4579 J-ラクオリア創薬 2019-09-17 15:00:00
株式会社Epigeneronとの創薬研究に関する共同研究および事業化オプション契約締結のお知らせ [pdf]

                                                      2019年9月17日
各     位
                               会 社 名 ラクオリア創薬株式会社
                               代 表 者 名 代表取締役        谷      直 樹
                                             (コード番号:4579)
                               問 合 せ 先 取締役専務執行役員    河田 喜一郎
                                              (TEL.052-446-6100)



              株式会社Epigeneronとの創薬研究に関する共同研究
                および事業化オプション契約締結のお知らせ

    本日、当社は、株式会社 Epigeneron
                         (本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井穂高、 「epigeneron
                                                 以下
社」)との間で、特発性小児ネフローゼ症候群治療薬※1の創出に向け、新規創薬標的分子の探索段階から
共同で創薬研究を開始する共同研究および事業化オプションに関する契約を締結しましたのでお知らせ
いたします。


    Epigeneron 社は、独自の強みを有する『遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法※2』を駆使して、
根治が困難な特発性小児ネフローゼ症候群の新規創薬標的分子を同定する研究に当社と共同で取り組み
ます。当社は、新たに同定された創薬標的分子についての独占的使用権を得て、当該創薬標的分子に対す
る最適な新規低分子化合物の創出と当該化合物の研究開発・事業化を独占的に実施するオプション権を保
有することになります。


    当社と Epigeneron 社は、本共同研究を通じて、これまでにない医療的価値を創造し、患者様により良
い生活をお送りいただけるようになることを目指します。


    なお、本件による2019年12月期通期業績に及ぼす影響につきましては、2019年9月6日に公表した2019
年12月期(2019年1月1日~2019年12月31日)業績予想に変更はありません。中長期的には、これまで当
社が培ってきた創薬に関する様々な知見やノウハウを基盤として、外部との連携を加速させる取り組みで
あり、当社の企業価値向上に寄与するものと考えております。



                                                           以   上



【参考】
※1
     ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は糸球体基底膜障害の結果、高度蛋白尿、低蛋白血症と全身性の浮腫が起こる。
欧米では、1年間に小児 10 万人に2人がネフローゼ症候群を発症する。わが国では、1年間に約 1300
人が新規発症例として小児慢性特定疾患治療研究事業に報告され、1年間に小児 10 万人に5人が発症す
る。小児ネフローゼ症候群の約 90%は原因不明な特発性ネフローゼ症候群である。
小児特発性ネフローゼ症候群の初発時の第一選択薬は経口ステロイドで、この治療により約 80%が寛解に
至る(ステロイド感受性ネフローゼ症候群)。しかし、その 80%は再発を起こし、そのうち半数が頻回再
発例である。頻回再発型ネフローゼ症候群では、肥満、成長障害、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、副腎不全
等のステロイドによる薬物有害反応が発現しやすい。ステロイド治療に反応しないステロイド抵抗性ネフ
ローゼ症候群の多くは腎不全に進行する。(出展:小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン 2013)

※2
     遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法
遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法は、解析対象細胞の対象ゲノム領域をタグ付けし、当該ゲノム領域
を生化学的に単離する技術であり、対象ゲノム領域に結合している分子を網羅的に同定、解析することが
可能となる技術です。Epigeneron 社は二つの遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法である iChIP法およ
び enChIPを駆使して、遺伝子発現に最も関連がありそうな分子群に対して、病的な細胞と正常細胞にお
ける発現や機能比較、その機能阻害等の解析をすることにより、病態の改善が見込まれ、かつ正常細胞へ
与える副作用が少ない良質な創薬標的分子を見出す研究を進めています。
News Release

                                                  2019 年9月 17 日
                                               ラクオリア創薬株式会社
                                                株式会社 Epigeneron



各位



        ラクオリア創薬とEpigeneronの創薬研究に関する
       共同研究及び事業化オプション契約締結のお知らせ
ラクオリア創薬株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:谷 直樹、以下「ラクオリア創薬」)と株
式会社 Epigeneron(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井穂高、以下「epigeneron 社」)は、この度、
特発性小児ネフローゼ症候群治療薬※1の創出に向け、新規創薬標的分子の探索段階から共同で創薬研
究を開始することに合意しました。

Epigeneron 社は、独自の強みを有する『遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法※2』を駆使して、
根治が困難な特発性小児ネフローゼの新規創薬標的分子を同定する研究に当社と共同で取り組みます。
ラクオリア創薬は、新たに同定された創薬標的分子についての独占的使用権を得て、当該創薬標的分子に
対する最適な新規低分子化合物の創出と当該化合物の研究開発・事業化を独占的に実施するオプション
権を保有することになります。

