4583 M-カイオム 2021-11-29 16:00:00
事業計画及び成長可能性に関する事項 [pdf]

                                                              証券コード:4583




事業計画及び成長可能性に関する事項
2021年11月29日




   医療のアンメットニーズに創薬の光を
     To accelerate drug discovery and development of mAb
   for therapeutics to overcome current medical unmet-needs



株式会社カイオム・バイオサイエンス
    会社概要


      アンメットニーズに対する治療用抗体創製を手掛けるバイオベンチャー

                                                               ■設   立 2005年2月
                             Mission                           ■上   場 2011年12月
                            医療のアンメットニーズに創薬の光を                         東証マザーズ (4583)
             Mission                                           ■代   表 小林 茂
                                                               ■所 在 地 [本社および技術研究所]
                                 Vision                               東京都渋谷区本町三丁目12番1号
                                      アンメットニーズに対する                    [創薬研究所]
              Vision                  抗体医薬の開発候補品を生み出す                 神奈川県川崎市宮前区野川本町
                                      No.1ベンチャー企業へ                     二丁目13番3号
                                                               ■従 業 員 57名
                                                                     (研究員42名 うちPhD20名)
経営方針                                                           ■事業内容 抗体医薬品の研究開発等
⚫ 健全な経営と信頼性の確保を第一に、社会とともに成                                                  (2021年9月30日現在)
  長する企業を目指す。
⚫ 創造と科学をもってアンメットニーズに対する治療薬                                     < アンメット(メディカル)ニーズ >
  を開発して患者さんに貢献する。                                              現状の医療では満たされていないニーズ、すなわち、
  -サイエンスと患者さんの架け橋になる-                                          いまだ有効な治療法や薬剤がない疾患に対する医療
⚫ 外部連携により継続的なパイプライン創出と企業価値                                     ニーズのことです。今もなお、アンメットニーズが
  向上を実現する。                                                     存在する疾患は数多くあり、新薬の開発が待たれて
                                                               います。

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                                                                                             2
    カイオムの事業

            当社が手掛けるアンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬
                    •    有効な治療法がない難治疾患
                    •    治療法はあっても有効な薬剤がない疾患
                    •    有効な薬剤があっても使いにくい、副作用が強い
                    •    患者さんの数が少なく、大企業が手を出しにくい疾患

 医薬品の研究開発プロセス
                                                               カイオムの事業範囲

              疾患の研究                                    抗体の作製         開発                 承認
                                                                              臨床試験
             原因物質の究明                                   抗体の評価         製造                 販売




         抗体作製の基となる原                                   抗体の作製               毒性、薬効の評価     臨床試験
         因物質(抗原)の調製                                 物性・機能性の評価              製造法の開発
                                                      改良・最適化

 当社が有する研究開発機能
              タンパク質調製                                     抗体作製        創薬研究           臨床開発

                        新規抗体創製から初期臨床開発を実施できる研究開発体制を構築
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                                                                                              3
    当社の事業セグメント


            創薬事業

        アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬の自社開発または共
       同開発を行い、その成果物である抗体に関する特許権等の知財権を製薬企
       業等に実施許諾し、契約一時金、マイルストーン、およびロイヤルティ等
       の収入を獲得していく事業。当社の成長を担う事業。



       創薬支援事業

         製薬企業、診断薬企業および大学等の研究機関で実施される創薬研究を
       支援することで、サービス料等の収入を獲得する事業。主として国内製薬
       大手企業に対して、当社の保有する抗体創薬技術プラットフォームを活用
       した抗体作製・抗体エンジニアリングおよびタンパク質調製を提供する
       “高付加価値型受託研究ビジネス”。安定的な収益を獲得する事業。



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                                                               4
    収益モデル

    一般的な医薬品開発の流れと当社の収益モデル
                                                         2~3年          5~7年                1~2年

                                                                       Ⅰ    Ⅱ       Ⅲ
                      基礎・探索研究                                  前臨床試験                           承認審査                上市
                                                                       臨床試験

                      開発の早期段階における製薬企業等への医薬候補品導出による契約
                      一時金、マイルストーン、ロイヤリティ収入等
     創                                             製薬企業への導出                       導出先企業
     薬                                            (ライセンスアウト)
                                                          時
     事
     業

                                                契約一時金              開発マイルストーン                              ロイヤルティ


     創                抗体作製、創薬支援等に                                          創薬支援事業における主要な取引先                        契約締結年月


     薬                よるサービス料収入等                                       中外製薬株式会社                                    2011年 6月

                                                                       Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd         2012年 8月
     支
                          研究機関・製薬企業等                                   田辺三菱製薬
     援                                                                 TANABE RESEARCH Laboratories U.S.A., Inc.
                                                                                                                   2016年12月
                           へのサービス提供
     事                                                                 小野薬品工業株式会社                                  2018年10月

     業                                                                 協和キリン株式会社                                   2019年 7月


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                                                                                                                              5
        創薬事業の(一般的な)収益イメージ

                   ステージの進展に伴い、受領するマイルストーンの金額が増大。
                    上市後は販売金額に一定料率をかけたロイヤルティも発生。


         基礎                  前臨床                    Ⅰ            Ⅱ     Ⅲ
        探索研究                  試験                                              承認審査      上市・販売
                                                                臨床試験
                            2~3年                                5~7年          1~2年
                                                 自社
                                                  or                       導出先
                                               導出先

                                                                                  販売マイルストン   ロイヤルティ収入
                                                        契約一時金(初期臨床後)
収益・費用




                                                                       開発マイルストン
                           研究開発費(先行投資)


                  契約一時金
                (前臨床段階)




        ※上記は医薬品ライセンス契約をご理解いただくための収益イメージであり、実際の契約では、その契約ごとに契約一時金、マ
        イルストーンのステージや数・金額、及びロイヤルティの料率の内容が異なります。

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                                                                                                        6
    世界の医薬品市場のトレンド

             Biotechnology(主に抗体医薬)が医薬品市場の伸長をけん引

  1,600                                                                                                                                            90%


  1,400          80%      79%                                                                                                                      80%
                                    78%      77%       76%
                                                                74%
                                                                        72%      71%      70%      69%                                             70%
  1,200                                                                                                    68%     67%        66%     65%      65%
                                                                                                                                                   60%
  1,000
                                                                                                                                                   50%
    800
                                                                                                                                                   40%
    600                                                                                                                       34%     35%      35%
                                                                                                           32%     33%
                                                                                          30%      31%                                             30%
                                                                        28%      29%
                                                                26%
    400                                      23%       24%
                          21%       22%
                 20%                                                                                                                               20%

    200                                                                                                                                            10%


      0                                                                                                                                            0%
  ($bn)     2012      2013     2014     2015     2016      2017     2018    2019     2020   2021       2022     2023      2024    2025     2026

                Biotechnology           Conventional           Other Unclassified Sales         Biotechnology          Conventional/Unclassified


                                                                              (出典) : EvaluatePharma 🄬 World Preview 2020, Outlook to 2026



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                                                                                                                                                         7
    代表的な抗体医薬品

