬グループ、小野薬品からの受
  (創薬支援事業)                                     140                280    139        託取引が増加

  売上原価・販管費                                  1,075               1,451    376

                                                                                  • CBA-1205の臨床試験に向けた治験薬
   (研究開発費)                                     685              1,043    357        等開発委託費用およびCRO費用の計上


   (その他)                                       389                408        18
                                                                                   [ 売上高 ]
  営業損失(△)                                   △932               △1,169   △236       既存・新規顧客の取引拡大に
                                                                                   より創薬支援事業売上
  経常損失(△)                                   △927               △1,177   △249       前年同期比99%増

  当期純損失(△)                                  △927               △1,170   △242       [ 研究開発費 ]
                                                                                   治験薬等開発委託費用の増加
   ※ 百万円未満は切り捨てして表示しています。
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    貸借対照表                                                                                5

                                                               2018年12月期        2019年12月期3Q

      流動資産                                                            2,609            2,806

          (現預金)                                                       2,328            2,468

      固定資産                                                             221               241

      資産合計                                                            2,831            3,048

      流動負債                                                             113               154

      固定負債                                                                 41             41

      負債合計                                                             154               195
      純資産合計                                                           2,676            2,853
      負債・純資産合計                                                        2,831            3,048
      ※ 百万円未満は切り捨てして表示しています。



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                                                                                                          6




                2019年12月期第3四半期事業進捗




                                                               Copyright © 2017 Chiome Bioscience Inc. All Rights Reserved.




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    当社の事業セグメント                                                 7


            創薬事業

        アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬の自社開発または共
       同開発を行い、その成果物である抗体に関する特許権等のライセンスを製
       薬企業等に導出し、契約一時金、マイルストーン、およびロイヤルティ等
       の収入を獲得していく事業。



       創薬支援事業

        製薬企業、診断薬企業および大学等の研究機関で実施される創薬研究を
       支援することで、サービス料等の収入を獲得する事業。当社の保有する抗
       体創薬技術プラットフォームを活用した抗体作製・抗体エンジニアリング
       およびタンパク質調製が主なサービス内容。



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    創薬事業(パイプライン)                                                                          8
 導出品
  開発コード               標的分子             疾患領域                    創薬研究   前臨床試験   臨床試験     導出先
                                                                                       2017.9~
  ADCT-701              DLK-1             がん
(LIV-1205 ADC)



 自社パイプライン
 開発コード                標的分子             疾患領域                    創薬研究   前臨床試験   臨床試験    ステータス

 CBA-1205              DLK-1              がん                                          自社開発中
(ADCC enhanced)


 CBA-1535            5T4×CD3
                                          がん                                          自社開発中
 (Tribody™)            ×5T4

  LIV-2008
                      TROP-2              がん                                          導出活動中
   /2008b

                                      糖尿病黄斑                                          2018.3
     BMAA             SEMA3A                                                         オプション付き
                                       浮腫、他                                          評価契約締結


   創薬研究                                 がん
   プロジェクト              非開示             感染症                                               -
   (5件)                                中枢神経



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    創薬事業(パイプライン)                                                                 9
          CBA-1205                            2020年以降、臨床試験第1相試験開始予定
                                             •    CMC開発が順調に進捗(原薬製造完了、治験薬製造予定)
           ヒト化抗DLK-1                         •    臨床試験計画策定のためKOL面談を実施
          モノクローナル抗体
                                             •    治験申請に必要な毒性試験等非臨床試験は2019年末頃完了予定


          CBA-1535                            臨床試験に向け準備中
        ヒト化抗5T4・抗CD3                         •    CMC開発(原薬・治験薬製造)を委託するCMOの選定完了
         二重特異性抗体                             •    2021年後半以降の治験申請を見込む

          LIV-2008                            ライセンス活動に集中
          ヒト化抗TROP-2                         •    複数の海外製薬企業において導入評価試験等を実施中
          モノクローナル抗体


               BMAA                           SemaThera社による評価継続中
        ヒト化抗セマフォリン3A                         •    2018年3月締結の共同開発ライセンスおよび独占的オプション契
         モノクローナル抗体                                約に基づく評価が継続


