4576 J-DWTI 2020-02-18 08:30:00
緑内障・高眼圧症治療剤「K-232」(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩の配合点眼剤)の国内第III相臨床試験開始に関するお知らせ [pdf]

                                                            2020 年 2 月 18 日
各     位
                                   会社名        株 式 会 社 デ・ウエスタン・セラピテクス研 究 所
                                   代表者名       代表取締役社長             日高 有一
                                                       ( コ ー ド 番 号 :4 5 7 6 )
                                   問合せ先       取締役総務管理部長           川上    哲也
                                              TEL    0 52-2 1 8-87 8 5




        緑 内 障 ・ 高 眼 圧 症 治 療 剤 「 K -232」
 (リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩の配合点眼剤)
      の国内第Ⅲ相臨床試験開始に関するお知らせ


    当 社 が 創 製 し た Rho キ ナ ー ゼ( 注 1 )阻 害 薬 で あ る「 リ パ ス ジ ル 塩 酸 塩 水 和 物 」 以
                                                                       (
下、 本物質」
 「     )を 有 効 成 分 と す る 医 療 用 医 薬 品 に つ き 、ラ イ セ ン ス ア ウ ト 先 の 興 和
株 式 会 社( 以 下 、 興 和 」
             「      )が 、緑 内 障 ・ 高 眼 圧 症 を 適 応 症 と す る ブ リ モ ニ ジ ン 酒 石
酸塩 注2) の配合点眼剤の国内第Ⅲ相臨床試験を開始することとなりましたので、
  (
      と
お 知 ら せ い た し ま す 。そ れ に 伴 い 、一 般 財 団 法 人 日 本 医 薬 情 報 セ ン タ ー が 運 営 す る
臨 床 試 験 情 報 を 公 開 す る た め の ウ ェ ブ サ イ ト 「 臨 床 試 験 情 報 」
(https://www.clinicaltrials.jp)に 試 験 情 報 を 公 表 し た と の 連 絡 を 興 和 か ら 受 け
ました。
    な お 、 本 開 発 品 の 開 発 コ ー ド は 、 K -232」 で す 。
                                 「


【試験の概要】
    長期投与試験
      K -232 の 長 期 投 与 時 の 安 全 性 及 び 有 効 性 を 確 認 す る 試 験 で す 。


    比較試験
      リパスジル点眼剤、ブリモニジン点眼剤のそれぞれを比較対照群として、
      K -232 の 有 効 性 を 検 証 す る 試 験 で す 。


    本 物 質 は 、 緑 内 障 ・ 高 眼 圧 症 ( 注 3 ) 治 療 剤 「 グ ラ ナ テ ッ ク Ⓡ 点 眼 液 0.4%( 以 下 、
「 グ ラ ナ テ ッ ク 」 」と し て 、2014 年 12 月 よ り 興 和 が 日 本 で の 販 売 を 開 始 し て い ま
               )
す 。本 配 合 点 眼 剤 は 本 物 質 を 含 む 初 め て の 配 合 点 眼 剤 と し て 、ア ド ヒ ア ラ ン ス の 向
上が期待され、緑内障患者様の治療に貢献できるものと考えております。


    な お 、本 件 に よ る マ イ ル ス ト ー ン 受 領 の 予 定 は な く 、2020 年 12 月 期 の 業 績 に 影
響はありません。
グ ラ ナ テ ッ ク Ⓡ 点 眼 液 0.4%に つ い て
 グ ラ ナ テ ッ ク は 、 興 和 が 2014 年 12 月 よ り 日 本 国 内 販 売 を し て い る 世 界 初 の 作
用 機 序 を 有 す る 緑 内 障・高 眼 圧 症 治 療 剤 で あ り 、Rho キ ナ ー ゼ を 阻 害 す る こ と に よ
り 、 線 維 柱 帯 -シ ュ レ ム 管 を 介 す る 主 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 を 促 進 す る こ と で 眼 圧
を下降させます。
 日本で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者様を対象とした臨床試
験 に お い て 、本 剤 は 、単 独 で の 使 用 及 び 既 存 の 緑 内 障・高 眼 圧 症 治 療 剤 と 併 用 で の
使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されております。



                                                                  以     上



用語解説

( 注 1 ) Rho キ ナ ー ゼ ( ROCK: Rho-associated, coiled-coil containing
protein kinase)
  Rho キ ナ ー ゼ は タ ン パ ク 質 リ ン 酸 化 酵 素 ( プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ ) の 1 つ で あ
り 、 Rho-ROCK 経 路 を 介 す る 多 彩 な 細 胞 応 答 の 制 御 機 構 に 関 与 す る 酵 素 で す 。

(注2)ブリモニジン酒石酸塩
  ブリモニジン酒石酸塩を有効成分とする点眼剤は、アドレナリンα2受容体に
作用し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進により
眼圧下降を示します。緑内障・高眼圧症を適応症とする点眼剤として、米国を始
め と し て 多 く の 国 で 販 売 さ れ て お り 、 日 本 で は 2012 年 5 月 よ り 販 売 さ れ て お り ま
す。

(注3)緑内障・高眼圧症
  緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させ
ることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴
とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患で
あ り 、 日 本 の 中 途 失 明 原 因 の 第 一 位 ( 2005 年 ) と な っ て お り ま す 。 ま た 、 高 眼 圧
症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。
  現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、 眼圧を下降するこ                 「
と」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が
第1選択とされております。