4579 J-ラクオリア創薬 2019-10-29 15:15:00
選択的TRPM8遮断薬(アザスピロ誘導体)の日本における特許査定のお知らせ [pdf]
2019年10月29日
各 位
会 社 名 ラクオリア創薬株式会社
代 表 者 名 代表取締役 谷 直 樹
(コード番号:4579)
問 合 せ 先 取締役専務執行役員 河田 喜一郎
(TEL.052-446-6100)
選択的TRPM8遮断薬(アザスピロ誘導体)の日本における特許査定のお知らせ
当社が創出した選択的TRPM8遮断薬(アザスピロ誘導体)の物質特許(出願番号特願2016-557355)
は、これまで日本で審査中でありましたが、本日、特許査定※の連絡を受けましたのでお知らせいた
します。
今回特許査定を受けたアザスピロ誘導体は、当社が2018年6月12日に開示いたしました「選択的
TRPM8遮断薬(アザスピロ誘導体)の米国における特許査定のお知らせ」と同じシリーズの誘導体で
す。今回の特許査定により、米国に引き続き日本においても当社の知的財産権が強化される事となり
ました。
当社が創出したTRPM8遮断薬は、神経障害性疼痛の一つである抗がん剤誘発冷アロディニアのモデ
ル動物において有意な効果を示すことが確認されています。さらに、膀胱炎モデル動物において、過
活動膀胱に対しても効果を示すことが明らかとなっています。本化合物は、疼痛領域および泌尿器疾
患領域において未充足の医療ニーズに応える画期的新薬として期待されます。
選択的イオンチャネル遮断薬の創製は、当社の主力プロジェクトのひとつです。今回の選択的TRPM8
遮断薬は、当社の強みであるイオンチャネル活性評価を活かした成果であり、今後も多くの治療用途
を有するイオンチャネル創薬を進め、知的財産のポートフォリオの強化・充実に努めてまいります。
なお、本特許査定により、2019年12月期(2019年1月1日~2019年12月31日)の当社業績への影響
はございません。
以 上
<ご参考>
【TRPM8について】
TRPM8は温度感受性イオンチャネルの一つで、28度以下の冷刺激あるいはメントール(ミントの成分)
によって活性化されます。TRPM8の機能に関しては、感覚神経における冷感センサーとしての機能は知ら
れておりますが、その他の機能に関しての報告は極めて少ないのが現状です。当社の所有する選択的な新
規TRPM8遮断薬を用いた研究を進めることでTRPM8の機能やメカニズムがさらに解明され、医薬品の開発に
大きく貢献するものと期待しております。
【抗がん剤誘発冷アロディニアについて】
抗がん剤誘発冷アロディニアは、特定の抗がん剤の使用に伴い生じる感覚異常の副作用であり、通常の
生活における冷刺激(ドアノブや水に触れるなど)を激しい痛みとして感じる症状のことです。抗がん剤
の使用により末梢神経が障害を受けることでこの症状が現れると考えられています。症状が重い場合には
日常の生活に困難をきたし、原因である抗がん剤の減量や使用中止を余儀なくされ、主訴であるがん治療
法の選択肢を狭めることになります。
【特許査定について】
各国特許庁の審査によって「特許権を与える価値がある出願発明である」と判断された場合に示される
評価です。特許査定の後に特許料を納付することによって、登録特許となり、該当する国において特許権
が発生することになります。