        その他創薬PJ                              •    先行するプロジェクトの特許出願にむけたデータ整備中


           ADCT-701                          •    治験申請のための非臨床試験の最終段階が進行中
              (導出品)                          •    現在の見通しでは、2020年以降の治験申請を見込む

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    創薬支援事業                                                                             10
                   製薬企業との取引

     既存顧客の取引が期初の想定を上回るペースで拡大へ(第3四半期実績は前年対
      比99%増)
             •    中外製薬グループおよび小野薬品との取引を中心に取引高の拡大
             •    2019年7月協和キリン株式会社と委受託基本契約締結、取引は増加へ

     新たな取引先との個別契約における新規取引を開始(10月)

      【2019年12月期業績予想の修正(創薬支援事業売上高)】
                             修正前:320百万円                        修正後:400百万円(25%増)

     <主要な取引先>
                                                取引先名称                         契約締結年月
       中外製薬株式会社                                                           2011年 6月
       Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd                                2012年 8月
       田辺三菱製薬
                                                                          2016年12月
       TANABE RESEARCH Laboratories U.S.A., Inc.
       小野薬品工業株式会社                                                         2018年10月
       協和キリン株式会社                                                          2019年 7月

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    技術力強化への取り組み                                                            11
    抗体作製・抗体エンジニアリング・タンパク調製等の継続的な技術改良により技術プ
     ラットフォームを強化。創薬力向上と創薬支援事業でのさらなる活用を目指す。
        →2019年9月14th Protein Expression in Animal Cells (14 th PEACe)
         Conference*1でタンパク技術研究(IgM*2精製方法)に関するポスター発表を実施

               2019年9月 PEACe学会ポスター発表概要

           タイトル:
                                                                       J
            A Two-step Purification Strategy to Prepare High Purity
            Recombinant Chicken IgM Pentamer

           発表要旨:
            生体内では5量体として存在するIgMは、リコンビナントタンパク質として生産す
           ると5量体のみならず6量体や単体なども発現する。本研究では、高純度に5量体IgM
           を精製する方法として2段階で行う精製方法が有効であることを示した。
           ( https://www.conferium.com/downloads/Program_PEACe.pdf )

          *1 2年に1度開催されるタンパク質工学系専門の国際学会。2019年は米国ニューポートで開催。タンパク質の発現
          や精製の研究、分析法の開発、また抗体医薬品の生産に使われるCHO細胞研究などに焦点を当てる。
          *2 生体に存在する抗体の一種で、ウィルスや細菌の感染初期の攻撃に重要な役割を担う。IgMは、生体内で5種類の
          サブユニットが結合しあった5量体として存在し、IgGに比べて抗原結合部位が多いことなどから、診断薬や治療薬な
          どの候補として有用性が高いと考えられる。しかしながらIgMの精製方法はいまだ確立されていない。(なお、6量体
          IgMは抗原結合部位がさらに多いため自己の細胞に対して傷害を誘導してしまう可能性がある。)


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    その他                                                                                          12

          行使価額修正条項付き第14回新株予約権(第三者割当て)の行使完了

          2019年1月8日に当社が発行した第14回新株予約権の行使が2019年8月27日に
           完了し、本調達によって1,336百万円を調達。
          調達した資金により、2021年後半以降の治験申請を目標とするCBA-1535の初
           期臨床試験のための製剤開発等を推進する。


                            累計行使個数                             6,428個(行使率 100%)
                            資金調達額                              1,336百万円

       <第14回新株予約権発行の目的>
                                   具体的な資金使途                                 金額         支出予定時期

           ① がん治療用抗体(CBA-1535)の初期臨床試験                                                2019年4月
                                                                          1,200百万円
             並びに原薬および製剤開発の研究開発資金                                                          ~2021年12月


                                                                                     2019年1月
           ② 新規治療用抗体創製に向けた基礎研究開発資金                                         282百万円
                                                                                          ~2020年12月



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                                                                                                       13




               (参考)事業概要




                                                               Copyright © 2017 Chiome Bioscience Inc. All Rights Reserved.