  2020年の医薬品売上高上位10位に7つの抗体医薬品製剤
       医療用医薬品の売上ランキング(2020年)
                                                                                 売上高 2020 売上高 2020
      NO         製品名                           会社名             主な適応疾患 モダリティ      (百万ドル)    (億円※)

        1   ヒュミラ                アッヴィ/エーザイ                      関節リウマチ   抗体          20,389   21,408

        2   キイトルーダ メルク                                         がん       抗体          14,380   15,099

        3   アイリーア               リジェネロン/バイエル/参天                 加齢黄斑変性   蛋白質          8,360    8,778

        4   ステラーラ               J&J                            乾癬       抗体           7,975    8,374

        5   オプジーボ               小野/BMS                         がん       抗体           7,888    8,282

        6   エンブレル               アムジェン/ファイザー/武田                 関節リウマチ   蛋白質          6,346    6,663

        7   トルリシティ イーライリリー                                     糖尿病      ペプチド         5,377    5,646

        8   アバスチン               ロシュ                            がん       抗体           5,321    5,587

        9   オクレバス               ロシュ                            多発性硬化症   抗体           4,612    4,843

       10 レミケード                 J&J/メルク/田辺三菱                   関節リウマチ   抗体           4,511    4,737

             赤字:抗体医薬品                                                   (出典) : 日経バイオテクonlineより一部改変
             青地:蛋白質製剤
             ※1USD=105JPYで換算

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                                                                                                      8
    抗体医薬品と低分子医薬品の主な違い

           抗体医薬品は、バイオ技術(遺伝子組換え)がもたらした有用な医薬品

                                                          抗体医薬品            低分子医薬品
                                        正常細胞・組織と疾患細胞・組織と
                                        のターゲット特異性の違いを利用し             安全な用量で十分な効果を発揮でき
               副作用                      ているので、正常細胞・組織を傷つ             れば副作用は少ない
                                        けにくく副作用が少ない
                                                                     疾患のメカニズムや原因物質を根本
                                        疾患のメカニズムや原因物質を根本             的に攻撃する事で、根本的治療を
                 効果                     的に攻撃する事で、根本的治療を              狙っている
                                        狙っている                        対症療法(痛みを取るなど)で使用
                                                                     される場合も少なくない
                                                    原則、注射・点滴剤             注射、経口、経皮等
             投与方法                                     原則、通院               自宅での服用が可能
                                             血中半減期が長い
               持続性                      =週に1回、月に1回といった投与間                   比較的短い
                                        隔が可能                             =1日2-3回、毎日服用

     ターゲット特異性                             高い(抗体の基本的コンセプト)                   比較的低い

             製造方法                                微生物、動物細胞の培養            化学合成、微生物の培養

                                                                  (出典):シードプランニング社資料等に基づき当社作成

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                                                                                               9
    事業を支えるコア・コンピタンス

                                      技術プラットフォーム(Chiome’s mAb Discovery Engine)
                タンパク質調製                                               抗体作製                抗体エンジニアリング
       発現培養                                                ADLib®システム                    親和性向上

                                                                                                    抗体評価
                                                                                                  機能・親和性・物性
                             Recombinant
                             proteins
                                                                                         多価抗体作製
                                                                      動物免疫
                                精製                                 タンパク質・細胞・DNA
              Membrane
              proteins
                                                           B cell cloning   ハイブリドーマ                試験用抗体生産


        独自技術を含む複数の抗体作製技術と、タンパクや抗体エンジニアリングに関する高度な技術
        やノウハウを有し、これを統合的に駆使することによって、治療標的に対する最適な治療用抗体
        の創製に取り組むことが可能となります。

  当社の優位性
                             技術プラットフォームを活かし創薬事業と創薬支援事業の
                              両ビジネスの推進が可能、持続的な利益の創出へ


                                    創薬事業                                              創薬支援事業
                              成長を担う事業                                       安定的な収益を獲得する事業
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                                                                                                              10
   2つの事業を支えるコア技術 :Human ADLib®System
  One-stop-order platform for antibody drug discovery
    ADLib 🄬システムは、ユニークな配列空間を持つライブラリにシームレスなAffinity maturationを加えたユニークな
    プラットフォームです。1つのプラットフォームでSelection, Full-length IgGの発現、ヒト化、Affinity maturation
    までの抗体創薬に必要なステップをすべて完結できる、ワンストップオーダーの創薬・研究のツールです。




     ヒトADLib 🄬システムの抗体創薬開発における技術の有用性を「Cellular & Molecular Immunology」で公表
                                                              (東京大学大学院総合文化研究科と当社との共同研究成果)
     タイトル:Streamlined human antibody generation and optimization by exploiting designed immunoglobulin loci in a
     B cell line(https://www.nature.com/articles/s41423-020-0440-9)

     論文のポイント:https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20200527sobunotseo01.pdf

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                                                                                                                   11
   2つの事業を支えるコア技術 :ADLib® System

        生体(動物)を使わずに培養細胞(試験管内)でヒト抗体を作製する方法

        動物免疫法                                                  ADLib 🄬法



                                 抗原(異物)
                                                                          ➢ 短時間でヒト抗体が取得できる

                                                                          ➢ 動物個体の免疫法と違い、免疫寛容の影

      免疫反応                                                                 響を受けない

                                                                          ➢ 遺伝子の自律的多様化という特徴を活用
                     3-6ヶ月 vs 1-2週間
                                                                           し、抗体の高親和性化まで連続でできる

                                                                          ➢ 早く抗体を取っていち早く特許出願
                                 ヒト抗体


                                                           ADLib®ライブラリ

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                                                                                               12
   コア技術: TribodyTM(多価抗体作製技術)
                      標的結合部位-1
Tribody™

                                                               Tribody™は分子工学的手法により作製した複数の抗原に
                                                               対する特異性を持つ多重特異性抗体で、1つの分子の中
                                                               に3つの異なる抗原結合部位があり、異なる機能を組み
標的結合部位-2                                    標的結合部位-3           合わせることが可能となる技術。




                                      Tribody技術により医薬品候補物質を創製


CBA-1535                                                       ➢ 5T4というがん細胞に発現している標的を2本の手で
                        CBA-1535
                        (Tribody)
                                                                 がっちりと掴み、がんを攻撃するT細胞上のCD3を3
                                                CD3
   5T4
                                                                 本目の手が掴む
                                                                 ⇒ がん細胞の近くにT細胞を引き寄せる。
      がん細胞                                  T 細胞
                                                               ➢ 5T4を他のがんに特異的なターゲットに代える、ま
                                                                 たは1つのがん細胞に発現している2種類のターゲッ
                                                                 トを掴むことも可能


     結合する標的や結合する手の数の組み合わせにより、従来の医薬品にない特
     徴を有する抗体の創製が期待されます。

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                                                                                               13
               創薬事業/創薬パイプライン




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                                                               14
    当社のパイプライン


                                 開発ステージの異なる複数のパイプラインを保有


                                 パイプラインのステージ                   パイプライン(PJ)の数


                                             導出済                    2
                 LIV-1205(ADCT-701), LIV-2008/2008b


                      自社開発品(臨床段階)                                   2
                                   CBA-1205, CBA-1535


