4583 M-カイオム 2021-02-09 16:00:00
決算補足資料 2020年12月期 [pdf]

                                                              証券コード:4583




2020年12月期
決算補足資料
2021年2月9日




   医療のアンメットニーズに創薬の光を
     To accelerate drug discovery and development of mAb
   for therapeutics to overcome current medical unmet-needs



株式会社カイオム・バイオサイエンス
    目次



              1.2020年12月期 決算概要

              2.2020年12月期 事業進捗
               - 事業進捗ハイライト
               - 創薬事業
               - 創薬支援事業

              3.今後の見通し

              (参考)事業概要
                  パイプライン紹介

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                                                               2
               2020年12月期 決算概要




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                                                               3
    損益計算書
                                   2019年12月期              2020年12月期     増減              増減の主な理由等


  売上高                                          447                480        33

  (創薬事業)                                          29                3    △26
                                                                                  • タンパク質調製およびADLibによる抗
  (創薬支援事業)                                     417                477        59     体作製の取引増加により、前期比
                                                                                    14.4%増加

  売上原価・販管費                                  1,849               1,764    △85

   (研究開発費)                                  1,299               1,156   △142      • CBA-1205製剤費用が前期より減少


   (その他)                                       550                607        57   • 受託取引増加に伴う売上原価の増加


  営業損失(△)                               △1,401                 △1,283   △118

  経常損失(△)                               △1,410                 △1,291   △118

  当期純損失(△)                              △1,403                 △1,293   △110
   ※ 百万円未満は切り捨てして表示しています。
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                                                                                                          4
    貸借対照表

                                                               2019年12月期末     2020年12月期末

      流動資産                                                            2,561          3,248

          (現預金)                                                       2,105          2,686

          (その他)                                                        456            562

      固定資産                                                             247            246

      資産合計                                                            2,808          3,494

      流動負債                                                             145            342

      固定負債                                                              41             41

      負債合計                                                             186            384
      純資産合計                                                           2,621          3,109
      負債・純資産合計                                                        2,808          3,494
       ※ 百万円未満は切り捨てして表示しています。
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                                                                                             5
    キャッシュフロー計算書

                                                               2019年12月期    2020年12月期

    営業活動によるキャッシュ・フロー                                               △1,537       △1,360

    投資活動によるキャッシュ・フロー                                                 △26           △3

    財務活動によるキャッシュ・フロー                                                1,341        1,944

    現金および現金同等物の増減額                                                  △222           580

    現金および現金同等物の期首残高                                                 2,328        2,105

    現金および現金同等物の期末残高                                                 2,105        2,686
    ※ 百万円未満は切り捨てして表示しています。

 【キャッシュフローの状況に関する説明】
    営業活動によるキャッシュ・フロー:製剤開発等を中心とした研究開発費や販管費等の支出
    財務活動によるキャッシュ・フロー:新株予約権行使に伴う株式発行による収入



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               2020年12月期 事業進捗




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                                                               7
    当社の事業セグメント

            創薬事業

        アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬の自社開発または共
       同開発を行い、その成果物である抗体に関する特許権等の知財権を製薬企
       業等に実施許諾し、契約一時金、マイルストーン、およびロイヤルティ等
       の収入を獲得していく事業。当社の成長性を担う事業。



       創薬支援事業

        製薬企業、診断薬企業および大学等の研究機関で実施される創薬研究を
       支援することで、サービス料等の収入を獲得する事業。主として国内製薬
       大手企業に対して、当社の保有する抗体創薬技術プラットフォームを活用
       した抗体作製・抗体エンジニアリングおよびタンパク質調製を提供する高
       付加価値型ビジネス。



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                                                               8
    2020年12月期 事業進捗ハイライト
                                               ⚫ がん治療用抗体CBA-1205臨床第1相試験開始
                                               ⚫ ADCT社とのライセンス契約変更合意、CBA-1205
                                                 のADCの開発・ライセンス権等を当社側で確保。
            創薬事業                               ⚫ CBA-1535臨床開発に向け治験薬製造のプロセス開
                                                 発が順調に進捗。日英米で特許成立。
                                               ⚫ Shanghai Henlius Biotech, Inc.とLIV-2008および
                                                 LIV-2008bのライセンス契約締結(2021年1月)

                                               ⚫ 主要顧客との取引増加により、前期比14.4%増加
        創薬支援事業                                 ⚫ ADLib関連:製薬、診断薬企業からの新規標的や
                                                 COVID-19に対する抗体作製を受託。新たな取引等
                                                 を開拓中。

                                               ⚫ ヒトADLib®システムの日本特許成立
               技 術                             ⚫ 東大との共同研究成果、ヒトADLib®システムの科学
                                                 的検証と実用性評価に関する論文掲載

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                                                                                              9
    創薬事業(パイプライン)
 導出品
  開発コード               標的分子             疾患領域                    創薬研究      前臨床試験         臨床試験     導出先
                                                                                                2017.9~
  ADCT-701                              がん
                        DLK-1
(LIV-1205 ADC)                         (ADC)