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   会社概要                                                                              14

      アンメットニーズに対する治療用抗体創製を手掛けるバイオベンチャー

                                                               ■設   立 2005年2月
                             Mission
                                                               ■上   場 2011年12月
                            医療のアンメットニーズに創薬の光を                         東証マザーズ (4583)
             Mission                                           ■代   表 小林 茂
                                                               ■所 在 地 [本社および技術研究所]
                                 Vision                               東京都渋谷区本町三丁目12番1号
                                      アンメットニーズに対する                    [創薬研究所]
              Vision                  抗体医薬の開発候補品を生み出す                 神奈川県川崎市宮前区野川907
                                      No.1ベンチャー企業へ             ■従 業 員 53名
                                                                     (研究員39名 うちPhD19名)
経営方針                                                           ■事業内容 抗体医薬品の研究開発等
                                                                               (2019年9月30日現在)
 健全な経営と信頼性の確保を第一に、社会とともに成
  長する企業を目指す。
 創造と科学をもってアンメットニーズに対する治療薬                                     < アンメット(メディカル)ニーズ >
  を開発して患者さんに貢献する。                                              現状の医療では満たされていないニーズ、つまり、
  -サイエンスと患者さんの架け橋になる-                                          いまだ有効な治療法や薬剤がない疾患に対する医療
                                                               ニーズのことです。今もなお、世界にはアンメット
 外部連携により継続的なパイプライン創出と企業価値
                                                               ニーズが数多く存在しており、新薬の開発が待たれ
  向上を実現する。                                                     ています。


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    事業を支えるコア・コンピタンス                                                                                  15
                                      技術プラットフォーム(Chiome’s mAb Discovery Engine)
                タンパク質調製                                               抗体作製                抗体エンジニアリング
       発現培養                                                ADLib®システム                    親和性向上

                                                                                                    抗体評価
                                                                                                  機能・親和性・物性
                             Recombinant
                             proteins
                                                                                         多価抗体作製
                                                                      動物免疫
                                精製                                 タンパク質・細胞・DNA
              Membrane
              proteins
                                                           B cell cloning   ハイブリドーマ                試験用抗体生産


        独自技術を含む複数の抗体作製技術と、タンパクや抗体エンジニアリングに関する高度な技術
        やノウハウを有し、これを統合的に駆使することによって、治療標的に対する最適な治療用抗体
        の創製に取り組むことが可能となります。

                                                    コア・コンピタンスを軸に、
                                                  創薬事業と創薬支援事業を展開


                                 創薬事業                                                 創薬支援事業
           アンメットニーズの高い領域における抗体                                              製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術
           創薬を行い導出するビジネス                                                    サービスを提供する受託ビジネス
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   収益モデル                                                                                        16
    一般的な医薬品開発の流れと当社の収益モデル
                                                         2~3年          5~7年        1~2年

                                                                       Ⅰ   Ⅱ   Ⅲ
                      基礎・探索研究                                  前臨床試験                承認審査   上市
                                                                       臨床試験

                      開発の早期段階における製薬企業等への医薬候補品導出による契約
                      一時金、マイルストーン、ロイヤリティ収入等
     創                                             製薬企業への導出
     薬                                            (ライセンスアウト)
     事
     業

                                                契約一時金              開発マイルストーン           ロイヤルティ


     創                抗体作製、創薬支援等に
     薬                よるサービス料収入等
     支
                          研究機関・製薬企業等
     援
                           へのサービス提供
     事
     業
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   今後の成長性                                                                      17

  技術プラットフォームをコアに「継続的な創薬」と「高品質な研究支援機能を提供」

                                                               成長期        安定・拡大期

              継続的なリード抗体の創出と導出
                           ADCT-701
                               BMAA
                   ( Anti-Sema3A antibody )
                                                                       創薬事業
                           CBA-1205
                                                                       成長の源泉
    企業価値




                           CBA-1535
                            LIV-2008
                        New pipelines
                           New pipeline
                                                                      創薬支援事業

                                                                     安定的な収益の獲得
                         技術プラットフォーム
                                                                時間
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                                                                                                       18




               (参考)パイプライン紹介




                                                               Copyright © 2017 Chiome Bioscience Inc. All Rights Reserved.