                   導出候補品(前臨床段階)                                     2
                                           BMAA, PCDC


                               創薬プロジェクト                             5


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                                                                              15
      パイプライン:ADCT-701_導出品(導出先:ADC Therapeutics)

           ADCT-701(ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体の薬物複合体)標的分子:DLK-1

         特徴                                 DLK-1を標的とした抗体薬物複合体(ADC)

         想定適応疾患                             神経芽細胞腫、肝細胞がん、小細胞肺がん等

         知財                                 ヒト化抗DLK-1抗体:日本・米国・欧州・中国他で特許成立。

               ✓     ADCT-701は、カイオムが開発した抗体LIV-1205とPBD※の抗体薬物複合体。
                     (※Pyrrolobenzodiazepine:抗腫瘍特性を有する薬物)
               ✓     ADCT社は2022年のADCT-701のIND申請に向けて準備中。
               ✓     ADCT社は米国国立がん研究所(NCI)と神経内分泌がんの共同開発へ。
                                                                                  (ADCT社HP:Our Pipeline - ADC Therapeutics )

抗DLK-1抗体の権利関係
                                当社                                      ADCT社
                                                      親抗体LIV-1205の導出
                                                                                            ⇒   ADCT-701の開発権
                                                                                                 Phase 1準備中
                        抗DLK-1抗体    抗DLK-1抗体
                                                          開発マイルストン       抗DLK-1抗体
                          Naked   ADC(PBD以外)              ロイヤルティ         ADC(PBD)
                         CBA-1205                                          ADCT-701



                                                                                                     特徴の見極め
                                                ➢     活性増強型抗体CBA-1205/Phase 1進行中
                                                                                                     ・安全性
                                                ➢     PBD以外の抗体薬物複合体の開発権                              ・薬効

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                                                                                                                      16
    ADCT-701 市場性
※ADCT-701の開発計画は現時点で未公表であり、また、ADCT社で小細胞肺がんや神経芽細胞腫を適応症とした開発が実施されるか未定です。
本市場性に関する内容は同社HPに掲載されている情報に基づき、DLK-1が発現する疾患へのご理解を深めていただく目的で、当社が作成して
おります。
                       小細胞肺がん                                                             神経芽細胞腫
                                                                                          神経芽細胞腫は交感神経系組織が存在する副腎髄質
                       米国において、2020年に推定される肺がん(小細胞
                                                                                          および傍脊髄部または傍大動脈部に原発する腫瘍。
                       肺がんおよび非小細胞肺がんを合わせて)の新規症
                       例数および死亡数。
                                                                                          米国のがん統計(The Surveillance, Epidemiology,
                        新規症例数:228,820 / 死亡数:135,720
     患者数※1                                                                                and End Results (SEER) )では7,000出生児に約1
                                                                                          人の頻度で、15歳未満の小児における年間発症率は
                       小細胞がんは肺がんの10-15%程度にみられる組織
                                                                                          1万人あたり約1人が発症するとされ、米国では年間
                       型で、非小細胞がんに比べて発育が早く、小さなう
                                                                                          800名、日本では年間150から200名程度の新規発症
                       ちから転移をおこしやすいがんである。
                                                                                          例があると推定されている。
     DLK-1の発           小細胞肺がんの患者さんの50%以上でDLK-1の発現                                         High-riskの神経芽細胞腫患者さんでDLK-1の過剰発
     現※2               が見られる。                                                             現が見られる。
                                                                                          標準治療が確立されておらず、国際神経芽腫リスク
                       小細胞肺がんの治療の中心は薬物治療。                                                 分類(INRGリスク分類)を用いたリスク分類に従っ
                                                                                          て治療法が選択される。
     標準治療※3            早期の場合は手術を行うことや、がんが一部にとど
                       まっている(限局型)の場合には、体の状態によって                                           中リスク群および高リスク群の患者さんに対して、
                       放射線治療を合わせて行うこともある。                                                 化学療法(薬物療法)は外科手術の前に薬物投与が
                                                                                          行われる。

                       細胞障害性抗がん剤、分子標的薬、血管新生阻害薬、                                           海外では分化誘導療法や免疫療法(抗GD2抗体)、
     競合品               免疫チェックポイント阻害薬などによる治療が行われ                                           併用療法として大量MIBG治療などが行われている。
                       ている。

          ※1 https://www.cancer.org/content/dam/cancer-org/research/cancer-facts-         ※1 https://www.cancer.org/cancer/neuroblastoma/about/key-statistics.html
          and-statistics/annual-cancer-facts-and-figures/2020/cancer-facts-and-figures-      https://www.shouman.jp/
          2020.pdf                                                                        ※2 https://mct.aacrjournals.org/content/18/12_Supplement/LB-B04
                https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/lungs.html                    ※3 https://ganjoho.jp/child/cancer/neuroblastoma/treatment.html
          ※2 https://academic.oup.com/jb/article-abstract/148/1/85/886024
          ※3 https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/thoracic_surgery/060/020/index.html

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                                                                                                                                                             17
    パイプライン:LIV-2008/2008b_導出品(導出先:Henlius )

        LIV-2008/2008b(ヒト化抗TROP-2モノクローナル抗体)                                                     標的分子:TROP-2


      想定適応疾患                         乳がん(TNBC)、大腸がん、膵がん、前立腺がん等

      期待                             TROP-2は、正常組織に比べ、乳がん、大腸がんのほか、膵がん、前立腺がん、肺が
                                     ん等の複数の固形がんにおいて発現が増大しており、がんの悪性度に関連していること
                                     が報告されている分子。

      知財                             日本・米国・欧州・中国他で特許成立。



      2021年1月 Shanghai Henlius Biotech, Inc.とのライセンス契約を締結
      中華人民共和国、台湾、香港およびマカオにおける開発、製造および販売権を当社がHenlius社に
      サブライセンス権付きで許諾。全世界における権利についてはオプション権を付与。
                                                          (Henlius社HP: HKEX-EPS_20210114_9583899_0.PDF (windows.net))


      経済条件
         上記のオプション権を行使して全世界での開発、製造および販売を行う場合、オプション行使時の一時
      金と開発および販売の進捗に応じたマイルストーンの総額は最大約122.5百万USドルの契約。
      また、本医薬品が上市された場合には販売額に応じた一定料率のロイヤルティ収入を受領する。




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    TROP-2の市場性(先行品/競合品)

                                       TROP-2を治療標的としたADC抗体が先行して上市・開発されている。
      競合品・
      マーケット                                上市済 TRODELVY™(ギリアド・サイエンシズ)
                                           開発中 Dato-DXd(第一三共/アストラゼネカ)

                                       米国Immunomedicsが創製した抗Trop-2抗体とトポイソメラーゼ阻害薬の
                                       抗体薬物複合体(ADC)。

      TRODELVY™※1                      2020年4月、米国で転移性トリプルネガティブ乳がんの承認取得。

                                       ギリアド社のImmunomedics買収完了前の期間を含む2020年通年の
                                       Trodelvy(sacituzumab govitecan-hziy 180 mg)売上高は137百万ドル。
                                       第一三共株式会社が創製した抗Trop-2抗体とトポイソメラーゼ I 阻害剤の
      Dato-DXd※2                       抗体薬物複合体(ADC)。
      DS-1062                          2020年7月、英アストラゼネカ社とグローバルな開発及び商業化契約と締
                                       結。現在、非小細胞がんを対象とした臨床第3相試験を実施中。