   LIV-2008                                                                                     2021.1~
                       TROP-2              がん              新規導出       Henlius社とのライセンス契約締結
    /2008b

自社パイプライン
 開発コード                標的分子             疾患領域                    創薬研究      前臨床試験         臨床試験    ステータス

 CBA-1205
(ADCC enhanced)
                       DLK-1              がん                   国立がん研究センターにおける治験開始、順調に進捗         Phase 1


 CBA-1535            5T4×CD3
                                          がん                      治験薬製造のためのプロセスが順調に進捗         臨床試験準備中
 (Tribody™)            ×5T4

                                      糖尿病黄斑                                                   2018.3
     BMAA             SEMA3A                                                                  オプション付き
                                       浮腫、他                                                   評価契約締結
 New
                                        がん
     PCDC             非開示*                                        PCT出願完了                      導出活動中
                                       (ADC)
           *特許出願情報公開後に詳細開示

  創薬研究                                  がん
  プロジェクト               非開示             感染症                                                        -
  (5件)                                 中枢神経

                                                                                                           10
                                                                                              2021年1月末時点
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    創薬事業                          トピックス


                がん治療用抗体LIV-2008およびLIV-2008bに関する
             Shanghai Henlius Biotech, Inc.とのライセンス契約の締結

   ライセンス契約概要
     ✓ 中華人民共和国、台湾、香港およびマカオにおけるLIV-2008およびLIV-2008b
       の開発、製造および販売権をHenlius社に許諾(サブライセンス権付き)。
     ✓ 契約一時金1百万ドルと開発マイルストン、販売ロイヤルティを得る。
     ✓ 上記以外の全世界における権利についてのオプション権を付与。

   LIV-2008/2008b
       ✓ 乳がん、大腸がん、肺がんなど多くの固形がん組織で高い発現が認められる分子
         TROP-2に結合するヒト化モノクローナル抗体。
       ✓ 各種のマウスモデルで顕著な腫瘍増殖阻害活性を示す。


     Shanghai Henlius Biotech, Inc.とは
     Henlius社は、中国上海市に本社を置くグローバルなバイオ医薬品企業で、2010年の設立以来、研究開発から
     製造、商業化までの医薬品のライフサイクル全体を通じて、効率的で革新的な統合プラットフォームを構築している。
     Henlius社はこれまでにバイオシミラー医薬を3品目上市しているほか、20種類以上の多様なパイプラインを保有し
     ている。また、独自の抗PD-1モノクローナル抗体“HLX10”を基盤としたがん免疫療法における研究開発を継続して
     いる。2019年香港証券取引市場に上場。(2696HK)

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    創薬支援事業
           受託研究取引の売上拡大
        ➢ 主要顧客との取引の拡大により売上高(477百万円)は前期比で14.4%
          増加。
        ➢ 緊急事態宣言により一時的に稼働率が低下するも、年間では堅調に推移。

                                    単位:百万円                     創薬支援事業売上高
                                         500
                                                                       14.4% 増
                                         400

                                         300

                                         200

                                         100

                                           0
                                                 2018年12月期       2019年12月期   2020年12月期

          ADLib®システム関連取引
          ➢ 本年第2四半期における、ヒトADLib®システムの特許成立と論文
            公開を受けて、製薬企業、診断薬企業からの引き合いが増加。
          ➢ 今後の創薬事業および創薬支援事業の取引拡大に向けた重要な課題
            として位置づけ、新規顧客開拓にむけた交渉を進める。
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                                                                                         12
    資金調達
          行使価額修正条項付き第17回新株予約権(第三者割当て)の行使完了

         ➢ 2020年6月12日にSMBC日興証券株式会社を割当先として発行した第17回新株
           予約権の行使が2021年1月18日に完了、本調達によって1,941百万円を調達。
                            累計行使個数                             70,000個(行使率 100%)
                            資金調達額                              1,941百万円

         <本資金調達の目的>
                         当社企業価値向上にむけた
                                継続的な新規創薬による創薬パイプラインの強化
                                当社のコアコンピタンスである技術プラットフォームの強化

                                      具体的な資金使途                            金額(百万円)        支出予定時期

              ①新規ADC抗体の開発のための薬効薬理試験費用、が
                                                                             1,764   2020年7月~2022年12月
               ん・感染症領域等の創薬プロジェクトに関する研究費

              ②多重特異性抗体作製技術(Tribody™)を用いた新規パ
                                                                              250    2020年7月~2022年6月
               イプラインの創製

              ③新規抗体作製技術及び創薬パイプラインの獲得                                          400    2021年1月~2022年12月



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               今後の見通し




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    今後の見通し
  創薬事業 - 自社パイプライン
                                             ✓ 国立がん研究センターで第1相試験実施。段階的に投与量を上げ
          CBA-1205
                                               ながら安全性を確認。順調に進めば2021年後半に第1相試験
           ヒト化抗DLK-1
          モノクローナル抗体                            Part2へ移行の見込み。
                                             ✓ バイオマーカー探索、想定適応症の拡大に向けた基礎研究に注力。