ラクオリア創薬代表取締役社長の谷直樹は「エピジェネティック※3な現象が病因として疑われている疾患に
対して、新たな医薬品の創製を目指すチャレンジを Epigeneron 社とスタートできることを大変嬉しく思います。
小児ネフローゼ症候群でさまざまな困難に直面されている患者様のお役に少しでも立てるように尽力して参
ります。」とコメントしております。

また、Epigeneron 代表取締役社長の藤井穂高は「治療が困難な疾患に対してファーストインクラスの画期的
な新薬を創出するためにラクオリア創薬と協議を重ねてきました。今般、Epigeneron の保有する遺伝子座特
異的クロマチン免疫沈降法の可能性が評価され、このような提携ができたことを大変嬉しく思います。一日
も早く画期的な創薬標的分子が見出されるよう取り組んでいきます」と述べております。

本共同研究を通じて、これまでにない医療的価値を創造し、患者様により良い生活をお送りいただけるよう
になることを目指します。



                                                          以 上
【参考】
※1
   ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は糸球体基底膜障害の結果、高度蛋白尿、低蛋白血症と全身性の浮腫が起こる。
欧米では、1 年間に小児 10 万人に2人がネフローゼ症候群を発症する。わが国では、1年間に約 1300 人
が新規発症例として小児慢性特定疾患治療研究事業に報告され、1年間に小児 10 万人に5人が発症する。
小児ネフローゼ症候群の約 90%は原因不明な特発性ネフローゼ症候群である。小児特発性ネフローゼ症
候群の初発時の第一選択薬は経口ステロイドで、この治療により約 80%が寛解に至る(ステロイド感受性
ネフローゼ症候群)。しかし、その 80%は再発を起こし、そのうち半数が頻回再発例である。頻回再発型ネ
フローゼ症候群では、肥満、成長障害、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、副腎不全等のステロイドによる薬物有
害反応が発現しやすい。ステロイド治療に反応しないステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の多くは腎不全に
進行する。(出展:小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン 2013)

※2
   遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法
遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法は、解析対象細胞の対象ゲノム領域をタグ付けし、当該ゲノム領域
を生化学的に単離する技術であり、対象ゲノム領域に結合している分子を網羅的に同定、解析することが
可能となる技術です。Epigeneron は二つの遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法である iChIP法および
enChIPを駆使して、遺伝子発現に最も関連がありそうな分子群に対して、病的な細胞と正常細胞におけ
る発現や機能比較、その機能阻害等の解析をすることにより、病態の改善が見込まれ、かつ正常細胞へ与
える副作用が少ない良質な創薬標的分子を見出す研究を進めています。

※3
  エピジェネティクス
「エピジェネティクス」という言葉は、個体発生に関する説の1つである「エピジェネシス(後成説)」と、ジェネ
ティクス(遺伝学)」を起源としています。(中略)エピジェネティクスでは、DNA の塩基配列は変えずに、あと
から加わった修飾が遺伝子機能を調節する制御機構となります。エピジェネティクスは、個体発生や細胞分
化の過程をはじめとして、重要な生命現象における必須のメカニズムです。エピジェネティクスの主要な制
御機構は、DNA メチル化とヒストン修飾です。これらのエピジェネティックな修飾が、何らかの原因で変化す
ると、さまざまな疾病につながることがわかってきています。
(出展:国立研究開発法人 国立環境研究所 https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/59/column2.html)



ラクオリア創薬について
ラクオリア創薬は、名古屋市に研究拠点を有し、最先端の生命科学技術を活用し、医療分野においてニーズの
高い疾患領域での新たな医薬品を生み出す「グローバル創薬イノベーター」を目指す、研究開発型のベンチャー
企業です。独自のオープン・イノベーションから革新的な新薬の種となる低分子化合物医薬を創り出し、製薬会社
等と共同研究あるいはライセンスアウト(知的財産権の使用許諾契約)により、真に価値ある新たな治療薬を患
者さまに届けることをその使命としています。
ラクオリア創薬株式会社の詳細は https://www.raqualia.co.jpをご覧ください。

株式会社Epigeneronについて
2015年4月の創立以来、難治疾患の治療法の開発を目指して、新規エピジェネティック創薬及びその受託サービ
ス等の提供等を行っています。癌や中枢神経系疾患などの難治疾患に苦しむ患者さんに、当社独自の創薬標的
同定系を用いて開発した治療薬をお届けし、健康で充実した生活を送っていただけることを目指すことを企業理
念としています。詳細についてはhttps://epigeneron.com/をご覧ください。


                                 本件に関するお問い合わせ先

      ラクオリア創薬株式会社                       株式会社Epigeneron
      財務・経営企画部門                         経営管理部
      電話:052-446-6100(代表)               電話:03-3527-2119
      E-mail: ask@raqualia.com          E-mail: info@epigeneron.com