      LIV-2008/2008b                   LIV-2008/2008bは動物モデルでの単独投与試験で複数のがん種において
      の差別化のポイン                         顕著な腫瘍増殖阻害効果を示す。導出先が進める臨床開発において先行品
      ト・期待値                            との安全性や有効性の差別化を期待。

       ※1     https://investors.gilead.com/static-files/079f6f7e-62bb-44c9-88e9-64b48d9be9f5
       ※2     https://www.daiichisankyo.co.jp/rd/pipeline/




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    パイプライン:CBA-1205_自社開発品

     CBA-1205(ADCC活性増強型 ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体)                                           標的分子:DLK-1
                                                                                        ファーストインクラス

      特徴                              肝細胞がん等に特有のDLK-1というタンパク質を見分けて攻撃す
                                      るがん治療用抗体。糖鎖改変技術GlymaxX (ProBioGen)を用い、
                                      ADCC活性を有する。

      想定適応疾患                          難治性の癌腫である肝細胞がん、肺がん等
      期待                              DLK-1は幹細胞や前駆細胞のような未熟な細胞の増殖・分化を制御し、
                                      これまでに肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においても発現し、
                                      その増殖に関与していることが明らかとなった新しいがん治療の標的になる可
                                      能性がある分子。競合品のないファーストインクラス候補抗体。
      知財                              日本・米国・欧州・中国他で特許成立。

     臨床第1相試験 前半Part:患者さんでの安全性を確認
             後半Part:肝細胞がん患者さんで安全性の確認と有効性の評価


       解決すべきアンメットニーズ
          肝細胞がんを始めとした有効な治療薬がない悪性度の高い腫瘍に対する新たな治療薬を提供する。

       米国がん学会(AACR)の年次集会でのポスター発表
       タイトル:CBA-1205, a novel glycoengineered humanized antibody targeting DLK-1 exhibits potent
            anti-tumor activity in DLK-1 expressing tumor xenograft models
         (ポスター資料:https://www.abstractsonline.com/pp8/#!/6812/presentation/2425)       (2019年4月 AACR)


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                                                                                                       20
    CBA-1205 開発計画・事業計画

                               2020年3月           2020年7月                     2021年末~2023年後半
                               治験申請              臨床第1相試験開始

                                                                                                          導出先企業
                                                   第1相試験       前半Part          第1相試験     後半Part            で開発
臨床開発                                           国立がん研究センター東病院                国立がん研究センター東病院
                                               国立がん研究センター中央病院               国立がん研究センター中央病院        +追加施設で実施予定

                                               対象:固形がん患者さん                   対象:肝細胞がん患者さん
                                               投与量:用量漸増                      投与量:固定用量
                                               評価項目:安全性                      評価項目:安全性・有効性

                                                 主要な評価項目
                                                  安全性
                                                   用量制限毒性(DLT)・有害事象
                                                 副次的な評価項目
                                                  有効性・薬物動態他
                                                   抗腫瘍効果・腫瘍マーカー・CBA-1205の血清中濃度・抗CBA-1205抗体の血清中濃度


                                                                                     第1相試験 後半Partと並行し、導出活動に着手

                     原薬・治験薬
                       製造                             治験薬の安定性試験実施
CMC開発
                                                                                    第1相試験の長期投与例への確実な治験薬供給・迅速な
                                                                                    第2相試験開始に向け、追加原薬・治験製剤の製造

薬理試験等                         適応症拡大に向けた共同研究等を実施中(開発研究)
                                                                                    開発研究の深耕・バイオマーカー探索
                          レンバチニブとの                                      CBA-1205の製法特許の出願
                          併用データの出願
知財・権利                                                          CBA-1205のADC開発権等確保
                                                                (PBDを用いたADCを除く)

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                                                                                                               21
    CBA-1205 肝臓がん治療薬の市場性


                                     840,000人(2018年) 毎年約84万人が新たに発症
   患者数※1
                                     アフリカ、アジアで罹患率が高い傾向

   DLK-1の発現※2                        肝がん患者の約20%、小細胞肺がんの患者の50%で発現

                                     治療の中心は外科的療法
                                     1. 外科療法: 患部の切除
                                     2. 局所療法: エタノール注入療法やラジオ波焼灼療法 等
   標準治療※3                            3. 冠動脈塞栓術

                                     外科手術後、
                                      切除不能な進行性肝細胞がんに対して薬物治療を実施

   競合品                               ネクサバール® 、レンビマ®、テセントリク® - アバスチン®

   マーケット※4                           2020年9月、抗PD-L1抗体と抗VEGF抗体の併用療法が承認された。

       ※1: http://www.wcrf.org/int/cancer-facts-figures/data-specific-cancers/liver-cancer-statistics
       ※2: https://academic.oup.com/jb/article-abstract/148/1/85/886024
       ※3: https://ganjoho.jp/public/cancer/liver/treatment.html
       ※4:http://www.evaluategroup.com/View/21340--1002-modData/product/nexavar




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    CBA-1205 特許情報

                                      特許情報「CBA-1205とレンバチニブの併用」
         ~レンバチニブの併用により持続的・強い腫瘍増殖抑制及び腫瘍縮小効果を発揮~

                                                               公開番号 WO/2020/204033
  肝癌ゼノグラフトモデル(Hep3B)での併用効果
                                                                  腫瘍写真 (移植後38日目)

                                                                   Lenvatinib (3 mpk)




                                                                  CBA-1205 (1 mpk)




                                                                  LEN (3 mpk)
                                                                  + CBA-1205 (1 mpk)


          薬剤投与形態及び投与間隔
             CBA-1205:腹腔内投与 週2ペースで計4回
             Lenvatinib: 経口投与 週5ペースで計10回


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                                                                                        23
    パイプライン:CBA-1535_自社開発品

          CBA-1535(ヒト化抗5T4・抗CD3二重特異性抗体)                              標的分子:5T4×CD3×5T4


      特徴                              3つの分子を認識するTribody技術を用いて創製したがん治療用抗体

      想定適応疾患                          悪性中皮腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)等
      期待                              臨床標的としての安全性が確認されている既知(公知)のがん抗原5T4と免疫細
                                      胞であるT細胞上のタンパク質CD3を標的とする多重特異性抗体。T細胞の増殖と
                                      活性化を誘導して強力な細胞傷害活性を発揮する(T-Cell engager抗体)。
                                      Tribodyとしては初めての臨床開発品目であり、難治性がんに対する薬効が期待され
                                      る。
      知財                              日本・英国・米国・中国で特許成立。欧州他で特許出願中

     ✓ スイスCelonic社(CMO)へ治験薬製造のための技術移管、
       原薬及び製剤の試験製造を終了。                                                     CBA-1535
                                                                           (Tribody)
                                                               5T4                       CD3
     ✓ 新型コロナの収束が見通せない中では、当初計画した英
       国での治験ではなく、相対的に開発への影響が少ない日
       本国内での治験申請へ。                                               がん細胞                  T 細胞