                                             ✓ 2021年末~2022年前半の治験申請を目指して準備を進める。新
          CBA-1535                            型コロナウィルス感染拡大の影響に鑑みて、英国または国内での臨
        ヒト化抗5T4・抗CD3                          床試験の実施を並行して検討する。
         二重特異性抗体                             ✓ 欧州の治験薬製造委託CMOにおいて治験薬製造の準備は遅滞なく
                                              進捗しているが、今後の新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け
                                              る可能性があり、注視していく。

               BMAA                          ✓ SemaThera社による評価継続中
        ヒト化抗セマフォリン3A
         モノクローナル抗体
                                                › 独占的オプション契約行使の可否について、ST社の返答待ち。


                PCDC                         ✓ 新規パイプライン(ADC抗体)。基礎研究の継続&導出活動開始。
    特許出願情報公開後に詳細開示



        その他創薬PJ                              ✓ パイプライン拡充に向けた活動(PCDCに続くPJのパイプライン化、
         (5件)                                  およびTribody創薬に注力)

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    今後の見通し
  創薬事業 - 導出品
                                             ✓ ADCT社によりIND申請に向けた準備が進行中
          ADCT-701
        (ADCT社へ導出)
                                             ✓ 当社によるADCT-701以外の抗DLK-1抗体のADC開発を可能にする
                                               ための契約変更に合意、DLK-1抗体の戦略的開発の自由度拡大


                                             ✓ Henlius社とのライセンス契約締結(2021年1月)
          LIV-2008
       (Henlius社へ導出)
                                                    › 今後の臨床試験にむけ、Henlius社での治験薬製造等が進めら
                                                      れる予定



  創薬支援事業
       2021年12月期                             ✓     2021年度12月期の売上高530百万円の達成
         業績予想

                                             ✓ ADLib®システムを基盤とする新規の独自技術の開発推進により既
                                               存顧客の高度なニーズに応え取引を拡大
       付加価値向上・                               ✓ 独自のTribody技術や外部技術の応用によるプラットフォームの更
        取引拡大                                   なる価値向上
                                             ✓ 既存主要顧客の確実な取り込み


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               (参考)事業概要




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                                                               17
    会社概要

      アンメットニーズに対する治療用抗体創製を手掛けるバイオベンチャー

                                                               ■設   立 2005年2月
                             Mission                           ■上   場 2011年12月
                            医療のアンメットニーズに創薬の光を                         東証マザーズ (4583)
             Mission                                           ■代   表 小林 茂
                                                               ■所 在 地 [本社および技術研究所]
                                 Vision                               東京都渋谷区本町三丁目12番1号
                                      アンメットニーズに対する                    [創薬研究所]
              Vision                  抗体医薬の開発候補品を生み出す                 神奈川県川崎市宮前区野川本町
                                      No.1ベンチャー企業へ                     二丁目13番3号
                                                               ■従 業 員 55名
                                                                     (研究員41名 うちPhD18名)
経営方針                                                           ■事業内容 抗体医薬品の研究開発等
⚫ 健全な経営と信頼性の確保を第一に、社会とともに成                                                  (2020年12月31日現在)
  長する企業を目指す。
⚫ 創造と科学をもってアンメットニーズに対する治療薬                                     < アンメット(メディカル)ニーズ >
  を開発して患者さんに貢献する。                                              現状の医療では満たされていないニーズ、つまり、
  -サイエンスと患者さんの架け橋になる-                                          いまだ有効な治療法や薬剤がない疾患に対する医療
⚫ 外部連携により継続的なパイプライン創出と企業価値                                     ニーズのことです。今もなお、世界にはアンメット
  向上を実現する。                                                     ニーズが数多く存在しており、新薬の開発が待たれ
                                                               ています。

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                                                                                              18
    世界の医薬品市場のトレンド
           Biotechnology(主に抗体医薬)が医薬品市場の伸長をけん引
  1,600                                                                                                                                            90%


  1,400          80%      79%                                                                                                                      80%
                                    78%      77%       76%
                                                                74%
                                                                        72%      71%      70%      69%                                             70%
  1,200                                                                                                    68%     67%        66%     65%      65%
                                                                                                                                                   60%
  1,000
                                                                                                                                                   50%
    800
                                                                                                                                                   40%
    600                                                                                                                       34%     35%      35%
                                                                                                           32%     33%
                                                                                          30%      31%                                             30%
                                                                        28%      29%
                                                                26%
    400                                      23%       24%
                          21%       22%
                 20%                                                                                                                               20%

    200                                                                                                                                            10%


      0                                                                                                                                            0%
  ($bn)     2012      2013     2014     2015     2016      2017     2018    2019     2020   2021       2022     2023      2024    2025     2026

                Biotechnology           Conventional           Other Unclassified Sales         Biotechnology          Conventional/Unclassified


                                                                              (出典) : EvaluatePharma 🄬 World Preview 2020, Outlook to 2026



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    代表的な抗体医薬品
  売上高上位10位に4つの抗体医薬品製剤
       医療用医薬品の売上ランキング(2019年)

                                                                                    売上高        売上高
 NO         製品名                             会社名                 主な適応疾患   モダリティ
                                                                                   (百万ドル)      (億円)