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    パイプライン:導出品(ADC Therapeutics社)                                                                 19
         ADCT-701(ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体の薬物複合体)標的分子:DLK-1

         ADC Therapeutics社に導出(2017年9月)*、臨床開発に向けた非臨床試験の
          最終段階が順調に進捗し、2020年以降に治験届の提出が見込まれる。
        *ADC Therapeutics社との契約(ライセンス契約)
         ADC(Antibody Drug Conjugate:抗体薬物複合体)開発用途に限定して、当社がADCT社に、
         全世界における独占的なサブライセンス権付の開発、製造および販売権を許諾する。

      解決すべきアンメットニーズ
       DLK-1を発現する固形腫瘍のうち、標準療法で十分な効果が得られない患者さんに効果を有する
      治療薬を提供する。



         2018年4月米国がん学会(AACR)の年次集会でのポスター発表
         タイトル:
            ADCT-701, a novel pyrrolobenzodiazepine (PBD) dimer-based antibody-drug
            conjugate (ADC) targeting DLK-1-exprssing tumors

         発表要旨:
           ADCT-701は、DLK-1を発現する癌モデルのin vitroおよびin vivoの試験において、強力
          かつ特異的な抗腫瘍活性を示し、ラットモデルで優れた血中安定性と忍容性が示された。
            (ポスター資料:https://adctherapeutics.com/adctsite/wp-content/uploads/Poster_701_AACR-2018.pdf)



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    パイプライン:自社開発品                                                                             20
     CBA-1205(ADCC活性増強型 ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体)                                           標的分子:DLK-1
                                                                                        ファーストインクラス
      経緯                               2015年に当社が吸収合併した(株)リブテックで創製されたマウスハイブ
                                       リドーマ法で取得した抗体。
      ADCC活性                           糖鎖改変技術:GlymaxX (ProBioGen)
      想定適応疾患                           難治性の癌腫である肝細胞がん、肺がん等
      期待                               DLK-1は幹細胞や前駆細胞のような未熟な細胞の増殖・分化を制御し、
                                       これまでに肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においても発現し、
                                       その増殖に関与していることが明らかとなった新しいがん治療の標的になる
                                       可能性がある分子。ファーストインクラス候補抗体。
      知財                               日本・米国・欧州・中国他で特許成立。

         臨床開発に向けた治験薬製造のための原薬製造が完了。治験申請に必要は毒性試験等の非臨床開
          発は2019年末頃に完了する計画。2020年以降、治験届を行い臨床試験開始予定。

    解決すべきアンメットニーズ
        肝細胞がんを始めとした有効な治療薬がない悪性度の高い腫瘍に対する新たな治療薬を提供する。

       2019年4月米国がん学会(AACR)の年次集会でのポスター発表
       タイトル:CBA-1205, a novel glycoengineered humanized antibody targeting DLK-1 exhibits potent
              anti-tumor activity in DLK-1 expressing tumor xenograft models
         (ポスター資料:https://www.abstractsonline.com/pp8/#!/6812/presentation/2425)


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    パイプライン:自社開発品                                                                         21
          CBA-1535(ヒト化抗5T4・抗CD3二重特異性抗体)                              標的分子:5T4×CD3×5T4
                                                                                      ファーストインクラス
      経緯                            英国Biotecnol社が3つの分子を認識するTribody技術を用いて創製したがん治療
                                    用抗体
      想定適応疾患                        悪性中皮腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)等

      期待                            臨床標的としての安全性が確認されている既知(公知)のがん抗原とヒト化CD3抗
                                    体をTribodyプラットフォームに載せて多価抗体とすることで薬効・安全性を高めた開発
                                    が期待される。
      知財                            日本・米国・欧州・中国他で特許出願中

      2018年12月、英国Biotecnol社から資産譲受により当社
       が取得したがん治療用抗体                                                       CBA-1535
                                                                          (Tribody)
      多くの固形がんに発現が見られるタンパク質5T4と免疫                              5T4                         CD3

       細胞であるT細胞上のタンパク質CD3を結合させる抗体で
       T細胞の増殖と活性化を誘導して強力な細胞障害活性を発                                がん細胞                    T 細胞
       揮する。(T Cell engager抗体)
      2021年後半以降の治験申請に向けてCMC開発に着手。