     ✓ 治験申請時期は22年前半を見込む。

      解決すべきアンメットニーズ
       薬剤治療の選択肢が少なく、予後の悪い悪性中皮腫を始めとした固形がんに対する有効な治療
      薬を提供する。

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                                                                                               24
     CBA-1535 開発計画・事業計画等(Tribody創薬の価値最大化)

                                2022年前半           2022年中旬                 2023年中旬~2024年
                                治験申請              臨床第1相試験開始


                                                       第1相試験    前半Part
                                                                                                        導出先企業
 臨床開発                                                                                                    で開発
                                                                            第1相試験 後半Part

                                                 治験実施施設を選定中(国内)
                                                 評価項目:安全性                     評価項目:安全性・有効性
                                                                                  (がん免疫療法薬(IO)との併用を計画)



                                                                                  第1相試験 後半Partと並行し、導出活動に着手

                                                                ※CBA-1535の臨床開発のプランは今後、治験申請、治験実施施設との協議を経て、
                                                                決算短信や決算補足資料等で適宜概要をお知らせいたします。




                      原薬・治験薬
                        製造                             治験薬の安定性試験実施
 CMC開発



Tribody創薬                   CBA-1535に続くTribody創薬(がん)を推進中。新規のパイプライン化(がん・非がん領域含め)を目指す。

                                                         ⇒CBA-1535/Tribody創薬(がん)の導出パッケージによる製品価値最大化へ。



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                                                                                                            25
    パイプライン:BMAA_導出候補品

            BMAA(ヒト化抗セマフォリン3Aモノクローナル抗体)                        標的分子:SEMA3A
                                                                      ファーストインクラス

      特徴                             当社独自の抗体作製技術ADLib®システムで取得した抗セマフォリン3A抗
                                     体をヒト化した抗体。
                                     横浜市立大学五嶋良郎教授との共同研究により選択性と機能阻害活性を兼
                                     ね備えた抗体として確立。

      想定適応疾患                         非開示
      期待                             免疫系疾患、神経疾患等、セマフォリン3Aとの関連が知られている幅広い
                                     疾患領域での適応が期待される。
      知財                             日本・米国・欧州で特許成立。


   ✓ SemaThera社においてオプション契約(2018年3月~)に基づく評価を実施。SemaThera社が
     オプション権行使の判断にはまだ時間を要すること、当社での独自の研究開発活動及び事業機
     会を確保することを目的とし、両者合意の上で本契約を終了。
   ✓ 海外の研究機関とともにセマフォリン3Aが関与する疾患に狙いを定めた共同研究を推進してお
     り、本研究から取得されるデータも用いて今後の事業開発活動に繋げる。




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    パイプライン:PCDC_導出候補品

                        PCDC(ヒト化抗CDCP1抗体の薬物複合体)                               標的分子:CDCP1
                                                                                             ファーストインクラス

      経緯                             当社が創製したヒト化抗CDCP-1抗体

      想定適応疾患                         固形がん

      期待                             CDCP1はFirst-in-classとなる標的分子であり、標準治療耐性のがん種を
                                     含む幅広い固形がんで発現している(肺、結腸直腸、膵臓、乳、卵巣がん
                                     など)。結合特性および毒性プロファイルに基づく、広い有効域&安全域
                                     が期待される

      知財                             『抗CDCP1抗体』(PCT国際出願中)



    ✓ ADC用途を中心とした導出活動を推進中                                      Antibody-Drug Conjugate Technology
      並行して追加動物試験実施

    ✓ 2021年7月、世界知的所有権機関(WIPO)
      において出願特許情報が公開
                                                                                   Linker     Drug




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                                                                                                          27
     創薬事業(パイプライン)
 導出品
    開発コード             標的分子             疾患領域                    創薬研究   前臨床試験   臨床試験      導出先
                                                                                        2017.9~
    ADCT-701                            がん
                        DLK-1
(LIV-1205 ADC)                         (ADC)

    LIV-2008                                                                           2021.1~
                       TROP-2              がん
     /2008b

自社パイプライン                                                                             ★ ファーストインクラス

 開発コード                標的分子             疾患領域                    創薬研究   前臨床試験   臨床試験    ステータス
★
 CBA-1205
(ADCC enhanced)
                       DLK-1              がん                                          第1相試験中


 CBA-1535            5T4×CD3
                                          がん                                          臨床試験準備中
 (Tribody™)            ×5T4

    ★
     BMAA             SEMA3A             非開示                                           導出活動中


    ★
                                        がん
        PCDC           CDCP1                                                           導出活動中
                                       (ADC)

    創薬研究                                がん
    プロジェクト             非開示             感染症                                                -
    (5件)                               中枢神経

                                                                                                  28
                                                                                     2021年11月12日時点
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               創薬支援事業




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                                                               29
    創薬支援事業の目的と狙い

      安定的な収益確保と副次的には将来のビジネス機会拡大のための布石

    委受託研究(個別契約)
                                                                          第一ステップ
                                                                           当社の研究基盤を活かした単発的な委受託研究
                                         役務提供                             を実施。技術、サービスを評価。
                    当社                                         顧客


                                        対価支払い




                                                                    包括取引契約/共同研究/ADLib抗体の使用料


                                                                             継続的な役務の提供
                                                                               共同研究
                                                                              使用権の付与
                                                                        当社               顧客
       第二ステップ
        単発の委受託契約を通じて、より発展的な
       コラボレーションの可能性を模索。
                                                                               対価支払い
                                                                               将来の権利




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                                                                                               30
    創薬支援事業の概況・主な取引先
                               国内製薬企業との取引を中心に事業を拡大中。
        製薬企業の”サテライトラボ“として当社技術力を活かした受託研究を展開。
            (単位:百万円)
                                         創薬支援事業売上高推移
                 600
                         2017-21年のCAGR(見込み)                                            本事業において当社は抗体作製のみならず、
                 500
                                                                                       抗原調製や抗体親和性向上など、治療用抗体
                                      27.5%                                            創製に必要となる技術・サービスを幅広く提
                 400
                                                                                       供しております。
                 300

                 200                                                                   抗体作製・タンパク質調製に関する競合企業
                                                                                       は多数ありますが、国内においてサテライト
                 100                                                                   ラボ型での抗体研究支援を展開する競合他社
                                                                                       はありません。
                    0
                            2017年          2018年          2019年   2020年   2021年予想


      <主要な取引先>
                                              取引先名称                                  契約類型      契約締結年月
                   中外製薬株式会社                                                         委受託包括取引   2011年 6月
                   Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd                              委受託包括取引   2012年 8月
                   田辺三菱製薬
                                                                                    委受託包括取引   2016年12月
                   TANABE RESEARCH Laboratories U.S.A., Inc.
                   小野薬品工業株式会社                                                       委受託包括取引   2018年10月
                   協和キリン株式会社                                                        委受託包括取引   2019年 7月

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                                                                                                          31
               成長戦略・開発計画




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                                                               32
   当社の成長戦略と今後の施策