  1 ヒュミラ                     アッヴィ/エーザイ                         関節リウマチ    抗体           19,734   21,707

  2 エリキュース                   BMS/ファイザー                         抗血液凝固薬    低分子化合物       12,149   13,364

  3 キイトルーダ                   メルク                               がん        抗体           11,084   12,192

  4 レブラミド                    BMS                               多発性骨髄腫    低分子化合物        9,378   10,316

  5 イムブルビカ                   アッビィ/J&J                          慢性リンパ性白血病 低分子化合物        8,085    8,894

  6 オプジーボ                    小野/BMS                            がん        抗体            8,005    8,806

  7 アイリーア                    リジェネロン/バイエル/参天 加齢黄斑変性                       蛋白質           7,989    8,788

  8 エンブレル                    アムジェン/ファイザー/武田 関節リウマチ                       蛋白質           7,194    7,913

  9 アバスチン                    ロシュ                               がん        抗体            7,115    7,827

 10 イグザレルト                   バイエル/J&J                          抗血液凝固薬    低分子化合物        6,934    7,627
                                                                         (出典) : 日経バイオテクonlineより一部改変



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                                                                                                        20
    抗体医薬品と低分子医薬品の主な違い
           抗体医薬品は、バイオ技術(遺伝子組換え)がもたらした有用な医薬品

                                                          抗体医薬品            低分子医薬品
                                        正常細胞・組織と疾患細胞・組織と
                                        のターゲット特異性の違いを利用し             安全な用量で十分な効果を発揮でき
               副作用                      ているので、正常細胞・組織を傷つ             れば副作用は少ない
                                        けにくく副作用が少ない
                                                                     分子標的薬は疾患のメカニズムや原
                                        疾患のメカニズムや原因物質を根本             因物質を根本的に攻撃する事で、根
                 効果                     的に攻撃する事で、根本的治療を              本的治療を狙っている
                                        狙っている                        対症療法(痛みを取るなど)で使用
                                                                     される場合も少なくない
                                                    原則、注射・点滴剤             注射、経口、経皮等
             投与方法                                     原則、通院               自宅での服用が可能
                                             血中半減期が長い
               持続性                      =週に1回、月に1回といった投与間                   比較的短い
                                        隔が可能                             =1日2-3回、毎日服用

     ターゲット特異性                             高い(抗体の基本的コンセプト)                   比較的低い

             製造方法                                微生物、動物細胞の培養            化学合成、微生物の培養

                                                                  (出典):シードプランニング社資料等に基づき当社作成

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    カイオムの事業
                 アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する抗体創薬
                    •    有効な治療法がない難治疾患
                    •    治療法はあっても有効な薬剤がない疾患
                    •    有効な薬剤があっても使いにくい、副作用が強い
                    •    患者さんの数が少なく、大企業が手を出しにくい疾患


 医薬品の研究開発プロセス
                                                                カイオムの事業範囲

              疾患の研究                                    抗体の作製          開発                 承認
                                                                               臨床試験
             原因物質の究明                                   抗体の評価          製造                 販売




         抗体作製の基となる原                                   抗体の作製                毒性、薬効の評価     臨床試験
         因物質(抗原)の調製                                 物性・機能性の評価               製造法の開発
                                                      改良・最適化
 当社の研究開発機能

                タンパク質調製                                        抗体作製    創薬研究           臨床開発


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                                                                                               22
    事業を支えるコア・コンピタンス
                                      技術プラットフォーム(Chiome’s mAb Discovery Engine)
                タンパク質調製                                               抗体作製                抗体エンジニアリング
       発現培養                                                ADLib®システム                    親和性向上

                                                                                                    抗体評価
                                                                                                  機能・親和性・物性
                             Recombinant
                             proteins
                                                                                         多価抗体作製
                                                                      動物免疫
                                精製                                 タンパク質・細胞・DNA
              Membrane
              proteins
                                                           B cell cloning   ハイブリドーマ                試験用抗体生産


        独自技術を含む複数の抗体作製技術と、タンパクや抗体エンジニアリングに関する高度な技術
        やノウハウを有し、これを統合的に駆使することによって、治療標的に対する最適な治療用抗体
        の創製に取り組むことが可能となります。
  当社の優位性
                             技術プラットフォームを活かし創薬事業と創薬支援事業の
                              両ビジネスの推進が可能、持続的な利益の創出へ


                                 創薬事業                                                 創薬支援事業
           アンメットニーズの高い領域における抗体                                              製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術
           創薬を行い導出するビジネス                                                    サービスを提供する受託ビジネス
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                                                                                                              23
    コア技術 :Human ADLib®System
         One-stop-order platform for antibody drug discovery




   ADLib 🄬システムは、ユニークな配列空間を持つライブラリにシームレスなAffinity maturationを加えたユニークな
   プラットフォームです。1つのプラットフォームでSelection, Full-length IgGの発現、ヒト化、Affinity maturation
   までの抗体創薬に必要なステップをすべて完結できる、ワンストップオーダーの創薬、研究のツールです。