    解決すべきアンメットニーズ
     薬剤治療の選択肢が少なく、予後の悪い悪性中皮腫を始めとした固形がんに対する有効な治療
    薬を提供する。

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    パイプライン:導出候補品                                                                     22
        LIV-2008/2008b(ヒト化抗TROP-2モノクローナル抗体)                                標的分子:TROP-2


      経緯                              2015年に当社が吸収合併した(株)リブテックで創製されたマウスハイブリドーマ法
                                      で取得した抗体。
      想定適応疾患                          乳がん(TNBC)、大腸がん、膵がん、前立腺がん等
      期待                              TROP-2は、正常組織に比べ、乳がん、大腸がんのほか、膵がん、前立腺がん、肺が
                                      ん等の複数の固形がんにおいて発現が増大しており、がんの悪性度に関連していること
                                      が複数報告されている分子。
                                      naked抗体に加えてADC(抗体薬物複合体)等の強い薬効を期待した開発を狙
                                      う。
      知財                              日本・米国・欧州・中国他で特許成立。

         これまでに取得したIn vivo試験のデータで構築されるデータパッケージを用い、海外の製薬企
          業を中心に導出活動中。現在、複数社で評価中。

    解決すべきアンメットニーズ
     薬物等との複合体により、TROP-2が発現する腫瘍に対して先行品で十分な治療できない患者さ
    んに対する治療薬を提供する。

    2019年4月米国がん学会(AACR)の年次集会での共同研究成果のポスター発表
    タイトル:TROP2-targeted photoimmunotherapy in experimental human pancreatic cancer
    発表者:東京慈恵会医科大学
    (ポスター資料:https://www.abstractsonline.com/pp8/#!/6812/presentation/2477)

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    パイプライン:導出候補品(SemaThera社が評価中)                                         23
            BMAA(ヒト化抗セマフォリン3Aモノクローナル抗体)                        標的分子:SEMA3A
                                                                      ファーストインクラス

      経緯                             当社独自の抗体作製技術ADLib®システムで取得した抗セマフォリン3A抗
                                     体をヒト化した抗体。
                                     横浜市立大学五嶋良郎教授との共同研究により選択性と機能阻害活性を兼
                                     ね備えた抗体として確立。

      想定適応疾患                         糖尿病黄斑浮腫(DME)
      期待                             DMEに対して唯一使われている抗血管新生薬(抗VEGF薬:アイリーア、
                                     ルセンティス)よりも早い段階でDMEの発症を抑える薬剤。
      知財                             日本・米国・欧州で特許成立。

    SemaThera社においてオプション契約(2018年3月)*に基づく評価を実施中。この評価期間中
     にオプション権の行使または不行使を判断する。

      *カナダのバイオテック企業SemaThera社との契約
            糖尿病黄斑浮腫および非眼科領域を含む糖尿病合併症等に関する治療薬および診断薬開発の
            ために本抗体に関する当社の特許の全世界における独占的実施許諾のオプション権を付与


     解決すべきアンメットニーズ
      成人の失明の主な原因疾患である糖尿病黄斑浮腫に対し、従来と異なるメカニズムに基づき抗
     血管新生薬よりも早い段階でDMEを抑える新たな薬剤の提供。

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    パイプライン:導出候補品(SemaThera社が評価中)                                                                              24
            BMAA(ヒト化抗セマフォリン3Aモノクローナル抗体)                                               標的分子:SEMA3A
                                                                                                       ファーストインクラス


         糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫(DME)とは

       糖尿病網膜症は糖尿病の3大合併症のひとつで、日本では成人の失明原因の第一位。血
        糖値の高い状態が続くことで、網膜の血管が傷ついたり詰まったりして起きる病気。自
        覚症状がないまま進行する。
       糖尿病黄斑浮腫は、網膜の血管にこぶができたり血管から血液中の成分が漏れ出し網膜
        内に溜まっている状態。黄斑浮腫は、網膜症の病期に関係なく発症しその進展に伴って
        著しい視力障害が生じる。(黄斑は網膜中心部の視力の鋭敏な部分)
       BMAAは糖尿病黄斑浮腫(DME)に対して唯一使われている抗血管新生薬(抗VEGF
        薬)よりも早い段階でDMEの発症を抑える薬剤としての開発が期待できる。
          <黄斑浮腫の症状と見え方>                                        <BMAAの薬剤としての期待>