               アンメットニーズに対する抗体医薬品候補を複数創製、
           製品価値の増大や導出による事業化に注力し、企業価値を向上を目指す


                                                               初期臨床開発後の導出 – 製品価値増大
                                                                              CBA-1205   CBA-1535



                                   導出活動加速、導出品目の増加 ー 収益力強化
                                                               BMAA        PCDC          ADCT-701   LIV-2008
    企業価値




                                                                                   導出




                      新規創薬パイプラインの創出 – 開発ポートフォリオ強化
                                                                                             創薬事業
                                                                 創薬PJ
                                                               創薬シーズ探索


                            技術プラットフォーム
                                                                        製薬企業との取引拡大 ー 安定的な収益確保
                  継続的な
                  技術改良                                                                     創薬支援事業
                                                                      時間
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                                                                                                               33
    主なパイプラインの開発計画
          2023年末以降、自社臨床開発品の導出により大型契約の締結を目指す

  自社臨床開発品(導出後の収益化にむけて研究開発投資を行うパイプライン)                                                      P1 終了予定

                                                     臨床試験
        パイプライン                   標的分子                          2021年      2022年    2023年      2024年     2025年
                                                     実施地域

        CBA-1205                  DLK-1                 日本          臨床第1相試験(P1)
                                                                   自社での臨床開発を実施               導出・提携パートナーによる開発

                                5T4×CD3
        CBA-1535                  ×5T4
                                                        日本                     臨床第1相試験(P1)


                                                                  P1 治験申請予定                             P1 終了予定

                                                                                                      開発投資フェーズ
                                                                                                      収益化フェーズ
  導出品(開発マイルストーン等を受領する収益化フェーズのパイプライン)
        パイプライン                   標的分子                  提携先     2021年      2022年    2023年      2024年     2025年

                                                                        臨床開発
        ADCT-701                  DLK-1
                                                                  ADCT社による開発

                                                                       CMC開発   臨床開発
         LIV-2008                TROP-2
                                                                  Henlius社による開発


                                              ※提携パートナーによる開発の見通しは本資料作成時点における当社の予測を記しておりますが、
                                              提携先企業の戦略や外部環境等の影響によりスケジュールが変更されることがあります。


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                                                                                                                  34
    成長投資および投資計画
             継続的に創薬事業への研究開発投資を行い、持続的な成長の実現へ
                                            1パイプライン(取引)あたりの
                                                                              収益化の時期
                                               投資規模               収益規模

                                                   大                          初期臨床開発後の
                                           (開発決定導出までの               大                     ハイリスク・ハイリターン型
                                                                                導出以降
            創薬事業                           数年間で10~20億円)


             成長を担う事業                               中                                     ミドルリスク・ミドルリターン型
                                                                              前臨床段階での
                                         (研究開始から導出までの             中~大                          または
                                          数年間で ~数億円)
                                                                               導出以降       ミドルリスク・ハイリターン型



        創薬支援事業                                     ―
                                                                    小
                                                                                短期           安定収益獲得型
                                                               (ただし、年間を通して継
      安定的な収益を獲得する事業                                            続的に取引が発生します)




       当社は持続的な成長発展に向けて1つのパイプラインに収益を依存せず、複数の抗体創薬パイプラインの
      創出・開発と導出による収益化を目指しております。そのため、現在の自社開発品段階のパイプラインが
      導出された後も、新たな導出品・開発候補パイプライン創出にむけた研究開発投資・成長投資を継続する
      ことを想定しております。本投資にかかる資金は創薬事業・創薬支援事業から得られる収益、および計画
      的な資金調達により確保し、持続的な成長発展を目指してまいります。なお、直近3年間では第14回新株
      予約権により1,336百万円、第17回新株予約権により1,941百万円の資金調達を完了し、当社創薬パイプ
      ライン等の研究開発資金として充当しております。

   当面、CBA-1205/1535の臨床開発費用を中心に年間の研究開発費※は10億円~15億円のレンジを想定。
       ※研究開発の内訳:臨床開発プログラム(第1相試験まで)2本/新規創薬研究/基盤技術改良/研究機器の購入、及び付随費用

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                                                                                                           35
               事業ハイライト・今後の見通し




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                                                               36
    2021年12月期 事業進捗ハイライト(第3四半期決算まで)
          CBA-1205                           ✓     臨床第1相試験前半パートの症例登録・用量漸増が予定より早く進捗。
           ヒト化抗DLK-1                               当初の想定より試験を拡大し、追加の安全性データの取得中。
          モノクローナル抗体
                                             ✓ コロナ禍における材料不足の影響は限定的、原薬・治験薬製造のプロセ
          CBA-1535                            スが予定通り順調に進捗。
                                             ✓ 非臨床試験データを基に国内規制当局への相談の結果、2022年前半に
        ヒト化抗5T4・抗CD3
         二重特異性抗体                              日本での治験申請が可能と判断。
                                             ✓ 1月米国・9月中国での特許査定(現在、日米欧中で特許成立)

          LIV-2008                           ✓ Shanghai Henlius Biotech, Inc.とLIV-2008およびLIV-2008bのライ
       (Henlius社へ導出)                           センス契約締結(2021年1月)

               BMAA                          ✓ 海外の研究機関とともにセマフォリン3Aが関与する疾患に狙いを定めた共
          ヒト化抗セマフォリン3A                         同研究を推進。
           モノクローナル抗体

                PCDC                         ✓    新規パイプライン(ADC用途に適した抗体)。導出活動の推進、並行して追加動
           ヒト化抗CDCP1                              物試験実施。
           モノクローナル抗体                         ✓    世界知的所有権機関(WIPO)特許出願情報公開。
                                             ✓     主要顧客との取引の拡大により2021年Q3売上高(438百万円)は前期
    創薬支援事業 業績                                      比で41.5%増加。
                                             ✓     Mologic社との感染症領域での共同研究契約締結。
                                             ✓    特許査定:ヒトADLib 🄬のライブラリ(欧州・中国)、ADLib 🄬の抗体取得方法
                                                  (日本・米国)、 ADLib 🄬の抗体可変領域の多様化促進方法(欧州)
                 技術                          ✓    東京医科歯科大学よりヒトADLib®システムで取得した抗HMGB1抗体を用い
                                                  て実施したアルツハイマー症治療の研究成果を発表。

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    今後の見通し(2022年-2023年)

  創薬事業 - 自社パイプライン
                                             ✓     2021年末~22年前半に第1相試験後半パートへ移行、23年内に終了予
          CBA-1205
                                                   定。後半パートは国立がん研究センター及び新たな施設で試験実施へ。
           ヒト化抗DLK-1                         ✓ 導出時の価値向上にむけ想定適応症の拡大やバイオマーカー探索に向け
          モノクローナル抗体
                                               た研究も注力。


          CBA-1535                           ✓ 日本での2022年前半の治験申請、 第1相試験の前半パートは22年央に
                                              投与開始を目指す。
        ヒト化抗5T4・抗CD3                         ✓ 第一相試験前半パートで安全性及びTribodyのPoPAの取得、後半パート
         二重特異性抗体
                                              ではがん免疫療法薬(IO)との併用試験による初期の有効性評価を想定。
                                             ✓ Tribodyプラットフォームの更なる展開を図る。