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                                                                                  24
   コア技術: TribodyTM(多価抗体作製技術)
Tribody™
                                                               Tribody™は分子工学的手法により作製した複数の抗
                                                               原に対する特異性を持つ多重特異性抗体で、1つの
                                                               分子の中に3つの異なる抗原結合部位があり、異な
                                                               る機能を組み合わせることが可能となる技術。



                                    Tribody技術により医薬品候補物質を創製


CBA-1535
                        CBA-1535                               結合部位の1つはT細胞や NK 細胞のような抗腫瘍活
   5T4
                        (Tribody)
                                                CD3            性を有する免疫細胞(エフェクター細胞)をがん細胞へ
                                                               誘導するように設計し、残りの2つの結合部位ががん
      がん細胞                                  T 細胞               特異的抗原の異なるエピトープに結合、または、同じ
                                                               がんで発現している異なる抗原を認識するように設計
                                                               することが可能。



     結合する分子の組み合わせにより異なる、従来にない特徴を有する抗体の創製が可能となります。
     当社では従来の抗体医薬品よりも安全性及び有効性の高い抗体医薬品の創出に取り組んでいます。


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                                                                                             25
    収益モデル
    一般的な医薬品開発の流れと当社の収益モデル
                                                         2~3年          5~7年                1~2年

                                                                       Ⅰ    Ⅱ       Ⅲ
                      基礎・探索研究                                  前臨床試験                           承認審査                上市
                                                                       臨床試験

                      開発の早期段階における製薬企業等への医薬候補品導出による契約
                      一時金、マイルストーン、ロイヤリティ収入等
     創                                             製薬企業への導出                       導出先企業
                                                                                                                      ※
     薬                                            (ライセンスアウト)
                                                          時
     事
     業

                                                契約一時金              開発マイルストーン                              ロイヤルティ              ※評価中




     創                抗体作製、創薬支援等に                                          創薬支援事業における主要な取引先                        契約締結年月


     薬                よるサービス料収入等                                       中外製薬株式会社                                    2011年 6月

                                                                       Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd         2012年 8月
     支
                          研究機関・製薬企業等                                   田辺三菱製薬
     援                                                                 TANABE RESEARCH Laboratories U.S.A., Inc.
                                                                                                                   2016年12月
                           へのサービス提供
     事                                                                 小野薬品工業株式会社                                  2018年10月

     業                                                                 協和キリン株式会社                                   2019年 7月


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                                                                                                                                     26
   当社の成長戦略と今後の施策
                アンメットニーズに対する抗体医薬品候補を複数創製し、
              製品価値の増大や導出による事業化の拡大に資する取り組みに注力

                                                               初期臨床開発後の導出 – 製品価値増大
                                                                             CBA-1205   CBA-1535



                                         導出活動加速、導出品目の増加 ー 収益力強化
    企業価値




                                                               BMAA        PCDC   導出    ADCT-701   LIV-2008



                          新規創薬パイプラインの創出 – 開発ポートフォリオ強化                                      創薬事業
                                                                創薬PJ
                                                               創薬シーズ探索

                         技術プラットフォーム                                    差別化技術で取引拡大 ー 安定的な収益確保
                  継続的な
                  技術改良                                                                  創薬支援事業
                                                                      時間
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                                                                                                              27
               (参考)パイプライン紹介




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                                                               28
    パイプライン:導出品(ADC Therapeutics社)

         ADCT-701(ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体の薬物複合体)標的分子:DLK-1

    ✓ ADC Therapeutics社に導出*。現在、同社でのIND申請に向けて準備中。
    ✓ ADCT-701 は高いアンメットメディカルニーズが存在する神経芽細胞腫、肝細胞が
      ん、小細胞肺がんの治療薬を目指して開発が進められている。
                                                               (ADCT社HP:Our Pipeline - ADC Therapeutics )


      *ADC Therapeutics社との契約
        PBD(Pyrrolobenzodiazepine:抗腫瘍特性を有する薬物)によるADC(Antibody Drug Conjugate:
        抗体薬物複合体)開発用途に限定して、当社がADCT社に、全世界における独占的なサブライセンス権付の
        開発、製造および販売権を許諾する。


         米国がん学会(AACR)の年次集会でのポスター発表
         タイトル:
           ADCT-701, a novel pyrrolobenzodiazepine (PBD) dimer-based antibody-drug
           conjugate (ADC) targeting DLK-1-exprssing tumors
         発表要旨:
           ADCT-701は、DLK-1を発現する癌モデルのin vitroおよびin vivoの試験において、強力かつ特異的な抗
          腫瘍活性を示し、ラットモデルで優れた血中安定性と忍容性が示された。
            (ポスター資料:https://adctherapeutics.com/adctsite/wp-content/uploads/2020/09/Poster_701_AACR-2018.pdf)
                                                                                              (2018年4月 AACR)




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                                                                                                                29
    パイプライン:導出品(Shanghai Henlius Biotech社)

        LIV-2008/2008b(ヒト化抗TROP-2モノクローナル抗体)                             標的分子:TROP-2


      想定適応疾患                         乳がん(TNBC)、大腸がん、膵がん、前立腺がん等

      期待                             TROP-2は、正常組織に比べ、乳がん、大腸がんのほか、膵がん、前立腺がん、肺が
                                     ん等の複数の固形がんにおいて発現が増大しており、がんの悪性度に関連していること
                                     が報告されている分子。

