4579 J-ラクオリア創薬 2019-08-06 15:00:00
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の欧州における新規用途に関する特許査定のお知らせ [pdf]

                                                             2019年8月6日
各     位
                                    会 社 名 ラクオリア創薬株式会社
                                    代 表 者 名 代表取締役        谷      直 樹
                                                  (コード番号:4579)
                                    問 合 せ 先 取締役専務執行役員    河田 喜一郎
                                                   (TEL.052-446-6100)


             カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の
              欧州における新規用途に関する特許査定のお知らせ

    カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)※の用途に
関して当社が欧州で出願しておりました特許(出願番号10797193.9) これまで審査中でありましたが、
                                    は、
本日、特許査定※の連絡を受けましたのでお知らせいたします。


    今回の特許査定により、P-CABに対して、消化管運動異常が関与する症状を食間伝播性収縮運動(IMC)※
のphase Ⅲ 収縮の発生によって改善する新しい用途が見出され、消化管機能調整剤または消化管運動賦
活化剤として使用する権利が認められました。本特許の権利範囲には、当社が創出したtegoprazan(化合
物コード:RQ-00000004、CJヘルスケア株式会社化合物コード:CJ-12420)の他、vonoprazanおよび
revaprazan等の化合物群を含んでおります。


    P-CABは、アシッドポンプ拮抗薬とも呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌関連疾患治療剤で、消化器疾
患領域で注目を浴びています。また、P-CABは、胃食道逆流症(GERD)※治療薬として現在の第一選択薬で
あるプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なるメカニズムで、PPIよりも速やかにかつ持続的に胃酸分泌を
抑制します。さらに、今回の発明により、消化管機能調整剤または消化管運動賦活化剤としての用途が加
わりました。したがって、PPIでは十分に症状が改善されなかった場合でも改善効果が期待されます。


    当社はCJ第一製糖株式会社(現:CJヘルスケア株式会社、本社:韓国ソウル市、代表取締役:Seok-Hee
Kang、以下「CJ社」
           )との間で、tegoprazanを含むP-CABについて、2010年9月に東アジア地域を対象とし
た開発・販売及び製造の再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しました。
tegoprazanは2019年3月に「K-CABⓇ」として販売が開始され、韓国有数の製薬企業である鐘根堂(Chong Kun
Dang Pharmaceutical Corp.)とのコ・プロモーション活動等により韓国の医療現場に順調に浸透してお
り、売上の増加が続いています。さらに2019年7月には、K-CABⓇに胃潰瘍の効能が追加されました。


    当社は今後も引き続き、P-CABの知的財産の強化に注力するとともに、グローバルなライセンス活動を
展開してまいります。またCJ社との連携をより強固にし、サブライセンス契約支援並びに開発支援を継続
して実施し、tegoprazanによる胃食道逆流症治療の選択肢を広げることで、患者さまのQOLの向上に一層
貢献できるよう努めてまいります。
 なお、本特許査定により、2019年12月期(2019年1月1日~2019年12月31日)の当社業績への影響はご
ざいません。


                                                               以   上


 <ご参考>
 【カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)につい
て】
 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は、胃酸分泌の最終段階を担うH+/K+-ATPase(プロ
トンポンプ)をカリウムイオンと競合的に阻害する、次世代の胃酸分泌抑制剤です。全世界で約2.5兆円
に上る胃酸分泌抑制剤の市場で、PPIあるいはH2ブロッカーに対抗して、大きなマーケットシェアを取る
ことが期待されます。現在、日本ではvonoprazanが、韓国ではtegoprazanおよびrevaprazanが上市・販売
されています。


 【食間伝播性収縮運動(IMC: interdigestive migrating contractions)について】
 食間伝播性収縮運動とは、正常状態の空腹期に胃から肛門側へと伝播していく、協調的な消化管運動収
縮であり、phase Ⅰ 収縮からphase Ⅳ 収縮の4相から成り立ちます。IMCの4相のうち、phase Ⅲ 収縮
は最も強い律動的な収縮運動の相です。


 【胃食道逆流症(GERD:gastroesophageal reflux disease)について】
 胃食道逆流症(GERD)は、食道粘膜障害を有するびらん性胃食道逆流症(Erosive Esophagitis:EE)と
食道粘膜障害の認められない非びらん性胃食道逆流症(NERD:non-erosive reflux disease)を含みます。


 【特許査定について】
 各国特許庁の審査によって「特許権を与える価値がある出願発明である」と判断された場合に示される
評価です。特許査定の後に特許料を納付することによって、登録特許となり、該当する国において特許権
が発生することになります。