               BMAA                          ✓ これまでに取得した糖尿病性黄斑浮腫等のBMAAのデータに加え、海外の
        ヒト化抗セマフォリン3A                           研究機関との共同研究から取得される他の疾患モデルのデータも用いて事
         モノクローナル抗体                             業開発活動を実施。

                PCDC
           ヒト化抗CDCP1                         ✓ ADC用抗体として薬効評価や安全性評価を進め、導出を展開。
           モノクローナル抗体


                                             ✓ 重点化プロジェクトの特許出願及び新規パイプライン化(事業化)。
        その他創薬PJ
                                             ✓ Tribodyを活用しT-Cell engagerとしての新たな組み合わせ創薬に注力。


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    今後の見通し(2022年-2023年)

  創薬事業 - 導出品
          ADCT-701                           ✓ ADCT社により2022年のIND申請および臨床試験に向けた準備が進行中。
        (ADCT社へ導出)                           ✓ 米国国立がん研究所(NCI)と神経内分泌がんの共同開発へ。


                                             ✓ Henlius社で開発フォーマットの決定、治験薬製造等を経て、臨床試験
          LIV-2008                             が進められる予定。イベントの達成に応じたマイルストーンの発生の可
       (Henlius社へ導出)
                                               能性あり。


  創薬支援事業
                                             ✓     ADLib®システムを基盤とする新規の独自技術の開発推進により既存顧
                                                   客の高度なニーズに応え取引を拡大へ。
         付加価値向上・                             ✓     製薬会社を中心とした取引を深耕化、事業拡大基調を維持継続を目指す。
          取引拡大                               ✓     加えて、昨年から取引を始める製薬企業との個別取引を深耕化し、新た
                                                   な包括契約等の獲得を目指す。
                                             ✓     新宿ラボの拡張、及び研究機器増設・リプレイスの実施。


  技術
                                             ✓ 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成事業に参画
                 技術                            (ADLib®システム技術改良)


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                                                                                        39
               その他の情報




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                                                               40
    重要な契約
 PJコード               標的分子             導出先                      概要                      テリトリー       ステージ


 ADCT-701            DLK-1            ADC Therapeutics         抗DLK-1抗体とPBDの複合体(ADC抗   全世界         Preclinical
 (LIV-1205)                                                    体)の開発・製造・販売権の実施許諾。
                                                               開発・販売に応じたマイルストーン、及び売
                                                               上に応じたロイヤルティを受領する。
 LIV-2008            TROP-2           Shanghai Henlius         抗TROP-2抗体の開発・製造・販売権の    中国・台湾・      Preclinical
                                      Biotech                  実施許諾。オプション一時金、マイルストーン   香港・マカオ
                                                                                       (全世界のオプショ
                                                               の総額は最大約122.5百万USドル。     ン権付)
                                                               上市後は売上に応じたロイヤリティも発生。

 顧客名                   概要                                                         期間

 富士レビオ                 ADLib®システムの非独占的実施許諾及び共同研究開発契約                              特許期間満了まで
                       ADLib®システムの使用により取得した体外診断用医薬品の製造及び販
                       売に係る実施許諾
 顧客名                    概要                                                        期間

 中外製薬                   抗体作製に関する委託研究を実施                                           2011年7月1日から 2024年12月
                                                                                  31日まで

 CPR                    効率的な抗体医薬品の開発に必要な研究材料の調製等の業務                               2012年8月1日から 2026年12月
                                                                                  31日まで

 小野薬品工業                 新規抗体作製および抗原・タンパク質調製等の業務                                   2018年10月1日から 2022年3月
                                                                                  31日まで (以後半年毎の自動更新)

 協和キリン                  新規抗体作製および抗原・タンパク質調製等の業務                                   2019年7月29日から2020年7月28
                                                                                  日まで(以後1年毎の自動更新)

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                                                                                                                 41
    主要な知財の状況
           基盤技術およびリード抗体の基盤特許、物質特許を保有または出願中
基盤技術に係る主要特許
 対象                                           発明の名称                          登録状況
 ADLib 🄬システム                                  体細胞相同組換えの促進方法及び特異的抗体の作         日本・米国・欧州・中国で成立。
                                              製方法
                                              体細胞相同組換えの誘発方法
                                              ヒト抗体を産生する細胞(ヒトADLib 🄬システム)     日本・欧州・中国で成立。
                                                                             米国で出願中。
                                              抗体の取得方法                        日本・米国で成立。
                                                                             欧州・中国で出願中。
                                              抗体可変領域の多様化を促進する方法              欧州で成立。
                                                                             日本・米国・中国で出願中。

リード抗体に係る主要特許
 対象                         内容                発明の名称                          登録状況
 CBA-1205                   物質特許              in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体    日本・米国・欧州、中国を含む
 (ADCT-701)                                                                  6カ国で成立。

 CBA-1535                   物質特許              5T4及びCD3に対する3つの結合ドメインを含む融      日本・米国・英国・中国で成立。
                                              合タンパク質                         欧州で出願中。

 LIV-2008                   物質特許              in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体   日本・米国・欧州・中国を含む
                                              (ヒト化)                          10ヵ国で成立。

 BMAA                       物質特許              抗セマフォリン3A抗体、並びにこれを用いたアル        日本・米国・欧州で成立。
                                              ツハイマー病及び免疫・炎症性疾患の治療

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                                                                                              42
    財務概要(2021.3Q末時点)
                        (百万円)                                    2020年12月期末               2021年12月期3Q末

                        流動資産                                                     3,248              2,675
                           (現預金)                                                 2,686              2,071
                           (その他)                                                  562                  604
              貸                                                                   246                  274
                        固定資産
              借
              対         資産合計                                                     3,494              2,950
              照         流動負債                                                      342                  468
              表         固定負債                                                       41                    53
                        負債合計                                                      384                  522
                        純資産合計                                                    3,109              2,428
                        負債・純資産合計                                                 3,494              2,950

                       (百万円)                                   2020年12月期3Q        2021年12月期3Q     増減

                        売上高                                             312                541           229
                        (創薬事業)                                               2             103           100
              損         (創薬支援事業)                                        309                438           128
              益         売上原価・販管費                                      1,392              1,392             0
              計
                        (研究開発費)                                         951                860         △90
              算
              書         (その他)                                           441                532           90
                        営業損失(△)                                      △1,080              △850            229
                        経常損失(△)                                      △1,087              △843            244
                        当期純損失(△)                                     △1,087              △842            245

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    リスク情報

      当社における主要なリスク
         研究開発・事業化に関連した「医薬品開発の不確実性」「提携先の開発に依存」

      主要なリスク                                                           発生可能性   発生時期   影響度