      知財                             日本・米国・欧州・中国他で特許成立。



      ✓ 2021年1月 Shanghai Henlius Biotech社とのライセンス契約を締結
      中華人民共和国、台湾、香港およびマカオにおける開発、製造および販売権を当社がHenlius社に
      サブライセンス権付きで許諾。全世界における権利についてはオプション権を付与。
                 (Henlius社HP: HKEX-EPS_20210114_9583899_0.PDF (windows.net))




    米国がん学会(AACR)の年次集会での共同研究成果のポスター発表
    タイトル:TROP2-targeted photoimmunotherapy in experimental human pancreatic cancer
    発表者:東京慈恵会医科大学
    (ポスター資料:https://www.abstractsonline.com/pp8/#!/6812/presentation/2477) (2019年4月 AACR)



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                                                                                            30
    パイプライン:自社開発品

     CBA-1205(ADCC活性増強型 ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体)                                       標的分子:DLK-1
                                                                                   ファーストインクラス
      特徴                              肝細胞がん等に特有のDLK-1というタンパク質を見分けて攻撃す
                                      るがん治療用抗体。
      ADCC活性                          糖鎖改変技術:GlymaxX (ProBioGen)
      想定適応疾患                          難治性の癌腫である肝細胞がん、肺がん等
      期待                              DLK-1は幹細胞や前駆細胞のような未熟な細胞の増殖・分化を制御し、
                                      これまでに肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においても発現し、
                                      その増殖に関与していることが明らかとなった新しいがん治療の標的になる可
                                      能性がある分子。競合品のないファーストインクラス候補抗体。
      知財                              日本・米国・欧州・中国他で特許成立。

    ✓     2020年3月に国内での初回治験計画届を提出、7月に国立がん研究センター(中央病院・東病
          院)と治験実施に関する契約締結したのち患者さんへの投与開始。患者さんでの安全性を確認し
          た後、有効性の検討へ。

    解決すべきアンメットニーズ
        肝細胞がんを始めとした有効な治療薬がない悪性度の高い腫瘍に対する新たな治療薬を提供する。

       米国がん学会(AACR)の年次集会でのポスター発表
       タイトル:CBA-1205, a novel glycoengineered humanized antibody targeting DLK-1 exhibits potent
            anti-tumor activity in DLK-1 expressing tumor xenograft models
        (ポスター資料:https://www.abstractsonline.com/pp8/#!/6812/presentation/2425) (2019年4月 AACR)


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                                                                                                   31
    パイプライン:自社開発品

                CBA-1205のADC領域における開発・販売権の獲得
             ~ADC Therapeutics社とのライセンス契約の変更契約締結~

   ✓ ADCT社と抗DLK-1抗体に関するライセンス契約にかかる変更契約に合意、抗DLK-1
     抗体のADC開発(PBD以外)の権利を獲得

                          ライセンス契約                                                   変更契約締結後

                   当社                              ADCT社                      当社               ADCT社


                 抗DLK-1抗体                    抗DLK-1抗体       抗DLK-1抗体    抗DLK-1抗体    抗DLK-1抗体   抗DLK-1抗体
                   Naked                     ADC(PBD)     ADC(PBD以外)      Naked   ADC(PBD以外)   ADC(PBD)
                  CBA-1205                    ADCT-701                   CBA-1205                ADCT-701



      ADCの開発・販売権をADCT社に許諾、当社はNaked抗体                                   PBD以外のADCの開発・販売権を当社が保有し、CBA-
                 を開発する                                                  1205含む抗DLK-1抗体の戦略的開発の柔軟性を確保


    ✓ 抗DLK-1抗体だけでなく、そのADCの開発・販売権を確保することにより、DLK-1を
      標的とするCBA-1205の導出に向けての価値向上を図る。
    ✓ CBA-1205の導出機会を高めるため、現在世界で広くがん治療に使用される抗がん剤*
      との併用効果に関する特許出願も推進。(*レンバチニブ、他)


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                                                                                                            32
    パイプライン:自社開発品

           2019年出願の特許の情報「CBA-1205とレンバチニブの併用」が公開
          ~レンバチニブの併用により持続的・強い腫瘍増殖抑制及び腫瘍縮小効果を発揮~

                                                               公開番号 WO/2020/204033
  肝癌ゼノグラフトモデル(Hep3B)での併用効果
                                                                  腫瘍写真 (移植後38日目)

                                                                   Lenvatinib (3 mpk)




                                                                  CBA-1205 (1 mpk)




                                                                  LEN (3 mpk)
                                                                  + CBA-1205 (1 mpk)


         薬剤投与形態及び投与間隔
            CBA-1205:腹腔内投与 週2ペースで計4回
            Lenvatinib: 経口投与 週5ペースで計10回


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                                                                                        33
    肝臓がん治療薬の市場性