                                                                       508 Cell Metabolism 18, 505–518, October 1, 2013

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   用語解説                                                                                   25
   用語                               説明
                                    現状の医療では満たされていないニーズのこと。有効な治療法や薬剤がない、薬剤があって
   アンメットニーズ                         も使い勝手が悪い、副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化す
                                    るような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合のこと。
                                    新しい薬効としてはじめて承認される新医薬品のこと。特に新規性・有用性が高く、化学構
   ファーストインクラス                       造や作用メカニズムが従来の医薬品と異なるなど、従来の治療体系を大幅に変えるような独
                                    創的な新医薬品をいう。
                                    導出後の臨床試験等の進捗にともない、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入の
   マイルストーン
                                    こと。
                                    臨床試験は、少数の治験参加者に投与し、薬の安全性と薬が体内に入ってどのような動きを
                                    するのかを明らかにする第1相試験(フェーズ1)、比較的少数の患者さんに投与し、薬の
   臨床試験                             効き目、副作用、使い方を調べる第2相試験(フェーズ2)、並びに多数の患者さんに薬を
                                    投与し効果と安全性を確かめる第3相試験(フェーズ3)の3段階がある。初期臨床試験は
                                    主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指す。
   ロイヤルティ                           製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のこと。
                                    抗体薬物複合体(antibody drug conjugate)のこと。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに
                                    存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そ
   ADC
                                    のADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができる。このため、ADCは比較的副作用が少なく
                                    効き目の強い薬剤となる可能性がある。
                                    抗体依存性細胞傷害活性(antibody-dependent-cellular-cytotoxicity)のこと。抗体薬には
                                    がん細胞の表面に発現する標的抗原に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者
                                    さん自身の免疫細胞を介して抗腫瘍効果を発揮しうる作用がある。そのため、抗体薬が生体
   ADCC活性
                                    内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まった免疫細胞を活性化することによって、より大
                                    きな治療効果を期待できることがある。このような作用をADCC(抗体依存性細胞傷害)活性
                                    という。
   ADLib®システム                       カイオムが独自で開発した抗体作製プラットフォーム。


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   用語解説                                                                                26
   用語                               説明
                                    抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリ
   B cell cloning                   ンパ節を取り出し、目的の抗原に結合する単一のBリンパ細胞を選択(クローニング)する手
                                    法。
                                    Contract Manufacturing Organizationの略称。製薬会社から医薬品(治験薬・市販薬を含
                                    む)の製造を受託する企業のこと。医薬品を製造するためには、GMP(医薬品等の製造管理
   CMO
                                    および品質管理に関する基準)をクリアする必要があり、CMOはGMPに対応できる技術力と
                                    設備を開発ライン・製造ライン共に備えている。
                                    Contract Research Organizationの略称。製薬会社が医薬品開発のために行う治験業務(臨
                                    床開発)を受託・代行する企業のこと。臨床試験の企画支援、モニタリング、データマネジ
   CRO
                                    メント、薬事申請、非臨床試験等、製薬会社との委受託契約に基づき、それらのサービスの
                                    一部または全てを提供する。
                                    Good Laboratory Practiceの略称で医薬品の安全性に関する前臨床試験の実施の基準。安全
   GLP                              性評価試験の信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験の手順
                                    等について基準を定めたもの。

                                    Good Manufacturing Practiceの略称。医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準。
   GMP
                                    WHO等の国際機関や各国の規制当局が策定している最終医薬品の製造に関する規範等。

                                    リンパ球の一種で、免疫反応の司令塔として重要な役割を果たす細胞。T細胞はその機能に
   T細胞                              よって、免疫応答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、
                                    病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。

                                    1つまたは2つの抗原結合部位でがん細胞上の標的分子に結合し、一方でT細胞に発現する
   T cell engager抗体                 CD3に結合することによりT細胞の増殖と活性化を誘導し、T細胞による強力な細胞障害活性
                                    を発揮する抗体のこと。




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医療のアンメットニーズに創薬の光を
  To accelerate drug discovery and development of mAb
for therapeutics to overcome current medical unmet-needs
  本資料の取り扱いについて                                                 28



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