      医薬品研究開発の不確実性に関するリスク

       医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要し、その成功確率も他産業
      に比して低い状況です。当社の創薬パイプラインにおいても研究開発の不確実性に                              中     中長期     中
      関するリスクにより研究開発の遅延や中止となる可能性があります。
     「発生可能性「中」/時期「中長期」/影響度「大」」
     提携先の開発に影響されるリスク・収益計上に関するリスク
     「発生可能性「中」/時期「中長期」/影響度「大」」
       導出品の開発は導出先の製薬企業に依存するため、当該導出先において順調に臨
      床試験が進まない場合や経営方針の変更などの要因が発生した場合には、当該医薬
      品の開発遅延、あるいは開発中止により当社との導出契約が終了する可能性があり                              小     中長期     中
      ます。その場合、当初契約していたマイルストーン収入が計上できず当社の事業に
      影響を及ぼす可能性があります


      リスク対応策

      当社の技術プラットフォームを用いた創薬により、新しい医薬品候補の継続的な創製に取り組んでおります。複数の創薬パ
      イプラインを創製・導出することで、研究開発の遅延や中止リスクに対するリスク分散を行っております。
      また、創薬パイプラインの導出による事業化のタイミングは「自社での初期臨床開発後」と「前臨床開発段階」の異なる研
      究開発ステージでの契約締結を組み合わせ、限られた研究開発資金を効率的に配分し、収益力の最大化と同時に経営リスク
      の分散も図っております。


                                                               ※上記以外のリスク情報は、当社有価証券報告書をご参照下さい。

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                                                                                                44
   用語解説
 用語                            説明
                               現状の医療では満たされていないニーズのこと。有効な治療法や薬剤がない、薬剤があっても使い勝手が
 アンメットニーズ                      悪い、副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治
                               療費が非常に高額になるような場合のこと。
                               抗体のタンパク質構造を改良・応用して、より有効性の高い創薬につなげるための技術のひとつ。通常は
                               一つの標的しか認識することができない抗体を改変して、一つの抗体分子が複数の異なる標的に結合でき
 多重特異性抗体
                               るようにした抗体のこと。二つの抗原に結合するバイスペシフィック抗体や、さらに抗原結合部位を増や
                               したマルチスペシフィック抗体などがある。

                               医薬品医療機器等法において、保健衛生上の見地から治験の実態を把握し、治験の安全性を確保するため、
 治験計画届                         治験依頼者はPMDAを通して厚生労働省に治験計画書を届け出ることが義務付けられている。最初の届出
                               (初回治験計画届)は、PMDAにおいて30日の調査が行われ、その結果が厚生労働省に報告される。
                               抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエ
 ハイブリドーマ法
                               ローマ)と融合させて抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法。
                               新しい薬効としてはじめて承認される新医薬品のこと。特に新規性・有用性が高く、化学構造や作用メカ
 ファーストインクラス
                               ニズムが従来の医薬品と異なるなど、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的な新医薬品をいう。
 マイルストーン                       導出後の臨床試験等の進捗にともない、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のこと。
                               ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法などの様々な手法で作製した抗体の中から、親和性、
                               特異性、生物活性、安定性などのスクリーニングによって見出されたヒット抗体群の中から、医薬品にな
 リード抗体
                               る可能性を有する抗体群をリード候補抗体と呼び、これらのリード候補抗体群のうち、医薬品としてその
                               後の最適化などのステージに進めるための抗体をリード抗体と呼ぶ。
                               臨床試験は、少数の治験参加者に投与し、薬の安全性と薬が体内に入ってどのような動きをするのかを明
                               らかにする第1相試験(フェーズ1)、比較的少数の患者さんに投与し、薬の効き目、副作用、使い方を
 臨床試験
                               調べる第2相試験(フェーズ2)、並びに多数の患者さんに薬を投与し効果と安全性を確かめる第3相試
                               験(フェーズ3)の3段階がある。初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指す。
 ロイヤルティ                        製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のこと。
                               抗体薬物複合体(antibody drug conjugate)のこと。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパ
 ADC                           ク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅
                               させることができる。このため、ADCは副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性がある。

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                                                                                             45
   用語解説
 用語                            説明
                               抗体依存性細胞傷害活性(antibody-dependent-cellular-cytotoxicity)のこと。抗体薬にはがん細胞の表
                               面に発現する標的抗原に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞を介して
 ADCC活性                        抗腫瘍効果を発揮しうる作用がある。そのため、抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まっ
                               た免疫細胞を活性化することによって、より大きな治療効果を期待できることがある。このような作用を
                               ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性という。

 ADLib®システム                    カイオムが独自で開発した試験管内で迅速にヒト抗体を作製するためのプラットフォーム。
                               抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り
 B cell cloning
                               出し、目的の抗原に結合する単一のBリンパ細胞を選択(クローニング)する手法。
                               Chemistry, Manufacturing and Control の略称で、医薬品等の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管
 CMC
                               理を指す。
                               Contract Manufacturing Organizationの略称。製薬会社から医薬品(治験薬・市販薬を含む)の製造を受
                               託する企業のこと。医薬品を製造するためには、GMP(医薬品等の製造管理および品質管理に関する基
 CMO
                               準)をクリアする必要があり、CMOはGMPに対応できる技術力と設備を開発ライン・製造ライン共に備え
                               ている。
                               Contract Research Organizationの略称。製薬会社が医薬品開発のために行う治験業務(臨床開発)を受
 CRO                           託・代行する企業のこと。臨床試験の企画支援、モニタリング、データマネジメント、薬事申請、非臨床試
                               験等、製薬会社との委受託契約に基づき、それらのサービスの一部または全てを提供する。

                               Good Laboratory Practiceの略称で医薬品の安全性に関する前臨床試験の実施の基準。安全性評価試験の
 GLP
                               信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験の手順等について基準を定めたもの。

                               Good Manufacturing Practiceの略称。医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準。WHO等の国際
 GMP
                               機関や各国の規制当局が策定している最終医薬品の製造に関する規範等。
                               リンパ球の一種で、免疫反応の司令塔として重要な役割を果たす細胞。T細胞はその機能によって、免疫応
 T細胞                           答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞やがん
                               細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。
                               1つまたは2つの抗原結合部位でがん細胞上の標的分子に結合し、一方でT細胞に発現するCD3に結合するこ
 T cell engager抗体
                               とによりT細胞の増殖と活性化を誘導し、T細胞による強力な細胞障害活性を発揮する抗体のこと。

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                                                                                                      46
医療のアンメットニーズに創薬の光を
  To accelerate drug discovery and development of mAb
for therapeutics to overcome current medical unmet-needs




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              ものではありません。

              ●本資料に掲載されている将来の見通し、その他今後の予測・戦略などに関
              する情報は、本資料の作成時点において、当社が合理的に入手可能な情報に
              基づき、通常予測し得る範囲で判断したものであり、多分に不確定な要素を
              含んでおります。実際の業績等は様々な要因の変化等により、本資料記載の
              見通しとは異なる結果を生じる可能性があります。

              ●将来の展望に関する表明は、様々なリスクや不確かさを内在しております。

              ●本資料は、投資家の皆様がいかなる目的に利用される場合においても、ご
              自身の判断と責任において利用されることを前提にご提示させていただくも
              のです。

              ●次回の「事業計画及び成長可能性に関する事項」の開示は2022年3月を予
              定しております。また、当社の経営方針に重要な変更があった場合には、別
              途開示することを想定しております。



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