                                   840,000人(2018年) 毎年約84万人が新たに発症
 患者数※1                             肝臓がんは世界のがん関連死亡原因の第2位
                                   アフリカ、アジアで罹患率が高い傾向

 DLK-1の発現※2                        肝がん患者の約20%、小細胞肺がんの患者の50%発現

                                   治療の中心は外科的療法
                                   1. 外科療法: 患部の切除
                                   2. 局所療法: エタノール注入療法やラジオ波焼灼療法 等
 標準治療※3
                                   3. 冠動脈塞栓術

                                   外科手術後、切除不能な進行性肝細胞がんに対して薬物治療を実施

 競合品                               ネクサバール® 、レンビマ®、テセントリク® - アバスチン®

 マーケット                             2020年9月、抗PD-L1抗体と抗VEGF抗体の併用療法が承認された。



   ※1: http://www.wcrf.org/int/cancer-facts-figures/data-specific-cancers/liver-cancer-statistics
   ※2: J. Biochem.: 148, 85-92 (2010)
   ※3: https://ganjoho.jp/public/cancer/liver/treatment.html




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                                                                                                    34
    パイプライン:自社開発品

          CBA-1535(ヒト化抗5T4・抗CD3二重特異性抗体)                              標的分子:5T4×CD3×5T4


      経緯                              3つの分子を認識するTribody技術を用いて創製したがん治療用抗体

      想定適応疾患                          悪性中皮腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)等

      期待                              臨床標的としての安全性が確認されている既知(公知)のがん抗原5T4と免疫細
                                      胞であるT細胞上のタンパク質CD3を標的とする多重特異性抗体。T細胞の増殖と
                                      活性化を誘導して強力な細胞傷害活性を発揮する(T Cell engager抗体)。
                                      Tribodyとしては初めての臨床開発品目であり、難治性がんに対する薬効が期待され
                                      る。

      知財                              日本・英国・米国で特許成立。欧州・中国他で特許出願中

     ✓ 治験薬製造を委託するCMOにスイスのCelonic社への                                        CBA-1535
                                                                           (Tribody)
       技術移管、原薬の試験製造                                            5T4                       CD3

     ✓ 2021年末以降に英国での臨床試験許認可(CTA)申請を
       見込むが、英国・欧州における新型コロナウィルス感染                                 がん細胞                  T 細胞
       拡大が臨床試験実施に与える影響の確認、国内での臨床
       試験実施を検討中。

      解決すべきアンメットニーズ
       薬剤治療の選択肢が少なく、予後の悪い悪性中皮腫を始めとした固形がんに対する有効な治療
      薬を提供する。

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                                                                                               35
    パイプライン:導出候補品(SemaThera社が評価中)

            BMAA(ヒト化抗セマフォリン3Aモノクローナル抗体)                        標的分子:SEMA3A
                                                                      ファーストインクラス

      経緯                             当社独自の抗体作製技術ADLib®システムで取得した抗セマフォリン3A抗
                                     体をヒト化した抗体。
                                     横浜市立大学五嶋良郎教授との共同研究により選択性と機能阻害活性を兼
                                     ね備えた抗体として確立。

      想定適応疾患                         糖尿病黄斑浮腫(DME)
      期待                             DMEに対して唯一使われている抗血管新生薬(抗VEGF薬:アイリーア、
                                     ルセンティス)よりも早い段階でDMEの発症を抑える薬剤。
      知財                             日本・米国・欧州で特許成立。

   ✓ SemaThera社においてオプション契約(2018年3月)*に基づく評価を実施中。この評価期間中
     にオプション権の行使または不行使を判断する。

      *カナダのバイオテック企業SemaThera社との契約
            糖尿病黄斑浮腫および非眼科領域を含む糖尿病合併症等に関する治療薬および診断薬開発の
            ために本抗体に関する当社の特許の全世界における独占的実施許諾のオプション権を付与

     解決すべきアンメットニーズ
      成人の失明の主な原因疾患である糖尿病黄斑浮腫に対し、従来と異なるメカニズムに基づき抗
     血管新生薬よりも早い段階でDMEを抑える新たな薬剤の提供。


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                                                                                   36
    糖尿病黄斑浮腫(DME)とBMAA

         糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫(DME)とは

      ➢ 糖尿病網膜症は糖尿病の3大合併症のひとつで、日本では成人の失明原因の第一位。血
        糖値の高い状態が続くことで、網膜の血管が傷ついたり詰まったりして起きる病気。自
        覚症状がないまま進行する。
      ➢ 糖尿病黄斑浮腫は、網膜の血管にこぶができたり血管から血液中の成分が漏れ出し網膜
        内に溜まっている状態。黄斑浮腫は、網膜症の病期に関係なく発症しその進展に伴って
        著しい視力障害が生じる。(黄斑は網膜中心部の視力の鋭敏な部分)


      ➢ BMAAは糖尿病黄斑浮腫(DME)に対して唯一使われている抗血管新生薬(抗VEGF
        薬)よりも早い段階でDMEの発症を抑える薬剤としての開発が期待できる。

