4576 J-DWTI 2019-09-02 15:30:00
Rhoキナーゼ阻害剤「リパスジル塩酸塩水和物」の角膜内皮障害を適応症とした米国における第II相臨床試験のIND申請のお知らせ [pdf]

                                                           2019 年 9 月 2 日
各     位
                                   会社名       株 式 会 社 デ・ウエスタン・セラピテクス研 究 所
                                   代表者名      代表取締役社長             日高 有一
                                                     ( コ ー ド 番 号 :4 5 7 6 )
                                   問合せ先      取締役総務管理部長          川上    哲也
                                             TEL    0 52-2 1 8-87 8 5




           Rho キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 「 リ パ ス ジ ル 塩 酸 塩 水 和 物 」 の
                     角膜内皮障害を適応症とした
           米 国 に お け る 第 Ⅱ 相 臨 床 試 験 の IND 申 請 の お 知 ら せ


    当 社 が 創 製 し た Rho キ ナ ー ゼ( 注 1 )阻 害 剤 で あ る「 リ パ ス ジ ル 塩 酸 塩 水 和 物 」 以
                                                                       (
下、 本物質」
 「     )を 有 効 成 分 と す る 点 眼 剤 に つ き 、ラ イ セ ン ス ア ウ ト 先 の 興 和 株 式 会
社( 以 下 、 興 和 」
       「      )よ り 、角 膜 内 皮 障 害 を 適 応 症 と し た 米 国 第 Ⅱ 相 臨 床 試 験( 以 下 、
「 本 試 験 」 を 開 始 す る た め 、 米 国 FDA( Food and Drug Administration: 米 国 食
         )
品 医 薬 品 局 ) に 対 し 、 IND 申 請 ( Investigational New Drug application: 治 験 許
可 申 請 ) を 8 月 30 日 付 ( 現 地 時 間 ) で 提 出 し た 旨 の 連 絡 を 受 け ま し た の で お 知 ら
せいたします。


    本 物 質 は 、日 本 に お い て は 、緑 内 障・高 眼 圧 症 ( 注 2 ) 治 療 剤「 グ ラ ナ テ ッ ク Ⓡ 点 眼
液 0.4%( 以 下 、 本 製 剤 」 」 と し て 、 2014 年 12 月 よ り 興 和 に て 日 本 で の 販 売 を 開
             「       )
始 し て お り 、販 売 は 順 調 に 推 移 し て お り ま す 。本 製 剤 は 、Rho キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 で あ
ることから、眼内にあるキナーゼに作用する可能性があることが示唆されており、
他眼科疾患への適応可能性が検討されておりました。


    本 試 験 は 、日 本 国 内 と は 異 な る 適 応 症 で 、米 国 で の 開 発( 以 下 、 本 開 発 」
                                                         「        )を 開
始 す る も の で 、角 膜 内 皮 障 害 患 者 を 対 象 に 、そ の 有 効 性 と 安 全 性 を 検 討 す る も の で
す 。な お 、本 開 発 を 進 め る に あ た り 、興 和 は 千 寿 製 薬 株 式 会 社 よ り 本 疾 患 に 関 す る
点眼剤の開発を行うために必要な特許の独占的ライセンスを受けております。


    重度の視覚障害を有する角膜内皮疾患の治療法は、角膜移植しか存在しないの
が現状であり、有効な治療薬の開発が望まれております。


    な お 、本 件 に よ る マ イ ル ス ト ー ン 受 領 の 予 定 は な く 、2019 年 12 月 期 の 業 績 予 想
の変更はありません。
グ ラ ナ テ ッ ク Ⓡ 点 眼 液 0.4%に つ い て
 本 製 剤 は 、世 界 初 の 作 用 機 序 を 有 す る 緑 内 障 ・ 高 眼 圧 症 治 療 剤 で あ り 、Rho キ ナ
ー ゼ を 阻 害 す る こ と に よ り 、 線 維 柱 帯 -シ ュ レ ム 管 を 介 す る 主 流 出 路 か ら の 房 水 流
出を促進することで眼圧を下降させます。
 日本で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者様を対象とした臨床試
験 に お い て 、本 製 剤 は 、単 独 で の 使 用 及 び 既 存 の 緑 内 障・高 眼 圧 症 治 療 薬 と 併 用 で
の使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されております。
 2014 年 12 月 よ り 日 本 国 内 販 売 を 開 始 し て お り 、 2019 年 2 月 に 韓 国 に お い て 承
認されました。興和では更なる海外展開を検討しております。



                                                                  以     上



用語解説

( 注 1 ) Rho キ ナ ー ゼ ( ROCK: Rho-associated, coiled-coil containing
protein kinase)
  Rho キ ナ ー ゼ は タ ン パ ク 質 リ ン 酸 化 酵 素 ( プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ ) の 1 つ で あ
り 、 Rho-ROCK 経 路 を 介 す る 多 彩 な 細 胞 応 答 の 制 御 機 構 に 関 与 す る 酵 素 で す 。

(注2)緑内障・高眼圧症
  緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させ
ることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴
とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患で
あ り 、 日 本 の 中 途 失 明 原 因 の 第 一 位 ( 2005 年 ) と な っ て お り ま す 。 ま た 、 高 眼 圧
症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。
  現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、 眼圧を下降するこ                 「
と」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が
第1選択とされております。