          <黄斑浮腫の症状と見え方>                                        <BMAAの薬剤としての期待>




                                                                   508 Cell Metabolism 18, 505–518, October 1, 2013




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   用語解説
 用語                            説明
                               現状の医療では満たされていないニーズのこと。有効な治療法や薬剤がない、薬剤があっても使い勝手が
 アンメットニーズ                      悪い、副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治
                               療費が非常に高額になるような場合のこと。
                               抗体のタンパク質構造を改良・応用して、より有効性の高い創薬につなげるための技術のひとつ。通常は
                               一つの標的しか認識することができない抗体を改変して、一つの抗体分子が複数の異なる標的に結合でき
 多重特異性抗体
                               るようにした抗体のこと。二つの抗原に結合するバイスペシフィック抗体や、さらに抗原結合部位を増や
                               したマルチスペシフィック抗体などがある。

                               医薬品医療機器等法において、保健衛生上の見地から治験の実態を把握し、治験の安全性を確保するため、
 治験計画届                         治験依頼者はPMDAを通して厚生労働省に治験計画書を届け出ることが義務付けられている。最初の届出
                               (初回治験計画届)は、PMDAにおいて30日の調査が行われ、その結果が厚生労働省に報告される。
                               抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエ
 ハイブリドーマ法
                               ローマ)と融合させて抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法。
                               新しい薬効としてはじめて承認される新医薬品のこと。特に新規性・有用性が高く、化学構造や作用メカ
 ファーストインクラス
                               ニズムが従来の医薬品と異なるなど、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的な新医薬品をいう。
 マイルストーン                       導出後の臨床試験等の進捗にともない、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のこと。
                               ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法などの様々な手法で作製した抗体の中から、親和性、
                               特異性、生物活性、安定性などのスクリーニングによって見出されたヒット抗体群の中から、医薬品にな
 リード抗体
                               る可能性を有する抗体群をリード候補抗体と呼び、これらのリード候補抗体群のうち、医薬品としてその
                               後の最適化などのステージに進めるための抗体をリード抗体と呼ぶ。
                               臨床試験は、少数の治験参加者に投与し、薬の安全性と薬が体内に入ってどのような動きをするのかを明
                               らかにする第1相試験(フェーズ1)、比較的少数の患者さんに投与し、薬の効き目、副作用、使い方を
 臨床試験
                               調べる第2相試験(フェーズ2)、並びに多数の患者さんに薬を投与し効果と安全性を確かめる第3相試
                               験(フェーズ3)の3段階がある。初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指す。
 ロイヤルティ                        製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のこと。
                               抗体薬物複合体(antibody drug conjugate)のこと。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパ
 ADC                           ク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅
                               させることができる。このため、ADCは副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性がある。

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   用語解説
 用語                            説明
                               抗体依存性細胞傷害活性(antibody-dependent-cellular-cytotoxicity)のこと。抗体薬にはがん細胞の表
                               面に発現する標的抗原に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞を介して
 ADCC活性                        抗腫瘍効果を発揮しうる作用がある。そのため、抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まっ
                               た免疫細胞を活性化することによって、より大きな治療効果を期待できることがある。このような作用を
                               ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性という。

 ADLib®システム                    カイオムが独自で開発した試験管内で迅速にヒト抗体を作製するためのプラットフォーム。
                               抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り
 B cell cloning
                               出し、目的の抗原に結合する単一のBリンパ細胞を選択(クローニング)する手法。
                               Chemistry, Manufacturing and Control の略称で、医薬品等の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管
 CMC
                               理を指す。
                               Contract Manufacturing Organizationの略称。製薬会社から医薬品(治験薬・市販薬を含む)の製造を受
                               託する企業のこと。医薬品を製造するためには、GMP(医薬品等の製造管理および品質管理に関する基
 CMO
                               準)をクリアする必要があり、CMOはGMPに対応できる技術力と設備を開発ライン・製造ライン共に備え
                               ている。
                               Contract Research Organizationの略称。製薬会社が医薬品開発のために行う治験業務(臨床開発)を受
 CRO                           託・代行する企業のこと。臨床試験の企画支援、モニタリング、データマネジメント、薬事申請、非臨床試
                               験等、製薬会社との委受託契約に基づき、それらのサービスの一部または全てを提供する。

                               Good Laboratory Practiceの略称で医薬品の安全性に関する前臨床試験の実施の基準。安全性評価試験の
 GLP
                               信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験の手順等について基準を定めたもの。

                               Good Manufacturing Practiceの略称。医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準。WHO等の国際
 GMP
                               機関や各国の規制当局が策定している最終医薬品の製造に関する規範等。
                               リンパ球の一種で、免疫反応の司令塔として重要な役割を果たす細胞。T細胞はその機能によって、免疫応
 T細胞                           答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞や癌細
                               胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。
                               1つまたは2つの抗原結合部位でがん細胞上の標的分子に結合し、一方でT細胞に発現するCD3に結合するこ
 T cell engager抗体
                               とによりT細胞の増殖と活性化を誘導し、T細胞による強力な細胞障害活性を発揮する抗体のこと。

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医療のアンメットニーズに創薬の光を
  To accelerate drug discovery and development of mAb
for therapeutics to overcome current medical unmet-needs




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